【推し】のアラサー 作:MEM推し
その日、アクアは黒髪のウィッグをつけて顔の輪郭が歪むほどの大きな丸眼鏡を着けて外出をしていた。服装も地味なものにして土曜日ながら出掛けていた。家族には子役友達と遊びに行くと伝えてとある駅で待ち合わせ。
その相手は、芽衣だ。
彼女もMEMとしてのトレードマークである染めた金髪を隠すように黒のセミロングのウィッグをつけていた。配信で着たことのない薄ベージュ色のパーカーとスカートという無難な格好で、配信でするようなしっかりメイクではなくナチュラルメイクをして身バレ防止をしつつここに来ていた。
一緒に出掛けようと誘われて、芽衣は衣装箪笥をひっくり返した。アクアと出掛けるとなったらどんな服を着ていけば良いかわからなかったのだ。地味な服でとは言われたもののその地味がわからず、配信で着ていない服を買いに行った始末。しかも待ち合わせ時間に遅れることがあったら歳上としてまずいと思って早めに来ればアクアは既に待っていた。
「さ、斎藤君。ずいぶん早かったんだね?」
「待ち合わせ場所の下見とか、この格好じゃわかりづらいかと思って早めに来ておいただけ。じゃあ出掛けようか、芽衣」
「う、うん」
星野という苗字の中学生くらいの子はアクアを連想させるし、アクアなんて直接的な名前はもっとダメだ。マリンは本名を知っている人間には一発でバレるので嫌々だが斎藤の名前を使うことにした。芽衣からすれば本当の苗字だから問題ないだろうと思いもするが、元々斎藤だった男が失踪しているために嫌なのだろうと推察した。
父親が嫌いなんだなと思いつつ、家族と事務所が大変だった時に全てを捨てて失踪していたらそうもなるかと、苺事務所の現状とアクアたちを見ている芽衣は納得する。
芽衣も父親を幼い時に亡くしているので父親という存在を知らないという意味ではお揃いだった。
そして小さい頃からアクアが父親役を演じて稼ぐしかなかった状況だったと知り、この子はどれだけ抱え込んでいるのだろうと考えてしまう。
四歳で事務所の稼ぎ頭になるしかなかった。
家事も手伝いつつ、勉強も欠かさず学校に行かずとも問題ないくらいの知識を持っている。
そして演技にも貪欲で、五反田のところに行って今でも勉強を続けている。もう知らない人がいないような俳優なのに、まだ先を目指せると歩みを止めない。
自分が中学生、それよりも前の小学生の時はどうだったかと考えて酷い子供だったなと思い出したのでそれ以上の思考は辞めた。
二人は神奈川県の海辺へ遊びに来ていた。東京湾周りでは海で遊ぶようなこともできず、アクアは海で撮影をしたことはあっても遊んだことがなかったのでどんなことができるだろうと楽しみにきた。水着は買っていないが、遊びはかなりできると思った。
前世で水辺で遊ぶ時は大体バーベキューになってしまい、水辺そのもので遊んだ経験がなかった。他に何ができるのだろうと思いつつ、観光名所を巡ったり、お土産屋を巡った。
二人の変装は完璧なようで、誰も声をかけてこない。周りからは中学生カップルが遊んでいるようにしか見えないだろう。
午後からは付近の水族館に行く予定だ。今世になってから行ったことのなかった水族館にちょっとだけ楽しみを隠せずにいながら食後のコーヒーを飲んでいると、窓の外を歩くアロハシャツの人間が気になった。
その男はサングラスをかけていて、髪は染めた金髪。40代のいい歳をしたおじさんが釣り竿とクーラーボックスを持って歩いていた。その姿は休日に釣りを楽しむおっさんだが、その顔に見覚えのあったアクアは立ち上がる。
財布から万札を置いて、芽衣に謝る。
「悪い、ちょっと出てくる。ここで待っててくれ」
「え?あ、斎藤君⁉︎」
アクアはバッグを持ってその男性を追いかける。幸い、目当ての男性はのんびりと歩いており、俳優の仕事のために鍛えているアクアなら簡単に追いつける距離だった。
