ARIA A SECRET SCHOOL DAYS 作:真夜中のミネルヴァ
「脱いで……アリシアさん、身につけているものをみんな……そうしたら、またボクの顔の上にしゃがんでくださいねっ」
◇ ◇ ◇ ◇
アキトの胸に耳をあてておだやかな拍動を数えている。ゆったりとした動きで背中を撫でる手のやさしさ、髪をくすぐる男の息づかい。
潮が満ちてきていた。
遠くでちゃぷんちゃぷんと水面が壁を打つのが聞こえている。
大昔の造船所だった一帯は厚い煉瓦造りのために真夏でも陽射しの届かない内部は、渡る風もひんやりとしていてとても居心地が良いのだった。
ついつい睡魔がさしてきて寝入ってしまいそうになっている。
もうどのくらいこうしているのかしら……?
アリシアは思った。
少しだけお話をして、それからうとうとまどろんで……。
かつては大勢の作業員たちが忙しく行き交っていたドックが、いまは誰ひとり訪なうものもなくひっそりと静まりかえっていて、それが足下にある格子窓から奥の方まで広く見下ろせている。
アリシアたちがいま居る場所は、その昔、現場に置かれた診療所のようなところだったのだろう、仕事中に怪我をしたり病気になったりした職人や技師の治療や処置を行う為の医療施設だ。
部屋の隅には窓を背にして木製デスクが置かれていて、その他には薬品棚や書庫――実際に棚には何も残されては居なかったが――のようなものも作りつけになっている。それらはいずれも重厚感があって長い時を経てもいまだ朽ちてはいないのだった。
身を横たえている“診察台”もマットこそ取り除かれてはいたものの、骨組みは頑丈で少しぐらいのことでは苦しげなきしみ音ひとつたてることはない。
誰も知らない、誰にも秘密の恋人たちの閨――。
天井近くの太い梁の上で涼んでいた猫が、くつろいだあくびをすると丸めていた背中をぴんと伸ばした。ベッドの上でアキトに抱かれているアリシアと目が合うと、不思議そうにしばらく丸い瞳を据えていたが、三角形の耳をピクリと巡らせ、やがてどこへともなく去っていく。
(ごめんなさい、あなたの隠れ家を荒らしてしまって……でもこのことはどうかナイショに、誰にも告げ口なんかしないでくださいね……うふふ……)
指折り数えて待ったアキトとの約束の日。
それは先週末のゴンドラデートの”続き”と言えるものだった。
アキトに誘われたのは旧造船所の内部。
辺り一帯は高い壁に囲われていて単調な景観が続くことからゴンドラ遊覧の正規ルートから外されており、あまり観光地化も進んでいない区画だった。
マンホームでは歴史の一時期に軍の施設にされていたこともあって、建物の堅牢な外観は威圧的で、かくれんぼに夢中になる子供たちでさえもあまり寄り付かない町外れ。
ただ内海となる港湾内は広く波風も穏やかなために、ウンディーネを目指す少女たちの多くが最初にゴンドラを扱う練習場として利用していて、かつてのアリシアたちも例外ではなかった。
恐らく今日も耳を澄ませば馴れない手つきでゴンドラを漕ぐ少女たちの声が聞こえてくるに違いない。
ウンディーネたちにとっては馴染みのある場所、同時に慣れ親しんだ景観であるにもかかわらず、その周囲に控える建物群については殆ど意識にとまることのない死角のような場所でもあった。
アリシアも建物の内部に足を踏み入れようなどと思ったことはなかった。正確には晃に続いて一度だけ試みようとしたことはあったのだが、建物はどこも厳重に閉鎖されているために侵入には本格的な工具を持ち込むほかなく、ついには諦めたという経緯は記憶の隅にうっすらと残っている。
分厚いコンクリートと煉瓦、鋼鉄の、
要塞――。
世間知らずのミドルティーンの少女たちの歯のたつものではなかった。
爾来、そうした出来事をすっかり忘れていたが、こともあろうにアキトは――このマンホームからやって来た利発な少年は――ネオ・ヴェネツィアに関わりを持ってほんの一年余りの間にこの町の秘密の一つを解き明かしていたという。
造船所内部に続く秘密の通路を見出していたのだ。それは馴染みの
たしかに軍の基地であればこうした仕掛けがあったとしても不思議ではないが、それでもアリシアは街のなりたちを想わずにはいられなくなる。
このネオ・ヴェネツィアには住人の知らない秘密がいったいどれだけあるのだろうかと。
『夜の儀』もそう――。
地下深くにひろがる大鍾乳洞のことを知っているのは、ほんのひとにぎりの人だけだ。
そして知りうる立場にあるものはだれもみな口を閉ざして語らない。
自分自身を含めて。
もしもあの夜のできごとが無ければ、自分はいまも人を愛することを知らずにいるのかしら……?
