文化祭から帰ってきて、俺はジャケット姿のままベッドで横になっていた。
この一週間はほとんど寝ていなかったので、体がシーツの中へ沈みそうだ。
なのに頭はぜんぜん眠くない。脳裏には紺色の作務衣を着た妹やら、資料室で眉をしかめてイっている夕月の顔やらが次々に浮かんでしまう。
タイミングを計ったように枕元のスマホが震え、見ればやはり妹からのメールだった。
『後夜祭そろそろ。終わったらまた連絡するー』
夕月はこれからクラスメイトたちと楽しいひとときを過ごす。和風カフェは去年以上に盛況だったから、きっと人気投票では2年連続の1位だ。彼女は頑張っていたし、さぞかし嬉しいだろう。
マユちゃんとハイタッチで喜び合う妹を想像して、ふふと笑ってしまう。我ながらちょっとキモい兄だ。
1位の発表では代表者がステージに上がって挨拶をする。今年は夕月が前に立つ気がする。クラスメイトたちに促されて遠慮がちに、でも人当たりよく喜びを口にするのだろう。
引っ込み思案だった妹がステージに立つ姿を妄想すると、胸が熱くなる。
夕月にふさわしい、開かれた世界だ。
心の隅でもう一人の俺が、彼女を窮屈なこの場所に閉じ込めたままでいいのかとささやく。
こんなことを考えてしまうのは、きっと眠気のせいだ。夕月が帰ってくるまで仮眠を取ろう。
今夜は間違いなく、眠るヒマもなくセックスに明け暮れるだろうから。
(……そういえば後夜祭のあとって、告白イベントあったよな)
俺には縁のない話だったが、あの学校では後夜祭のあとに告白する男女がけっこういた。
——夕月ちゃん、立て続けに2人から告られたらしいぜ。
去年ジョーが悔しそうに言っていたのを思い出す。
夕月のことだから今年も大変だろう。あの背の高いバスケ部男子、黒田くんあたりは告白してくる気がする。
修学旅行で告白未遂に終わった高梨くんも、今回はリベンジを狙うかもしれない。
俺の勘では実行委員の委員長も妹に惚れているから、今年は立て続けに3人からアタックされる可能性がある。
「記録更新だな」
夕月が誰かに告白されるなんてのは慣れっこだ。だけど今は無性に胸がざわつく。
多分、マユちゃんに告白されたからだ。
誰かに好意を伝えられて初めて、告白される妹の姿を想像できるようになった。それもリアルに。
「……迎えに行くか」
別に男子たちの告白を妨害しようなんてつもりはない。ただ、告白を断った夕月を正門で迎えてやりたいと思っただけだ。振る側というのも、罪悪感でけっこう心が疲労するから。
(いや、俺の都合だなこれは)
疲れた妹を慰めるためとかいって、結局俺はただイラついているだけだ。
誰かが夕月に好意を伝えることが単純に気にくわない。告白によって妹の心を揺らすことすら妙に腹立つ。
夕月には開かれた世界がいいとか思いながら結局、俺は世界一身勝手な兄なんだ。
財布だけポケットに突っ込み家を出る。
近所のコンビニの前を早足で通り過ぎ、駅へ向かう。
正門で待っている俺を見て、妹はびっくりするだろう。さすがの彼女もドン引きするかもしれない。
でも別にいい。夕月がどれだけ軽蔑しようと、俺たちがたった二人の兄妹であるという事実は変わらない。
駅のロータリーにつき、財布を取り出す。
(あれ……夕月?)
