既婚のショタジジイエルフ(寡男)を天国の細君から寝取る話 作:足洗
オリジナル:ファンタジー/恋愛
タグ:R-18 R-15 ボーイズラブ ファンタジー エルフ ショタ 少年 純愛 おにショタ
冒険者の男は竜を倒し、その腹の中から細君の形見である髪飾りを見付けて持ち帰る。
長年連れ添った愛妻の死に生きる気力を失くして空虚に笑うエルフ。それを前にして、突如として冒険者の男が豹変する。
「存外、腕が立つじゃねぇか。若造」
煙草臭い部屋だった。
嗅ぎ慣れない臭気。おそらく売り物の葉ではない。自家栽培の草を調合したのだろう。
エルフはその多くが薬学、薬用植物学に秀でている。
部族はもちろん、各家々で独自の効能の薬や療法を備え、大抵は秘匿する。その為か、他種族の者からすればそれらは呪法、妖術の類と看做され忌み嫌われるのでますます秘匿性ばかりが増していく。
そんな事実を、ふと思い出した。
「ふー……正直期待はしてなかったよ。成否じゃなく、受ける奴がいると思ってなかった。こんな阿呆みてぇな依頼を」
「古竜は厄介だ。気性次第で村どころか国を滅ぼす。討伐する意義はあった」
「はっ、人間らしい自分達本位な言い様だな」
そして今、目の前の揺り椅子にだらしなく座り、だらしなく開けた口から煙を吐く少年もまた、例に漏れぬ。その名にし負う知識と技術を持ち合わせている。
「……まあ、礼は言っておいてやる」
血色を疑う白い肌、一本一本金を細く延べて作られたような輝彩を放つ髪、なにより横髪から長く伸びた人ではあり得ぬその尖った耳が。
美しい少年、少年にしか見えない亜人、人ならぬ人、エルフであった。
薄い色の唇に煙管の吸い口を当てて、黄金の瞳がこちらを値踏みする。
「ふ、ただ巣に行って物を探してくるだけでよかったんだ。わざわざ巣の主を相手取ることもなかったろうに」
「依頼の品が巣の宝物溜めになかったから、おそらく腹の中にあるんだろうと踏んだ。まあ、巣に入り込んだ人間を竜が許す筈もない。戦ったのはただの成り行きだ」
「そうかい」
冒険者らしからぬ間抜けな顛末にエルフは笑うでも呆れるでも小馬鹿にするでもなく、生返事を寄越す。
彼の関心は既にこちらにはない。あるのは。
その視線が撫でるのは丸テーブルの上、敷かれた布巾の上に鎮座するミスリル製の髪飾り。精緻な茨の彫金細工。散りばめられた宝石は、素人目にも特級の品質と神秘が見て取れる。なるほど竜が好んで腹に収める訳だ。
「昔、妻に送ったやつなんだ。そう、百年以上、いやもう、二百年くらい前だったかな。ふふ、物持ちのいい女でさ」
ぽつりと少年は虚空に向かって呟いた。感情の色の乗らない声。茫洋と定まらぬ視線が向かう先はきっと、過去のどこかなのだろう。
「竜は我々にとっては天象だ。古来から、人も亜人も魔物も手出しできない神に最も近しい生物。我々エルフはかの種を畏れこそすれ、憎むことも愛でることもない。ただあるがまま、なされるがまま、その到来を受け入れよと教わる。要は、天象に何されたって仕方ない、ってな」
「……」
「そうか……あれは、食われていたか」
エルフはそう吐息をこぼすように言った。それから随分時間が経った。煙管から紫煙が伸びる。きっとそれは焦げ付いた燃え滓になっていて、もう喫めない。
「……ん、あぁ、報酬の話だったな」
今思い出した、あるいは今ほど微睡みから覚めたような、気の抜けた声。
少年はバツの悪い様子で俺を見上げる。
「悪いが、その、金はないんだ。成功するとは思ってなくてだな。巣の様子を見たらさっさと逃げ帰ってくると思っていた。というか冒険者って連中は普通そうするだろう。危ない橋渡らず楽して儲けてぇって輩の吹き溜まり共だ。ギルドに出した依頼だって前金受け取っちまえば後はいくらでも不精できる内容だったし……」
「……」
「あ、いや、支払う意志はあるんだぜ? ただ金銭の用意がないってだけで。そうだ。この家にある物、持って行けよ。金に換えれば見合う額にはなる筈だ」
「いいのか」
「ああ、構わねぇよ。なんでも好きにしろよ」
「……なんでも」
「うん、だって、もうオレには必要のないものだから」
いっそ晴れやかに少年は、笑った。
中身のない表情、色の抜け落ちた、空っぽの、芸術品めいて精緻で綺麗な貌で。
何も残っていない。
彼は喪い、そしてこれから全て捨てる。捨て去ってしまう。
そんな気がした。
いやきっと、そうするだろう。確信する。
その美しい顔が、あまりに儚くて、切なくて。
俺はひっそりと奥歯を噛み締めた。強く、軋むほどに。