きっとかりそめの笑顔をふりまくだけのつまらない人生を生きていたのに違いない。
歓びも哀しみも肌身を通してこそ真の学びがある。
それに気づかぬままの単調な日々の繰り返しなんて本当に生きているといえるのかもわからない。
不思議――。
『なぞ以外の何を愛せようか――』
それを言ったのはだれだったかしら?
アリシアは湿った土のにおいのする細く暗い道を歩きながら、あれやこれやとひとり思考を漂流させている。
通路もまた右へ折れ、左に折れてと込みいっている。時に階段を下り、上り、そしてまた下る。
(神話や物語ではたいてい女の方が男の子を誘惑して異界へと誘うものなのに、これでは反対ね……アキトさんがわたしのベアトリーチェなの?……うふふっ……)
アリシアが約束の隧道へとゴンドラを進めていくと、すでに憩室の奥で待っていた少年はアリシアの手を引いて迷宮都市の裏側へと連れ出したのだった。
人ひとりが通れるほどの細い通路の先に漸く開けたのは大型船舶用のドックの底だった。
ささやき声さえも大きく響いてしまいそうな、がらんと広々とした
猛々しい時代のモニュメント。
「すごいわ……ここ、こんなふうになっていたのね……」
「はじめてですか?」
「ええ、だって中には入れなかったから」
「あそこの閉めたまんまの閘門は分厚い鋼鉄製で恐ろしく頑丈ですからね、電気系統がすっかりやられてるから、あれを開けて外から入るのはもう無理ですね……こっちですよアリシアさん……ちょっと足下が不安定なところがあるから気をつけて下さい」
少年は中の勝手を知っているらしく、ドックの内壁に這わせたスチール製の階段を登っていく。年月を経ている所為でさすがにあちこち錆が浮いているが、しっかりとした防錆塗装されているのと、屋内にあって雨露を避けられていたために劣化の程度は見かけほどではないのだろう、アキトはひょいひょいと足を運んで 実に頓着のない所作である。
それでも、ときおり
「そこ、錆びて鉄板が少し薄くなってるみたいですから踏まない方がいいかも」と言って手をさしのべてくれたり、手すりの錆が酷いところでは「この先に手を洗うところがあるから心配しないで下さい」と教えてくれたりする。
先を行く背中がとても頼もしく思えてアリシアの胸がまたキュンとしてくる。
事実、成長期のさなかにあるアキトは、ひと月も逢えずに居ると変わりように驚かされることが少なくなかった。
初めて顔合わせしたときには少年というよりも、むしろ男の子の印象の方が強かったくらいなのにそれがいつの間にか少し背も伸びて、若者というにはまだいくつかのステップがありそうだったが、それでも男の雰囲気を漂わせはじめていた。
声がわりも始めたのか言葉の音域も中性的なものからより低音域へと移りつつある。
それとともにアリシアの中に長く居座り続けていた罪障感というべきものも少しずつ薄れていくように思うのだった。
今のアリシアは素直にアキトと一緒に居たいと思えるようになっている。
少年を自分と等身大の恋人として、互いの思いをたしかめたい――。
いつでも……。
どこでも……。
階段を上りきると、ドックにそって続く通路の先にたぶん事務エリアなのだろう、左右にいくつもの扉の並ぶ廊下が見えてくる。
昼間でも奥まった通路は翳っていてひっそりと人の気配の途絶えた廃墟は、誰も居ない夜の校舎とも重なってどこか心を落ちつかなくさせるのだった。
一人で歩くには心細い異界への入り口。
アキトと一緒じゃなければ分け入るのにはきっと勇気がいることだろうと思う。そんなアリシアの不安をよそに、少年は 恬淡と歩を進めて奥へ奥へと誘っていく。アリシアの心の揺れに気づいたのか「大丈夫ですよ、帰りもちゃんとゴンドラのあるところまでお送りしますから」と、笑顔で振り返るのだ。それはアリシアの大好きなアキトの顔なのだった。
優しくて安心感を与えてくれる男の頬笑み。
「うん、わたし、パン屑を落としてくるのをわすれちゃったから、うふふっ」
嬉しくてつい口が軽くなってしまう。
「ボクのアジト、気に入ってもらえるといいんですけど、でもあんまり期待しないで下さいね」
「アジト?」
案内されたのは長い廊下の先、一番奥まったところにあった。その先には別のドックがあるらしく、隣接する二つのドックとの間に配置されているものらしい一室。
ドアを開けると、こざっぱりと整理整頓がされた内部が窺える。デスクの上に何冊かのスケッチブックがのっているらしい。途中で垣間みてきた放置されたままの部屋などとは違って、たしかに人の手が入った生活感があるのだった。
それと温もりも――。
「ようこそボクの秘密の研究室へ」
埃っぽさもかび臭さもなく、床にはゴミ一つそのままにされては居ない。清潔を好むアキトらしいきちんとした居ずまい。
