※この作品はR-18です。

物静かで大人しい清楚系隠れ巨乳図書委員の潮乃森さんが僕にだけパンツを見せてくれるから──毎日図書室へ行って図書委員の潮乃森さんとえっちをする話(連載版)   作:しじままどせ

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9.誘惑

 その日の放課後、図書室は閑散としていた。

 

 ドアを開けて中を見回すと受付に司書の先生が座っているのと、真ん中あたりの席に潮乃森さんが座っている他には誰もいなかったのだ。そのせいか図書室はとてもシンとしていた。学内の喧噪が嘘のようだった。

 

 普段は放課後になると聞こえてくる吹奏楽部の金管楽器の音さえも今日は聞こえなかった。どこかで換気扇が回っているような音だけが聞こえていて、それがかえって静けさを強調している。

 

 そんな図書室の真ん中あたりの席に座って潮乃森さんは読書をしていた。黒いハードカバーの本だ。その内容はここからは読み取れないけれど、外国の文学作品か何かのように思われた。

 

 潮乃森さんは文学少女なのだ。

 

 伏し目がちに分厚い本に目線を落とす彼女は、まるで一枚の絵画のようだった。つまりとても綺麗だという意味である。

 

 今日の潮乃森さんはどんなパンツを穿いているのだろう、と考えて、笑いそうになった。どんなに綺麗な人でもたいてい下着を身につけているという事実が可笑しかったのだ。

 

 いや、まあ、実際に潮乃森さんのパンツを見てしまったら、そんなことを可笑しがっている余裕なんて一切なくなってしまうことは目に見えていたけれども。

 

 それにしても、潮乃森さんが受付にいないのは、珍しい。

 

 普段はいつも受付に座っているから、こういう一般席に座っている彼女を見かけることは滅多にないのだ。今日は図書委員の仕事はオフなのだろうか。それでも図書室に来ているあたり、よほど本が好きなのだろう。

 

 その時の僕は彼女に貸したハンカチのことなんてすっかり忘れていたから、そんなことを思いながら図書室の入口のところに突っ立っていた。

 

 すると、こちらに気が付いた潮乃森さんが読んでいた本から顔を上げてこちらを見た。

 

 丸眼鏡越しの綺麗な双眸がこちらを捉えた。

 

「…………?」

 

 潮乃森さんはこてん(・・・)とお決まりのように首を傾げる動作をして、それからほんの少しだけ微笑んでこちらに手を振った。

 

 その顔はものすごく可愛くて、ホッとした。

 

 実のところ不安だったのだ。

 

 昨日、潮乃森さんは図書室に来なかったから。

 

 昼休みにキスをしながら素股をしてもらって、彼女のふとももの内側に思い切り射精をしてしまった。そのことで彼女は気分を害して図書室に来なかったのではないか、と思っていたのだ。

 

 潮乃森さんのことが好きだ。彼女に嫌われたくないし、できることなら付き合いたい。僕のことを好きになって貰いたい。そう思っている。

 

 だから彼女がこちらに向かって手を振ってくれて、微笑んでくれて、ものすごくホッとした。

 

 安堵したまま僕は彼女に近づいていく。

 

「潮乃森さんが受付に座っていないなんて、珍しいですね」

 

 座っている彼女の隣の席に腰掛けてそう言うと、潮乃森さんは人さし指を唇に当てて「しぃー……」と言った。

 

 図書室では静かに、というジェスチャーだろう。本当にいつもと変わりない、物静かな人だ。

 

 昨日のことなど彼女にとっては些事だったのだろうか。僕にとっては彼女とのキスも、ハグも、それから彼女の性器が帯びていた熱も、とんでもなく大きな出来事だったのだけれども。

 

 でも、淫蕩だった昨日の潮乃森さんの様子と、今日の清楚な潮乃森さんの様子が、同一人物ではないような感じさえしている。

 

 だって今日の潮乃森さんは本当に清楚で綺麗だったのだ。黒い髪を背中まで真っ直ぐに垂らし、折り目正しく制服を着用し、背筋を伸ばして読書をしている潮乃森さんは、綺麗な美少女だったから。

 

 今みたいな清楚系美少女の潮乃森さんと、僕にパンツを見せてくる潮乃森さん。いったいどちらが彼女の本性なのだろう。

 

「…………?」

 

 そうして僕が潮乃森さんのことを眺めていると、彼女は不思議そうにまた首を傾げた。なぁに、と尋ねるような表情だ。

 

 それから潮乃森さんは一瞬だけ自分のカバンに目をやって、ほんの少しだけ何かを悩むような顔をして、それからやっぱりこちらを見て首を傾げた。

 

 相変わらずこの人が考えていることは分からない。

 

 けれど、綺麗だな、という思いだけは確かにあった。

 

 だから僕は素直にそう言うことにした。

 

「ああ、いえ、なんでもないです。潮乃森さんは美人だなって思って眺めてました」

 

「~~~~ッ!?」

 

 すると、彼女はいきなり赤面した。

 

 先ほどまでの落ち着いた清楚な表情が嘘みたいなうろたえぶりで、酸素の足りない金魚みたいに口をパクパクさせている。

 

 それから彼女は黙って自分の頬に手をやってムニムニと揉み始めた。謎の挙動だ。その間も目は泳ぎまくっていて、眼鏡もズレ落ちかけている。

 

 見たことのない表情だ。あどけなくて、無防備で。

 

 あれ、この人ずいぶん可愛いな、などと思って眺めていると、彼女は開きっぱなしになっていた本をパタンと閉じ、眼鏡のポジションを直してから急にガタッと立ち上がった。

 

「え、え……?」

「……むっ」

 

