しっかり目を通させてもらっています。
R-18小説なのに一話目にエロシーンが無くてもあれだけ評価いただいたのは、期待していただいている証拠とプラスに考えました。
今回からエロ増えていきます。
コメントでも頂いていましたが、あの人もです。
2025/4/9 追記
最後辺りの傍点をつける多機能フォームがイカれてました……。
ナミのベルメールさんの呼び方も含めて修正しております。
誤字訂正、ありがとうございます。
「んっ、はぁ……あぁっ! じゃ、ジャックハート様ぁあっ! イク、イグぅぅうううっ!」
「く、ぁ……! 射精すぞ、カリファ……!」
「は……いぃ……! い、イッ……くぅうっ! はぁああっ、あぁあんっ!」
ジャックハートの精液が、カリファの膣奥に並々と注がれていく。
マリンフォードから"東の海"へと向けた航路にて、毎夜男女の肉と肉のぶつかり合う音が響いていた。
「はぁ、はぁ……。く、ふぅ……。もうダメだ、でねぇ」
「お疲れさまでした、ジャックハート様。お掃除を失礼いたします」
「あぁ」
「ちゅ、ん……じゅろろろっ!」
身体を重ねること、実に三回戦。
みっちりと愛を確かめあった後は、秘書による主への掃除という名の奉仕の時間である。
「ぐぷぅ……ちゅぽっ! すっきりいたしましたか?」
「ばっちり。いつもありがとうな、カリファちゃん」
「はい……」
二人の体液に塗れたジャックハートの肉棒を咥え、尿道の奥に残った精液を丁寧に吸い出すカリファ。
鈴口から唇を離した後の彼女の頭をジャックハートが優しく撫でると、目を細めるのだった。
「ジャックハート准将っ! 報告になります!」
事後を、もしくは4回戦目を楽しもうとしていた二人の元に、ノックが鳴る。
ドアの向こうから聞こえてきたのは、上官であるジャックハートでも聞きなじみの無い声。
即ち、末端の部下による航海の状況報告であった。
「なんだ」
「まもなくローグタウンに到着しますので、上陸の準備をお願いいたします!」
「分かった。すぐ準備するから、お前たちも整列しておけ」
「はっ! かしこまりました!」
閉じられたままの扉の向こうから、部下の足音が離れていく。
「悪ぃなカリファちゃん、着いちまったらしい。シャワーとその後のベッドでの二回戦分はお預けだな」
「寂しいですが、仕方ありません。シャワーを浴びてお着替えをいたしますか?」
「シャワーはいい。さっき一緒に浴びたし、壁に掛けてる制服と一緒にカリファちゃんの
そう言ってジャックハートが視線を移した先にあったのは、他の壁や天井の色と比べて少し濃くなっている一角。
ジャックハートの海兵の制服や、"正義"の白いコートが掛かっているその一角は、とある理由で水が滴っていた。
「なぁっ! せ、セクハラです! 私は潮を噴きたくて噴いている訳では……!」
「ノリノリでセックスしてんだろ、いつも。てか、辺り一面に潮まき散らす方がセクハラだぞ。それに、腰へこへこさせながらめちゃくちゃ気持ちよさそうにしてたし」
「く、うぅ……! わ、私をこんな身体に調教したジャックハート様のせいです……」
「それがお望みだったんだろ?」
顔を赤くしながら、既に乾いたジャックハートの着替えを手に取り、彼に手渡すカリファ。
脱がす時はプレイの一環として脱がし合いをするが、仕事に向かう直前に、服を着せ合うことはしない。
「今日はカリファちゃんにも来てもらうぞ。持ってもらいたい荷物があるんだ」
「かしこまりました」
「後、仕事途中だし、ローグタウンでラブホ見つけても誘わないからな」
「承知いたしました。ですが、ジャックハート様の寵愛を受ける準備はいつでもしておきます」
「ん、それでいい」
ベッドの上で座り続けるカリファの前で、アンダーシャツやその上のシャツ等、上半身に着る物を身につけていくジャックハート。
「……カリファちゃん」
「何でしょうか」
「俺が着替えてんのにまだ着替え始めてすらないってことで、誘ってんのは分かってるんだわ。何しなきゃいけないか、分かってるよな?」
「はい。では、失礼します」
