物静かで大人しい清楚系隠れ巨乳図書委員の潮乃森さんが僕にだけパンツを見せてくれるから──毎日図書室へ行って図書委員の潮乃森さんとえっちをする話(連載版) 作:しじままどせ
図書室で潮乃森さんが脱いでそのまま忘れていってしまったスパッツを、結局僕は持って帰った。
だって図書室に置き去りにする訳にはいかなかったし、司書の先生に『忘れ物です』と渡すのもはばかられたからだ。
だから今、つまり潮乃森さんにフェラチオをされた日の夜、僕は自分の部屋で彼女のスパッツを持って途方に暮れていた。
「どうするかな、これ……」
スパッツにはさすがにもう潮乃森さんの体温は残っていない。常温のただの布である。手触りも柔らかだが、やはりただの布だ。もし鼻を押しつけて嗅げば彼女の体臭──それも秘部付近の香りが感じられるかもしれないが、そんなことをする気にはなれなかった。
いや、嗅いでみたくはあるのだが。だって潮乃森さんの秘部に顔を埋めてみたい欲求がないとはいえないのであるし。
けれどもそれは倫理的にどうなのかとか、彼女のスパッツを顔に押し当てて嗅いでいる自分の絵面はやばいのではないかとか、そもそも恥ずかしいとか、そう言った理由があってスパッツを顔に押し当てることは躊躇われた。
けれども目を逸らせば逸らしただけ脳裏にチラつくのは放課後に見て触れた潮乃森さんの丸いお尻だ。あの尻は柔らかかった。丸かった。綺麗だった。指に触れた彼女の肌の感覚が忘れられない。もう少し手を伸ばせば届いていたかもしれない彼女の秘部も。
「潮乃森さん……」
彼女はいったい、何なのだろう。
どうして僕にパンツを見せてくれるのか、触れてくれるのか、フェラチオをしてくれたのか。その理由がちっとも分からない。分からないまま、彼女に翻弄されてしまっている。
このスパッツにしたって、そうだ。このスパッツを彼女が故意に忘れていったとは思えないけれど、僕はコレを一体どうしたらいいだろうか。
明日、図書室で返却をするか、教室まで持っていくか、それともこのまま返さずに隠し持ってしまうか。もしも返すとしたら洗って返した方がいいのか。それとも洗濯したら逆に変に思われるだろうか。
考え始めるときりがない。もうどうしたらいいか分からなかった。
「あー、もう、いいや! 明日考えよう!」
悶々と考え続けた僕はベッドの上に仰向けに倒れてそう叫んだ。考えていてもらちがあかないから、もう明日の自分に丸投げする他なかったのである。
◇◇◇
「すみません、潮乃森さんはいらっしゃますか?」
潮乃森さんのスパッツを拾った日の翌日の昼休み、僕は二年一組のドアをノックして手近なところにいる女子生徒にそう尋ねた。
結局一晩中悶々とし続けた結果、僕はスパッツをそのままカバンに入れて通学をしたのだ。つまり彼女にスパッツを届けるために。
そして折を見て潮乃森さんに渡そうと思ったのだけれど、潮乃森さんは二年生で僕は一年生だ。学年が違うからクラスのフロアも違う。フロアが違えば生活圏が違うから、朝から一度も潮乃森さんと出会えなかった。
だからスパッツは朝からずっと僕のカバンの中に風呂敷に包まれて入っていた訳だけれど、これはあまり気分のいいものではなかった。だってもし誰かに見られてしまったらと思うと気が気ではなくなってしまうのだ。学校にエロ本を持参したときよりもぜんぜん緊張したくらいだ。
ちょうど昼休みに、僕はその緊張感に耐えられなくた。
お昼ご飯の弁当を食べ終えて弁当箱をカバンにしまおうとしたときに彼女のスパッツを包んだ風呂敷が見えてしまったからだ。それで僕は慌ててカバンを引っ掴んで二年生のフロアに突撃してきた、という訳である。
