ARIA A SECRET SCHOOL DAYS 作:真夜中のミネルヴァ
京都、四条河原の裏辻、夜――。
五十絡みの痩せて貧相な小男が自販機の陰に隠れるようにして
どうやら如何わしいテープの類を路上販売しているようであるが、だが色褪せて擦り切れたウィンドブレーカーに、首にかけた黄ばんだタオルといった薄汚れたなりで、おまけに手にはワンカップ、のいかにもな風体ならば、普通の人間は滅多にお近づきにはなりたくなく、敬遠するのもいたしかたなかったのかもしれない。
だがこの男、実は只者ではないのだ。この道一筋、三十有余年、盗撮にかけては並ぶものなしと噂される凄腕のプロ――だった。
依頼の有る無しに関わらず、男の撮った映像が流出したことでスキャンダルとなって消えていったタレントは、デビュー前の無名の新人まで含めると数知れず。
なかにはアイドルスターになる夢半ばで風呂――に堕とされた哀れな犠牲者も居たのかもしれない。
ただ本人は盗撮専門で、それをネタに
そんな小悪党が何故、物乞いもかくやとばかりの風で、しがない露店商まがいのことをしているか、それにはちょいとばかり男なりの事情があったのだ。
都落ち――都といえばこっちが本家本元だったが、流れてきた京都で観光客相手に一稼ぎするつもりだったのが、手頃なネタを仕込むことができずに日を重ねるうちについに路銀が尽きてしまい、ホームレス転落一歩前の状態にまで逼迫していたのだった。
それでやむなく手持ちのネタを複製して売り捌くことを思いついたのだが、大っぴらにやってお上にしょっぴかれるのも裏稼業の手前まずかったし、下手をすると地回りにド突かれることにもなりかねず、物乞いが小銭稼ぎにって塩梅ならばお目こぼしにもあずかれるだろうとわざわざホームレス風に身をやつしている、というワケである。
もっとも、
また店じまいかと、男は不景気そうな物憂い動きで立ち上がると、半分吸い差しのタバコを再び咥えて火を点けた。その時、一人の学生風の若い男が足を止めたのだ。
「……ヨォ、ニィちゃん、どうしたい?」
ようやく現れた“カモ”の登場に男は内心、
「……ナンか探しもンかい? え? 浅霧瑞希の裏モノがねぇかってェ?……無けりゃ情報だけでも教えろだぁ……?」
浅霧某は最近、彼氏との濡れ場盗撮が流出してスキャンダルになった、清純派で売ってた元アイドルだった。だが男の見立てでは、その件はモノホンの盗撮なんかじゃなくて、そもそもがシナリオ付き、人気に陰りが見えたタレントの処分に事務所側が仕掛けた本人も了解の上の要するに出来レース、歌舞伎営業だった。もとより浅霧のホンバン無修正なんてものは存在しないし、仮にあったところで今のこのタイミングで出てきゃしねぇ、出回ってるのはどれも修正加工済みのものばかりだった。
一方、噂がひとり歩きして話題作りにはまずはそこそこ成功し、浅霧の方はオトコとの仲を大っぴらにできるし、それなりの金をもらって事務所から独立、お互いウィンウィンの取引というわけだ。
こんなミエミエの分かりやすいネタに釣られるくらいだから客の脳みその方はデパートの屋上で途方にくれてるアドバルーンみたいに軽い、要するに男からすれば上客だった。身なりから、そこそこ金を持ってると値踏みして、一本五千、いや上手くすると一万はふっかけられるかも、と皮算用する。
「……よしときなって、どうせソンなンみーんなデジタル加工のまがいもンョ。それよりどうでぇ、今夜はとっときのがあンだが、持ってかねぇか? 安くしとくからョ……ナンだ、アナログテープじゃねぇかョって? ケッ、ドシロートはこれだからコマるぜっ。キョービ画像加工ナシのモノホンはアナログにしかねぇって、これギョーカイのジョーシキよ。長ぇことこのショーバイやって食ってるオイラが言うんだからちげぇねぇ……え? オレか? オレは……」
男は周りを窺ってから客を手招きすると、自分がプロの盗撮師であることを耳打ちした。
