廊下からの淡い光と、灯りの消えた暗闇とのコントラストで、夕月が妙に色っぽく見える。
結んでいた茶色髪が下ろされ、髪先が湿っているせいもあるだろう。
「……白湯のむか? ちょうどぬるくなったぞ」
「ん、ありがと。でも水でいいや。体熱いし」
「そーか」
確かに夕月は少し発汗しているように見える。白い頬にも赤みが差している。
というか口から漏れる吐息がやけに熱っぽい。瞳もちょっと潤んでいる。……甘い匂いも濃い。まるで抱いているときみたいに——。
(いかんいかん、たった数時間で溜まり過ぎだろ)
午前中に風呂でしてから10時間くらいしか経っていないのに、すっかり下半身がリセットされている。相変わらず妹に欲情しすぎだ。
それもこれも、うす暗い中でほのかな光に照らされた夕月がエロいからだ。風呂上がりで火照ってるし髪先濡れてるし、よく見れば格好だって。
「てかお前、まだ俺のパーカー着てんのか。それで寝るのか?」
「え、だめ?」
夕月は日中と同じ、俺の青いジップパーカーを着ていた。
だけど今は下にTシャツを着ておらず、ちょっとだけ下げたジップの隙間に、綺麗な鎖骨と魅惑的な谷間がほんのり見える。
ノーブラだ。
別に乳首が浮いているわけではないのに、なんとなく分かってしまう。そんな自分に内心でため息が出る。相変わらず俺は妹をエロい目で見すぎだ。
凝視しているとまたエロ兄と言われそうなので、視線を下げる。パーカーの裾からは真っ白な太ももがすらりと伸びていた。
「お前、まさか下も穿いてないのか」
「ううん、穿いてるよ。ほら」
夕月がなんでもないことのように裾をめくる。
確かに彼女は丈の短いショートパンツを穿いていた。だがエロいことには変わりない。
まったく無防備な妹だなと思う。いや、ここは家だし、マユちゃんは女の子で親友だから無防備でも問題ないのか。
「べつにパーカー着ててもいいけど、風邪引くなよ」
「私風邪引かないし」
「髪乾かさないで寝たら冷えるぞ」
手を伸ばし、茶色い髪先に触れる。
「……いきなり触んないでよ。お兄ちゃんやらしー」
「は? あーわるい」
反射的に手を引っ込める。普段キスもセックスもしているのに、いきなり髪を触るのはダメらしい。やっぱり年ごろの女の子は謎だ。
「べつにいいけど」
いいのか。ますます謎だ。
というか……ひさびさの夕月と二人きりの会話がすごくほっこりする。
声もさっきまでとは違う。いつもみたいに気の抜けた低い声だ。つい可愛い妹の頭を撫でたくなるが、またいきなり触るなと言われそうなのでこらえる。
「髪、あとでちゃんと乾かせよ」
「ん」
「あんまり夜更かしすんなよ」
「わかってる。明日から文化祭準備だし」
「ならいいけど」
少しうんざりしたような夕月の口調に、はっとする。思い返せば結局マユちゃんにも夕月にも小言をいってしまった。すっかり口うるさい兄だ。
なぜかふっと口角を上げた夕月が、一歩近づく。
それだけで分かる。おやすみのキスの催促だ。
「お兄ちゃん」
「ん?」
「唇貸して」
「へいへい」
仕方ないなという相槌を打ってから、顔を近づける。
「んっ……」
唇が触れた瞬間、夕月が気持ちよさそうな声を漏らした。
(なんだこれ……やば)
夕月の唇がふんわり柔らかいのにしっとりと吸い付く。
頭がぼうっと熱くなり、彼女の匂いも一段と濃くなった気がする。鼻から漏れるかすかな息が温かくてこそばゆい。10時間ぶりのキスだからか、腰が抜けそうなくらい気持ちがいい。
「は、ぁ……んっ、ぇぁ」
一度唇を離し、示し合わせたように口を開いてまた顔を近づける。
唇よりも先に舌先が触れた。また夕月の甘い香りが強くなる。もう何百回としているせいか、互いの舌が動きを合わせるように絡みだす。