「このお部屋、アキトさんが使っているんですか?」
「ええ、町に来る時に画材を置いておく場所が欲しかったので拝借しちゃって、もちろん誰にも許可をとっていませんけど」
廃墟の管理は当然のことながら当局が負っているが、画学生の少年がこっそり潜り込んだとしても目くじらをたてるとも思えない。ただ廃墟への無断立ち入りは、人知れず事故や事件に巻き込まれたりすることが心配だった。
「バレたら”総督”に叱られちゃうかな」
「それはないと思うわ。でも市に許可を得ていた方が安心は安心よね」
「でも、そうすると……キミとここで逢えなくなっちゃうから……」
少年に背後から抱かれてアリシアは小さく息をのみこんだ。
「ここは、誰にもみとがめられずにアリシアさんとデートができるところをボクなりに必死に探しまわった成果ですから……」
腰に廻された男の腕の毅さが、熱が、薄い夏服を通して肌に伝わってくる。アリシアは自分のなかに潜めていた女の部分が目覚めていくのがわかるのだった。
今ここに居るのは愛されるためだった。自分は年下の情熱的な恋人とのデートに心を浮き立たせ、女として抱かれる為にやってきたのだ。
悩ましげに翳る碧い瞳に部屋の一隅に置かれたベッドが映った。ハーフサイズの細長い木製のそれは、きっともとは医療用の診察台だったものなのだろう、部屋自体がもともとは診療所として使われていたものらしく、そちこちにその名残が窺える。
秘密の診察室――。
不意に背徳的な響きのする言葉が脳裏をよぎっていった。
許されざる関係の恋人たちが密かに互いの思いをたしかめあうための場所。
誰も知らない、知られる畏れのない二人だけの部屋。
胸がまたひとりときめきはじめる。
アリシアにとって”願い”というほど心の中で明瞭にはなっていなかったものがはじめて現実として目の前に示されたのだった。
あらがい難い甘やかな誘惑となって。
大好きな人ともっと頻繁に逢えるようになる――そう思うと心のブレーキは緩んでしまいそう。
「アキトさん……」
が、アリシアが感謝のキスをしようと身を屈めると、なぜか少年はスッと身をかわして逃れてしまうのだ。
「!?……」
アキトはそのまますたすたと部屋を横切ると、隅に据えられていた洗面台の蛇口を捻り手と顔を丁寧に洗い始めた。タオルで手と顔を拭いながら、
「ごめんなさいアリシアさん、うっかり汚れた手のままでキミに触れようとして。制服を汚さなくて良かった」
確かめるまでもなく白い制服のどこにも手のあとなどついてはいない。
いつでも周到なこの才気あふれる少年は、滅多なことでミスや失敗をすることなどないのだ。今だってただ腕を廻して身を寄せてきただけて、どこにも触れられてはいなかった。
「アリシアさんもどうぞ」
勧められるままにアリシアも赤錆と埃で汚れた手を石鹸――なんて用意の良いこと!――で洗いながら目の前に架かっていた古めかしい燻んだ鏡に映る顔を見つめる。
女の目になってすばやく自分自身のあら探しをして、何とか今の自分に及第点をつけると笑顔になって少年を振り返った。
差し出された清潔そうな白いタオルに、精一杯のつくり顔が驚きに変わる。
「これはアリシアさん用のタオルにしてください」
言外に”これからもずっと”というニュアンスをにおわせていて、アリシアは少年のたくらみと覚悟を思い知らされるのだった。
「え? ええ……ありがとう……」
アキトの備えの良さには時として途惑いすら覚える。
あらためて室内を見渡すと、食料さえ持ち込めばここで暫く生活ができそうなほど居心地の良い一室になっているのだ。
大きな机に立派な書棚、それに寝台、キッチンはなくても上下水道は健在らしい。
さすがに暖房機能を失っていては冬場は寒くて居られないだろうが、分厚い煉瓦とコンクリートの重厚な建物の内部は外よりもひんやりとしていて、夏場には過ごしやすそうだった。
少なくとも夏は暑く冬は寒いアリアカンパニーの屋根裏部屋よりもずっと快適であるにちがいない。
「ここ、アキトさんがひとりで……?」
口にしてから愚問に気づいて言葉を濁す。
「ハイ」
アキトの話では放課後、ネオ・ヴェネツィアに来られる時、スケッチ巡りやアルバイトの合間を縫って少しずつ整えていったということで、夏の初めからかれこれ三ヶ月ほども費やして漸く今の状態までこぎつけたのだという。今日はその栄えあるお披露目で、アリシアを吃驚させたくてこれまで秘密にしていたとのことだった。
「素敵なお部屋ね、事務仕事をするならウチよりもはかどりそう」
「どうぞ使って下さい、でもボクが居る時にして。女のコが一人だと心配だから」
「まあ、わたしを子供扱い?」
「アリシアさんは女のコですよ、年上で女神さまだけど、ボクにとっては誰よりもカワイイ女のコ」