制服に袖を通し、ゆっくりとボタンを留めていく。
着々と準備を進めるジャックハートの陰嚢を左手で軽くさすりながら、カリファの右手がまだ主張を続けるジャックハートの陰茎を包んだ。
「手がよろしいですか? それとも、口で?」
「口で」
「承知いたしました。ちゅっ、んぐ、ぐぽっ……!」
彼の短すぎる指示に従い、カリファの柔らかい唇が鈴口に吸いつく。
その後、結局3回ほど彼女の喉奥で射精するまでじっくりと楽しむこととなり、再度部下に呼び出しを食らうのであった。
◇
ローグタウン。
東の海かにおける偉大なる航路への玄関口と言っても良い島にある町であるそこは、多くの島民達で賑わっており、数年前と比べて遥かに人が増えていた。
「人が多いな。いわゆる
「確か、偉大なる航路に挑む実力は持ってないものの、とりあえずロジャーの処刑台を見るためにこのローグタウンに来てみた、という海賊達の俗称でしたよね」
「あぁ。まあ取るに足らん雑魚どもだ。放っておけ」
「よろしいのですか?」
「何かすりゃあ"覇王色"ぶち込めば一発だろ、こんな奴ら。それにここの支部の奴らがちゃんと仕事してるかの見回りでもあるんだから、支部連中に対応させとけばいい」
現在街を歩いているのは、ジャックハートとカリファの二人だけ。
部下たちには別行動を命じており、今頃ローグタウンに駐在している海兵と合流している頃だろう。
ではなぜ、二人だけで街の中を歩いているのかというと。
「さぁ、いらっしゃいいらっしゃいっ! おっ、そこの姉弟! どうだい、新鮮な魚が入ってるよ!」
「……どうも。これは、どの辺りで獲れたもので?」
「"凪の帯"じゃない方の港あるだろ? そこで獲れたもんさ。そっち側には海王類が少ないからな。筋肉より脂肪が多い魚になってんだ」
「少し、高いのが気になるな」
「あぁ……。そりゃ申し訳ねぇ。だが、ウチ以外のとこも大して変わらねぇさ。短期間だが、ちょいと漁獲量が減っちまっててな」
「というと?」
市場を歩くことによる、街頭調査である。
今のジャックハートの恰好は、海兵の白のズボンに、上は
カリファに至っては海兵の制服は着用しておらず、手には一着の
事情をよく知らない人間が見れば、単に仲の良い、買い物に来た姉弟にしか見えない構図となっている。
「なんだ、あんたらそんなことも知らないのか。……実はな、最近ここら辺りに
「……げふっ、失礼。魚人が?」
「あぁ。ってなんだ、姉ちゃん。飲みすぎか? 弟もいるんだから気をつけなきゃいけねぇぞ?」
「……はい」
「ケハハ。で、おっちゃん。魚人の海賊って、どんな?」
魚屋の店主との会話の最中、ふと胃に溜め込み過ぎたものが、思わずゲップとして出てしまったカリファ。
近くで嗅げば強烈な匂いを放ったであろうそれは、彼女が手で口元を抑えたお陰で他の人間に広まることは無かった。
「何でも、"偉大なる航路"を逆走してきた魚人の一味らしくてな。はた迷惑な話だよ。奴らが潜って海戦しちまうから、魚たちが逃げちまうんだ」
「なるほど。では、その魚人の海賊たちはまだこの近辺に?」
「そこまでは知らねぇさ。ここの海兵たちも、てんで話にならねぇしな」
「……何?」
「ジャックハート様、覇気を抑えてください」
会話を続ける中で、思わず漏れ出そうになる覇気をカリファの小声が納める。
"東の海"での人事権などは現在のジャックハートにはない。
だがそれでもやはり、元帥直々に与えられたほぼ休暇のような仕事先で、直属ではなくても自分が属している組織の部下が話にならないとくれば、思うところもある。
「いやぁ、一応いるにはいるんだ、派出所みたいなとこもあるしな。けどまあ、見ての通り賞金首にもならないチンピラみたいな奴が増えすぎちまっててよ。みんなそいつらの対応に追われてんだ」
「なるほど。じゃあさっき言ってた魚人の海賊の対応なんてのは」
「出来てねぇだろうなぁ。聞けば奴ら、銃も刀もよっぽどじゃないと効かねぇらしいしな。俺らも海で会わねえように気をつけてんだ」
だが、ローグタウンの実態としてあったのは、その土地柄特有のものになる人員不足だった。
