ARIA A SECRET SCHOOL DAYS 作:真夜中のミネルヴァ
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スタイルのいい後ろ姿が廊下の先に見えなくなるまで、ブレザージャケットの少年たちは言葉もなく名残惜しそうに見送っていた。
清楚な白いブラウスの下でうっすらと肌着のラインを浮かせて悩ましく上下していた豊かな胸の残像、リズミカルにひるがえるスカートの、切れ込みの奥に覗き見えた仄白い内ももに目と心を奪われて。
「ゼッタイいいよなぁ、アリシアちゃん……」
「あのカワイさってもうビンビンの緊急事態だろっ。漏れ、白状すっけどサ、さっき一瞬、リセーがトビかけてた……ガッコのセンセーがなんであんないいニオイすンだ? もうもたねぇョ……」
「イイよぉ、良すぎ……やべ、おめぇがアリシア先生の体臭だなんて変なこというからまた勃ってきた……まじィ……」
「言ってねぇってっ」
「ワキ汗とか、かくのかな……あんなキレイな人でも……」
「あたりめぇだろ、ヌゲばフツーにナマ身の女なんだし……」
誰かの背伸びをした表現に、ゴクッと唾をのみこむ音がいくつも重なる。
「来週後半からはオレらも夏服だしな、アリシア先生がミニやノースリーブになったらと思うと、な……モー、たまンね」
「でもそいつはちょっとナイっぽいぜ。去年だってみんなの期待を裏切って、夏中サマージャケットで通して体の線、隠してたし……ムネおっきいのにそれを感じさせないようにしてるってのも、彼女なりの自己防衛の手段なのかもナ……まぁ、そこがいいとこでもあるワケだけど……」
「おカタいのは、やっぱまだバージンだからだろうな」
「それなんだけどサァ、最近のアリシアさん、なんか雰囲気かわったぽくね? 前はもっと……なんつーか、天然っぽいっつうか、ほわっとした感じだったのに、さっきなんか逆に俺らの方が遊ばれてるっぽいじゃん」
一人がそれを言うと、不意に空気が鈍くよどんで重みを増したような妙な具合になった。
言いだしっぺの当人も含めて沈黙が広がる。
「そういや、ウラ実のHP見たけど、今月のアリシアさんのロスバー指数39って、ちょっとヤバくね?」
「あれって、30越えっとグレーなんだっけ?」
「50でかなりアヤしくて、70越えるとほぼ確実ってことらしいけど……そっか、39か、けっこーキテんな……」
「……やっぱ、もうやってんのかもな……セックス……オトコが居るってウワサもあるらしいし……」
皆が同じ不安を抱いていたように、少年たちは落ち着きのない探る目をして、互いに顔を見合わせた。
「気のせいっスッ、オレのアリシアちゃんに限って、ンなわけねぇッス。だってオレ、まだナンにもしてねぇッスよ」
イガグリのカラ元気の相手をする声さえなかった。
少しして別の誰かがしんみりと、そこに居合わせたものの思いを代弁した。
「39ならオメーの偏差値と一緒でまだボーダーだろっ。慣れてきただけなんじゃねぇのっ、オレらの扱いに。産休のキョンピーの代わりに今学期末まで3Cの臨時担任にもなったみてぇだしな」
救いを見いだしたように、なるほど――という、同意の空気が
「ちぇっ、いいなぁ上の連中、毎朝ホームルームでアリシアちゃんに会えるのか。これで3C男子の遅刻欠席率ゼロはキマリだな……」