「……ココにあるものはナ、ついさっき、今日の午後にオレさまが盗撮ったばかりの撮影りたてのホッカホカ、これぞ本物のホンバンのナマ映像ョ……」
だが客の反応は案の定、鈍い。
「なんだョォ、その顔ワァ、そんなの何度もみたことあるだァ、パンピーの見たってゲンナリするだけって? クーッ、言うじゃねぇか、マァたしかにニィちゃんの言うとおりョ。タイガイのトーサツもンってのはティーンズバカップルとか、肉だぶチュー年不倫とか、サカりのついた動物の交尾とロクすっぽ変わらねぇモンばっかだと思ってまずマチガイねぇからな」
まずは同意しておいて相手の懐に入る。
「だがョ、今夜オレさまが扱ってるヤツはそんなハンチクじゃねぇんだ……え、何が撮れてるかってェ? やっとノってきたじゃねぇか、こいつはナァ……」
ここでまた声をひそめて、
「……べっぴんの先生とカワイイ坊やのお初ってヤツを、ごくごく間近からじっくりとっくり観戦しましたっ、ちゅう特等賞の大当たりョ、ホント、オレもエーもン、オガませてもらったもんだぜ……」
相手の顔に好奇心が揺れているのを読み取るとすかさず、
「……サワリ見せた後ならニィちゃんもぜってぇ欲しくなるぜ……うーん、ソーダナァ一本、イチマン五千といいてぇトコだが、イチマンにマケといてやるョ……五千にしろだぁ? ジョーダンじゃねぇ、ちっとも高価くなんかねぇよっ! サワリをちょいと見せびらかした後ならその倍出せって言っても、ヨロコンで払う客はザラに居るはずなんだ。カケ値なしの極上ダマ、もちろん無修正、それを五千はヒデぇーや、それならヨソへ行ってくれョ。まぁそのうちどっかのアングラオークションやら闇天あたりでプレミアまでつくことになってナ、あンとき買っときゃナァ、てな具合になっても知らねぇぜっ。ことわっとくがイチマンってのは今だけだぜ、気が変わって後からノコノコやって来られてもこの値で売れるかどうかはワカラねぇナァ……まぁ関心がねぇなら用はねぇや、イッタイッタ、仕事のジャマさね……へーい、いらはい、いらはい……どうすかっ、ダンナっ! 今夜はイイのがありまっせぇっ! ヌキ保証百パーセントの絶品美女ナマ撮り本番ビデオっ! え、オヨビでない? もうダマされねぇっ!? それってあっしのことで? マ◯コじゃねぇウ○コテープなんてオトトイ来いだぁっ!? へいへい、さいでっか……オッシイことしましたなぁっ、ダンナぁ! 今夜みてぇな極上の出モノ、もう二度とアリエネーっていうチョーお宝でっせぇ!……チッ、アホなクソオヤジが、テメェなんかに誰が売るかよっ、オトトイキャーガレってのはこっちのセリフだぁ……えっ? どんなコかだって?……なんだよ! ニィちゃんまだいたのかョ! ジャマだって言ったろぉ……ナンだァ、サワリをちょっとだけ見せろだァ? あーん、マ、いっか、いいけどタダじゃねぇぜ、五百円……ああ?……あっそ、いいよっ、へいっまいどっ、そこにあるビデオカメラ覗いてみな。ついでにカシがにぎわうまでにゃまだ少しヒマがあるみてぇだから、オレさまの話でも聞かせてヤルとするか、こいつもナンかの縁だ……」
男はまた小声になって、
「……ココダケの話、そのテープっていうのはナァ、このマチの外れにあるとあるホテルの一室で盗撮ったモンなのョ。マァ、どこのホテルかってのは訊かねぇでくれヤ。よくある無人の自動精算式ラブホのひとつってことで。だけどな、チョイと凝った造りになってて盗撮がしやすいもンだから、オレさまがときどき厄介になってるおシゴト場ってぇワケだ。客層は地元住民が中心で、他に観光にあきちまった旅行者がチラホラ、ジツはおいらはコレが狙いだったんだが、まぁパンピーばっかの大した稼ぎにもならねぇ、どうしようもねぇような画しか撮れなかったのは仕方ねぇやな、ただ日ゼニをしっかり稼ぐってのもプロにゃ必要なモンだからナ、さっきもそんな軽いノリでいつものようにモグリ込んだのサ。ソーしたらまっ昼間っからおサカんなことで、このマチにゃ金もネェのに脂肪と時間だけはダブつかせてるヤツらが、いるワいるワ。