改札の向こう側。
とぼとぼと歩いてくる作務衣姿の美少女がいた。
立ち止まり、彼女がこちらに気づくのを待つ。
いつも俺のほうが妹を先に見つける。
今は文化祭で疲れているから余計に兄の存在に気づけないのだろう。無表情で改札を通る夕月に、ぷっと笑ってしまった。
改札を通った彼女に、俺は声を掛けた。
「おー、おかえり夕月」
「え……お兄ちゃん……」
目を見開き、ポカンとしている妹が面白い。
「ずいぶん早いな」
「お兄ちゃん、なんでいるの?」
なぜかムスっとした顔で聞いてきた。動揺したり困ったりし過ぎると、夕月はいつもこういう顔をする。
「迎えに行こうと思ってさ。ほら、後夜祭終わりって遅い時間だろ」
「うん、遅いかも」
妹が体の触れそうな位置まで近づいてきた。眉間にシワを寄せたまま見上げてくる。すごくハグしてほしそうな、兄の心を射抜く上目遣いだ。
だけど人通りの多い駅前で抱き締めるのはさすがにマズいので、代わりに兄っぽくポンと頭に手を乗せ、髪の流れに沿って撫でる。それだけで夕月の大きな瞳がちょっと潤んだ。
「帰るか」
「……うん」
俺たちはお互い肩を触れさせながら、夕闇がかった家路を急いだ。
家の近くまで来ると、妹は調子を取り戻してきたようだった。
可愛いしかめっ面も、今は普段の涼しい顔に戻っている。
俺はやっと気になっていたことを聞いてみた。
「夕月、何か嫌なことでもあったか?」
「ううん、ないよ。でもちょっとくたびれたー」
「そうか」
「お兄ちゃん怒ってる? 私、後夜祭サボっちゃった」
「怒るわけないだろ。そもそも後夜祭って自由参加だよな?」
「そーだけど、私実行委員だし、クラス代表なのに」
「ついでに会計担当なんだっけ。夕月が疲れたんなら仕方ないだろ。むしろサボれ」
「うん、そうした」
「頑張ったご褒美にアイス買ってやろうか? 高いやつ」
ちょうどコンビニの前を通りかかったので、妹が元気になりそうな提案をしてみる。
「んー、今日はいい」
「珍しいな」
「アイス太っちゃうし」
「夕月はもうちょい太ってもいいくらいだと思うぞ」
「お兄ちゃんてデリカシーないよね。大学でモテないよ」
「モテる必要ねーし」
「ふうん」
夕月が片眉を上げて小馬鹿にするような笑みを送ってくる。相変わらず小生意気な表情だ。なのに無駄に色っぽいから兄としては困ってしまう。
「てか、作務衣のまま帰ってきたんだな」
「制服に着替えそびれちゃった」
「そうなのか」
「うん、それに今涼しいからちょーどいいし」
「人目とか気にならんのか?」
ただでさえ人目を引くルックスなのに、こんな和風美少女になったら注目の的どころじゃない。帰りの電車でもさぞかし視線を集めただろう。
駅でもこの帰り道でも、普段の倍くらい人に見られている気がする。
「お兄ちゃんはこの格好気になる?」
「まあ気になるな」
「どういうふうに?」
「街中だと映画かドラマの撮影と勘違いされそうだよな。夕月が着ると」
「なんで?」
「そりゃ街中だとレアな格好だし」
「お兄ちゃん的にもレア?」
「まあ、俺はそろそろ慣れてきたけど」
「慣れちゃったの?」
「初めて見たときよりはな」
「初めて見たときはどんな感じだった?」
「あーびっくりしたな、普通に」
「どうびっくり?」
「どうって、制服とも普段着とも違うし」
「違うかな」
「ああ、衣装っぽい」
「だよね。他には?」
「和風な感じがすごい」
「うん、和風だね」
「ああ」
「……」
「……」
「終わり?」
「終わりってなにが?」
「んーん、べつに」
「そっか」
「ん」