せつな、真顔になった少年の顔に経験を積んだ男の複雑な陰影が差していて、アリシアの胸のいちばんか弱い部分を狙い済ましたようにして突いていった。
「おいで」
先にベッドサイドに腰掛けた少年がアリシアを呼んでいた。自分の隣を指でトントンと叩きながら。
「うん……」
アリシアは制帽をデスクの上に置き、おそるおそるアキトの隣に腰を下ろした。膝をきちんと揃えて背筋をピンと伸ばした姿勢を保って。
「なんてきれいな髪……さわってもいいですか?」
「え? ええ、いいわ……」
すぐにもベッドに押し倒されてしまう、と思っていたのが肩すかしをくらったような気分になる。けれどもやっぱり髪を褒められるのは嬉しい。その髪を大切にされるのはもっと嬉しかった。
アキトは肌に触れるのと同じくらい優しくデリケートに髪を愛撫してくれるのだ。
「ねぇアリシアさん……」
「なぁに……?」
「この間のこと、バレたりしなかった?」
この間のこと、というのはもちろん先週に行われたゴンドラ遊覧のことである。
アリシアはこっくり頷いたが、事実は晃にもアテナにも見透かされていた。そればかりか友人たちの支えがあってのデートに他ならなかったという現実がある。
「本当に?」
「うん……」
アリシアは長い睫をぱちくりさせている。偽りきれずに碧い瞳に愁いの翳がよぎっていった。
「ボク、あらかじめ晃さんにお願いしていたんです。アリシアさんのゴンドラに乗せて欲しいって、そうしたら”そんなの晃サマの手にかかれば簡単だ”って快く引き受けくれて」
「知ってるわ、晃ちゃんたちが助けてくれていたこと……」
「ただひとつだけ条件をつけられちゃって」
「条件?」
「”そのかわりもしもアリシアのヤツを泣かせるようなマネをしたらタダじゃおかねぇ、たとえガキでもグーパンじゃすまねぇからな”って、脅かされちゃった」
アキトは巧みに晃の声色を使って言って、アリシアは大きな双眸をさらに大きくした。
「まぁ……」
「だから後で晃さんから何かいろいろ訊かれたりしなかったかなって」
「そんなこと、べつに……」
思い出して、またアリシアの頬にボッと朱がさしてくる。
晃たちにデートのお膳立てをしてもらったことはともかくとして、アキトとの関係がどんなに親密なものかを、うかつにも漏らしてしまったのはアリシアだった。
(……だってあのときは、しかたなかったのよ……アキトさんがいけないのよ、あんなことするなんて……)
あんなこと、というのには二つの意味があった。あのことと、あのこと……。
胸の中で女の繰り言をひとしきりもてあそんだ後、アリシアは自分に言い聞かせるようにこっくりするのだった。
「大丈夫よ、晃ちゃんはプライバシーに踏み込んでくるような人じゃないから」
「そう、良かった。町で晃さんと会ったらどうしようってビクビクしてたんだ」
晃は時に言葉遣いが男性的になることはあっても、立ち居振る舞いはとても”紳士的”で優雅だった。粗暴な行動などするはずもない。
もちろんアキトもそのことを重々承知したうえでの物言いであることをアリシアは知っている。
「アキトさんは?」
「ボク?」
「ちゃんとお友達と会えたの? 寄り道していくって言ってたでしょ……」
言いながら不意にひらめきの光が射した。
「寄り道するって、ここのことだったの?」
アキトはニッコリ肯定の笑みを向けていた。
「今日に間に合わせようと思って、まだ清掃が十分じゃなかったから。このベッドもラバーがボロボロのクッションが張ってあったんだけど、それを剥がして廃棄したり……本当は簡易のマットレスを持ち込みたかったけど……」
アキトは木製の台座だけになった診察台を少し残念そうな顔をしてさすった。
ベッドは清掃が隅々にまで行き届いていて座面はつややかに磨き上げられ、アキトの労苦のあとが窺えるのだった。
それが全て自分を迎えるためだと思うと、アリシアは申し訳ない気持ちにもなってくる。
「教えてくれれば私もお手伝いしたのに、アキトさん、いつでも内緒にしてるから……」
もののついでに日頃感じていた不満をあれこれひとくさり。
なんでも先回りして、いつでもアリシアに知らされる時には既に準備万端整っている、そんなことばかりが重なると、なんだか自分がアキトにとって無価値で役立たずの存在のようにも思えて、知らず知らずのうちに心ががひがんでしまうのだ。
それでもアキトはそつがない。
「だってアリシアさんをびっくりせたかったから。それにそもそも巣づくりは雄の仕事ですから」
と、やんわりアリシアのうったえを排除する。
「そんなこと言って……」
「でも今度なにかするときはちゃんと相談しますから、だから今日のところは勘弁してください」
「うん、約束よ……約束、だって私はアキトさんのパートナーなんだから」
