今話はルールがメインです。だいたい原作に合わせてあります。
由佳のクラス移動の騒ぎが一段落すると、茶柱先生から2学期最初のイベント「体育祭」の説明となった。
「本日から2学期だ。9月末、正確には最終週の月曜日は体育祭だ。それまでの1ヶ月は体育祭のために体育の授業が多くなる。今からそれに対応した時間割と体育祭についての資料を配るから目を通せ。」
快感攻めされているときの可愛い声は影を潜め、いつものハスキーで命令口調だ。
全体的にみんな元気だ。Cクラスに上がったこともあるが、このクラスは運動能力の高い生徒が多い。無人島試験や船上試験の頭脳戦とは違い、基本的には身体能力の勝負となる体育祭はこのクラスにとっては得意分野であることがやる気に繋がっている。
「今回の体育祭は全学年を赤白2つの組に分けて勝負する方式を採用している。資料に書かれている通り、お前たちCクラスは白組に配属される。組む相手はBクラスだ。この体育祭の間はBクラスが味方ということになるな。」
つまり、龍園のDクラスと神崎のAクラスが赤組か。
「それでは、体育祭についてルールを説明する。」
・体育祭におけるルール及び組分け
全学年を赤組と白組の2組に分け対戦方式で行われる
内訳は赤組がA-D連合。白組がB-C連合で構成される。
・全員参加競技の点数配分
結果に応じて1位15点、2位12点、3位10点、4位8点が組に与えられ、5位以下はそこから更に1点ずつ下がっていく。
団体戦の場合は勝利した組に500点が与えられる。
・推薦参加競技の点数配分
結果に応じて1位50点、2位30点、3位15点、4位10点が組に与えられ、5位以下はそこから更に2点ずつ下がっていく。
最終競技のリレーのみ上記の3倍の点数が与えられる。
・赤組対白組の結果が与える影響
全学年の総合点で負けた組は全学年等しくクラスポイントが100引かれる。
・学年別順位が与える影響
総合点で1位を取ったクラスには+50クラスポイント。
総合点で2位を取ったクラスのクラスポイントは変動しない。
総合点で3位を取ったクラスは-50クラスポイント。
総合点で4位を取ったクラスは-100クラスポイント。
「ははん。クラスポイントを搾取するための体育祭というわけか。愉快だ」
高円寺の言葉にみんながざわつく。
「自分たちの組が負けると100ポイント引かれる。学年1位で50ポイント貰っても、50ポイントのマイナス。」
ルールを聞いた櫛田が自分たちのクラスの最善パターンを口にした。
「確かに櫛田の言う通り、学年1位をとっても自分たちの組が負けると、クラスポイントが減ってしまうのがルールだ。また、個人的に成果を上げた生徒には個別に報酬が支払われる。」
茶柱先生の言葉にみんなが資料の続きを確認する。
・個人競技報酬(次回中間試験にて使用可能)
各個人競技で1位を取った生徒には5000プライベートポイントの贈与もしくは筆記試験で3点に相当する点数を与える。
各個人競技で2位を取った生徒には3000プライベートポイントの贈与もしくは筆記試験で2点に相当する点数を与える。
各個人競技で3位を取った生徒には1000プライベートポイントの贈与もしくは筆記試験で1点に相当する点数を与える。
各個人競技で最下位を取った生徒にはマイナス1000プライベートポイントのペナルティが科せられる。なお、所持するポイントが1000未満の場合は筆記試験でマイナス1点となる。
・反則事項について
各競技のルールを熟読の上遵守すること。違反した者は失格同様の扱いを受ける。
悪質な行為については退学処分にする場合有り。それまでの獲得点数の剥奪も検討される。
・最優秀生徒報酬
全競技で最も高得点を得た生徒には10万プライベートポイントを贈与する。
・学年別最優秀生徒報酬
全競技で最も高得点を得た学年別生徒3名には各1万プライベートポイントを贈与する。
「これって、体育祭で活躍すればテストの点数が貰えるってことですか?」
成績に不安のある池が質問する。
「そうだ。個別で活躍した生徒には筆記の点数もしくはプライベートポイントを獲得出来るということだ。」
「先生。一番下に書いてある下位10人に与えられるペナルティってどういうことですか?」
櫛田の言葉に全員が再び資料に目を落とす。
・全競技終了後、学年内で点数の集計し下位10名にペナルティを科す。
ペナルティの内容は学年ごとに異なる場合があるため担任教師に確認すること。
「1年生のペナルティは次回筆記試験の10点減点だ。下位10名の発表も含め、詳しくは筆記試験が近づいた時に改めて説明する。」
ペナルティを聞いて一部の運動が苦手な生徒が小さな悲鳴が上がる。