その男に追いつき、アクアはその人物の腕を掴んだ。いきなり掴まれた男性は怪訝な表情をして、問いかける。
「おい、坊主。何の用だ?」
「……そうか。僕の顔を見てもわからないか。もう芸能プロの社長でもないから仕方がないな。斎藤壱護」
「ああ?何で俺の名前……って、お前、まさか……!」
「書類上の息子だよ。話がある。人目がないところで話そう」
アクアは養父である壱護を路地裏に呼び出す。誰もいないことを確認して、改めて話を切り出した。
アクアとて、この男と長く話すつもりはない。だからバッグから必要な物を取り出して目の前の男に突き出した。
バインダーに挟まれて、ペンまで付属された紙は。
「離婚届だ。記入しろ」
「は?……ああ、ミヤコのやつか。お前、普通はこの十年どうしてたかとか聞くもんじゃないのか?」
「興味ない。僕の用件はこれだけだ。早くしろ。まだ母さんに未練があるわけじゃないだろ?それならそれで軽蔑するけど」
アクアがそう言いながらバインダーを突き出していると、壱護はアクアの胸倉を掴んできた。その理由がわからなかったが、アクアは一応言い分を聞くことにする。
「お前、ミヤコのこと母親だと思ってるのか?お前の母親はアイ一人だろう!いくら小さかったとはいえ、本当の母親を忘れたって言うなら、俺はお前を許さねえぞ!」
「忘れてなんかない。アイもミヤコも母親だ。どこかの誰かは育児放棄してどこかに消え去ったけどな。……本当の母親も、育ての母親も大事にしているだけだ。わかったなら、さっさとそれを記入しろ。それで二度と僕たちの前に顔を出すな。そうすれば失踪したことを僕は許してやる」
「母親が殺されたんだぞ⁉︎何で仇を取ろうとしねえ!あのストーカーだけにあんな犯罪ができたわけねえだろうが‼︎」
「本当の父親が黒幕かもしれないって話か?」
「……わかってんじゃねえか」
彼の推理と一致していたのか、アクアの胸倉から手を離した。
アクアには目の前の男が哀れに思えた。
妻を捨てて、夢を捨てて、仕事も責任も捨てて。愛娘のように思っていた少女一人の復讐も十年ほどかけても成果が全く出ていない。
だからアクアは平坦な声で、淡々と伝える。
「復讐は勝手にやってくれ。僕たちを巻き込むな」
「は、ぁ……⁉︎またお前たちが狙われるかもしれないんだぞ⁉︎他人に殺人を犯させて、自分はのうのうと隠れ潜んでる奴だ!そんな危ない奴を放っておくのか⁉︎」
「放っておけないから芸能界で成り上がるしかなかったんだろうが!子供が金を稼ぐなら芸能界しかない!危なくないように金で物理的にルビーを守るしかないだろ⁉︎あのマンションは住所が割れた、なら引っ越すしかない!なのにアンタがいなくなって、会社もちゃんと相続しないで誰が僕たちの生活を守るんだよ⁉︎アイの残された遺産は少ない、養父のアンタはどっかに消えた!なら子役だった僕が稼ぐしかないだろう⁉︎」
復讐を否定したらキレられたのでキレ返した。
実の父親に殺される以前に路頭に迷って死にかねなかったのだ。今を生きるのに必死で、誰かに殺されないような物理的なセキュリティを作り出さなければならなかった。そんなセキュリティ面を強化するにはアクアの芸能界の稼ぎが必要だった。
まず守れる環境を作った上でアイからのDVDを見て、復讐なんて考えるのもバカバカしくなり、ルビーとミヤコの周辺を守るためにお金を稼いでいるところだ。
それに俳優を続けるのも楽しくなってきた。
復讐なんて今更証拠もほとんど集められないだろうから無駄だと考え、向こうが動いて来ない限り無視するようにしている。
「ああ、そうさ!アンタはアイの復讐を最優先にした!妻のミヤコよりも、アイの忘れ形見の僕たちよりも、アイを優先したのなら勝手にしろって言ってるんだ‼︎残された人間のことも考えられないのなら、アンタに夫も父親も名乗らせない。さっさとそれに記入して僕たちを解放しろ!」
