「あッ、お兄ちゃん、また奥までっ……ン゛ンッ」
夕月の顎が上向く。浴槽の中、お湯から立ち上がっても妹の頬も耳も朱いままだ。
向かい合って彼女の片足を抱え、開かれた膣穴にペニスを何度も挿し込む。バックで挿れたほうがやりやすいのではと提案したが、夕月が「今後ろからされたら抑えきかなくなる」という謎の理由で断られた。
多分これは対面立位というやつだ。
初めての体位だけど、身長差で夕月を見下ろせるのがいい。彼女の視界を俺で埋め尽くす感覚、壁際に妹を追い詰めている感じがゾクゾクする。
「唇、いいよ」
小生意気にキスを求めてきたので唇を押し付けて応える。んっ、んぁっ、と悩ましげな声を漏らすのがたまらない。すごく興奮する。
妹の反応をうかがうように舌を解くと、唾液がいやらしいアーチを作る。それをお互い舐め取ると舌先がくっつき、また舌が絡んでいく。こんなにいやらしいキスをするのも、初めてだ。
(これ……やばいかも)
この状況も、色っぽく喘ぐ夕月もエロすぎる。
「ひっぁっ、お兄ちゃっ、あッ、はげしっ……あっあんっっ、んっあッ……」
股間とアソコが密着する体位のせいか、どうしても小刻みにピストンしてしまう。パンパンパンと小気味いい音が浴室内に響き、それがますます興奮を高めていく。
いや、体位のせいじゃない。俺が夕月を壁に押し付け、体の前側で柔らかい乳房を押し潰し、責め立てるようなセックスをしたいだけだ。目の前の美少女を犯したいという男の欲求もある。でもそれ以上に湧いてくる焦りに似た衝動は、妹を自分のものにしたいという独占欲だろう。
この体位はまずい。そういう奥底に抑え込んだはずのドロドロした感情があふれ出てしまう。
「夕月、今日の試合、お前のクラスの男子たちが見にきてたの、知ってたか?」
「え、なにっ……あッ、あぁっんっ、な、なに、お兄ちゃんっ……?」
夕月がセックスの最中、問答に応えられなくなるのは相当にイっている証拠だ。俺は妹をいじめる兄のような幼稚さで、彼女の耳を甘噛みした。
「あいつら、試合中ずっとお前のことやらしー目で見てたんだぞ」
「ひぅッ、んんっ……わかんな、い……しらないっ……あぅっ、お兄ちゃ、みみっ、だめ……っ」
「お前ちゃんと、自分が可愛いって自覚あんのか、学校でもモテまくりなんだろ」
「わかんなっ……お兄ちゃん、なにいってっ……んぁッ、あっあっ、あぁッ……わたし、お兄ちゃんしかっ……」
「くそ、俺もわかんねぇ……!」
苛立ちをぶるけるように腰を振る。バチュバチュと水を飛び散らせるような抽送音が響く。自分でも何を言いいたいのか分からない。
夕月の瞳に涙が浮かんでいた。快感に喘ぎながらも眉を困ったようにハの字にしている。こんなに妹へ感情をぶつけたのは生まれて初めてだ。今にも泣きそうな彼女にズキリと胸が痛む。なのに、体の奥からこみ上げてくるのは震えるほどの興奮だった。
(なんで泣きそうな顔が、一番エロいんだよ)
いつもはクールぶって淡々としている妹が、いきなり苛つきだした俺に泣きそうになっている。泣き虫だった幼い頃の面影があるのに、別人のように色っぽい。可愛い妹の泣き顔に欲情するなんて、つくづく俺は最低の兄だ。
「夕月、イくぞ」
「あっ、待っ――」
体を後ろに仰け反らせ、角度をつけて腰を動かす。ちょうど亀頭が夕月の弱点であるお腹の裏側をえぐるように。それよりもっと弱い膣奥をぐぐっと押し上げるように。
「ぃッ――、あぅっ――ッッ」
夕月の喉奥から声にならない嬌声が漏れる。その瞬間、尻奥が締まって先端から濁流が噴き出した。ビュルッ、ビュルッと勢いよく射精する。視界が真っ白になるほどの快感に全身が打ち震える。俺は柔らかい妹の体を強く抱き締めると、残りの精液も発射していった。
「……夕月、すまん」
射精したときと変わらない強さで抱き締めながら、胸に埋まっている茶色い頭に謝る。激しく突きすぎたせいかコンドームが根元から外れそうになっていて、自分の出した白濁液が逆流して漏れ出ていた。その微妙な不快感が、俺をさらに冷静にさせていく。
「なんか、自分でもわかんないだけどさ、カッとなった」
「……カッとなったの……?」
「ああ、意味わかんないよな。だがとにかくすまん」
「ん……別にいいよ」
身長差のせいで、今夕月がどんな表情なのかが分からない。茶色い頭のてっぺんしか見えない。
兄として情けない謝罪を連発している今も、夕月の膣内では肉棒がビクビクと脈動している。本当に情けない。
「激しく……というか、身勝手なセックスだったよな。ほんとすまん」
「泣いちゃうかと思った」
「う……」
今はもう罪悪感のほうが勝っていた。
「でもいいよ、すごく……気持ちよかったし」
「フォローしなくてもいいぞ」
「ほんとだよ、なんか、お兄ちゃんの塊って感じがした」
「かたまり?」
「ん、なんとなくね」
「……そうか」
妹の口調が、いつもの淡々としたトーンに戻っている。とりあえず怒ってないようなら、よかった。
「てかすまん、このハグつらいよな」
「塊にぎゅっとされてるみたい」