「ぇぁ、ぇぁ……んッ、ぁっ……」
熱くて小さい舌の裏を舐めると夕月がビクンと反応する。次に彼女の舌がどう動くかが分かる。お返しとばかりに俺の舌の裏を舐めてきた。知っていたのに、舌先がちろちろと可愛らしく動くのがたまらなくて、気づけば妹の体をぎゅうと抱き締めていた。
「お兄ちゃっ……ぁ、んっ……ぇろ、んれ」
夕月の舌が午前したときよりも柔らかい気がする。熱も増して溶けてしまいそうだ。彼女の舌先が動くたび心を持っていかれそうになる。
朝よりも舌遣いがうまい。妹はキスをすればするほど上達していく。実際にそうなのか、夕月とのキスだからそう感じるのかは分からない。多分そのどっちもだ。
くちゅくちゅと粘膜を舐め合う音が鳴る。互いの唾液をすすり合う音が静かなキッチンに響く。俺はさらに強く夕月を抱き締めた。アダルト動画みたいなエロいキスをしているのに、妹への愛おしさがあふれてくる。
俺の胸で夕月のおっぱいが押し潰され、パーカー越しに硬くなった乳首の感触があった。思わず彼女の背中をきつく抱き寄せ、柔らかくて身の詰まった乳房の弾力を味わう。
夢中でお互いの口内をむさぼり、やがてゆっくりと舌が解かれていく。
舌先が離れる間際、銀の糸が垂れそうになったので軽く吸引する。
「ん゛ッ……」
夕月が喉奥から切なそうな声を漏らす。そんな反応に、ついキスを再開したくなってしまう。
だけど我慢だ。これはあくまでおやすみの挨拶。家にはマユちゃんだっている。ここでおっぱじめてしまうのは危険だ。
一歩下がり、密着していた体を離す。
おやすみを言い合えば、今日はこれで終わりだ。なのに——。
(なんでそんなエロい顔してんだよ)
夕月はいつものスンとした表情で、俺をただじっと見つめていた。
目を伏せ、まるで今のキスを思い出すように、萌え袖の指で唇に触れている。
すっと指を離すと、長いまつ毛を上げた。
兄の心を射抜く天然の上目遣い。
夕月は無邪気に何かをお願いをしてくるとき、いつもこういう顔をする。ポカンと気の抜けたような表情がちょっとコミカルで、たまらなく庇護欲をそそられる。これを無自覚にやってくるのだから妹とは厄介だ。
俺が無言で見つめ返していると、夕月が口角を上げる。今度は打って変わって小生意気な表情だ。結局どっちの妹も可愛い。
「お兄ちゃんて、キスするとすぐ大きくなるよね」
「当たり前だろ」
下半身では当然のように勃起したペニスがズボンを押し上げていた。そういえばキスのあいだ中、裏筋が夕月のお腹に当たるのが気持ちよくて、ずっと股間を押し付けていた気がする。
「朝からしてないから?」
「夕月のキスがエロすぎるから」
「そーなんだ。お兄ちゃんのキスもエロかったよ」
「朝からしてないからな」
「だよね」
無限ループみたいになりそうなやり取りを夕月が終わらせる。
唇に触れていたはずの妹の細指が、すうっと俺の勃起ペニスの裏側をなぞった。それだけでゾワリと体が震えてしまう。
「お兄ちゃん」
「なに」
「口でヌいてあげようか」
「いや……いいよ。マユちゃんいるし」
「マユ、お風呂だよ」
「……あぁ」
言われて初めて、廊下のほうからシャワーの音が聞こえてきた。夕月に気を取られてぜんぜん気づかなかった。
「どうする?」
「マユちゃんもうすぐ出てくるだろ」
「お兄ちゃん早いし、大丈夫じゃない?」
無邪気な妹の言葉が兄のプライドに突き刺さる。だけど事実だ。俺は夕月相手だと本当にもたない。慣れてきても、すぐに気持ちよさが更新されて早漏になってしまう。
「ああ……じゃー頼む」
「ん」
夕月が目の前でしゃがみ込み、膝立ちになった。
妹の細い指がズボンを下ろし、トランクスを脱がしてくる。ビクンと音がしそうなほど反り返ったペニスが彼女の眼前に飛び出した。