といっても僕は潮乃森さん学年とクラスくらいしか知らない。ちょっと教室を覗いただけでは彼女の席がどこなのかも分からないし、しかしだからといって一学年上の教室にズカズカ入っていって潮乃森さんを探すだけの度胸は僕にはなかった。
そこでとりあえず僕は後ろのドアをちょっと開けて近場にいた女子生徒に潮乃森さんの所在を尋ねたのである。
「潮乃森さんって、
いきなり教室に入ってきた後輩を見て、近場にいた女子生徒は無遠慮に僕のことを頭の上から足下までジロジロと眺めた。なんとなく値踏みされているような感じがした。
ちなみに
「そうです。潮乃森ゆいさんに用があって来ました。彼女に直接渡したいモノがあって」
「ふぅん……直接渡したいモノ? なあに、それ?」
「秘密です」
「……秘密ぅ?」
「あまりおおっぴらに人に言いたいようなモノではないので」
「そうなんだぁ」
要件を僕が述べると、女子生徒はなぜだかにっこりと笑った。
そして女子生徒はバッと教室の方を振り返って、教室中に聞こえるような声で叫んだ。
「ゆいー! 彼氏くんがお届けモノだって!」
「~~~~ッ!?」
ガタッと音がして、見ると一番前の窓際の席で潮乃森さんが勢いよく立ち上がったところだった。
彼女は目と口を大きく開いて、声にならない悲鳴をあげながら唖然とした顔をしている。そしてその顔がみるみるうちにかあああっと赤くなっていくのが見えた。
直後にガシャンッと音がした。潮乃森さんが勢いよく立ち上がったことでバランスを崩した椅子が床に転がった音だった。
「え、ゆいの彼氏?」
「あの子彼氏いたんだ。ぜんぜんそんな感じじゃなかったのに」
「何言ってんの、ゆいってば大人しいけど顔は綺麗じゃんか」
「っていうか彼氏くん結構可愛い顔してる」
「後輩の子?」
「バレー部の子じゃない?」
「え、ゆいってバレー部に接点あるの?」
「ないと思う」
潮乃森さんの椅子の音が響いた教室に、そんな会話が堰を切ったように流れ始めた。一気に喧噪が戻ってくる。
落ち着いて見てみると教室の中にはたくさんの生徒がいた。お昼休みになったばかりだからだろうか、ちょうど昼食の弁当を食べている生徒が多かった。そういう食事時には噂話がつきものだ。突然の来訪者である僕の存在が彼女らを刺激してしまったらしい。
そんな教室の喧噪がようやく見て取れた。潮乃森さんにスパッツを返すことで頭がいっぱいで今の今まで教室の中の様子に気を配るだけの心の余裕がなかったのだ。
冷静になって見てみると教室中の人間が僕と潮乃森さんを交互に眺めていた。
そして視線を集めている潮乃森さんはというと、立ち上がってこちらを見たまま酸素が足りない金魚みたいに口をぱくぱくと動かしていた。いかにも言葉が見つからないといった雰囲気だった。
「…………!」と彼女聞き取れない声では何事か呟いて、それから急に動いた。
まるでつむじ風みたいに猛スピードで教室の後ろのドアのところに突っ立っている僕のところまでやってきて、いきなり僕の腕をガッと掴んだのだ。強い力だった。
そして僕が「あ」と思った時には彼女はもう廊下を歩き始めていて、僕は半ば引きずられるようにして潮乃森さんに付いていく形になる。
「あ、ゆいー! どこ行くのぉ!?」
後ろで僕を『ゆいの彼氏』呼ばわりした女子生徒そう叫ぶ声が聞こえたけれど、潮乃森さんは答えなかった。振り返りもしなかった。ただ真っ直ぐずんずんとすごいスピードで廊下を歩き去って行っただけだった。
そんな彼女に引きずられるようにして僕はついて行っていた。彼女の長い髪のすき間から見えている耳が真っ赤になっているのが見えていた。
僕は潮乃森さんの彼氏なのだろうか、と一瞬だけ悩んだ。
◇◇◇
「ど、どこへ行くんですか、潮乃森さん」