「離れようか」
そう言ってみるが、正直離れたくない。夕月の温かくて気持ちのいい膣内にまだペニスを挿れていたいし、火照った柔らかい体をもっと抱き締めていたい。
「もうちょっと、このままでいいよ。なんかこの圧迫感、けっこうクセになるし」
「……無理すんなよ。苦しかったら言えよな」
「キツかったり優しかったり、ヘンなお兄ちゃんだね」
「あー……すまん」
夕月の言う通り、まったくもって調子のいい兄だ。
「嫌だったら、離れるから」
「……うん」
結局夕月は一度もイヤと言わず、代わりにまだ精を絞り出すのに必死の俺の尻をぎゅっとつかんできた。
「お兄ちゃんのお尻、かった」
夕月が蛇口をひねり、シャワーからお湯を出す。
「ほい、お兄ちゃん」
「ふー、いい水加減だわ。……ん、お湯に変わったぞ」
温度計代わりに俺の顔にシャワーをぶっかけていた妹が、「サンキュ」と言って自分の体を洗い始めた。
そんな後ろ姿をぼうっと眺める。
「お風呂でするときは、2回シャワー浴びなきゃだねー」
シャワーの音でかき消えないように夕月が声を張る。
「ああ、俺も汗だくだわ」
「私もー」
「夏場は熱中症に気をつけないと」
「スポドリ必要だね」
「……ああ、アスリートになった気分だなこれ」
「ふふ、私はほんとに選手だけどね」
「たかが助っ人だろ」
ふんふんふーん、と夕月が鼻歌を奏でる。ちょっと前に流行ったポップソングだ。一時期はテレビの歌番組なんかでひっきりなしに流れていた。だからたまに口ずさんでいたら、妹に「お兄ちゃんってこういう曲が好きなんだ」と勘違いされてしまった。
夕月の歌がちょうどサビのあたりにさしかかる。彼女の歌唱力は、ぶっちゃけ微妙だ。
よく通る声だし、声質自体はそこらの歌手も顔負けの魅力があるのだが、音程の取り方が独特なのだ。なんでも持ち前の器用さと努力でこなす妹の、唯一欠点と呼べるものかもしれない。
昔から友だちとカラオケに行く暇もなく、学校が終わったらすぐに帰ってきて家事をしていたのだからしょうがないだろう。どうせ夕月のことだから練習をすればすぐ上手くなるのだろうし。
だが俺は、妹の可愛らしい欠点を一つくらい残しておきたいという歪んだ兄心で、指摘しないでいる。ちなみに俺はドがつく音痴だ。
(それにしても、妙にご機嫌だな)
浴槽から出てからというもの、夕月の機嫌がすごくいい。ころころと変わる思春期女子の情緒にはついていける気がしない。まあセックス中、急に苛立ちをぶつけ始める俺が言うなって話だが。
「ねーお兄ちゃん」
「ん?」
「さっきエッチしてるときさ、クラスの男子が来てたって言ってた?」
「ああ、言ったな」
「どんな感じの人だった?」
「あー、そいや修学旅行の班が一緒になって、グループ作ったとか言ってたぞ」
「あぁ、高梨くんか」
「誰そいつ」
「んー、クラスのムードメーカー的な? あんま絡みないからわかんないけど」
「そっか」
「……あ、でもマユに言われたことあるかも」
「なんて」
「よく私の話してるから、気を付けなねって」
「……あっそう」
「告白されちゃうかも、修学旅行で」
「は?」
「お兄ちゃんどうする? 私と高梨くんが付き合っちゃったら」
「どうもこうも……付き合いたいのか?」
「んー、まだわかんないかなー」
「……調子のいいヤツはやめとけよ、振り回されて痛い目みるぞ」
「へいへい」
「……班が一緒ってことは、観光地一緒に回ったりすんのか?」
「当たり前じゃん、一緒の班なんだから」
「二人きりになったりすることもあんのか」
「かもね」
「……」
「はい、シャワーお兄ちゃんの番」
夕月がシャワーヘッドを手渡してくる。俺はそれを無意識に受け取った。
「じゃ、私先に出るね」
「ん? あぁ……」
「早く出てね、男子に嫉妬しちゃうお兄ちゃん」
ちゅ、とからかうようなキスをして夕月は浴室から出ていった。思わず目で追うと、すりガラス越しに彼女がつぶやく。
「なんちゃって、ジョークだから」
俺はぼうっと、肩にお湯をかけていた。
妹はジョークだと言った。俺もそう思う。第一、試合会場にいたのに気づけないくらい興味のない男子と、夕月が付き合うとは思えない。そもそも帰りの電車で、恋愛をしてる暇なんてないと言っていた。
なのにこの焦燥感はいったいなんだろう。さっき夕月を風呂の中で犯したときと似た感覚だ。
なんとなく俺は、妹は一生誰とも付き合わないんじゃないかと思っていた。ジョーに何度告られてもどうせ振るのだろうと心のどこかで安心していた。夕月の一番側にいるのは俺で、それはずっと変わらないのだと。
でも年頃の、それもこんなに可愛い女の子が、一生誰とも付き合わないなんてありえないだろう。普通に考えれば分かることだ。どうして俺はそんな当たり前のことに思い至っていなかったのか。
(ちがう、考えないようにしていたんだ)
ふと、さっき浴槽の中で最初に抱いたときの、夕月とのやり取りを思い出す。
――ゴム、破れてたらごめんな。
――別に、いいよ……しょうがないし。
あれは、どういう意味だったんだ?