「わ、びっくりした」
夕月が目を丸くする。それくらい俺の肉棒は硬く張り詰めていた。
無理もない。ここは薄暗いキッチンで、家の中には妹の親友がいて、今から妹にフェラをしてもらおうとしているのだ。これ以上に背徳的なシチュエーションもない。
本当はキッチンでエロいことをするのは避けたかった。俺の部屋のベッド、風呂場に続き、家の中にそういう場所が増えていくのは望ましくない。一緒に皿洗いをしているときとかに欲情してしまっては、エロ兄どころかエロ猿だ。だが——。
「お兄ちゃんの匂い、すごいする」
愛おしそうに裏筋へキスをする妹に、理性が抗えるはずもない。
夕月がそっと肉竿をつかみ、舌先を伸ばす。
「うっ」
肉棒に電流が走り、腰が砕けそうになった。ちろちろと裏筋を舐められ、あまりの刺激に腹筋が痙攣しだす。
味見をするみたいに舐めていた舌が、ねろっと裏側を這う。夕月の舌の温かさが伝わってきて、またもぶるりと震えてしまった。
ピンク色の舌を出して見上げてくる夕月と目が合う。俺の情けない反応を見て安堵したのか、再び目を伏せて舐め始めた。
「くっ、それやばっ……」
「これだよね」
アイスバーを下から味わうみたいに、舌腹を根元に当てて、顔を上げながら一気に舐め上げてくる。ゾワゾワと快感が這い上がり、舌先が亀頭を弾いた瞬間射精しそうになった。
今度は睾丸のあたりに舌を当てられ変な声が出そうになる。
「ここも気持ちいいの?」
「ああ、やばい」
「そっか」
何かに納得したらしい夕月が、空いている手で睾丸をふよふよと揉み始めた。優しくマッサージするような手つきに、ついに変な声が出てしまった。マッサージの気持ちよさと性的な快感が同時に上ってくる。
夕月は絶妙な力加減で睾丸を揉みながら、根元から先端まで何度も舌を走らせた。快感に震えながらも、妹の器用さに感心してしまう。数回目とは思えない。彼女は兄のペニスの扱い方をもうマスターしてしまったらしい。
「うっ、あ」
亀頭の裏側に舌を這わされ、体が前に傾いてしまう。
「やっぱりこのくびれのとこ? 気持ちいいの」
「そこ、めっちゃ弱いかも」
「……やばい?」
「やばい」
「ん」
よし、とでもいうように小さくうなずいた夕月が、再び亀頭の裏側を舐め始める。
(……なんつー顔で舐めるんだよ)
まるで新しいオモチャに夢中になったような、大切なものを愛おしむような、見ているこっちが見惚れてしまうほどの妖艶な顔で、妹が俺の肉棒を舐めている。
時おりちらりと見上げてきては俺の反応をうかがう。そんな様子が健気で、ますます精液が上がってくる。
ふと、夕月の白い胸元が目に入った。
ジップを少し下げているから、立っている俺からだと谷間が見えてしまうのだ。
「夕月、胸さわっていいか?」
「おっぱい?」
「ああ」
「ん、いいよ」
妹の許可が下りたので、俺は手を逆手にして肘を伸ばした。パーカーのジップを半分くらいまで下ろし、その中へ手を差し入れる。
「あっ……ん」
温かいふくらみを手のひらで包むと夕月が甘ったるい声を上げた。
手に吸い付いてくる乳房を揉むたびに、舌の動きが止まり小さい体が震える。柔らかいおっぱいを集めるように揉み、ぎゅっと力を入れる。
「んぁッ、お兄ちゃっ……それっ」
「気が散るか?」
「うん」
「ならやめとくか」
「ん、いいよ揉んでも。お兄ちゃんの好きにして」
「そうか」
なら遠慮なくとばかりに、コリと硬くなった乳首をすりすりと擦る。ビクッと肩を縮こませた夕月が、膝立ちのまま前のめりになった。
「わるい、力強すぎたか」
「ん……へーき。そのまま触ってて」
なんか朝より感度上がってないか?