「この家にある“もの”なら、なんでも?」
「ああ、どうとでも、好きにしていい。遠慮すんなよ。そうだ、なんなら薬作ってやろうか? 人間は好きだろ、クスリ。一吸いするだけで夢心地にしてやる。なにもかも忘れて、ぱぁっと」
「……」
決定打だった。よりにもよってこの人の口からそんな言葉を聞かされるとは、自分でも思いもよらなかった。
怒りにも似た悲しさで、頭がどうにかなりそうで。
歩み寄る。板張りの床を踏み抜かんばかりに鋭く革靴が鳴る。大股に部屋を跨ぎ越し、その面前へ。少年を見下ろす。
────あぁ、俺が貴方を見下ろしている。
不思議そうに俺を見上げる顔立ちの可憐さが全身の血の流れを変えた。速く激しく、急き立てる。
「え」
煙管を奪ってテーブルの煙草入れに放る。
その手首を掴んで椅子から無理矢理立ち上がらせた。なにほどの力も要らずその細身はこちらの腕力に従う。
「お、おい、なんだよ」
「報酬を、決めた。あんただ」
「は?」
「あんたを貰う。好きにする」
「い、いや、ちょっと待て」
待つつもりなどない。聞く耳も持たない。
床に組み敷いた段階でエルフはようやくこちらの暴挙の意味を悟って抵抗らしいものを見せたが、既に遅い。
そんなものは許さない。
「やっ、やめろ! 糞! 正気かてめぇ!?」
「あんたよりは、な」
「んんっ!?」
口付ける、というより貪り付く。小造な唇に己の荒れたそれを被せ、舌を捻じ込んだ。
「んぶっ!? ん、ふっ、んんっ!」
縮み、奥に引き籠る小さな舌を絡め取り、舐め回した。逃さず、放さず、転がしなぞり、味わう。
彼の唾液は甘かった。錯覚なのだろう。けれど、生まれてから口にしたどんな酒より彼のそれは、甘美な味がした。
小さな歯、歯列の隙間、葉の付け根、茎、そうして最後に上顎の裏側、天井のあたりを舐め上げる。
「んふぁっ!?」
そこが最も敏感なことは誰しも自らの舌で試せばわかること。けれど、それを他人の舌で確かめられる刺激と驚きはなかなか体験できまい。
「んん、ふ、ん、ぃ、ん……」
少年はきつく目を閉じて口内凌辱に耐える。羞恥か苦痛か、それとも快楽でか、雪のような肌は赤く染まっていた。
小さな舌を吸い上げる。
彼の全身はもはやそれだけで震え上がった。
涎の糸が一筋垂れて、切れる。
眼下では、ようやく呼吸する許しを得た少年が溺れた仔犬のように激しく息を乱していた。憐れを誘うまでに、愛らしく。
「はぁっ、はぁっ、この、やろ、く、はぁ、はぁ……!」
「……」
「っ!?」
シャツを左右に引き裂いた。菓子の袋を破くように。
実際、今この手にあるのは極上の甘露には違いない。
「はっ、ぁ、う、なんで」
「契約」
「だ、だからって」
「抵抗するならすればいい。噛むなり引っ掻くなり、いや、魔術で俺の頭を吹き飛ばすこともできるだろう、あんたなら」
「糞っ、調子に乗るんじゃ……!」
「俺は、それでも構わない。あんたに殺されるなら、別に文句はない。もともとあんたに拾われた命だ」
「は、はぁっ? どういう、意味だよ」
「……」
俺は答えなかった。
代わりに、曝け出された体に目をやる。眩しいほど白く、滑らかな肌。雪のようだと重ねて思う。新雪の平原、薄く筋の張った隆線が描く細工物。雪原に二つ、野苺より小さな粒がある。
ゆっくりと脇から肋骨、腹を撫でた。
微かな震えを指先に感じる。体温が高い。
「くっ、ふ……んぁ!」
乳首を掠めた瞬間、一際甲高い声が上がった。
きゅっと結ばれた唇。こちらを睨む目。それらに抑止力は皆無だった。むしろ助長する。この身の何もかもを。
全身に隈なく口付けていく。雨を降らせる心地で、あますところなく印を刻む。
「く、は、ぁ、あん、んん」
漏れ出る美しい吐息と美声を耳で楽しみ、舌で乳輪の周りをなぞった。円を描く。
「は、ぁ、ぁあんっ」
乳首を吸うと、苦悶は遂に嬌声に変わった。
びくびくと快楽の痺れが少年の全身を伝っていくのがわかる。
切なげな瞳が虚空を、天井を、そして俺を見詰める。
乞うている。許しと、“次”を。
まず、少年の下履きを下ろした。既に勃ち上がっていたそれは、彼の体のどの部位よりも血色に富んで、鮮やかに膨れている。
「はぁ、はぁ、はぁ……ぁ……」
濡れた鈴口から垂れた汁を掬い、塗り広げていく。揉み込めば揉み込むほど、手の中が泡立つまでにそれは溢れ返っていく。
彼の両手首は片手に握って頭上に置いた。少年らしい腕力しかない彼が抵抗したところで俺は片手の握力のみでそれを封じることができるだろう。