「…………ッ」
ズンズン歩く潮乃森さんは僕の質問に答えてくれない。
潮乃森さんは隣の校舎までズンズン歩いて行ってさらに階段を駆け上がり、三階にある図書室のところまでやって来た。こういう時でも図書室に足が向いてしまうのは彼女の文学少女としての習性だろう。
しかし本日の昼休みはとくに図書室の開放日ではなかったので図書室には鍵が掛かっていた。そのことを潮乃森さんはドアに触れる前から知っていたのか、図書室の手前のところで急に曲がって屋上へ続く階段のところに来た。
屋上も、開放はされていない。事故防止のためだ。だから屋上へ続くドアは閉鎖されていて実質行き止まりの袋小路だ。
その屋上へのドアのところで潮乃森さんはようやく立ち止まった。そこで初めて手を離されたので僕もようやく息を吐く。ものすごい勢いで隣の校舎の屋上の手前まで来てしまった。それも潮乃森さんに腕を掴まれて引きずられるような変な姿勢で歩いて。そのせいで少しだけ息苦しかった。
「は、は、はっ」と潮乃森さんは僕よりもずっと息が上がってた。元運動部の僕と違って彼女はゴリゴリの文系だから体力が違うのだろう。羞恥心以外でも顔が真っ赤だ。額を汗が伝っていて、それで彼女の前髪が貼り付いているのが見えた。
「大丈夫ですか、潮乃森さん。えっと、ハンカチ要ります?」
「あ、どうもありがとう……?」
「ものすごい勢いで歩いたから流石に暑くなってしまいました」
「きみが急にわたしの教室に来たから……」
持参したカバンからハンカチを取り出して彼女に手渡すと、潮乃森さんは存外にはっきりとお礼を言ってハンカチを受け取った。そして前髪をあげて汗を拭いている。
潮乃森さんの前髪はまあまあ重たい感じだ。その前髪が上げられて僕のハンカチが彼女の汗を吸っていく。潮乃森さんのスッとした眉毛がはっきりと見えた。
その光景は何か見てはいけないモノであるような感じがして、僕は慌てて目をそらした。
「…………?」
一方の潮乃森さんは、そんな僕のことを不思議そうに首を傾げながら眺めていた。
「どうかしたの? きみ、顔が真っ赤だよ?」
「いえ、何でも。単に勢いよく歩いてきたせいです。気にしないでください」
「そう……? ごめんね、ハンカチ借りちゃって。明日洗って返すから」
「いいですよ、洗わなくても。ぜんぜん気にしないので」
「……わたしが気にするの」
フイッとそっぽを向きながら潮乃森さんはそう言った。
彼女の長い髪がバサッと揺れて、綺麗だった。
その時に「あ」と思った。
もしかすると僕は潮乃森さんがはっきりと喋るのを聞いたのは今が初めてかもしれない。
いや、図書室の受付に居るときの彼女が貸出業務をするところは何回も見たことがあって、図書の貸出と返却の説明をする彼女の姿も目撃したことがあるのだけれど、彼女と日常会話をしたのは今が初めてだったのだ。
潮乃森さんは図書室では静かにしなければならないと思っている。
だから彼女はあの場所では余計なことを一切言わない。ジェスチャーで『しぃー』と言われるだけで無駄な会話は一切なかった。
けれどもここは図書室の外だから、屋上の手前の人の来ない場所だから、潮乃森さんはどうやら僕と口を利いてくれるらしかった。
「僕、潮乃森さんと会話をしたの、今が初めてです」
「え」と彼女は目を開いてこちらを見て、それから「あ……」と呟いてみるみるうちにまた赤くなっていった。もしかすると照れているのかもしれない。そのうち俯いてしまって、小さく「うん」と言った。
「何度もあなたと話したいと思っていたんですけど、なかなか上手くいかなくて困っていたんですよ。僕、あなたと話したくて毎日図書室に通っていたので」
「と、図書室では静かにしないといけないから……」