平日の、それも、おてんとさんの高いうちからこんなところで、シッポリするような手合いだから知れてるわナ、とタカくくってひとわたりしてたら、一組だけとんでもねぇ場違ぇなのが居たのサ。スンゲぇべっぴんのガイジンさんとカーワイー坊やっていう組み合わせのナ。声はだせねぇ状況だったが、肚ン中じゃあウッソーッ! マジかヨォっ! てな具合ョ。どうみても場末のシケコミ宿の“ご休憩”客にゃあ見えやしねぇ。一瞬、間違ってナンかのヒョーシで迷いこんじまった、おシノビ旅行中のどこぞのプリンセスとプリンスの姉弟かと思ったくれぇサ。ケドな、そんなワケゃあねぇんだ。おねぇちゃんの方はまっ白い肌でロン毛のブロンド、一方、坊やは国産って感じだった。マァ、ちょいと肌が濃かったからまんざら混じりっ気ナシってのでもねぇのかもしんねぇが。いずれ、夜店のキンギョじゃあるメェし、こんなキョーダイいるハズねぇヤ。女の方はハタチ前とふんだが、坊やに「先生」って呼ばれてたのをみると、ジツのトコロもうちっと上なのかもしれねぇ。最近のガッコじゃ外人の英語教師も増えてるみてぇだし、日本語もバッチしだったから、多分、留学生のアルバイト講師ってヤツだろ、いずれにしろ若くてピッチピチ、ついでに先生といわれるだけあって知的な顔だちをしてたが、目と眉がそりゃあもうやさしくてナァ、全身からたちのぼるオーラはタダごとじゃねぇ。そこいらのアイドルどもなんかとは上質感ってのがまるでチガウ。ホント、女神サマぁ、って言いたくなるくれぇの非の打ちドコロのねぇお嬢さんだったぜ。坊やの方はチューボーのブレザー着てたからそうなんだろうが、せいぜいが十三、四、ナンちゅーか、こう、見るからにおさない、あどけないって感じのする子でナァ、そっちの方にシュミのあるムキにゃマタ別の意味でコタエラレねぇエモノなのかもしれねぇヤ。そんなのが二人、セセコマしくターダ一発ヌクだけにアツラえられたベッド一つの狭ぇ部屋に寄って、いったいナニするんだよってナ、やおら仲よくトランプの七ならべを始めたって絵的にゃ少しもおかしくなかったンだ。マジックミラー越し、すぐ目の前のベッドの端ッコを長いすがわりにして、お二人さんが並んで、トホーにクレたようにちょこんと腰を下ろしているのを見てると、よけいに現実離れして感じられたもンだぜ。背中に天使の翼を隠してるんじゃねぇかって、舞い降りて来たビーナスとキューピッドのお二人さんをオレは目撃しちまったンじゃねぇかってサ。実際、こうやって目ぇ細めるとごリッパな白い羽が見えてきそうだったんだ。けどナ、オレにゃわかっちまったのサ。この二人もじき、他の部屋で醜くカラミあって、アホな逝キ声をハリあげてケツふってるヤツらとおんなじことをおっぱじめるんだってことが。聖画一転ハァドコアぽるのぉ! てナ。っていうのもナァ、二人の間に何ともいえねぇイチズなひたむきーな感じが伝わってきてナァ、ぎこちなく張りつめた雰囲気もまたイーカンジだった。年は少し離れてたのかもしれねぇが、互いに好き合ってたのサ。ホレあうどうしがこんなトコにきてすることはひとつしかねぇヤ……集音マイクから聞こえてくる声から、どうやらどっかのチューガクの修学旅行中らしくてナ、自由時間を抜け出してきた先生と生徒ってことのようだったんだが、はじめ、オレはてっきり美人の先生が、目ぇつけてた坊やのお初をツマミ食いするつもりなのかと思ってたンだ。マァ、ありてぇにいゃあ集合時間までの数時間をここで若いツバメとシッポリと濡れていこうって算段なんじゃねぇかってサ、女教師と教え子の中学生って、ちょくちょくあるヒトメをはばかる組み合わせの一つじゃねぇか? だがナシを聞いててまたビックリョ、いったいどんな手品を使ったもンだか、べっぴんさんをひっぱり込んだのが、どうやら坊やの方らしくてナ、もしかしたら先生にゃそのつもりがなかったのかもしれねぇが、連れ込まれたあげく、なりゆきで逃げるに逃げられなくちまったってぇコトみてぇで……ったく、この頃のガキはガッコにナニしに行ってるんだか、先生をコマそうだなんて、トンデモねぇョなっ! でもナ、そんなツッコミを入れテェ気分も、二人がくっついて、おそるおそる唇を重ねて仲のいいところを見せつけ始めると、もうどうでもよくなっちまった。