"偉大なる航路"への入り口に近く、かつ海賊王の死刑台もあるということで、ローグタウンだけでなく近海にもそもそも海賊が多く。
ちょっとした揉め事を起こすチンピラたちまでカウントしていると、それだけで海兵たちが足りなくなるのだ。
「魚の漁獲量とかから、その魚人の海賊たちが居そうな場所は分かるのか?」
「まあ、大まかにはな。"偉大なる航路"から来たんならリヴァース・マウンテンの方面じゃねぇし、"凪の帯"にも用はねぇはずだ」
「となると、順当に逆走する方向ですね」
「恐らくな」
店主との会話の最中に、脳内に叩き込んでいた海図を引き出すジャックハートとカリファ。
点在する島々の中で、海賊が辿り着きそうな場所の候補が、一つあった。
「コノミ諸島辺りか」
「なんだ、この辺の地理知ってんのかい」
「ちょっとな」
「あんたらが何でそんなに魚人の海賊たちのことを知りたいのか知らないが、どうだい。その魚人たちから逃げた魚、要らないかい?」
ジャックハートが導き出したのは、大きな一つの島ではなく、小さな島々で構成されているコノミ諸島。
魚人という種族の性質上、すぐに海に出られる環境というのは、拠点に最適だろう。
「あぁ、色々と情報を話してくれたしな。貰おう」
「ありがとよっ! 何にしようか」
「どれも美味しそうだしな。カリファちゃん、金に余裕は?」
「全て購入しても問題ないかと。ですが、保存期間もありますので」
「なら、これはどうだい。食べればお肌もどこもかしこもふにゃふにゃとろとろになっちまうトロトロと、クセになる匂いが特徴だが、一匹食べれば三日三晩、朝昼晩常に元気になるイカクサイカっ!」
「じゃあ、それ貰おうか」
「毎度っ!」
話をしてもらったお礼という意味で、店主から勧められた魚とイカを購入。
袋に入れられたそれをジャックハートが持ち、店主に会釈をしたカリファが後に続く。
「いかがなさいますか、ジャックハート様」
「ここの奴らへの
「はっ」
その言葉と同時に、カリファは抱えていた白い"正義"のコートのポケットに入っている子電伝虫を取り出した。
「総員、船に集まってください。出航です」
◇ ◇
それからしばらくして。
コノミ諸島にある"ココヤシ村"に、悲劇が訪れていた。
「シャハハハハッ! 大人一匹10万ベリー、子供一匹5万ベリーだ! 何度も言うが、払えねぇ奴は殺す!」
「こ、これが毎月……!?」
「何か、文句か?」
「い、いや……! 何でも、ない……」
人の交流が多く、"魚人海賊団"が"東の海"を逆走し始めているという情報が漁師の間で出回っていたローグタウンとは違い、このココヤシ村では海賊の動きに機敏性は無く、上陸を許して初めて彼らの存在に気づいていた。
「さて、じゃあ見落とすところだった離れの民家に向かうとするか」
突如として訪れた魚人の海賊たち。
最低限の武器はあっても、まともに戦闘訓練を受けていない島民では反抗の意思を見せることすらできない。
「まずい……! ベルメールの奴、20万も持ってるか……?」
「分からん……。が、恐らくは……」
大人一人につき10万ベリー、子供は5万ベリー。
その奉貢を納められないものは殺すと言われたココヤシ村の住民だが、
そんな中、魚人たちに聞かれないように声量を落として会話をしている島民たちの話題の中心をなっているのが、
「無い、だろうな……! クソ、もっとベルメールのとこのみかん買っておくべきだった……」
「ふざけている場合か。と言っても、我々にも今後ナミかノジコの分を簡単に肩代わりする余裕は無いのが事実……」
その一家の構成は、養母ベルメールと、娘二人のノジコとナミの三人家族。
村全体がそれほど裕福という訳でもないココヤシ村の中でも、競合が多いみかん農家ということもあり稼ぎは少なく、貧乏家族ということで有名になってしまうほどだった。
「さて、ここか」
「っ! 着きおったか……!」
ベルメールの家にゆっくりと向かっていた魚人たち。
彼らを尾行していたココヤシ村の駐在、ゲンゾウと数人の島民の顔が一気に強張る。