「お、お前は悔しくないのか⁉︎実の母親が殺されたんだぞ⁉︎俺はお前たちの安全も考えて、アイを殺したクソ野郎をぶっ殺そうと……!」
「だからっ!それをやるのなら斎藤壱護個人でやってくれ!斎藤ミヤコの夫で、苺プロの社長の立場でそれをやって良いと思ってんのか⁉︎もうアンタは社長じゃない、あとは今も残ってる婚姻関係だけだ……!復讐を止めはしないから、まっさらな状態でやれよ!それで金輪際僕たちに関わるな!それが誠意ってものだろ‼︎」
アクアは一刻も早くこの男から離れたかった。だが、まだこの男にミヤコは縛られている。夫婦関係を解消しなければ復讐を実行した際にこちらも被害を被りかねない。
だからアクアはミヤコの身を綺麗にするためにこの離婚届を忍ばせていた。壱護の方から接触してくる相手に選ばれる可能性が高いのはアクアだと思っていたからだ。
絶対にアクアは彼に協力などしない。この十年近く、どれだけミヤコとルビーが苦しんできたか見てきたからだ。そうして放っておいたくせに何の成果も挙げていない。最初から期待していなかったが、無気力になっているか復讐をしようとしているかの二択で復讐を考えていて今日この場で見付けた事実が、アクアには都合が悪かった。
ここは東京の隣県だ。そんな場所で活動していてはいつかミヤコとルビーに鉢合わせしかねない。それに復讐の方法で一番短絡的な殺し返すというのが非常にマズイ。もっと穏当な方法もあるのに、殺すことしか考えられない彼はいつか危険なことをしでかす可能性がある。
なら、そのことを仕出かした時にこちらは無関係だったと言える証拠がなければ今度こそ苺プロは終わりだ。
アクアの怒声に、怒りの剣幕に恐れをなしたのか、壱護は離婚届に必要な項目を埋めていく。内容を確認したアクアはバインダーごとバッグにしまった。
「……最後に一つだけ。アイの出産について、アンタが誰にもバラしていないのなら、あの頃アイと関わりのあった人間が怪しいだろ。犯人にしろ共犯にしろ、その辺りは調べたのか?結局父親が怪しいのも推測でしかない。担当医だった人も失踪してるらしいけど、その人だって殺されてるかもしれない」
「雨宮先生が?」
「そんなことも調べてなかったのか?どこから考えても怪しいだろ。……さよなら」
「……目星はついてんだよ。共犯は……」
アクアは最後の言葉は小さすぎて聞き取れなかった。この場を離れるために早足で去ったからだ。
路地裏を出ると、芽衣がいた。しかも目線を右往左往している。
ああ、聞かれたか。それくらいの感想しかなかった。
「芽衣。ちゃんと話したいから今日は帰らないか?」
「……うん。そうだね」
帰りの電車は二人とも無言で、朝待ち合わせをした駅で降りるまで目線も合うことはなかった。そのまま誰かに聞かれるわけにもいかないので芽衣の家へ。そこでアクアは全てを話した。
実の母親はアイだということ。実の父親は不明ということ。斎藤親子は里親で、ミヤコにほとんど育てられたこと。アイはストーカーに殺されたが、そのストーカーがどうやって引っ越したばかりの新居を特定できたかわからず、アイにそれなりに近しい人間による共犯者がいるのではないかと疑っていること。
それらの理由から、元B小町や実の父親が怪しいと考えている。ただアクアはその復讐をするつもりはなく、今度はストーカーのような凶悪犯に怯えなくても良いように芸能界で仕事をしていること。
全てを聞いた芽衣は、ふ〜と息を吐いてから人差し指で額を抑えていた。
「……ルビーちゃんへの既視感の正体はそれかあ。見覚えはあるのにはっきりしなかったけど、それは言えないね……。でもそろそろ他の人も気付くんじゃないかな?髪色で誤魔化せるのは今だけだよ。もしあの子の言うようにアイドルになっちゃったら……」
「間違いなくバレる。だから隠し通せるのはルビーのデビューまでだ。バレた時はバレたで良いんだよ。今のアイは一昔前にアイドル界隈でちょっと話題になった悲劇の人だ。アイドルオタクや業界人でもなければ一般知名度は低い。そのアイドルが十六歳で子供を産んでいたとしても、今更だろ」