夕月が斜め下を見つめる。まるで難しいパズルに挑戦しているみたいな顔だ。真剣な横顔がゲームのボスに苦戦しているときのようで、可愛い。
攻略を手伝ってやりたいが、何に思い悩んでいるのかがわからない。おそらく……妹が外なのに作務衣を着ているのが気になるかどうかっていう、さっきのしつこいやり取りが関係している。
でも俺から「何に悩んでるんだ」なんて聞くとなんとなく夕月が怒りそうな気がする。やはり年ごろの妹の思考を汲み取るのは兄であっても難しい。
「そーだ、お兄ちゃん今日文化祭でいくら使った?」
「3650円」
「ん。あとで家計簿つけとく」
「悪いな。当たり前だけど文化祭ってレシート出ないよな」
「お客さんから希望があれば、うちは手書きのレシートとか領収書は出してたよ」
「へ~」
「今回はキャッシュレス決済も導入してみた。評判よかったよ」
「あーお会計のとこで見たわ。やるじゃん」
「でしょ?」
「このぶんじゃ、今年も夕月の店が1位だったんじゃね。人気投票」
「うん、そうみたい」
「やっぱりか。やるじゃん」
「でしょ」
得意げに口角を上げた夕月と一緒に、マンションのエントランスに入る。
いつものように郵便受けを確認してからエレベーターホールに向かうと、今日も夕月は待ってくれていた。
なんとなく焦れったそうに、停止ボタンを押している。
「サンキューな」
「うん」
エレベーターが静かに動き出す。箱内に妹の甘い匂いが充満していく気がした。ドアの窓ガラスに映った俺たちの二の腕がくっついている。
二人とも窓ガラスに視線を固定し、俺は反射した作務衣姿の夕月を、夕月はジャケット姿の俺を見ていた。
お互い普段と違う格好のせいか妙にドキドキする。
窓ガラス越しに見つめ合う俺たちが、このあとのセックスを意識しているのは明らかだった。
5階に到着し、無言でエレベーターを降りる。
家の鍵を開け、見慣れた玄関に入る。
世界と俺たちを遮断するように、静かにドアが閉まった。
「おかえり夕月」
「ただいま」
二人で靴を脱ぎ、玄関を上がる。隣にいる夕月の体温が伝わってくる。
次にお互いの腕が触れたら、廊下の灯りを点けたら、それだけでセックスが始まってしまいそうだ。
「お兄ちゃん」
「ん?」
「作務衣着替えたいから、私の部屋いこ?」
「ああ」
廊下を進み、俺の寝室の向かいにある妹の部屋へ入る。
夕月の部屋は久しぶりだ。普段は滅多なことで俺を入れさせない。まさにこの家の聖域といった感じだ。
妹とはいえ女の子の部屋というのはドキドキする。
俺の部屋と広さは同じはずなのに、家具の配置や種類でぜんぜん違うように感じる。床に物を置いていないからか、俺の部屋よりもすっきりしていた。だけど彼女が小学校のときから使っている勉強机の上には参考書やプリント用紙が重なっていて、本棚もよく見ると買った本や雑誌がぎゅうぎゅうに詰め込まれている。
なんだかすごく、夕月の部屋っぽい。
室内を眺めていると、するすると衣擦れの音が聞こえた。俺の目の前で妹が紫色の腰エプロンを外し終えていた。
さらに作務衣の腰紐に手をかけ、結び目を解き始める。
「なんか、それ脱いじゃうのもったいないな」
「そ? 着たまましたほうがいい?」
「いや、シワになるだろ」
「じゃー脱ぐね」
「ああ、見納めかと思うとちょっと寂しい気がしてな」
「寂しいんだ」
「その色、群青色だっけ、けっこう好きだし」
「他の子が着てたのより?」
「あー、そういや他の子はみんな色違いだったんだっけ」
「覚えてないの?」
「夕月のしか目に入らなかったし」
「え、なんで」
「そりゃ夕月が一番可愛かったからな」
ふと、結び目を解く妹の手が止まった。
うつむき、拳を握って胸を押さえている。