「ゲンさん。一応、海軍への救難信号は出しておいたぞ」
「うむ。だが、"東の海"にいる海兵たちに、奴らを捕らえられる力があるか……」
「それに、今すぐ来てくれねぇと、ベルメールが……!」
魚人たちの力は噂程度ではあるが知っている。
さらに彼らは海賊。
殺す、というなら本当に殺してしまうだろう。
「邪魔するぜ」
魚人たちの親玉なのだろう、ギザギザの長い鼻が特徴的な魚人がベルメールの家の玄関に手を掛ける。
瞬間。
下から伸びた一本の脚が、魚人の身体を押し倒した。
「雰囲気で分かるわよ。これでも、一応は軍人でね。"偉大なる航路"の海賊、それも魚人がこんな村になんの用?」
「シャハハ。活きの良い女だ」
身体を一回転させながら細身の脚で魚人、アーロンを押し倒した彼女こそ、この家の主であるベルメール。
不意を突かれ、地面に背をつける形となったアーロンの首に脚を掛け、用意していたライフルの銃口を彼の口に押し当てる。
「だが、分かってねぇな」
「何をだ!」
「下等種族と俺たちの力の差を、だ」
「っ、な、何っ!」
男と女。
元軍人であるベルメールにとって、男女の性差というのは分かっているつもりだった。
だからこそ、上下の体勢で優位を取っていても、口の中に銃口を入れていても油断はしていなかった。
だが、彼女の想定はあくまでも
金属すら簡単に嚙み砕いてしまう、魚人相手には彼女の想定が及んでいなかった。
「退いてもらおうか、下等種族。金払えねぇんなら、死ね」
「まずっ……!」
魚人による、圧倒的な膂力。
仰向けに大の字になって寝転んでいる状態から、上に乗っている自分の重さをまるで感じていないかのように、簡単に起き上がるアーロン。
押しのけられるような形で思わず体勢を崩してしまうが、すぐに整え臨戦態勢を整える。
「女だが、他の村人と比べればいくらか
「このっ!」
「痛い目見なきゃ、分からねぇらしい」
銃としての役割を失った
彼女に一歩、また一歩とアーロンが近づく。
「腕の一本、へし折れば気がつくか」
彼女の頭にアーロンの腕が伸びた、その時。
「そりゃ、てめぇの話か?」
「ガァッ!?」
ベルメールの頭上から声が聞こえた瞬間、アーロンが数メートルほど大きく吹き飛ばされた。
「えっ、な、何……?」
「海兵です。遅れて申し訳ありません」
「ハァ、ハァ……ッ! か、海兵だぁ!?」
「あぁ。お前らの相手は後にしてやる。お姉さん、動けますか? 動けるなら、あそこの駐在さんと同じところに固まっててください」
「あ、あぁ。ゲンさんっ!」
「ベルメール! あぁ、良かった……!」
目の前から魚人の巨体が吹き飛ぶという事象に、茫然とする一同。
そんな中、アーロンを吹き飛ばした下手人であろう人物の声掛けにより、ベルメールはひとまずアーロンの脅威から逃れることが出来た。
「シャハハハ。なんだ、海軍ってのは随分と人手が減ったらしいな。こんなガキすら雇ってるとは」
「そのガキに蹴り飛ばされてんだろ、お前」
アーロンを蹴り飛ばした海兵の背丈はかなり低い。
羽織っている白いコートの裾が地面についてしまい、引きずる不格好な姿となっている。
「ベルメールさん!」
「ベルメールさん、大丈夫!?」
「ノジコ、ナミ! 大丈夫、大丈夫だから……!」
「か、海兵が来てくれたとは言え、あんな子どもが……。か、勝てるのか……?」
少し離れた所では、みかん畑に隠れる形で先ほど避難したベルメールが自身の娘たちと再会を果たしていた。
一方のアーロンたちも、奉貢の回収よりも、自分たちに敵対する目の前の子どもの方が優先事項となったようで、一団全員が一人の海兵に視線を注いでいた。
「自己紹介が遅れた。ジョー・ジャックハート海軍本部准将だ。以後よろしく」
「ほ、本部准将だと!? こんなガキが!?」
「ガキガキうるせぇよ。……駐在さん。女性と子どもにあまり見せるものではないので、移動が難しいなら目と耳を塞いであげてください」
「あ、あぁっ!」
ジャックハートを取り囲む魚人海賊団の船員たち。