俺はお湯を止めると、シャワーヘッドを放り投げて浴室を出た。
「夕月」
「うわ!? 早いねお兄ちゃん、ちゃんと汗流した?」
怪訝な顔で振り向いた夕月は、鏡の前に立っていた。さっきと同じ一糸まとわぬ全裸で。
「夕月、さっきお前、ゴムが破れててもしょうがないって言ってたよな。あれってどういう意味なんだ?」
「え……だって、破れちゃったらそれはしょうがないじゃん」
「それって、中に出されてもしょうがないっていう意味だろ」
「あー、まあそうかも」
「そうかもって、いいのかそれで」
「はぁ、別にいいよ、お兄ちゃんの精子くらい」
めんどそうなジト目で、夕月が事もなげにぼやく。
この妹はいったい何を言っているのだろう。
初キスとか処女喪失とはわけが違う。保健体育まともに受けてこなかったのか? いや、そんなわけはない。
ああ、風呂でのぼせきったせいか頭がうまく回らない。なんだかずっと焦らされまくってたみたいに、理性の働きも鈍い。
人が、こんなにいろいろ我慢して。
体を重ねても、兄として妹の大事な一線だけは越えないよう気を張っていたのに。
そんなたやすく、踏み越えてきやがって。
「わ、きゃっ……お兄ちゃん?」
気が付けば、俺は夕月を後ろから抱き締めて乳房を揉み込んでいた。いつもの力加減も忘れ、触り心地のいい生おっぱいを揉みしだく。
「あっ、あんッ……も、あっ……うそ、お兄ちゃんの、また硬くなってる」
「ああ、そうだな」
「ンッ、力つよっ……んんッ、もう一回、する?」
「ああ」
「ん、ならゴム、……あ、お風呂場に置いてきちゃった、ちょっと待ってて」
「いや、必要ないだろ」
「え?」
ヌプリと、俺は夕月の膣内にむき出しのペニスを挿入した。
「はぅっ、んぅッ……え、お兄ちゃん、これっ……ひぁッ――」
ズンと思いきり突く。いつもより敏感になった肉棒が妹の膣内の感触をこれでもかと伝えてくる。
(これが、夕月の中なんだ)
うねって絡みついてくる肉ヒダが気持ちいい。グネグネと肉竿をしごいてくる圧迫感で腰が砕けそうだ。ゴム越しで味わうのと生で味わうのとでは大違いだ。
本能に急かされるままに腰を振る。パンパンと股間で柔尻を叩く音が洗面所に響きわたる。
「おにいちゃっ、あぁんっ、なんでっ……んっくぅっ、アッ、あんっ、あっあっ――」
目の前の鏡越しに、夕月のおっぱいが俺の手の中でむにゅむにゅと形を変える様を堪能する。鏡に映る、兄にバックで犯されている妹の姿にゾクゾクする。俺は今、信じられないくらい背徳的で取り返しのつかないことをしている。その興奮が理性をかき消し、雄としての本能が体を支配していく。
この柔らかい乳房も、突くたびに波打つお尻も、名器としかいえない膣も、乱れて浮かぶ茶色髪も、細くて綺麗な背中も、いい匂いのするうなじも、鏡越しに快感で悶えている表情も、全部、全部俺のものだ。この可愛い妹を、誰にも渡したくない。
「あっ、あぅっ、んっあぁッ、おにい、ちゃっ……」
「夕月、くそっ……もうやばい」
「うん、あぁっ……ッ 中に、出していいよ」
その言葉に全身が熱くなり尻穴がきゅっとすぼまる。下腹部にある精巣からドロドロしたものが這い上ってくる。
「ぐっ、うぅぅぅぅっ……!」
次の瞬間、ドク、ドクと夕月の膣奥へ精液を注いでいた。精子が妹の子宮へ流れ込んでいく感覚で体が悦びに震える。確実に孕ませたくてさらに肉棒を押し込むと、夕月の顎が上向いた。
今、最愛の妹に種付けしている。その光景が鏡を通して飛び込んでくる。彼女も絶頂に喘いでいるようだが、快楽で麻痺した俺の耳にはうすぼんやりとしか届かない。
「……お兄ちゃんのっ、出て、る……」
俺はその日、初めて妹の中に精を放った。