「聞けば聞くほど無茶してるね……。でも、隠れ二世タレントも多いんだし、公表さえしなければ実はどうにかなっちゃうかも?」
「バレた時の対策はミヤコがしてる。僕も名前を売りすぎたし、アイドルはルビーの夢だ。どうすべきかは考えている」
芽衣は双子の容姿が整っている理由と、ミヤコにあまり似ていない理由を知って納得していた。血の繋がりがないのだから似ているはずがない。
前にアクアが芸能界で働く理由を聞いていたが、所属事務所の稼ぎ頭ではなく、実の母親が被害を受けていたら必死にもなるだろう。その子供らしくなさに、大人になって家族の中で父親の役割をせずにいられなかった少年を想って芽衣は涙を流す。
アクアが前世で何か悪いことをしたのか。そんな考えが思い浮かんでしまうほど、今のアクアがいたたまれなくて、本人を前に泣き出してしまった。
アクアは涙に気付いてハンカチを取り出してそっと拭う。泣かせるつもりは、本当になかった。ただ壱護との会話を聞かれたら話すしかなかったのだ。
「芽衣が泣くことはないだろ」
「……アクアは、ちゃんと泣けてる?悲しい時は泣かないと。いつか君が壊れちゃうよ……」
「前に監督のところで泣いたよ。ミヤコさんだって大変で、慣れない社長業を頑張ってたし、ルビーはアイにかなり懐いてた。アイがいなくなった時に一番悲しかったのはルビーだ。僕が泣いている暇なんて──」
言葉の途中でアクアは芽衣に抱き締められた。まだ涙を流したままの芽衣は、嗚咽を零しながらもアクアを優しく抱き留める。いきなり抱き締められたことにアクアは反応ができず、驚きが顔を支配していた。
「一番とか、暇とかって話じゃないんだよぉ……!悲しい時は悲しいって言わないと、溜め込んでいたものが溢れて君がアクアでいられなくなるの!君がルビーちゃんもミヤコさんも大事なのはわかってる、けど、その二人のためにアクアが無理をしてたら今度はあの二人が悲しむって、何でわからないの⁉︎」
「……監督にも、似たようなこと言われたよ。参ったな。これでも結構打ち明けてたつもりなんだけど……。足りないか」
「全然だね。こんな盗み聞きするような酷い女にしか言えてない時点で、ダメダメだよ」
アクアの自己評価が低いとか、客観視できていないというような言葉はたまに貰うが、それでも今の芽衣の言葉にはさしものアクアでもカチンときた。
芽衣の肩を掴んで自分から離して、芽衣の涙で赤くなり始めた目を見据えて怒る。
「芽衣のどこが酷い女なんだ?さっきだって僕が心配で来てくれただけだろう?僕が好きになった女の子がそう卑屈だと困る」
「……へっ⁉︎す、好きぃ⁉︎アクア、それって、むぐぅ⁉︎」
言い切る前にアクアは芽衣の唇を塞ぐ。前回家に来た時にあれだけのことをしておいて二人は初めてのキスだった。アクアは芽衣の頭をしっかりと腕で抱き留めながら何度もキスを繰り返す。
芽衣は初めてのキスに、そして何度も求められるという快感に表情が段々と蕩けていった。
何分キスを続けてたか。舌まで入れるような濃厚なキスをした二人の間には銀色の橋が架かっていた。アクアのキスはあまりにも芽衣が気持ち良くなるツボを押さえていて、初めてで蹂躙された芽衣は息も絶え絶えだった。
アクアは前世での経験をフルに用いて芽衣へ快楽を提供していた。
「好きな女の子じゃないとこんなことしないけど?」
「わ、私、すっごく歳上だよ?そ、それに恋愛とか、したこともないし……」
「関係ない。芽衣が良い。こんなに僕に親身になってくれる優しい女の子のことを好きになったんだ。芽衣じゃないとダメなんだ」
「アクア……」
今度の近付けてくるアクアの唇を、芽衣の方から受け入れた。二人が抱き合いながらのキスは段々と激しいものとなり、その激しさからお互いの体が反応をし合い。