いつ襲い掛かられてもおかしくない状態で、ジャックハートは至って冷静にみかん畑の影で、抱きしめ合うベルメールとノジコ、ナミの三人を守るように盾となっていたゲンゾウに声を掛けていた。
「よそ見してんじゃねぇぞ、ガキが!」
視線を送ったことで死角となった背後から、一人の魚人が襲い掛かる。
いくら海軍本部准将とは言え、相手は子ども。
魚人である自分たちと比べた時に、力には雲泥の差があると思っていたのだろう。
「遅ぇよ」
「なっ! か、片手で、俺の剣を……!」
「そういやさっき、下等種族だの力の差だの言ってたよな」
「ぐぅっ、イッ! 手、手首、イデデデデえぇっ! おれ、折れるぅっ!」
「大した努力もせず、産まれた種族に与えられる特権のことを力の差っていうのか、魚人の間では」
「グギャァァアアッ!」
ぐしゃり、と。
ジャックハートに切りかかっていた魚人の手首が握りつぶされる。
握りつぶして尚、ジャックハートの右手に込められる力が弱まることはない。
「や、やめ……!」
「止める訳ねぇだろ。途中まで悠長にしてたが、"東の海"に魚人はシャレにならねぇ。みたところ、"能力者"もいねぇみたいだしな」
「ガ、アアァアアっ!」
「ど、同胞っ!」
みちみち、と肉が離れていく音。
魚人たちにとっても、唯一その光景を目にしているゲンゾウたちでさえも信じられない光景が広がる。
「つまりは、
「お待たせいたしました。はい、問題ないとセンゴク元帥から言伝を頂いています」
「そうか」
カリファから受け取った黒い手袋を両手につけ、なじませた後で一本の刀を受け取る。
「う、おおおぉぉおおっ! 野郎ども、かかれぇぇえっ!」
「ご武運を」
ジャックハートを取り囲んでいた魚人たちが、一斉に襲い掛かる。
カリファが一瞬にして姿を消したため、残ったのはジャックハートただ一人。
「という訳で、皆殺しだ」
鞘から、剣が抜かれた。
◇ ◇ ◇
「申し訳ございませんでした。海軍の不手際で、もっと早くに捕まえられていたはずが、こんなことに」
一時間後。
船から直接"
「あ、頭を上げてくれ! こちらとしては確かに上陸は許したし、ベルメールに至っては後一歩のところまでいったが、結果的には助かったんだ」
「まあ、確かにこんな村まであんな奴らが来るのもどうかと思うけど、そういう時代だしね」
海兵の一団の先頭で頭を下げるジャックハートに対し、ココヤシ村側で先頭に立つのはゲンゾウとベルメール。
ベルメールの足にはノジコとナミがしがみついているが、彼女たちは口を一文字に結んで、ジャックハートを見ていた。
「それに、来てくれたのが海軍きっての麒麟児。未然に防げなんて言えないさ」
「そ、そんなに有名なのか、彼は」
「あぁ。今でも辞めた私のとこにも情報が入ってくるぐらいにはね。入隊から半年、僅か8歳で本部准将とか、聞いたことないよ」
「は、8歳ぃっ!?」
元海兵のベルメールの口から出た衝撃の情報に、住民たちの表情が驚愕に染まる。
そんな中、彼女の足元の少女二人の表情だけは違っていた。
「わ、私より年下だ……」
「ナミより年下で、あんな海賊たちを倒しちゃうなんて……」
自分たちと同年代でありながら、圧倒的な強さで海賊たちを蹂躙した。
目は強く瞑っていたし、耳はベルメールや他の大人たちに塞がれていたため詳細には分からないが、次に目を開けた時には全て事が片付いていたのだ。
「「すごい……!」」
「ってことで、私の娘二人を惚れさせちまった責任は取ってくれる?」
「まだ毛も生えてねぇガキだろ」
「あんたが言うか」
「毛は生えてねぇがヤることはヤってる。なぁ、カリファちゃん」
「セクハラです。えぇ、本当にセクハラですジャックハート様」
今回のアーロン達の襲撃については、巻き上げていた金品は全て返却。
追加の補償としていくらかが海軍から住民たちに渡り、かつ近辺をパトロールする海兵たちの
「なんだ。そっちのあんた、てっきりこの子の秘書みたいなもんかと思ってたけど、そういう関係?」
「……秘書
「ふぅん。ちなみにさ、もうこの後ってすぐ帰っちゃうの?」