坊やの手前もあってか、初めのうちこそ“おねぇさん”してた先生もナ、服を一枚一枚ムかれていくうちに表情からはすっかり余裕が消えちまって、端正な顔を心細そうにして、女の子みたいな羞じらいをみせてナァ、コイツが胸キュンもののいじらしさなんだョ。初めてだったのは坊やじゃなくて先生の方だったのサ。たしかにスッポンポンの裸になると、みるからに生娘って感じのキレーェなカラダしてたぜぇ……オレにゃぁ、チラッと女のカラダを見ただけでだいたいのところ察しがつくんだ。股ぐら覗きこんだり、剛直棒をネジこまなくったって、そいつがショジョかそうじゃねぇかぐれぇはすぐに見分けがつく。長ぇことこんな裏稼業やってりゃあ、自然に目が利くようになるってもンョ。いくらブリッコしてても、カラダはウソがつけねぇからナ。どんなに良く洗ったって、オンナの肌にゃオトコの手アカってのが残っちまうモンさ。ニィちゃんだってビックリしたことねぇか? 清純派で売ってたハズのアイドルが、いざチョイとオチ目になってヌード写真集とかを売り出したところ、年増の娼婦みてぇなキタならしいカラダしてた、ナンてことにヨ。ごシューシンの浅霧ナニガシだって、十八にゃとても見えやしねぇ、あぐらかいてるようなフテブテしいビーチク、してるじゃねぇか。ついでに言うとあのGカップはナ、改良型のプロッピーとかポーナンとかいう新手のセーケーだぜ、コイツはスジもンなら誰でも知ってるホントの話サ。だがナ、おンなじぐれぇの巨乳でも、こっちの先生のは正真正銘の天然モノ、うまれたマンマの未開発ョ。乳かさだって無垢そのものってぇ具合のおジョーヒンなサクラ色っ、ちっとも肥厚なんかしちゃいねぇんだ。シモの毛ぇの生えっぷりもへンに手入れしてねぇのが、かえって目のドクってくれぇシンセンでナ、初々しくってジツに可愛らしかったぜ。そんなナマツバごっくんボディが、ハジめて知るオンナの歓びにおびえながら一人前に生まれ変わろうってンだから、え、どうでぇ、テェーした見モノだろうがっ!……それにしても、あぁ、トンデモねぇエロガキもいたもんサ。一見オトナしそうなようすにャア、このオレさまもすっかりダマされちまったが、ありゃあ、スエおそろしいタマだぜぇっ。ベッドの上じゃたいしたオンナっタラシぶりでナ、いったいどんなおベンキョーしてたんだか、女体の扱いにゃ相当なれてるって感じでヨォ、ついでにヤルこともオトナ顔負けのテクニシャンときてる。ハズカシソーに身ぃすくめてるウブな先生を手取足取りしてるウチ、いつのまにか自分の思いドーリにしちまうってぇ手並みの良さョ。マァ、盗撮ってるこっちとしちゃぁウレシイかぎり、アリガテぇかぎりだったが、ショウジキなハナシ、ヤケた。でもナ、どんなに先生が好きでダイジに思ってるかってのが伝わってくるような、やさしさタップリの可愛がりようでナァ、真っ赤になってる先生を気づかいながらバッチリ口説いていくってぇあたりも、新鮮なアツアツカップルらしくて実にいいあんばいなワケよ。チョイと濃厚なプレイになって、泣きそうになって身をかたくしてたべっぴんさんもナ、坊やにハゲまされているうちに胸の中でなにかを乗り越えていこうとしているのがオレにゃ手に取るようにわかったぜ。ミルクみてぇにまっ白な体をした、あっちのおケケも、もののみごとにキラキラしてるカワイコちゃん先生がだ。そいつが、おずおずと緊張をといていくと、ついにはおっきなまっ白い花がツボミをひろげるように、長いアンヨをいっぱいにひらいて歓びをヒョーゲンするようになっていったのサ、ヨッ、これぞ眼福ってヤツだっ!……なぁニィちゃん、ホントーのピンクってのは、きっとああいうのを言うんだろうぜ……ソイツをちくしょうっ! ナメたマネしくさって! 