もう二人とも、我慢できるような状態ではなかった。
ベッドに移動して、二人とも上で膝をつきながらお互いの衣服を脱がして行く。その際にもアクアがキスを唇だけではなく体のあちこちにするために、その度に芽衣は身悶えていた。
産まれたままの姿になった時、アクアはリュックサックからある赤い箱を取り出す。芽衣はその箱を見て準備が良すぎると苦笑。
「アクたん、どこでそんなの買ったの……」
「この前の大阪で」
アクアは慣れた手つきでゴムを装着する。もう膨張しているアクアのペニスの大きさに、芽衣は不安が募る。
この前の時も感じたが、アクアのそれは大きすぎる。ちゃんと入るのかが不安だった。
アクアが芽衣の秘所へ手を伸ばす。挿入する時に痛いと全てが台無しになる。指で触れてみると既に十分なほど濡れていた。これなら大丈夫だろうとアクアはペニスをそこに当てた。
「芽衣。痛かったら僕にしがみついて良いから」
「うん……」
アクアはゆっくりと挿入していった。ミチミチと音が聞こえながら芽衣の体を支えて、そして処女膜を破った。芽衣は痛みによる悲鳴を隠さず、膣から溢れる血をアクアがティッシュで処理していく。芽衣はアクアの背中に手を回して痛みに堪えるように抱き締めて、アクアも迫る快楽と背中に爪を立てられる痛みに耐えながら行為の続きはしなかった。
芽衣が大丈夫だと判断した瞬間、アクアは我慢していた分の快楽を求めて動き出す。芽衣の表情を見ながら腰を突き立て、体中を触り、キスをしながら奥を目指してこすり続ける。芽衣のアソコからは愛液が止めどなく溢れ、ぴっちりと締め上げてくる膣の感触を味わいながらアクアの動きはだんだん早くなっていく。
「あ、んっ!アクア、アクアぁ!」
「芽衣、大丈夫?痛くない?」
「良い、のっ!我慢し、ないで!んう、初めて、だけど、ちゃんと……気持ちいい、から!痛くなんか、ないよ?」
「芽衣っ‼︎」
腰を掴んで、アクアはとにかく奥まで突き込む。もっと喜ばしたい。愛の沼に落としたい。そんな一心で芽衣へ快楽の味を教え込む。奥が良いのか、手前が良いのか。調査をしながら芽衣の滴る汗を舐めたり、胸の谷間に頬を寄せたり。だがそれはアクアの方も我慢が効かなくてどうにか誤魔化そうとしている変態的な行為だった。
過去の経験もあってアクアは先に射精したくない。だが芽衣の締め上げに全然我慢できなかった。
どうにか芽衣より我慢しようと色々と体勢を変えてみる。正常位だけではなく、後ろから攻めたり、ボディタッチを多めにしたりして、とにかくアクアが攻めた。
その途中で芽衣は奥よりも途中を擦る方が好きだとわかり、そこを重点的に攻める。芽衣は初めての快感だったからか早々にされるがままだった。
「ん、ああっ!アク、アぁ!もう、無理無理……!何か来ちゃう……!動き、止めて……!ん、あ!声、止まんな……!ひうっ!アクアの、また、膨らんで……⁉︎あ、そこ、ダメ!こんなに敏感になったことない……!アクアに触ら、れると、どこでも反応、しちゃうっ!あ、奥、届いてるぅ!」
「芽衣、ヤバイ。もう射精しそう……!」
「熱いぃ……!逆上せそう……っ!アク、アの、ずっと硬いよぉ。呼吸、しづらい……。あ、またおっきく!限界なの……?わた、しも、もう、だめぇ……!このまま、熱いの、膣中に、ちょおだい?」
「ハァ、んん!芽衣が、ここまで小悪魔だなんて知らなかった……!」
「そうだよ……?角を着けてるのは、伊達じゃないんだから……!あ、待って!いきなりそんな、激しくしたら……!私も、イク!イっちゃう!こ、こんなはしたないお姉さんで、ごめんねぇ……!あ、うんっ⁉︎は、おっ、ああああああああああああああ⁉︎」
芽衣の締め付けが激しくなるが、それでもアクアの腰の動きは変わらない。奥を目指して抽送を繰り返す。
芽衣は喘ぎ声を抑えられず、お腹の奥が刺激されて呼吸が乱れる。額からも体からも汗が飛び散り、それが一層芽衣を艶めかしくさせる。