「あぁ。さっきガープに連絡したら、"東の海"での再教育プランを考えて実行に移すっていうから、すぐに戻ってこいって。いくらかマシな、ローグタウンの海兵が今こっちに向かってきてるみたいだから、そいつらがしばらくは見回りをするらしい」
元海兵かつ、彼女のラフな話し方がそうさせるのか、ジャックハートも砕けた口調で話を続ける。
ジャックハートのココヤシ村での役割は終わった。
とんぼ返りにはなるが、このままマリンフォードへと直行する。
「ならさ、この子たちを連れてってやってくれないか?」
「えっ!?」
「ベルメールさん!?」
「特にこの子、ナミにはね、夢があるんだ。その夢を叶えるには、ちゃんとした教育が受けられるとこにいた方がいい。子ども二人の面倒ぐらい見てくれるでしょ?」
「あぁ」
ベルメールの唐突な申し出に、今度は彼女の娘であるノジコとナミが驚く。
住民たちも驚いてはいるが、彼女の口から出た内容に反対意見を言えずにいた。
「ノジコ。あんたもナミをサポートしながら、自分のしたいことを見つけな」
「で、でも!」
「ベルメールさんは!?」
「行きたいのは山々だけどさ。みかん畑もあるし、それにあんたらには将来のやりたいことがあるだろうけど、私にはもう、ね?」
「やだ! ベルメールさんと一緒がいいよ!?」
住民たちと海兵たちはベルメールが敢えてノジコとナミを突き放そうとしている理由が分かっている。
無論、今回のことがあったためだ。
「家族三人でなければ、許可できないな」
「え?」
「駐在さん。この一家が三人とも村を出て行って、何か困ることは?」
「……少し、村全体が寂しくなるくらいか。安心しなさい、ベルメール。みかん畑は私たちでもしっかりと世話を続ける」
「そうか。マージ、みかんの木を何本か、持って行かせてもらう。準備を」
「はっ!」
対するジャックハートの回答はただ一つであった。
「ちょ、ちょっと! 何を勝手に……!」
「勝手に娘二人を引き離そうとする親に言われたくないな。この二人を引き取るなら、あんたも一緒だ。やることが無いってんなら、マリンフォードでみかんを売れ」
「それに、二度とここには戻ってこれないという訳でも無いんだろう?」
「ちょ、ちょっとゲンさんまで!」
「あぁ。行き来に数日必要にはなるが、俺も恐らく定期的に"東の海"には来ることになるだろうしな。必要とあれば、いつでも顔は見せられる」
「だ、そうだ。ベルメール」
ベルメールとノジコとナミ。
自分たちの今後の生活を考えても、もう少し豊かになるところで生活したいという気持ちもある。
だがそれでも、ココヤシ村の住民には良くしてもらっていた。
「海兵も今まで以上にパトロールを増やしてくれるとのことだが、今回のようなことが絶対に起きないとも限らない。ノジコやナミの将来のことを思う、お前の母としての気持ちも分かる。だがそれなら尚更、お前も着いていかせてもらいなさい」
「ゲンさん……」
「改めて、三人の答えを聞かせてもらっていいか」
二人の子どもを抱えている上に、彼女の一家は稼げていない。
ココヤシ村に残りたいという気持ちと、ナミとノジコと一緒に暮らしながら、裕福な生活を送らせてあげたいという気持ち。
その気持ちに、答えが出た。
「私は、"世界地図"を書くための勉強もしたいし、ベルメールさんと一緒にいたい!」
「あたしも、ベルメールさんと一緒にいたい! ナミみたいに何がしたいっていう夢はまだないけど……」
「良い、のかな。ゲンさん」
「行ってきなさい。ココヤシ村は、いつだってお前たちの故郷だ」
「っ、ありが、とう……! 私も、連れて行ってもらっても、いいかな……!」
「あぁ」
三人の回答としては、一家揃ってマリンフォードに引っ越すというもの。
と言っても、希望があれば"凪の帯"を通ってすぐに戻れる距離である。
「お転婆だが、よろしく頼む」
「もちろんだ。みかんの木の移し替えや世話の説明もあるし、出航はもう少し伸ばすことになるな」
「助かるよ。ごめんねゲンさん、こんなことになっちゃって」
「構わんさ。ノジコもナミもまだまだお前が必要なんだ、ベルメール」
ジャックハートとゲンゾウとベルメール。