「ハイ、肝に命じました。パートナーか……アリシアさんにそう言ってもらえるなんてすごく嬉しいな。でもこれからはココが使えそうだから、当分の間は隠し事はせずにすみそうですけど」
秘密のデート場所の確保は、ワケありのカップルにとっては常にいちばんの問題だった。たとえ迷宮のような町に暮らしていても、どこにいようとアリシアは目立ってしまう特別な存在。
他人の目にとまること無く隠密行動をするのはいつだって至難のことだった。
それを上回る少年の機略が、かろうじて危険な恋の発覚を封じている。
空に幾つもある浮き島からの死角がどこにあるか、通行人の途絶える時間帯とその地域、偶然を装うのに不自然ではない状況、誰が支援者となり、またどういった類いの人たちがリスク要因となりうるか、などなど。
スケッチをしながら隅々を踏破して町を知り尽くしたアキトの頭の中には、ネオ・ヴェネツィア全体が鮮明な立体地図として描かれているのかもしれなかった。
行き交う人たちの特徴や個性までを含めて。
絵描きという特別な才能に恵まれた人たちの観ている世界は自分のような凡人の視界とは違う、とアリシアはアキトの能力に驚きつつも興味深く受けとめていた。
そういう事情からするとアリシアにできる役割が、あまり残されていないのは容易に想像できるのだった。
ただ、それでも――。
「ベッドのマットなら古いものが会社の倉庫の中にあったと思うけど……」
「とてもありがたいんですけど、でもアリシアさんにつながるものを持ち込むのはどうかな……万が一のことを考えると、やっぱり……」
やはりアキトの指摘は的を射ていた。
「大丈夫です、次までにはふっかふかのベッドにしておきますから。アリシアさんがどんな格好をしても痛くないように」
「もう、イヤぁね、すぐにそういうことを言うんだから、ホントにイヤな子ぉ……」
なじる声音には自然に艶がのっている。スノー・ホワイトのアリシアが恋人のアキトにはすなおに女の顔を向けていた。
「アリシアさんはなにか勘違いしてるんじゃないですか? ボクはただキミがゆっくり体を休められるようにって思ってるだけで、セックスの体位の話をしてるワケじゃないんですけど」
少年はぬけぬけと言ってのけるのだ。
「あら、そうだったの? 心配して損しちゃった。また意地悪をされるんじゃないかって」
アリシアもお返しをしながら、傍らに座るアキトに身を刷り寄せて甘えるのだった。
「ボク、キミに意地悪なんてしたことあったかな?」
「いつでもいっぱいされてるわ……」
「いっぱい? そうかなぁ、例えばどんなこと?」
「どんなことって……いろいろ……」
「いろいろ……?」
「うん……」
アリシアは少年の腕に導かれるままベッドに身を横たえると、添い寝になって胸に顔を寄せる少年の頭を両腕で愛おしげに抱き包んだ。白い制服の豊かな胸の谷間に閉じ込める。
「いいにおい、アリシアさんのにおい……」
「そう……」
恋人からからだのにおいを好きだと言われるのは、女にはとても嬉しい。それと同様にアリシアも少年の体臭を好ましく感じている。髪のにおい、汗の匂い、絵の具や木炭の香り……。
ずっと包まれていたいと思う穏やかな匂い、とともに危うさも感じる男の香り。
アキトの手が背中をさすってくれている。優しい手の温もり。けれどもアリシアが感謝のキスをしようと顔を寄せると、アキトはなぜか顔をそむけて逃れてしまうのだ。
「……?……」
「ねぇ、お話して、アリシアさんのこと……今週どんなことがあったか……」
アキトが囁きかけてきて、アリシアは軽くと胸を突かれたかたちになった。
というのも、それが二人にとっての初めてのきちんとしたデートで――正確にはアキトがマンホームから戻ってきてから最初のデートだった――アキトの提案が「お話して――」だったからだ。
初めの頃はデートをするといっても今とは違って、とても自然で純粋な関係を重ねていた。会っても、ベンチに並んで腰掛けて会えずに居た間の出来事を話し合う、というような他愛の無いもの。
生い立ちや、友人家族、好き嫌い、趣味、目指しているもの、いろんなことを語り合ったのだった。身を寄せてときおりキス――友人と恋人の中間ぐらいの親密さの――をかわしながら。
まるで出逢ったばかりの男の子と女の子が、互いの間合いと心の距離を少しずつ縮めていきながら親密さを確かめていくように。
たしかに儀式上のこととはいえ、体の関係を結んだ後でのそれはただの、デートごっこ、だったのかもしれない。
けれども二人にとってそれはどうしても必要な過程なのだった。
先へ進むためには心も仕切り直しをしておかなければならないこと。
欠け落ちたピースがあればパズルは完成しないように、恋人としての共通体験のないままに体の関係だけを重ねていくことの危うさを、この思慮深い少年はよくわきまえていた。
この子が好き……?
