何がきっかけなんてどうでもいい。物心ついた頃から私は怪物になりたいと思った。
誰にも縛られず思うように行動することでストーリーを破壊する存在。
子供がヒーローに憧れるように、私にとってはそれが怪物だった。
だが残念な事に私の夢は普通の人からは離れすぎていたらしい。
大抵は「馬鹿な妄想」、「大人になれ」と言われた。
当たり前の事だ。彼等は私では無いのだから。
私はそれでも諦める事は出来なかった。
修行をひっそりと行った。
そこら辺にいる不良をボコした。崖から身を投げた。トラックをそこら中引きずり回した。
だが駄目だった。
そんなトレーニングでは精々元軍人をボコせる程度だった。銃で撃たれたら死んでしまうし、核など論外だ。
私の目指す怪物は核では蒸発しない
強くならねばいけない
でもその方法は今も見つけられていない
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私は日課であるランニングを行っていると謎の音が聞こえてきた。
木に何かを打ちつけているような音だ。
気になったので音の方に向かってみることにした。
そこで目にしたのは私と同年代の少年だった。
その少年は木に頭打ちつけながら
「魔力魔力魔力魔力魔力ぅぅう」とか言ってる。
その手があったか!!
そう、何も既存の力に頼る必要はないのだ。
魔法の中には変身する物も在ったはず!!
それで目標に近づけるはずだ。
「そこの少年」
私は思わず少年に声をかけた
「ん、君は魔力?」
焦点が定まらない瞳のまま口を開いた。
どうやら脳震盪でも起こしていそうだ
「魔力ではない。ただの人間だよ。それよりも君に感謝したいんだ」
「そりゃどうも。でも感謝するなら、ここから離れてほしいな」
「それは何の為に?」
私は踏み込む事にした。
私と彼はきっと似た者同士だ。
「強くならなきゃいけないんだ。誰よりも」
やっぱりそうだ。
「なら、これからも私と会おう。多分、君の助けになれると思う。」
これが私と彼、影野実との最初の出会い。
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彼との出会いから私の人生は今までに無いほど充実感を得ることができた。
彼の行う修行はどれも画期的だ。十字架に身体を磔にし、滝行を行い、ヨガをマスターしたりもした。
どれも私の視点には無かった物ばかりだ。
時には組手も行った。
だけど彼は尋常でない強さだった。私のは一度も彼に勝つ事が出来なかった。
でも
「いや~君ここらへんの中なら一番強いと思うよ。
結構面白かったよ。」
って言って貰えた。
少し嬉しかった。
彼と行う事はどれも素晴らしかった。
対して、私は何も出来なかった。
特製のドーピング薬や手術を出来るように手配しようとしたけど
「いいかい、借りもの力では最強には至れないんだ」
と拒否されてしまった。
何とか彼の夢を叶えてあげたい。
そうして私は彼の夢も観察するようになった。
日々の修行だったり、世間話だったり。
偶に学校までこっそりと着いて行ったりもしてしまった。
その中で分かったのは、彼はただ強くなりたいだけでは無いということだ。
彼は学校では特異な所を一つも見せたりしない。
私も人前では特異性をあまり見せないがそれは否定される事が怖いからだ。
だが彼はなんとも思っていないように私は感じた。
そんな彼だが夜になると暴走族や元軍人の犯罪者を蹂躙していく。
つまり彼の成りたい物を言葉で表すなら、陰の実力者だ。
普段は力を見せつけず、裏ではひたすらに力を磨く存在。
わかったは良いものの、彼の望みを叶え方には進展が無い。
と、私も彼も望みに向けて頑張っていたのだが
それは突然に起きた
何気無い朝だった。
モーニングコーヒーを飲み、ニュースを確認し学校に行くだけのはずだった。
「影野実さんがトラックに轢かれ、死亡しました。」
彼が死んだ。
何故?
最初は困惑、そして恐怖が襲ってきた。
だが、ある程度考えると分かってきた。
そう、彼は魔力を見つける最後の方法をとったのだ。 即ち死後の世界による転生。まさに彼らしい。
私はすぐに彼の後を追うことにした。
それが私と彼の夢を叶えるかもしれないから。
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