「ん、どした?」
「……なんか、急に恥ずかしくなっちゃった」
気づけば夕月の耳が赤く染まっていた。
(いやいや、その感じは反則だろ)
本当に、俺に見られながら服を脱ぐのが恥ずかしいらしい。そんな態度をされたら俺だって恥ずかしくなってしまう。なんだこれ。まるで初めてセックスをする兄妹みたいだ。目の前にいるこの可愛い妹はいったいなんなのだろう。
「脱がす?」
「いいのか」
「うん。お兄ちゃん、脱がしたそうだし」
別に今そんなことを思ってはいなかったが、脱がしたいかと聞かれれば脱がしたいに決まっている。
解けかかった腰紐を外すと、前開きの布地が左右に開いていく。
『太陽よりも輝け!』と書かれた白Tシャツが目に入った。汗をかいているのか、こんもりとした胸元にブラジャーの形が透けている。この妹はどんな服を着ていてもエロいのだと実感する。
ごわっとした作務衣を脱がし、シワにならないよう椅子へ掛ける。
「Tシャツも脱がすか?」
「あ、ズボンからがいい」
「へいへい」
今すぐ押し倒したい衝動を抑えながら、兄貴然とした態度で返事をする。しゃがみ込み、紺色のズボンを脱がしていく。
純白の、細かい花柄があしらわれたパンツが目に飛び込んでくる。やはり夕月は勝負下着をつけていた。
さらにズボンを下ろすと、パンツよりも白い太ももがあらわになる。
瑞々しくて健康的な柔肌に思わずむしゃぶりつきたくなる。股間はもうずっと、痛いくらい勃起していた。
パンツの布越しでも、彼女の内股がぐっしょり濡れているのが分かる。つい凝視していると、小さい足がタンタンと床を鳴らし、ズボンが脱げた。それを椅子に掛けると、今度はTシャツの裾をつまんだ。
「夕月、脱がすから腕上げて」
「お兄ちゃんがバンザイさせて」
「着せ替え人形か」
「それいいかも」
こんな生々しくてエロい着せ替え人形があったら、石油王でも全財産をつぎ込んで手に入れたいだろう。もちろん何百億積まれても手放すつもりはない。夕月は俺だけの、可愛い妹だ。
「んっ……」
細い手首をつかみ、頭の上に持っていく。片手で両手首をつかみ直し、もう片方の手でTシャツをめくり上げていく。
白くてなめらかなお腹、綺麗な一本線のへそがあらわになった。見事にくびれた腰つきも露出していく。
胸元で引っかかった布地をぐいっとめくれば、純白のブラジャーに包まれたDカップの美乳がぷるんと揺れた。
両手首をつかみ上げながら、ブラジャーの谷間を見下ろす。思わず顔を埋めたくなるのを我慢し、さらにシャツをめくっていく。
つるりとした腋の下が見え、細いのにおっぱいと同じくらい柔らかな二の腕を布地が通過する。彼女の茶色髪を乱しながらシャツが脱げていく。
ついに夕月が下着だけの姿になった。
Tシャツを椅子に掛けると、彼女は自分で靴下を脱いでいた。
「お兄ちゃん、今日は私のベッドでする?」
「いいけど、ゴムは俺の部屋だな」
「あとで取りにいけばよくない?」
「……そうか」
つまりは中に出してもいいよということだ。
本能的に股間が熱を帯びる。いつもだったら俺の部屋に行くぞと言っていただろう。浴室とキッチンに続き、妹の部屋までエロいことをする場所になってしまうのはマズい。そう思うのに、体のほうが言うことをきかなかった。
「夕月」
「なに」
「すまん、今日は加減できないかも」
「いいよ。お兄ちゃんの好きで」
「好きにしていいのか」
「私、お兄ちゃんに乱暴にされるの、好きだし」
「言ったな」
「言った」
必死に抑えていた兄としての理性が切れる。
俺は妹の華奢な肩をつかむと、そのまま押すようにしてベッドへ倒した。
「んッ」