アリシアは淡いデートの間にも自らに何度も問いかけて、情熱の底に横たわる自分の本当の気持ちに目を凝らし続けた。
そんなこと……。
問いかける前から答えはわかっていた、その筈だった。
けれども自分の思いが日ごとに胸の中で根を張り確かなものへと成長していくというのは、おもいがけない感動をもたらしていた。走り出した体を戸惑いながら追いかけていた心が、やがて力強い足取りになって追い抜いていく。
自分自身で本当の気持ち――を発見するというのは胸うつ歓びの経験なのだった。
その記憶がいま再び、アキトの一言によって鮮やかに蘇っていた。
アリシアは大きな瞳をまんまるにして間近にある少年の顔をじっと見つめた。
(やさしい目……あの頃に比べて少しお鼻が高くなったのね……アキトさん……)
出逢ってから一年あまり。共に過ごした時を重ねるほどに絆を深めていった。知れば知るほど惹かれてしまう。
アリシアにとってアキトはもうかけがえのない存在なのだった。恋人の存在を抜きにして自身のこれからを考えることなどありえないと、そう確信できるほどに。
「あなたにめぐり逢えて、ほんとうに良かった……」
アリシアのささやきに少年は頷く。
「ボクも。でもボクの方がずっとラッキーですけどね」
「あらずるいわ、そういう言い方。じゃああたしもアキトさんよりももっともっと幸せよっ」
「それならそれでいいんです。だってアリシアさんの幸せはボクの幸福の基礎だから。キミが幸せじゃなければボクの幸せもありえない」
アキトはこういうことを臆面もなく言う。
「ただ基礎の上にはいつでもボクだけのハッピー摩天楼がそびえ立ってるんですけれど」
「ハッピー摩天楼!?」
「カッチカチになって。だってそういうのって女のコのカラダにはついていないでしょ」
「もう、バカ……」
言葉のラリーではアキトには敵わなかった。それがアリシアをまた幸せな気持ちで満たしてくれるのだった。
添い寝のまま互いの額をくっつけて他愛もないおしゃべりになる。
それぞれの日常の交換。アリシアはアリアカンパニーでのウンディーネとしての日々を、アキトは美術学校での生活を楽しげに語る。
すると、どうやらクラスメートの女の子たちが彼にお熱をあげているらしいのが窺えてアリシアは可笑しくなってしまうのだった。
スケッチ巡りに同行したいっていう子が居るですって!
そりゃアキトさんのデッサンにつきあえばきっと勉強になるに違いないと思うけど……でも本当にそれだけ?
ふつうは女の子の方から理由もなく男の子に近づこうとしたりはしないものだから。
(用心用心、うふふっ……)
だって女の子ならアキトさんのことが気になるのはとても自然なこと。
キュートでやさしくて、とっても頭がよくって才能にも恵まれている。そのうえナイーブそうで穏やかなのに強引なところもあって、リードすべきときにはしっかり先に立って導いてくれるのだから。
そしてなにより驚かされるのは自分を失わないセルフコントロール力、自己抑制能力だった。
老成している筈の大人でもときに感情に振り回されて醜態をさらすことがあるのに、アキトの場合は常に心が安定していて崩れない。
なのに、とても情熱的にもふるまう……。
(こんな男の子がそばにいたら、もう気になって気になってしかたがないわね)
「じゃあ今度は、女の子たちと町でスケッチ散策するの?」
「断っちゃった」
「あら、どうして? せっかくのお願いなのに
「だって足手まといになるし、ボクのペースにつきあうのは女の子たちには大変だし」
「そうかもしれないけど、でも女の子たちをがっかりさせちゃいけないわ」
「やっぱりそうなのかな」
「じゃけんにして敵にまわすと女の子ってこわいのよ」
「うーん、たしかに、そのへんは賢く立ちまわらないといけないけど……ボクはビジターだから、でもキミとのデートの機会を削ってまでとなると……」
「大丈夫、アキトさんがどこに居てもわたしは遠くで見まもっているわ」
「なんかそっちの方がコワいかもしれない」
子供のようにアキトが無邪気に笑い、アリシアもつられて声を上げて笑ってしまうのだった。
「ボクがキミにしか興味がないのはわかってるくせに、アリシアさんなしに生きてはいけないってこと」
「うん……」
「大好きだよ、アリシアさんのこと」
「あたしも……」
アキトの両腕に頭を強く抱きすくめられて、ふわっと意識が遠のきそうになる。
頭髪に落ちてくるキスの五月雨は自分がどんなに愛されているか、どんなに大切にされているかを教えてくれている。
慈しむように背中を撫でる手の動きにアリシアは遠く幼い日のことを思い出していた。無条件で愛し、許してくれた心やさしい父親のことを。