 僕が見上げると、彼女は僅かに頬を膨らませてムッとした表情を浮かべた。

 

 そしてそのまま奥の書棚の方へとツカツカと歩いて行ってしまった。

 

「え、なに、今の」と取り残された僕は呟いた。

 

 それまで平静を保っていた潮乃森さんの妙な挙動に思考が追いつかなかったのだ。潮乃森さんがあんな顔をしたところを初めて見た。

 

 清楚な表情と、淫蕩な表情のふた通りしか見たことがなかったから。

 

 先ほどのはそのどちらでもなかった。あどけなくて可愛らしい、動転した潮乃森さんの表情。可愛いけれど、理由が分からなくて呆然としてしまう。

 

 僕が潮乃森さんのことを『美人だ』と称したせいだろうか。でも潮乃森さんが美人なのは今に始まったことではないし……。

 

 そんなことを思いながら潮乃森さんの歩き去っていった方をぼんやりと眺めた。

 

 そちらは半分閉架図書といった感じの一角だった。

 

 図書室の中でも最も人が訪れない場所である。そこに入っていく人を見かけたことは一度もない。皆がその一角だけは『ないもの』として認識しているかのごとくほとんど視界にも入れないところなのだ。

 

 付け加えて言うのなら先日、僕が潮乃森さんにフェラチオをされた一角でもある。あの潮乃森さんがスパッツを忘れていった机のある一角。

 

 そんな半閉架図書の背の高い本棚の陰から、潮乃森さんは顔がひょっこりと出した。

 

「…………あ」

 

 僕は小さく声を出した。

 

 彼女はまだ赤面した顔のまま本棚の陰からこちらを見てクイクイと手招きをしたからだ。

 

 それはどうやら、こっちに来て、というジェスチャーであるらしい。

 

 なんだろう、と思う。でもきっとロクでもないことだろうな、という確信もある。

 

 念のために周囲を見回すと、図書室には僕と潮乃森さんの他にはやはり受付に司書の先生がいるだけだった。その司書の先生は睡眠不足なのかうつらうつらと机に向かって船を漕いでいる。半分以上眠っているような状態だ。

 

 つまり僕たち以外にはほとんど誰もいないような状況だということ。

 

 普段の潮乃森さんなら、この状況ならば間違いないくその場で下着を見せてくる。先ほどなんて絶好のチャンスだった。司書の先生からは見えない位置でパンツを見せられそうな状況だったから。

 

 にもかかわらず彼女は半閉架の方へ移動して、そちらへ僕を誘導しようと手招きをしている。

 

 ごくり、と思わず唾を飲んだ。

 

 ほとんど人のいない場所で潮乃森さんが行うことは、一つだ。きっとまたスカートをたくし上げて中を見せてくれる。いや、それだけではきっとないだろう。

 

 すがるように潮乃森さんを見ると、彼女は唇の動きだけで「き・て」と言った。

 

 こうなるともう行かないわけにはいかない。

 

 だから僕は音を立てないように注意を払いながら立ち上がって、静かに潮乃森さんがいる書棚の陰のところまで行き、

 

「――ッ!?」

 

 と、思わず絶句した。

 

 そこには潮乃森さんが立っていた。

 

 立っていたのだけれど、彼女はブラウスの前をはだけて、さらにブラジャーを上方向ににずり上げて、胸を露出させていたのだ。

 

 潮乃森さんの胸は初めて見た。

 

 それは大きかった。

 

 丸くて、大きな胸だ。普段はいったいどこに隠していたのだろうと思ってしまうほど大きな、そして左右対称の綺麗なお椀型のおっぱい。重力に従ってやや下方面に膨らみをもっていて、色白な彼女の肌の中でも際だって白い。

 

 その胸の中心には密やかな乳輪とさくら色をした乳首がちょこんと乗っかっていて、それが彼女の呼吸に連動してかすかに揺れていた。

 

 つまり潮乃森さんの胸をバッチリと目視ししてしまったのだ。

 

「な、なにをしているんですか」と声に出しかけて慌てて口をつぐむ。

 

 ここは図書室だ。声を出してはいけない。司書の先生が起きてしまうかも。そうなったら潮乃森さんがやばい。

 

 いや、それにしても、こうして生で女性の胸を見るのは初めてだ。男の胸板とは違う、たおやかな丸みを帯びた、胸。彼女が呼吸するたびにふるふると震えていて、まるでプリンのようだ。

 

 そして、そうして胸を出している潮乃森さんは、頬を染めたままこてん(・・・)と首をかしげた。

 

 なにか言いたげだけれど、なにも言わない。ただ僕が近寄ってくるのを待っている。

 

「う、あ……」

 

 公共の場で胸を出すのは止めた方がいいですよ、と僕は言うべきなのだろう。

 

 けれども僕は声を出すことすらできなかった。ただ口が震えただけである。そして誘蛾灯に引き寄せられるみたいにして彼女のところへふらふらと歩いて行った。

 

 そして至近距離で彼女を見下ろすと、潮乃森さんは胸を張るみたいにして「……ん」と胸を突き出した。まるで『触れていいよ』とでも言うかのように。

 

 唾を飲んだ。

 

 彼女の胸に触れてもいいのだろうか。触れたいが、触れてもいいのだろうか。

 

 触ってもいいんですか、とは聞かなかった。もしも仮にそう尋ねたとして、それで断られたら困るからだ。

 

 でも彼女が僕のことを誘っていることは明らかだった。

 

「き・て」

 

 彼女が唇の動きだけでそう言った。

 

 だから僕はさらけ出されている彼女の胸へと、自分の手を伸ばしていく……。

 

 

 

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