先生っ、ガキにそんなオイシーことユルしちまったらダメじゃねえかっ! おこちゃまにチョー貴重な処女マ○コペロペロさせちまうなんてヨぉ、ったくウラヤマシイガキだぜっ、こりゃ、オレも後でどっかにシケこまねぇとオサまりがつきそうもねぇヤっ、あんなヤワっこいものを見せつけられた日にゃあっなっ! で、最後はおキマリのナガレで、テラ光りするコシャクな暴れん棒にグサッとひと突きされて、ホイ、極ジョーダマのオンナのイッチョーあがり、オイラもセンセのめでてぇ卒業式に立ち会えて、ゴチソウサマでしたってなるのかと思ったが、ガキのヤツ、なんと途中でやめちまうんだ、信じられっか? アレの真っ最中、あとひと突きすりゃあ完全に自分のモンにできるオンナを手放すって、そんなのありえねぇだろっ? センセの方だって覚悟ができてたんだゼ、金色のマン毛がふわふわのカワイラシーワレメちゃんがパックリ肉棒の先ッポを咥えてて、あとちょっとだけ痛いのをガマンすりゃバッチリ合体できる体勢になっていたのに、なのにそれをしねぇなんてヨぉ、あんないいオンナのばーじんをいただくなんて、こんなチャンス二度とねぇかもしんねぇのに、それをあんガキぃ、やめちまったんだゾっ、先生の処女膜がよっぽどキツくて突き破れねぇってぇいうのでもなく、ちょいと引っかかったから、じゃあもういいや、ぐらいの感じで腰を引いちまいやがって、オイラ、コイツ、バカなのかとあきれちまったよ。だがな、そっからがイケねぇや、ホント、とんでもねぇエロガキで……ダメだ、ホントにおいらもどっかでヌイとかねぇと今夜は眠れそうもねぇや……あンのクソガキぃ、てめぇだけいー思いしやがって、なーにが『先生にはまだヴァージンのままでいて欲しいから』だよ、ふざけやがって、ただクンニがしたかっただけじゃねぇかっ、許せねーよなぁ、まぁあんだけキレーなオンナのキレーな処女マ○コだからじっくりナメナメしたくなるのはわかるがよ、初体験だった美人先生にはタマンねぇわな、教え子にマ○コばかりかケツの穴までバッチリナメクジられたあげくに、前も後ろも指つっ込まれちゃ、そりゃ泣き出すのもムリねぇや、フツーに抱っこされてロスバーした方がよっぽど良かっただろうに、ガキにいきなり変態プレイにつきあわされるとは思ってもいなかっただろうからなっ。経験の浅いオンナの身にゃあ、ああいうのがいちばん厄介なんだ、マ○コとアナル舐めで三回もイカされちゃあ、すっかり骨抜きにされちまう。ああしとけば、次にデートに誘ってもイヤとは言えなくなっちまうだろうから、ガキにすりゃ、カワイコちゃんセンセの処女なんていつでもおいしーくいただけるんだからちっとも慌てることはねぇって算段だろうよ、ホント、許せねぇーヤローだぜ。まぁそれもあって、こっちも先生のダイジなところをくまなく隅々までバッチリ拝ませてもらえたんだから、文句ばかりも言ってらんねぇんだがヨ、深い谷間にマン汁の量もたっぷりで、ケツの穴もつつましーくお口を結んでいてお上品なもんだった。お顔やカラダだけじゃなく、おマタの方も極上玉の最高の美女の生まれて初めてのイキ顔をしっかり記録することができてメデタシメデタシだぁ……こんちくしょーめっ、あのクソガキっ! 今度あったら、先生のカラダの具合についてじっくり講義してもらわねぇとナ……にしても、旅先の、見知らぬ街のそのまた場末の無人ラブホってのは、きっと二人にとっちゃシガラミのねぇいい場所だったんだろうナァ、誰にも見とがめられる恐れもなくひっそりと関係を深めるにはナ……まーさか壁の向こうにオレさまが潜んでいて、熱演ぶりをバッチリ鑑賞に及んでいるとはユメにも思いやしねぇ……ニィちゃん、よーくオボえておきな、ダーレも居ねぇと思っていても、イガイなトコロにオレさまみてぇな“ぷろふぇっしょなる”が居たりするモンなんだゼ、もっともニィちゃんのじゃ相手も知れてるし、ゼニになりそうにもねぇからプロはパスするだろうけどナ、おっとイケネェ、ダイジなお客さんクサしてどうすンだ、オレもプロになりきってねぇナァ……オイどうしたい? ニィちゃん、サッキからヤケに静かじゃねぇか? カワイコ先生にシビレちまって声も出ねぇかい? ナァ、ニィちゃんよ、期待はゼッテェに裏切らねぇって約束するから、悪いこタァ言わねぇ、ダマされたと思って買っちまいナっ。