目頭がつんと熱くなる。
アキトはどこか父親に似ている――。
ふと何かのきっかけでアリシアはそう感じることがあった。もちろん姿も齢も体格も全然違うけれど。
おそらく少年が備えた父性に、自分の心の奥深くに今も棲んでいる幼いアリシアが反応しているのだろう。自分の幼さ拙さと同様に、包容力や寛容性というものもまた実年齢とは関係ないものなのだ。
このごろは自分よりもはるかに年下の男の子に、アリシアはごく自然に素直に甘えられるようになっていた。
委ねて、まかせて、どこまでも従順になる。プリマウンディーネでいるときの自分とは別のもう一人の自分になって。
それがアリシアにはとても居心地がよかった。
むしろアキトと居る時の自分こそが素の自分、本当の自分なのではないかと思う。
幼なじみや親にすら見せることのない自分をすっかりさらして、飾ることのない素顔を受け容れてもらえる安心感は、何もかも許し合える恋人ならではのもの。
それをアリシアに教えてくれたのはアキトだった。
出逢って以来ずっと、いつも見守られていたのは自分ばかり。
アキトはいつでもこちらのペースに合わせて、辛抱強く待ち続けてくれていた。齢ばかりを重ねて浅はかな女に、勇気が必要な時には背中を押してくれた、やさしく励ましてくれていた。
神秘的な黒い瞳には焦れたようすも、苛立も微塵も窺わせることなく。
やさしいひと……。
心からの友……恋人……。
大好きなわたしのアキト……。
しあわせよ……。
「アキトさん……」
少年の胸で甘える声がうわ言のように聞こえてハッとなる。
「お目覚めですか? 女神さま」
「……?……」
間近でアキトがアリシアの顔を覗き込むようにして頬笑んでいた。
「あらいやだ私、寝てたの?」
「少しの間ね」
「少しの間って、どのくらい?」
部屋の中はいつの間にか日が陰ってきていて、にわかに不安が兆してくる。
「小一時間くらいかな?」
「そんなにっ?! どうして起こしてくれなかったのぉ」
つい声音にも非難の調子が含まれてしまう。
「だってスースーって寝息をたてていたから可愛くて、キミの寝顔にみとれてたんだ」
「もう……」
アリシアは折角のデートを寝過ごしてしまったことが悔やまれた。自分の知らない間に時だけが流れていってしまったなんて、と。
「今日はもうこのまま帰りますか?」
「えっ!? いま何時?」
「もうじき四時になるところ」
時刻を知らされて失意と落胆を含んだ波紋が胸の中にひろがっていく。
「そう……」
いつも会社には五時までには帰ることにしていたが――。
「アキトさんは?」
「ボクはもう少しここに居るつもりだけど、ちゃんとキミをゴンドラのあるところまでは送っていきますから心配しないで下さい」
「うん……」
アリシアは曖昧に返事をしてアキトの胸に顔を寄せた。
もうおしまいなの――?
という女の不満がくすぶっていて、それをどう宥めたらよいものかわからなくなっていた。せっかく会えたのに、デートだったのに、寝過ごしてしまった我が身の迂闊さが情けない。
「こういうデートもいいなって……アリシアさんのカワイイ寝顔をたっぷり堪能できたし、キミのやさしい体のにおいも……キミはとってもいいにおいがするから……」
アキトは髪やうなじに顔を寄せてドライキスをしながら、しくしくと鼻をならしている。
「つづきはまた今度にしてもいいかなって……」
「……うん……」
アリシアは頷きながらも、胸の中では“今度っていつ!?”という悲鳴にも似た抗議の声が上がっていた。だから抱かれたままじっとしていた。アキトの言葉を待っていた。
でもいつまで待っても何も言ってくれないアキトがだんだん焦れったくなってくる。
ただ背中を撫でるだけの手の動きがもどかしい。
本当はもっと可愛がって欲しいのに……。
いつものように――。
でも女の子の口からはそういうことはけっして言えないこと……。
だから……。
ただアキトにだって都合があるのかもしれないし……。
それに大人の女の分別として、男の子をひきとめて、あまり帰りが遅くなってはいけないからと諌める声もしているのだった。
どうしていいか決められないままにアリシアは言葉を失ってしまった。時ばかりが無為に過ぎていく。沈黙が口惜しい。
「……あたし……」
けれども黙りこくっていることに堪えきれず、とうとう先に口を開いたのはアリシアだった。
一人称の母音に鼻濁音がかかるのはアリシアが甘える時、恋人に寄り添う気持ちでいる時のもの。生理的には興奮にやや鼻閉ぎみになっているからで、たとえアリシアには自覚が無くても、聡い恋人であればすぐに気がつく女の心根のシグナルだった。