そう思うが、かくいう俺もペニスが敏感になりすぎてあと何度か舐められればイってしまいそうだ。10時間のインターバルが俺たち二人にはかなり効いているらしい。
乳首を捏ねるたびに体をビクつかせる夕月だったが、しばらくすると慣れてきたのか、震えながらも裏筋を舐め始めた。
ただ胸への愛撫がだいぶ感じてしまうらしく、目をきゅっと閉じて眉間にシワを寄せている。
摘まんでいる乳首がどんどん硬くなってきた。夕月の舌で射精を促されているペニスも限界が近い。
いよいよ精液が噴き出しそうになったとき、ピピピピと聞きなれた電子音が響いた。
『追い焚きをします』
機械の女性のアナウンス。
マユちゃんが湯舟に浸かるため、お湯の温度を上げたのだろう。気づけばシャワーの音も止んでいた。つまりはもう少しでお風呂から上がるということだ。
なぜか二人で息をひそめる。
俺はキッチンにある給湯器パネルを、夕月は俺の股間をじっと眺めていた。
悪いことをしているような罪悪感が上ってくる。早く済ませないといけないという焦燥感も。
だけどそれが快感を増幅させることを、もう俺たちは知ってしまっていた。
「しゃぶるね」
「ああ」
夕月がペニスの根元をつかんで髪をかき上げる。その仕草がエロくて肉棒がさらに張り詰める。
妹が小さい口を開け、亀頭を含んだ。
「ぐぅっ」
喉から唸り声がこぼれる。夕月の口内にペニスが飲み込まれていく感覚がやばい。唇がやや冷たくて、中が熱い。妹が口に含めば含むほど、どんどん肉竿が熱くなっていく。
「ん……ふ」
おそらく限界ぎりぎりまでペニスを咥え込んだ夕月が、ゆっくり頭を振り始めた。
じゅぷ、じゅぷと淫らな音が鳴りだす。だけどエロ動画みたいにうるさくない。口端から音が漏れないよう、やんわり吸い続けているようだった。それがたまらなく気持ちいい。
「うおっ、すまん」
思わず妹の頭をつかんでしまった。
「ん、ひいお……ひもひぃ?」
「ああ、気が狂いそうなくらい」
「……ん」
もう髪を触らないでとは言われなかった。
妹が目を閉じて献身的なフェラを再開する。頭を小刻みに動かし、じゅぶじゅぶと吸引を加速させていく。
「んッ、ふ……ぅッ」
俺もおっぱいへの愛撫を再開すると、夕月が感じ入ったような息を漏らした。まるで今にも泣きそうな、兄の心と股間を揺さぶる声だ。
柔らかい口内に肉棒をしごかれる。絶えず吸引され、心地よく圧迫され、射精欲がゾクゾクと上がってくる。夕月はしゃぶりながら舌も動かしているようだった。意味が分からないほど気持ちいい舌遣いで亀頭を舐め回され、裏筋をちろちろと刺激される。
たまに薄目を開け、そのたび髪を耳にかける妹がエロい。
乳首を押すたびに吸引を強め、髪を撫でるたびに体を震わせるのがたまらない。
「ぐっ、もう出る……」
妹が目を開け、まばたきで応じる。
吸引がさらに強まり、頭の振りも早くなった。じゅぶじゅぶという音が激しくなりペニスにつんと強烈な快感が走る。股間が熱くなり尻奥がカッと発火した。
「ぐっ、うぅっ……!」
ずずずと夕月が吸い上げた瞬間、鈴口からビュルルッと精液が出た。あまりの快感に腰がガクガクと震える。俺は妹の頭をつかみ、口内へさらに精を放った。夕月が「ん゛っ」と苦しげにうめく。
彼女の頭を股間に押し付けないよう力を抜くが、彼女のほうから鼻を陰毛に埋めてきた。精巣ごと吸い上げるようにじゅるると吸引してくる。
「うっ、夕月っ……!」
最後のほうは言葉になってなかった。根元まで咥えこんだ妹の喉奥へ精液が流れ出ていく。彼女の喉がコクコクと動き、一滴もこぼさないといわんばかりに吸われる。
長い射精が終わるまで、夕月はずっと喉を動かしていた。
そのあいだ中、俺も湿った髪を撫で続けていた。
ゆっくりと妹を立ち上がらせる。
撫でまくったせいで彼女のロングヘアーはぼさぼさになっていた。
「わるい、苦しかったよな。大丈夫か?」
「ん……お兄ちゃんの味、慣れたし。お兄ちゃんに頭撫でられるの好きだし」
「そうか」