「体育祭で行われる種目の詳細は全てプリントに記載されている通りだ。変更の予定は一切ない。この学校の体育祭は体力、運動能力を競い合うものだから、応援合戦やダンス、組体操などの種目はなく、全てが競技種目だ。」
「……いや、多くない?」
軽井沢と同じく種目の欄に目を通していた生徒からも困惑の言葉が出ていた。
・全員参加種目
100メートル走
ハードル競走
棒倒し(男子限定)
玉入れ(女子限定)
男女別綱引き
障害物競走
二人三脚
騎馬戦
200メートル走
・推薦参加種目
借り物競争
四方綱引き
男女混合二人三脚
3学年合同1200メートルリレー
茶柱先生はそこまで説明すると、1枚の紙を取り出した。
「こちらの参加表に君達で話し合った全ての種目の出場者を記入し、担任である私に提出すること。初めてだと思うが、間違えないように気を付けろ。提出期間は体育祭の1週間前から前日の午後5時までの間で、期日以降の変更は如何なる理由があろうと認められない。提出しなかった場合はランダムに割り振られるから注意しろ。」
「先生、仮に何らかの理由で競技に出場出来ない生徒が出た場合はどうなります?」
「個人競技の場合は最下位として扱うことになる。団体競技――二人三脚や騎馬戦の場合はペア、グループの方も連帯責任として同様の処置となる。が、『推薦競技』のみ1人10万プライベートポイントで変更が可能だ。」
そうして一通り説明した坂上先生は教室を見渡して他に質問者がいない事を確認し、説明の締めに入る。
「他に質問者はいないようなので、これで説明は終了する。残りの時間は好きに活用していいぞ。次の時間は第1体育館に移動後、各クラス他学年との顔合わせを行う予定になっている。遅れずに移動すること。」
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櫛田Side
「今回の体育祭、出場メンバーは実力ベースで決めたいんだけど、どうかな」
体育祭の出場メンバーや出走順を決めなければならない。決める方法はいくつかあるだろうが、このクラスの特性を考えると実力ベースが最もいいはず。
あちこちで勝手にしゃべる声が聞こえてくる。
「あ、あの、櫛田さん。足の遅い人はペナルティの対象になってしまうってこと?」
池が恐る恐る質問する。
「うん。今回は我慢して欲しい。」
今の私に反論できるものはいない。でも、皆が静まり返ったところを突き破る声が出された。
「ちょっと、桔梗、それはないでしょ。」
全員が声の主の方を見る。
「か、軽井沢さん・・」
「出たい競技がある人もいるかもしれない。ひょっとして3位までには入れるかもしれないって思っている人もいるかもしれない。」
そう言ったあと、言葉が続かない。
(ち、軽井沢か。この子、何考えているのかわからない・・苦手だ)
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軽井沢Side
綾小路君から「桔梗の言動に少しでも受け入れられないことがあったら・・・」と言われている。ちゃんとできれば守ってくれるって約束した。今は、Cクラス、いやDクラスのあいつらから守ってくれるだけでいい。そのためにもちゃんとした対価を払わないと。
体育祭の説明が終わって、クラスリーダーの桔梗が「実力ベースで・・」と提案した。確かにこの学校は実力至上主義だ。でも、この提案、ちょっと受け入れられない。いつもの私なら、放っておいた。
「ここだ」
「ちょっと、桔梗、それはないでしょ。」
全員が私の方を見た。
「出たい競技がある人もいるかもしれない。ひょっとして3位までには入れるかもしれないって思っている人もいるかもしれない。」
しどろもどろで、頭に浮かんだ言葉を羅列することしかできない。
「ごめんね、私、頭悪いから、よくわからない。でも、多分、多くの人たちが納得できていないと思う。」
「確かに桔梗が推し進めれば、みんなはついていくと思うけど・・・」
だめだ、私。
無人島試験で桔梗は「反対するなら提案が欲しい」といった。私もそう思った。提案なき反対は単なる文句だ。でも、どういう風にすればいいかなんて、うまく思いつかない。ひねりだせ、なんでもいいから、ひねりだせ
「例えば、希望する競技があれば、その人を優先させるとか・・・」
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櫛田Side
軽井沢さんからの反対の声に私は驚いた。
「多くの人たちが納得できていないと思う」
「みんなはついていくと思うけど」