か細い声が漏れ、小さい体がバウンドする。
仰向けになった夕月と目が合う。俺は四つん這いの格好で妹の肢体を見下ろしていた。
茶色くて長い髪がシーツに乱れて広がっている。勝ち気な眉が下がり、大きな瞳は潤んでいた。
今にも泣き出しそうな表情に、嗜虐心が沸き上がる。股間がさらに張り詰めていく。
ブラジャーの肩紐の片方がゆるみ、もう片方は二の腕まで外れている。白い肩が艶めかしいなんてもんじゃない。
押し倒した衝撃のせいか、パンツも少し脱げかけて鼠径部が見え隠れしていた。
俺は今、妹を彼女のベッドに組み伏せ、欲望のまま犯そうとしている。
世の中にこんな背徳的でエロい光景があるだろうか。
急き立てられるように俺もジャケットを脱ぐ。雑に放り、中に着ていたワイシャツのボタンを外して脱ぎ捨てる。素肌が外気にさらされ震えるが、これから重なる温もりを思うと体が火照りだす。
ベルトを外してズボンを脱ぎ、トランクスと一緒に床に放った。股間とお尻が一瞬冷えて、すぐに熱くなる。
夕月は、床に放られたジャケットを見つめていた。
「なんか、さっきお兄ちゃんがもったいないって言ったの、分かったかも」
「ジャケット着てするか?」
「いい。裸のほうが気持ちいいし」
「そうだな」
言いながら妹の太ももに手のひらを当て、付け根のほうへと滑らせていく。つるりとした柔らかい肉感を堪能し、脱げかけのパンツに指を掛ける。
繊細な布地が破けないよう注意しながら脱がしていくと、ぷっくりとした恥丘と、一本筋の割れ目があらわになった。秘所からは愛液があふれ、可愛い膣全体を濡らしている。
俺は夕月の膝をつかんで股を開かせると、痛いほどに勃起した肉棒をそこへあてがった。
「あッ……んぅっ」
ペニスの裏側を割れ目にくっつけただけで妹が喘ぎ声を漏らす。まだ挿入はしない。亀頭の裏で陰唇をかき分け、縦すじに沿ってスライドさせる。
「あぁんっ、ンッ……うぅッ——」
カリ首をピンと立ったクリトリスに引っ掛けると、夕月が目を閉じて肩を震わせた。肉竿に密着した膣口が、キュンキュンと裏筋を吸ってくる。ペニスの裏側が熱くうねった柔肉に浸かっていて気持ちいい。
早く挿入して名器の快楽を味わいたい。でもこの挿入直前の快感も堪能したい。相反する衝動のまま、肉棒の裏で何度も割れ目の内側をこする。
「あっ、んぁっ……おにいちゃん」
妹がもどかしそうな声を上げた。
そんな反応をされるとますますイジめたくなってしまう。挿入に至らない前後運動がじれったくて仕方ない。これでは夕月を焦らしているのが俺自身を焦らしているのか分からない。
俺は腰をスライドさせながら、妹のブラジャーに手を伸ばした。挿入するのは素肌を重ねてからがいい。
外れかけたブラジャーの紐を両方とも二の腕のあたりまで下ろす。彼女がわずかに浮かせた背中の隙間に手を差し入れ、ホックを外す。
力無く持ち上げられた細腕からブラジャーを外すと、目の前に綺麗な双乳があらわれた。
一週間ぶりに見る夕月の生おっぱいが、荒い呼吸に合わせて上下している。
淡い乳輪に縁取られたピンク色の乳首が可愛らしい。本当に、何度見ても生唾を飲み込んでしまうおっぱいだ。
舌を伸ばして舐めようとしたとき、ふと彼女の頭のところに『餅っこ』と書かれたプレートが付いたままなのに気づいた。
「すまん、これ外さないと痛いよな」
「んっ……自分で取る」
妹が両手を上げて、プレートごとポニーテールの結び目を外す。彼女の茶色髪がさらに広がった。
そのあまりに妖艶な姿にドクンと心臓が跳ねる。