ニィちゃんだって、先生のそのスカートのナカミ、ナメるようにねちっこく検分してみてえダロっ? こんなチャンス、もう二度とねぇかもしんねぇンだ。ソレを思えば二マンくれぇ安い買いモンじゃねぇか、ナァ、おい、返事ぐれぇしろヤ……え? どうでぇ……アレっ?……まだ終わンねぇか? 確か、サワリは三分ぐれぇのハズだったが……もう五分は経ってるよナ……?……まさかっ! オレ、ホンバンの入ってる方を渡しちまったか!? ちょっと待った! 待てってばっ! もうシマいだッ、ダメだよっ、ダメだって! コイツは売りモンなんだからっ! けぇせッ!……ったく油断もスキもあったもんじゃねぇっ……チッ、一体どこまで見せちまったんだァ?……えーっと……このクソガキっ、先生のおっきな胸の谷間に顔ウズめてシアワセそうにしやがって……アレッ!? 揉んでるオッパイの先っちょにビーチクがねぇぞっ! ごリッパなまんまるがっ……えッ!? ってこたぁ……エーッ! 早回しにして見てたのかよーッ、そりゃぁねぇヨォ、ニィちゃん……ったくトホホ……まぁ、見ちまったんだから仕方ねぇなぁ……で、どうする、買うのか、買わねぇのか?……こういうお宝もんだから買っても損はねぇってのはわかったろ? え、九千五百にしろだ? 二マンって言ったろ、ナニ、さっきはイチマンって言ってたって? 五百円、前払いしたんだからいいだろ? うーん……まぁ、しょうがねぇなぁ、オマケしてやっか、いーよ、それで……そこに積んでるテープ一つ、持ってきなドロボー……イチマンで釣りが五百円な……ホイ、まいどっ……」
ビデオがようやく一本売れて、内心、にんまりなのだが顔には出さず、
「さぁ、いらはい、いらはい……そこのダンナ、今夜のオカズに極上のなまつばごっくん美女のモロ出しホンバンビデオ、一本、いかがスかぁ?」
営業を続けるが、件の客が去って姿が見えなくなると、すぐに茣蓙を丸めてトンズラ態勢になるのだった。
サワリだと言って渡したビデオが早回しにされるのも計算のうち、客がカメラを覗いた段階で売れたも同然だった。もちろん何も嘘は言ってない、男が話したことは全て本当だったし、デジタル加工も一切していなかった。だがアナログのツギハギ編集をやっていないとは言っていないのだ。売りつけたのは差し障りのありそうな部分は全部カットして他のソースで繋いだ特別編集バージョンだった。
「……じっさいアレを世間に流すワケにはいかねぇよ……あんなイイもんはな……イイもんは独り占めしてこそ価値があるんだからな……」
ひとりぶつぶつと呟きながら、荷物を纏める。
「……ホントに居るんだよなぁ、あんな天使みてぇなカワイコちゃんってのが……やっぱ世界は広ぇや……」
夜の京都の町並みを見上げてから長く息を吐いた。
「……ネオ・ヴェネチア学園のアリシア・フローレンス先生か……はて、今夜はどこでお泊まりか……柊アキトくんよぉ、べっぴん先生のマ○コはそんなに美味かったか? いったいどんなお味だったよ……どんないい臭いをさせてたか、そのうちおっちゃんに、こっそり教えてくれや、教えてくれたら、コイツを絶対に外には漏らさねぇって約束するからよ、できれば先生の脱ぎたてホヤホヤのパンツ、おいらにも一つ分けてくれねぇか……そんぐらい、幸せのお裾分けしてくれてもバチはあたらねぇよなぁ……」
そう思いながら、そんなことができないことも男には分かっているのだった。
撮ったネタで強請りはしない――。
それがこの稼業で生き抜くための自らに課したルールだからだ。
男は、いちばん大切なマスターテープがジャージのポケットの中にあるのを探って、忘れ物がないのを確認すると、茣蓙を抱えてそそくさとその場を後にするのだった。