物静かで大人しい清楚系隠れ巨乳図書委員の潮乃森さんが僕にだけパンツを見せてくれるから──毎日図書室へ行って図書委員の潮乃森さんとえっちをする話(連載版) 作:しじままどせ
「で、デートってぇ……」
夜半、潮乃森ゆいは自室のベッドの中で悶絶していた。
頭まで毛布を被った状態で胎児みたいに丸くなって頭を抱えている。ドクドクと心臓が音を立てていて、体が熱を帯びたような状態になっていた。
無理もないだろう。デートの約束を取り付けられてしまったのだ。
相手は佐々木
彼とゆいは今日、図書室でセックスをした。
生まれて初めてのセックスだった。まさかあの場で処女を喪失することになるとは思っていなかった。ただ彼から『美人』だと評されたことで動揺して、自分のペースを取り戻そうと誘惑をしてみたところ勢いでそのままセックスと相成ってしまったのだ。
自分が彼とセックスをしたことに対して後悔はない。彼がゆいの肢体に興奮してくれた、ゆいのことを受け入れてくれたという事実がひたすらに嬉しい。いや、処女だというのにひどく感じて乱れてしまったことに対する気恥ずかしさはあるけれども。
ずっと彼とセックスをしたいと思っていた。夢見ていたと言っていいくらいには、そう思っていた。その夢はあっけなく叶ってしまった。
それだけならば、いい。
きちんと彼がゆいに興奮して、ゆいの体に溺れるように、あるいは沼に沈むようにずぶずぶとした関係に持ち込めそうだったから。
ゆいは口下手だ。基本的に自分の思いを人に伝えることが苦手で、態度でしか心情を表せないタイプ。だから愛の告白なんてできっこないし、告白したいとさえ思わない。口下手なゆいは、どうにか『きみのことが好きだから──』とか言うことができても『──とか言ってみるテスト』とか冗談めかして逃げてしまうような子であるし。
だから仮にセックスフレンド的な関係だったとしても、彼がゆいの体に溺れてくれるのならばそれでいいとゆいは思っていた。それが口下手な自分が選び取れる一番いい関係だと思おうとしていた。
だからセックスをした次の手として、彼がゆいに溺れてくれている隙に彼のことをモノにしたい、と、そう思ってゆいはすぐさま手を打った。今日は両親が家にいない日だったから、彼を家に誘って
にもかかわらず、断られた。
『僕は潮乃森さんの家へは行きません』と言われた。
『あなたのことが好きだからです』とも、言われた。
思わず面食らってゆいは立ちすくんだ。
唖然としているゆいに対して彼はキスをして、あれよあれよと言う間にデートの約束まで取り付けられてしまった。
びっくりした。まさかそんなことになるとは夢にも思っていなかったのだ。
いや、デートをすることに異存はない。彼から好かれているらしいことも、非常に嬉しく思う。けれど、とにかく唐突だったので、びっくりした。
今でもまだびっくりしている。彼とデートだなんて。
「佐々木くん……」
ゆいは彼のことが好きだ。
彼もゆいのことを好いてくれているらしい。それはきっと恋愛的な意味で、ゆいのことを好いてくれているらしい。
「あぁあぁぁ……」とゆいは唸った。照れくさいやら恥ずかしいやら嬉しいやらで混乱して、胸の奥が一杯になっていた。
そのせいで彼と別れて家に帰ってきてからというものゆいは悶絶し続けている。間の悪いことに今日は家に誰もいない日だったから余計にだ。発散されることのない思いが胸の中で渦を巻き続けている。
デートとは、何を着ていったらいいのだろう。水族館という話だったが、何を話したらいいのだろう。どういう態度で臨んだらいいのか、どういう下着を穿いていったらいいのか、もしかしてデートの最後にはセックスが行われたりするのだろうか。
セックス。
図書室で彼と交わった時のペニスの熱がまだ体の中に残っている。まだ膣内に異物感が残っていて、痺れるような感覚だ。先ほど処女を喪失したばかりなのだから、当然だ。
「あ、もしかしてあの子、気遣ってくれたのかな……」
ふと、ゆいはその可能性に思い当たった。
処女を喪失したばかりのゆいがあのまま家に帰って『二回戦』と洒落込むのはどう考えても無茶だった。もしかすると膣内に傷がついて血がドパドパ流れていたかもしれない。そうでなくとも体力的にも厳しかったかもしれない。