「じゃあ、ここは図書室じゃないから僕とお喋りしてくれます?」
「こんなところで?」
「こんなところに僕を連れてきたのは潮乃森さんの方だと思いますけど」
「…………」
「潮乃森さんには色々聞きたいことがあるし、それに返さないといけないものもあるから。先ほどあなたの教室を訪ねたのもそれが理由で……」
「…………?」
返さないといけないモノってなあに、という表情で彼女は首を傾げた。話すようになっても首を傾げる癖は健在だ。丸眼鏡の奥の瞳が不思議そうに揺れていて、はっきり言って美人だと思う。
これから潮乃森さんにスパッツを返却しないといけない。そう思うと何だか変に緊張する気持ちがないではない。だけれども僕がスパッツを持っていても仕方がないから、心を決めないと。
だから僕はカバンからスパッツを包んだ風呂敷を取り出して、彼女にそっと手渡した。
「これ、昨日、図書室に忘れていっていっていましたよ」
「…………? ──ッ!? ~~~~ッッ!?」
不思議そうな顔をしたまま風呂敷を開いた潮乃森さんは、中を見た瞬間に「──ッ!?」と息を飲んだ。そしてバッとこちらを見て、風呂敷の中に収まったスパッツを見て、それからまたこちらを見て、悶絶した。
その反応を見るに、どうやら昨日自分が図書室にスパッツを忘れていたことにまったく気が付いていなかったらしい。動揺が一気にやって来たらしく顔が赤くなったり青くなったりを繰り返している。声を失って、例の酸素が足りない金魚の口をここでもやっている。
「えっと、昨日潮乃森さんが図書室の上にそれを忘れて行っちゃったんで、預かっておいたんです。でも預かっただけで、変なことはしてません。誓って何もしていません」
「──……な、なんできみが、預かって、くれた、の?」
「人に見られたらマズいなっ思って。それに僕以外の誰かがソレを持って帰っちゃったら嫌だなって思って」
「それでわたしの教室まで届けに来てくれたの?」
「そうです。そうしたら教室での潮乃森さんが見られて、ラッキーでした。クラスメイトからは
「あうぅ……」
僕が説明をすると、潮乃森さんは真っ赤になって俯いてしまった。
もしかすると潮乃森さんはかなりの赤面症なのかもしれない。なんだか今日は彼女が真っ赤になる光景を何度も見ている気がする。いや、それくらいに彼女の動揺を誘う出来事が多かったということなのだろうけれど。
というか潮乃森さんは怒らないだろうか、と急に不安になってきた。想像以上に彼女を動揺させてしまった。考えてみれば袋とかに入れて下駄箱にそっと入れておけば彼女をびっくりさせずにスパッツを返却できたではないか。
いや、でも、潮乃森さんに会って直接返したかったしな……などと思いながら、俯いてしまった彼女を眺め続ける。潮乃森さんの長い髪のすき間からいまだに真っ赤になったままの耳がチラリと覗いていた。
「あ、ありがとう、ございます……?」
やがて潮乃森さんはとても小さな声でそう言ってゆっくりと上目遣いにこちらを見上げた。目が潤んでいる。もちろん欲情で潤んでいるわけではなく、羞恥心とかそういったもので半泣きなのだろう。
一瞬ズキッと心が痛んだ。けれど心が痛んだのは本当に一瞬だけだった。
なぜなら直後にそれどころではない事態が始まったからだ。
まず潮乃森さんは受け取ったスパッツをゆっくりと踊り場の床の端の方へと置いたのだ。
え、どうして床に置いたんだろう、と思って彼女を見て、それから僕は「──あっ!?」と目を見開くことになった。
「拾ってくれたのが、きみで、よかった……」
そう言いながら彼女が自分のスカートをたくし上げ始めたからだ。
今、目の前には潮乃森さんショーツが見えていた。