俺は夕月の両手首をさっきと同じように片手でつかむと、そのまま枕元に押し付けた。全裸で、シーツの上でバンザイの格好になっている妹がとんでもなくエロい。潤んだ瞳が情欲をそそる。お兄ちゃんと切なそうにつぶやく声がたまらない。無理やりしようとしているみたいでゾクゾクする。
「夕月、このまま腕上げてろ」
「うん……あぁッ——」
妹が素直にうなずいた瞬間、俺は胸元にしゃぶりついていた。
温かいおっぱいの谷間に顔を埋め、じゅるじゅると音を立てながら谷間の奥を舐め、夕月の味と匂いを堪能する。
「あっ、おにいちゃっ、んぅっ、あぁんッ……」
柔らかい乳房をすくい上げ、指を押し返すような弾力を愉しむ。久々の生おっぱいの感触に手のひらが悦ぶ。柔肌が手に吸い付いて気持ちいい。できるだけいやらしい手つきで揉みながら、おっぱいの付け根に舌を走らせる。
「んぅッ、あッ、あぁっ……んっあっ」
谷間の圧迫で両頬を温めながら、乳房の内側ばかりを執拗に舐める。舌先で乳肌をえぐるようにしてふくらみを舐め上げていき、先端の手前で止める。
敏感な乳首はまだ責めない。我慢の限界まで妹をじっくり焦らしたい。
何度も柔乳を舐め上げるたび、彼女は泣きそうな声を漏らした。すごく興奮する。多分すごく意地の悪い愛撫だ。自分がこんなに悪趣味だとは知らなかった。
今度はおっぱいをつかみ、乳輪の外側ばかりを舐め回す。外から内へ、柔らかみの増すほうへ舌先で円を描きながら迫り、乳輪に触れそうなところでまた外へと戻る。
それを何度か繰り返してから、俺は顔を上げた。夕月が何かを言いたそうだったからだ。
「お兄ちゃんっ、なんで……そんなふうに」
舐めるの?
妹が困ったように眉を寄せていた。途端に愛おしさがこみ上げてくる。
「ごめんな、夕月の反応が可愛くて」
「んッ……かわいい、の……?」
不思議そうに聞いてくるのがたまらない。いちいち反応が可愛すぎる。
俺はあらためて夕月の美乳を見下ろした。綺麗な胸の至るところが俺の唾液にまみれている。
彼女のおっぱいをむさぼるたび、優越感めいた感情が湧いてくる。妹に思いを寄せる男たち——高梨くんや黒田くん、あのジョーですら、いくら願っても触ることや見ることすら叶わないおっぱいを、俺は独占して好き勝手にできる。
そんな発想が浮かんでしまう自分は最低だと思う。結局俺も、妹を——夕月を独り占めしたい男の一人なんだ。
舌をめいっぱい伸ばしながら顔を下ろし、ピンと上向いた乳首にピタリと当てる。
「あぅっ、く……ぅッ」
舌腹にクニとした突起を感じつつ、顔を動かして乳頭を舐め回す。
「あぁんっ……あっ、あッ……それ、きもちいいっ」
おっぱいをつかんで寄せ集め、先端を舌でつつく。ビクンと上半身を震わせるのが可愛くて、今度は舌先で乳輪をえぐりながら、同時に蕾の側面にも舌を走らせた。
夕月の乳首がどんどん張り詰めていく。仕上げとばかりにじゅうっと吸い付けば、彼女の背中が浮いた。
「んぅっっ——ッ あッ、だめっ」
乳首を吸えば吸うほど、妹の背中が浮き沈みを繰り返す。資料室でイかせたときも思ったが、今まで以上に敏感になっている。
俺も、さっきからペニスを陰唇にこすり付けているだけで射精しそうだ。触れている股間が夕月の愛液で濡れ、動かすたびにクチュクチュと音を立てている。挿れてないのに具合が良すぎる。どんどん興奮がこみ上げてくる。
「あっ、はぁッ……ンッ、あぁんっ——」
唾液でふやけた乳首から、乳房全体へと舐める範囲を広げていく。舌を当てたまま、地続きになった柔らかい体の隅々まで唾液を塗り込んでいく。
ピンと立った乳首を指で弾きながら、バンザイで開いた腋の下にも舌を走らせる。ここを舐めると夕月は震え方が変わる。腋のくぼみを舌先で執拗に舐めると、こそばゆさと快感に耐えられないのか「ん゛ぅッ」と泣きそうな声を発した。