「あ、ああっ!アクアのぉ、ゴム、あるの、にぃ!んっ、はぁ、あん!すっごく熱くて、自分の体が、自分のじゃない、みたい……!おっきすぎて、お腹裂けそう……!」
「痛い?無理なら……」
「やめないで!私を、アクアの女にして!ちゃんと、君に、愛して欲しいの……!」
「……っ!芽衣、好きだ!愛してる!芽衣の、全てが欲しい!ぐ、うぅ!」
「あああああっ♡ん、はぁ……ん!ア、クアの熱いのぉ、ドクドクって感じるよぉ……〜っ!」
芽衣の膣の締め付けが一気に来て、その上で盛大に潮を噴き出していた。その締め付けにアクアは根元から快感に襲われて、少し遅れる形で射精する。
ゴム越しとはいえ膣中に出される感触を受けて、芽衣は声にならない悲鳴を上げた。アクアも久しぶりすぎるセックスに溜め込んでいたものを長々と出し続けた。
ビュルル!という音が聞こえるほど精液が出る。ゴムは中で膨らんでいき、それが子宮を何度もノックした。射精された事実と一気に膣に出された精液の量と熱さに芽衣は脳が明滅する。ペニスだって熱かったのに、それ以上の熱さのものが体に入ってきて、その未知の感覚に芽衣は気絶しかけた。
以前体にかけられた時も熱いとは思っていたが、膣で感じることはまた別の感覚だった。そしてゴム越しで良かったとさえ思う。
もしこんなものを生で浴びていたら、妊娠していたのではないかと思うほどの衝撃だった。
アクアがゆっくりとペニスを抜く。精液が溜まったコンドームは芽衣の中で引っかかったもののちゃんと抜けて、アクアは口を縛ってティッシュに包む。アクアの汚れたペニスも、シーツについてしまった愛液も、芽衣の花園もティッシュで綺麗にしていくが、射精した後だというのにアクアのそれはまだ天井を向いていた。
その元気さに、芽衣はトロンとしながらアクアに問いかける。
「も、もしかして一回じゃ満足できなかった?前が特別だったとかじゃなくて……?」
「悪い。多分僕の性欲が強い。芽衣は初めてだったんだし、無理はさせたくない」
アクアはそう言って芽衣の隣に寝転ぶ。そしてそのままキスをした。激しいものではなく、軽く触れ合うだけのキス。
それが芽衣を労っているとわかって心の奥がキュンとしたが、声には出さなかった。まだ夕方ということで今から帰ればミヤコたちに怪しまれることはないだろうとアクアが考えていると、カラスが窓の外にいることに気付き、カァと鳴くと飛び立っていった。
あのカラス、見てたのかとアクアは少し青褪めるが、超常の存在に何を言っても無駄だ。恥ずかしがって何かを言ったら餌を与えるだけだと思い、アクアはこのまま芽衣と戯れることにした。
体を綺麗にするためにお風呂に入って、夜になったばかりの時間に帰るとミヤコに出迎えられた。ただいまと平静を装って言ったが、アクアの匂いが気になったのか、くんと嗅がれる。そして気付いたのか、アクアのことを引っ張り、自室へ連れていかれた。
「……アクア?どうしてあなたからMEMと同じシャンプーの匂いがするのかしら?」
「鋭すぎないか?母さん」
「……MEMと付き合ってるの?」
「うん。あとこれ、たまたま会ったから手に入れてきた。離婚届」
「は⁉︎」
ミヤコは息子の恋模様のことが気になったが、それ以上の爆弾が届いたことでミヤコは渡されたそれを穴が開くほど見てしまう。内容にも不備がなく、これを提出すれば離婚ができそうだった。
肩に乗っかっていた重荷が取れそうで、ミヤコは椅子の背もたれからズレて、深い溜息をついた。
「……アイツにどこで会ったの?」
「神奈川。アイの復讐をするって」
「結局、アイツにとっての一番はアイだったわけか。……これ、ありがと。芽衣とのことは隠しなさい。彼女が公表している高校生でも中学生のあなたが付き合ってたら不味いんだから、実年齢を知られたらどうなるかわかってるわね?今後もMEMと会うならせめて制汗剤とかで匂いを誤魔化しなさい」
「ああ。気を付ける」