そのことを見透かして彼は日を改めるように提案をしてくれたのかもしれない。ゆいの体調が復活しているであろう後日のデートに、と。
「佐々木くん、優しい……」
急に胸の奥が『好き』という気持ちで一杯になって、ゆいはベッドの中で思わず自分の体をぎゅっと抱きしめた。
とく、とく、とく……と心臓の音が鳴っているのが聞こえる。ああ、自分は恋をしているのだな、とゆいは思った。
それからゆいは起き上がってスマートフォンで写真を一枚撮影して、幸せな気持ちのままその写真を彼に向かって送信した。
『デートたのしみ』と一言添えて。
彼の連絡先を聞いておいてよかった、とゆいは心の底から思った。
◇◇◇
一方、その頃、僕の方はこんな感じだった。
──ぴろん。
「あれ、潮乃森さんからメッセ……──あぎゃッ!?」
ベッドの中でぼんやりとしていたら、スマートフォンにメッセージが届いた。差出人は潮乃森ゆいになっている。潮乃森さんだ。
ああそうか、潮乃森さんと連絡先を交換したんだっけ、と思いながらスマートフォンのメッセージアプリを開いて、僕は絶句した。
胸の谷間。
潮乃森さんから送られてきたメッセージには写真が添付されていて、その写真には彼女の首から下が──具体的には深々とした胸の谷間が映し出されていたのだ。
つまり自撮り写真だ。
おそらく潮乃森さんのベッドの上で撮影された写真である。ベッドの上に女の子座りっぽいポーズで腰掛けた彼女はピンク色のパジャマを着ていて、そのパジャマの前のボタンを開けていた。
その結果、彼女の丸い左右の胸とその谷間がばっちり見えていたのである。
柔らかそうな──というか実際に柔らかい、潮乃森さんのおっぱいである。乳首やら乳輪やらは隠されていて見えないものの、片腕に押されてむにゅっと変形している彼女の乳房はひどく淫蕩だった。
潮乃森さんは寝るときもブラジャーを着ける派なのだろう。彼女の乳房を覆っている黒いナイトブラも同時に見えていた。
「え、エロすぎないですか……」と思わず言った。
ナイトブラというやつは基本的に家でしか身につけないから、普通男は目にする機会がないものだ。それを見てしまっている。というか、あの清楚な潮乃森さんがこんな写真を送ってくるということ自体が、やばい。
思わず写真を保存してしまったけれど、やばい。
この事態はさすがに想定していなかった。まさかこんな写真が送られてくるだなんて。もしやこれは『使え』という意味なのだろうか。
いや、もちろん、使えなくはないというか、非常に使えると感じるのだけれども、それにしても……それにしても、潮乃森さんのエロ画像が自分のスマートフォンの中に入っているという状況は、やばい。しかもこういう自撮りは何なら毎日送られてくる可能性すらあるのだ。
毎日パンツを見せてくる潮乃森さんに連絡先を教えたらこうなるという可能性を考慮するべきだった。
しくじった、と思った。
今日から潮乃森さんのことを翻弄して生きようと心に決めていたのに、もう潮乃森さんに翻弄され始めている自分がいる。
「な、なんにせよ返信しないと。でも、何と……?」
ここから巻き返す方法があるだろうか。こちらを翻弄しようとしてきている潮乃森さんを翻弄し返す方法は。
自撮りを送ってきたことに文句を言ってみようか。あるいは、いっそこちらも自撮りをして送り返してみるとか。しかし潮乃森さんのスマホに僕の裸体が記憶されるのは普通に嫌である。だとすると既読無視という方向の方がまだマシだろうか。
そうしてぐるぐると思考が巡らせる。というか逡巡し続けることしかできない。
──ぴろん。
そうして僕が考えて頭を抱えていると、スマートフォンにもう一通メッセージが来た。差出人は潮乃森さんだ。
また写真か、と思って身構えたけれど、今度は文字だった。
『デートたのしみ』
本当にシンプルな文面である。
「うぅぅ、僕も楽しみですけどぉ……」
頭を抱えながら僕はそう呟いた。潮乃森さんを翻弄してペースを握るのはかなり難しいかもしれないな、と思いながら。
それから、どうにか『俺もです』とだけ返事を送ってスマートフォンの電源を切ったけれど、その日はもう全然眠れなかった。
デートは一体どうなってしまうのだろう。
そんなことを思いながらも、脳裏にはただただ潮乃森さんの姿がチラつき続けていたのだった。