けれど、もう彼は申し訳程度の抗いしか示さない。
それは無理からぬことなのだ。
同じ男であればこそ理解できる。
押し迫った射精感。出したいという強烈な欲動を抑えることなどできない。したくない。
「ぁ、あ、あぁ、ん、ひぃ、だ、だめ、で、でちゃう、から」
「そのまま、出せ」
「あっ、あぁ……んっ……うっ、く……!!」
噴き出す。
手の中に熱く。火傷してしまいそうだ。
ちかちかと黄金の瞳の奥で火花が散っていた。背筋を弓なりに逸らし、ぴんと爪先が伸びきって、がくがくと震える。何度も、何度も。
何度も、俺の手は彼の多量の熱情を受け止めた。
「────っ、はぁっっ! はぁっ! は、はぁはぁはぁ! はぁ、はぁ……」
少年はようやく快楽から解放され、荒く呼吸を乱した。
激しく暴れる心臓の鼓動が耳を近づけなくとも聞こえてくるようだ。
俺は、彼の息が整うのを待たず口付けた。鼻息が頬を打つ。苦しげに、けれど、少年は顔を逸らして逃げることもしない。
差し込まれた男の舌を受け止め、こちらに合わせてそれを絡め、こちらの求めに応えた。
「……っっ!?」
彼の大量の精液を手に、そこに、少年の身体の最深部の入り口に塗り込める。ぐちゃぐちゃと表層、穴、その皺の一本一本に浸透させるように。
両足を閉じようにも、間に割って入った俺の体が邪魔で、彼には無防備にそこを晒す以外為す術はない。
ゆっくりと指を沈める。絞られた茶巾の口を押し広げるように。
抵抗感は少ない。彼の精液が潤滑剤としてとても優秀なお陰だ。
「んんっ、んっ、んあぁ! や、や、そこ、そんな、広げない、でぇ……!」
言葉とは裏腹に、彼の穴はすんなりと俺の太い指を咥え込んだ。
暖かな肉の宮。中の襞をゆっくり、ゆっくりと刺激する。探す。
「あ、ひゃんっ!?」
しこり、のような感触に触れ、その瞬間少年の一際大きな嬌声が家中に響き渡った。
それをあえて無視して、指を増やす。二本、ゆっくりと出しては入れ、ほぐし、割り広げ、二本が馴染んだなら三本、同じように。
繰り返し、ゆっくり、繰り返し、繰り返し繰り返し。
少年の腹で先走りの液体が溜まりを作るほど繰り返した頃。
そっと指を引き抜いた。
「はぁっ、ぁ、んっ……」
瞳は光を失い、天井をただぼんやり見上げている。
刺激を与えるまでもなくびくびくと痙攣する細い体。ぴくぴくと怯えるように震える彼の赤々とした張り詰め。
それらがもたらす熱波は既に俺の忍耐の限度を軽く超えていた。
とうの昔から下履きを突き破らんばかりに怒張した己のモノを取り出す。
少年の、ほぐれきった口にそれを当てがう。
俺は彼を見た。朧な視線で彼も俺を見上げた。
「だ、だめ……」
「……」
「だ」
ゆっくりと、しかし容赦なく突き入れる。
本来の用途とは裏腹に、それは異物を喜んで迎え入れた。電撃のような歓喜に打ち震えながら。
「あ、あ、ぁ」
「っ、あんたは、渡さない」
「そこ、やだ、だめ、そこ、今、突かれたら……ぁ」
「死人になんて、連れていかせてたまるか……!」
一突きする度、腹の間で彼のものが熱く液体を迸らせた。
精液なのかそうでない何かなのか、それすらわからなくなるほど。
床で、ベッドで、壁際で、彼の体は軽く、細く、儚く、抱え上げてどのようにでも扱えた。
テーブルの髪飾りを彼の迸りが汚す。
亡き人、彼の愛した人、あの綺麗な女性の美しい髪を飾ったもの。
覚えている。
貴方を、貴方達を。
幸福そうに二人、寄り添う姿を。
優しかった貴方達の姿に、俺まで幸せになれた。淋しさなんて忘れていられた。
「あんたは覚えてないでしょうね……」
「……ぁ、え」
「余所者の孤児なんて厄介者でしかない。村のやつらには毎日死ぬほど殴られて、実際その日死にかけてた俺をさ……あんたが助けてくれた。よく効く薬で。本当に、魔法みたいに治してくれたんだ」
「へ……ぁ……」
「まあ、俺も随分でかくなったから。人間って、成長が早いだろ」
それは懺悔なのか、言い訳なのか。
「あぁ、この世界には、こんな糞ったれな世界にも、こんなに綺麗な人がいるんだって……」
「……」
もうわからない。
救われて欲しかった。俺を救ってくれた分まで、その優しさが報われて、幸せでいてくれればそれで、それでよかったのに。
「あんたはもう俺のものだ」
「……こん、な、ジジイに、なに言ってんだ……」
汚されきった筈のその顔に、今、それでもどうしようもなく綺麗な笑みを浮かべる貴方。
貴方を俺は。
俺は。
「……バカなやつ」
俺は、放さない。