「なぁに? アリシアさん」
「………」
すぐにアキトが応じてくれるが、ただボールをアリシア側に放り返すだけで焦れったいのだ。どうして気づいてくれないのっと、恨み言の一つも言いたくなる。
アキトが今のアリシアがどんな気持ちでいるか気がついていないはずはなかった。わかっていて素知らぬふりをするアキト流の韜晦癖だ。
本当にイジワルでにくらしい――。
でも、それなのに背中を撫でられ、やさしい手の動きで前髪のほつれ毛を整えられると胸に熱くこみあげてしまう。
「アリシアさんに、もしまだ時間があるなら……」
それはアリシアにとっては差し伸べられた救いの手のような言葉だったのかもしれなかった。是非もなく目を伏せて無言で頷いてしまったからだ。それがまぎれもなく体の関係を結ぶことへの同意と承知のうえで。
胸がまたドキドキと高鳴りはじめた。
「いいんですか? 帰りが遅くなっても……?」
アリシアは自分に言い聞かせるようにこっくりするとアキトの顔を窺がった。が、すぐにと胸を衝かれて眩しげに瞼をしばたたかせる。やわらかい頬笑みを浮かべている少年の見つめる黒い瞳にかすかな狡知の煌めきを読みとったからだった。
アリシアは自分がまた恋人の企みにすっかりはまってしまったことを悟るのだった。
「じゃあアリシアさん」
アキトの言葉の底に勝利の愉悦が潜んでいるのが感じとれる。やさしいアキトがいちばん無慈悲になって要求を突きつけてくる時の声音。
アリシアは胸騒ぎを覚えながら少年が何を言い出すのか口を閉ざして待つのだった。
「クンニリングスをしませんか?」
それは半ば予期していたものだったのかもしれない。
アキトが求めたのは、愛しあうのでもセックスをするのでもなく、クンニリングスをすること。それがアキトがもっとも好むことだったからだ。またアリシアにもそのとりわけ淫らな接吻が女にとってもっとも親密な愛の行為のひとつであると感じている。
何も知らなかった頃とは違って。
それに――。
提案は提案であって提案ではなかった。今のアリシアにはノーという選択肢はない。
「……いいわ……」
ファスナーを下ろして背中をあらわにすると、白いワンピースがするりと肩口からすべって足もとに落ちていった。肩甲骨の線が怯える蝶の羽のように儚げに描かれている。いまアリシアが身につけているのは白の肌着だけ。アリシアは身を屈めて制服を拾うと丁寧に畳んでデスクの上に置いた。
自分の後ろ姿に注がれるアキトの視線を痛いほど意識しながら。
「あんまり見ないで下さい、はずかしいわ……」
たとえ肌を許す相手であっても服を脱いでいるところを見つめられるのは、やはり気詰まりなものである。
「じゃあボクも脱ぐから、それでおあいこですね」
是非もなく勝手な理由をつけると、少年はシャツを脱ぎながら前にまわりこみアリシアの視線をたぐり寄せるようにして言った。胸をかばうアリシアの両腕をとると体側に副わせるようにする。
「ブラジャー、ボクが前にプレゼントしたのを今も使ってくれてるんですね、気に入ってもらえてるみたいで嬉しいな」
栄えある絵描きのたまご様の見立てによるとアリシアのブラジャーサイズは三十のトリプルDかGがフィットする筈だというのだった。それ以前に身につけていたものよりも三つもサイズが大きかったが実際に贈られたものを試してみると、たしかにつけ心地が良く、以来、お気に入りとなっていた。
「アリシアさんは自分で思っている以上におっぱいのおおきな巨乳さんだからね」
「そんな……きらいよ、そういう言い方……」
「女の人って巨乳って言われるのは心外なものなのかなぁ?」
体の一部分だけを取り上げられるのは、セックスを売り物にしているようで抵抗があるのだった。アリシアの場合は特にスノーホワイトというステータスからなのだろう、今まで他人から“おんな”としての扱いを受けることが少なかった分、露骨な言葉遣いには敏感に反応してしまう自分が居るようだった。
「でもそれを買ったヴィックスの人が言ってたよ、『坊やのガールフレンドはずいぶんな巨乳さんなのね』って」
アキトはブラをアリシアから取り上げて丁寧にたたみながらそのときのことを話し始めるのだった。
本編の
その 下着売り場の奇妙なお客さまは…
に続くお話しで
時系列的には、その妖精さんの体験学習は…の後で、シエスタ の前になります
やっぱり最終回がお見事でした
横顔 いいですねぇ
ピアノソロから、フル演奏のくだり
シーンを見事に盛り上げて ごちそうさまでした
さて次はその後の裏話をっと