1学期の中間試験のあとから私のリーダーという立場は盤石なものになっていった。夏休みの特別試験を終わって、私に反論できるものはいなくなった。
「好きなようにできる。」
無意識のうちにそう思い込んでしまったのかもしれない。このままじゃ、破綻するかもしれない、いや、近い将来、必ず破綻する。私は独裁者じゃない。更に言ってしまえば、このリーダーでさえご主人様がいて成り立っているもの。決して私の実力でなしえたものじゃない。
今はリーダーとして何をすればみんなが納得してついてくるのか・・・考えるんだ。
「ありがとう、軽井沢さん。みんなごめん。少し急ぎすぎた。」
わたしはみんなの前で頭を下げた。多分初めての経験だ。ずっと正しいと思ってやってきたから、謝ったことはなった。でも、自然と謝るべきだと感じ、そのまま行動に移した。
でもその後に言葉が続かない。こういう時、取り繕っても窮地を凌げるだけで、後々に余計に厳しい状況に追い込まれることは、いいままでの経験でわかっている。
(どうしたらいい)
その時だった。
「櫛田、俺が思うにまずはみんなの能力を確認してみたらどうだ?そうすれば何に出られそうか、本当に勝てそうなのかがわかると思う。」
須藤だ。困っているときには必ず助けに入ってくれる。
「ありがとう。須藤君。」
「ごめん、さっきの言葉は取り消すわ。須藤君の言った通り、まずはみんなの実力を確認させてほしい。それを見たうえで、参加メンバーをどうするかをもう一度話し合って決めたい。」
「軽井沢さん、ありがとうね。ひとまずこれでいいかしら。」
軽井沢のほうを見ると、おどおどしながらも
「わかった。私はもっとみんなの気持ちを汲んでほしいだけ・・・」
「うん。わかってる。」
ひとまず、雰囲気は戻った。
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その後体育館に集まり、上級生と顔合わせをした。やはり、2年生、3年生はAクラスがずば抜けており、赤組の勝利は間違いようがなさそうだ。
おうちに帰り、清隆、由佳とベッドに転がった。当然部屋着に着替えている。
「体育祭。あまり面白くなさそうだな。何だかんだやっても、最終的には運動能力に依存する。」
「清隆君、裏技的なことはできないということですか?」
「ないことはない。赤白をひっくり返し、クラス順位も操作できたとしても効果は少ないということだ。」
「そうですね。清隆の言うように、ポイントの変動パターンは組で勝って、学年で一番の+50から、組で負けて、学年4位の-200まで。赤白は間違いなく赤が勝つでしょう。私達のCクラスはおそらく学年1位で、-50と言うところですね。」
「学年別だと、1年生は、C櫛田、D龍園、A神崎、B神室の順だろう。そうなると、龍園クラスが±0、神崎クラスが-50、櫛田クラスの-50と神室クラスの―200だな。」
「各クラスのメンバーリストを手に入れて、それに合わせて出走順を調整して・・という作業をしても、その程度の効果しか出ない。基本は静観だな。」
「はい。わかりました。」
9月1日のそれぞれのクラスポイントは
A神崎 1200
B神室 1000
C櫛田 720
D龍園 350
これがそのまま10月も変わらなかったとすると、
A神崎 1150
B神室 800
C櫛田 670
D龍園 350
「神室の話では、龍園クラスは神室クラスを完全サポートするそうです。」
「神室をサポート・・か、神崎を落とすというサポートもあるな。」
「同じ組の神崎クラスを攻撃するんですか?」
「あぁ、由佳、そういう手もあるということだ。赤組の勝利は上級生が勝ち取ってくれるだろうから、そこをケアする必要はないからな。」
「ところで、由佳は運動の方はどうなんだ?」
「多分人並み程度ですね。今のクラスだと、下の方になると思います。前のクラスなら上の方でしたね。」
「それなら、ひとまず安心だな。けがをしないようにな。」
「はい。ありがとうございます。」
「清隆、神室から龍園との話が付いたと連絡がありました。」
「これで龍園クラスはしばらく這い上がれなくなるな。」
「はい。明日には終わるらしいです。」
いろいろとあったが、今日は由佳のクラス移動が認められた記念する日だ。ベッドの上で清隆が由佳を呼び寄せ、抱き締めながら髪を梳いている。
「由佳、おめでとう。」
その日は久しぶりのスローセックス。2人で焦らしながら由佳を思う存分堪能した。
再編集:体育祭の日程を9月最終週の月曜日としました。ポイント変化を10月1日に反映させるための措置です。
何か面白くできる案はないかといろいろ策を練っていますが。。
そもそも運動能力に依存するので、メンバーリストの横流しも効果薄。。。
がんばります。