三人の会話が終わると、諸々の準備のため住民と海兵は再びココヤシ村へと戻っていった。
「あれ、ベルメールさん?」
「行かないの?」
「先行っといで、ナミ、ノジコ。私はこの人とお話があるから」
「分かったっ! 行こ、ノジコ!」
「うんっ!」
ゲンゾウも続き、その後ろをナミとノジコが追いかけようとし、彼女たちの足が止まった。
後ろを振り返ると、ジャックハートとベルメールの二人が並んでいたのだ。
ジャックハートの隣には既にカリファもおらず、マリンフォードへの引っ越しに向けて何か話すことがあるのだろう。
「ホント、ありがとね。あの子たちだけじゃなくて私まで……」
「まあ、事情が事情だ。それに、あのナミって子の測量技術は既に正式に給料を渡せるぐらいの能力だ。生活も夢も、今よりうんと良くなるだろ」
「そっか。……ちなみになんだけど、私たちの住むところってどうなるの?」
「用意できるまでは女子寮か、俺の家だ」
ベルメールが気になっていたのは、これからの生活の面。
貧乏が理由で今までノジコとナミにはひもじい思いをさせていたし、今回のような、いざという時のお金すら用意出来ていなかったのだ。
「家賃とかは?」
「ある程度の補助はあるが、少しは給料から天引きされる形だ」
「天引き、ねぇ……」
そう独り言を零し、ジャックハートに熱い視線を送るベルメール。
今までの会話の内容からして、いまいちこの場に二人で残ってまで何を離したいのか、要点を掴めていなかったが、ようやく分かった。
「手元の金を残しておきたいなら、お前の身体で払ってもらうぞ」
「っ! なん、で……。私の考えてること……」
「ケハハハ。魚人に殺されかけて生き延びて。種を残す本能が働いてんだろ」
要は、金の工面を言い訳にして、抱いて欲しいというもの。
自身の命が絶望的な状況で命を救ってもらった相手に対して、ベルメールの眠っていた雌の本能がうずいたのだ。
「年は?」
「その……カリファって子よりは大分上よ。この前30になったとこ」
「年行ってりゃ抱いてもらえねぇとでも思って、怖気づいてたのか。カリファちゃんより乙女じゃねぇか」
「そ、それ、は……」
ジャックハートがベルメールに近づく。
同年代のナミやノジコと比べれば高い身長でも、ベルメールと比較するとまだまだ低い。
大人と子どもの範疇の身長差で見上げられているのだが、感覚的には同じ背丈、もしくは見下ろされてすらいる気分になる。
「安心しろ。お前とあの子たち二人分の家賃、食費、光熱費。その他諸々の給料じゃ足りない分。全部お前の身体で払ってもらう」
「あっ……」
「俺がお前に求めるのは簡単なことだ。カリファちゃんを見てこの発想に至ったんなら、何をすればいいか分かるか?
「分かってるよ、ジャックハート
ベルメールが屈み、ジャックハートの唇に自らの唇を重ねる。
舌を絡ませはしない簡単な接吻をし、笑みを浮かべるジャックハート。
「ケハハハ、契約成立だな。まずは
「子ども……! わ、分かりました!」
「無理に敬語じゃなくていい。俺の部下として働くんじゃねぇからな。だが、カリファちゃんと他の女の子も呼び名は統一してくれてるんだ。そこは分かってくれ」
「了解、ジャックハート様。私の、子ども……」
「ナマでし続けてたらいつかは出来るだろ。行くぞ」
言葉で直接、孕ませると宣言されたベルメールの顔が赤くなる。
義理とは言えここまで大切に育ててきたノジコやナミであれだけ可愛く、愛情も沸いているのだ。
実際に自分の子どもが産まれたら、どれだけ可愛いか。
「あっ、ま、待って!」
先に向かうジャックハートの背を、駆け足で追いかける。
母と女。
ベルメールにとってこの日は、新たな人生が始まる一日となった。
原作開始8年前。2年後から10年前の年、色々起こりすぎな件。
ベルメールさんとトムさんとオトヒメ死亡。
ドフラミンゴ(31歳)がドレスローザ乗っ取り。
ナミちゃんがこっち側に来ちゃったので、ここから色々と変わっていきます。
高評価、コメントお待ちしております。
オリジナルの新作R-18小説も投稿しているので、そちらもよろしくです。