手ぐしで髪を整えてやると、夕月は目を細めて気持ちよさそうに小首をかしげた。ちょっと可愛すぎではないだろうか。
パーカーのジップを一番上まで閉じてやり、冷蔵庫を開く。
「ほんとに水でいいのか?」
「うん、水。喉渇いた」
「お腹冷えるから一気に飲むなよ」
精巣が空になるほどの精子を一気飲みさせた俺が言うか、という話だが。
コップに水を入れて渡すと、夕月は萌え袖で受け取り可愛く飲み始めた。なんかこう、動作がいちいち無自覚にあざとい。
ただでさえ俺は妹の一挙手一投足に弱いのに、献身的なフェラをされたせいか余計に可愛く感じてしまう。なんともゲンキンな兄だ。
「夕月、ありがとな。夕月のフェラ気絶するかと思ったわ」
およそ兄が妹にかけるような言葉じゃない。内心で苦笑してしまう。
「ん。私もお兄ちゃんに胸さわられてちょっとイっちゃった」
「マジか」
「うん」
「前より感じやすくなったよな」
「かも。パンツすごい濡れちゃったし」
「マユちゃんのあとでもう一度シャワー浴びるか?」
「それは変でしょ。いいよ、あとでこっそり穿き替えるから」
「そうか」
「ん」
廊下のほうから、再びシャワーの音が聞こえだす。そろそろマユちゃんが出てきそうだ。
「お兄ちゃん」
「ん?」
「私、お兄ちゃんのしゃぶるの好きかも」
「は……なんだそれ」
「お兄ちゃんの反応面白いんだもん」
「バカにしてんのか」
「してないよー」
抑揚のない返事をした夕月が一歩近づき、ハグをねだってくる。
応えるように妹を優しく引き寄せ、ふんわりと抱き締める。
すんすんと彼女が鼻を動かしているのが分かる。今夜は俺と寝られないから、今のうちに嗅いでおこうというのだろう。
俺も今夜は一人なので、今のうちに夕月の甘い香りで鼻腔を満たしておく。
ちゅ、とあいさつのキスをしてから俺たちは体を離した。
「じゃ、お兄ちゃんおやすみ」
「おやすみ夕月。あったかくしてぐっすり寝ろよ」
「お兄ちゃんのベッドじゃないからあんまり寝れないかも」
「あのなぁ」
「大丈夫だよ、明日から
「そっか」
「ん」
夕月は髪を手ぐしで整え直してから、廊下へ去っていった。
妹によれば文化祭準備はかなり急ピッチで、凄まじく忙しいらしい。
俺も同じ学校だったので何年か前に、修学旅行明けの文化祭という過密スケジュールを味わったはずだが、ぼんやり過ごしていたせいかほとんど記憶にない。
妹のことだからどうせ、クラスの実行委員なんかに名乗り出たのだろう。
——明日から摂生するし。
夕月がそういうのなら、きっと徹底的に体調を管理するのだろう。俺も兄として全力でサポートしなければ。
「……こういうのも最初で最後にしないとな」
ひさびさの賢者タイムで理性的な思考が戻ってくる。
キッチンで、それもスリルを味わいながらエッチなことをするのはよくない。多分、かなり不健全だ。
あの快感がクセになってしまったら、二人暮らしの俺たちは歯止めがきかなくなる。
それこそエロ動画みたいに屋外でおっぱじめるようになったりしたら、いよいよ世も末な兄妹だ。
(自制しないと)
夕月のほうから誘ってこない限りはきっと大丈夫だ。まあ人目を気にする彼女がそういうセックスをしたがるとは思えないし、もし誘ってきたとしても制止するのが兄というものだ。
決意を固くして、冷蔵庫を開ける。
火照りだした体をクールダウンさせるために、俺もコップへ水を注いだ。
※2巻表紙は今話のシーンをイメージしています
↓
【挿絵表示】
フランス書院より2巻が好評発売中です! 書き下ろし4話を収録。ぜひ読んでいただけると嬉しいです。
【Kindle】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0GSZ934TK/
【FANZA】
https://book.dmm.co.jp/product/6110870/b126afrnc02247/
▼書き下ろしエピソードはこんな感じです。
・へんてこな寝顔の兄(妹視点)
・無自覚すぎる妹と玄関セックス
・どうしてもキスをしたがる妹
・寝たふりをする妹