柔らかい二の腕も舐め上げると、そのたびに夕月はぶるりと震え上がった。ここも他とは震え方が違う。
妹の肌はきめ細かくてなめらかなので舌がよく滑る。舌腹を素肌に当てながら顔を移動させ、彼女の匂いと汗を味わいながら再び乳房をしゃぶる。今度はじゅじゅと音を立てて強めに吸引した。口の中いっぱいに夕月のおっぱいを頬張る。
「はぁっ、あぁッ、んッ……お兄ちゃん」
求めるような声に誘われて、首筋から顎にかけて舐めていくと、物欲しそうな瞳と目が合った。
「んぁっ、んっ、んッ、っ……ぇれ」
艶めく唇にかぶりつき、唇が重なる前に伸ばされた小さい舌を絡め取る。資料室ではできなかった、エロい音がする濃厚なキスだ。
予告もなくむしゃぶりついたのに、夕月の舌が的確に俺の舌に合わせてくる。健気な舌遣いが気持ちいい。舐め合うたび、ぞわりとした快楽が脳を蕩けさせる。翻弄されそうになり、負けじと俺も彼女の口内で舌を躍らせる。
ここは俺たちしかいない密室だ。何をするにも遠慮はいらない。それを分かっている夕月も、俺の舌先をぢゅぢゅと音を立てて吸い、口端から涎れが垂れるのも気にせず舌を絡ませてきた。
呼吸のためにいったん唇を離すと、舌先同士に糸が引く。それを舐め取ると、夕月が懇願するようにつぶやいた。
「お兄ちゃん、入れないの?」
もっと焦らして責め立てたかったのに、相変わらず俺は妹のお願いに弱い。こすり付けている股間に力を込めると、夕月の股が自然と開いた。
「挿れるぞ」
「んっ……はぁッ、ん゛っうぅぅっ——ッ」
肉棒がヌプリと妹の膣中へ飲み込まれていく。その瞬間、股間が震えて頭が痺れた。
妹の膣内が、知っていたのより熱い。うねりながらぎゅうっと圧迫してくる名器の快感に、全身が勝手に力んで震え上がる。
「ん、あッ……お兄ちゃんの、きもちいい」
「俺も夕月のなか、気持ちよくてやばい」
たまらず妹の体に倒れ込んでかき抱く。一週間ぶりの柔らかい肌の感触が気持ちよすぎる。肌と肌のわずかな摩擦で昇天しそうだ。
俺は彼女を強く抱き締めたまま、腰だけを動かし始めた。
「あぁっンッ、ぁっあッ、んぁっあっあっあぁっあッ……」
猿のような腰つきで夕月の膣奥を掘削する。ヌチュヌチュと粘っこい抽送音が鳴り始め、ベッドの軋み音と混ざりだす。
体の前面が隙間なく妹と密着している。全裸同士の肌がこすれて気持ちがいい。胸板で夕月のおっぱいを押し潰し、そのまま揺すって柔らかい凹凸をならしていく。肌と肌の摩擦が熱を生み、全身に広がっていく。
出し入れしている膣内もこすれ合う肌も、妹の体は具合がよすぎる。もう俺はイってるんじゃないかと思うほどの快感が駆け巡り、吐き出す息に情けない声が混じってしまう。
「おにいちゃっ……あっん゛ッ、おにいちゃん」
夕月は喘ぎながら涙を流していた。可愛い泣き顔に口を近づけ、目元のしずくを舐め取る。
「夕月、大丈夫か?」
「うんっ、でも、泣いちゃいそう」
とっくに泣いているのに、それに気づけないほど快感に見舞われているらしい。そんな妹が可愛くてエロくて、尻の奥から射精感が上ってくる。腰の動きが勝手に速くなる。
「あぁんっ、あっあっあっあッ、んっはぁっ……あぅっ、くぅっ……ぁっ、あっあっあっあっ——」
バチュバチュと、妹の部屋には似つかわしくないピストン音が鳴り響く。愛液が飛び散っているのを股間で感じる。獣みたいに身勝手な抽送なのに、出し入れのたび膣内がぎゅうと圧迫してきて締まりが強くなる。
「ぐっ、もう出そう」
「うん、出してっ」
「夕月出すぞ、中に」
「うんっ、う、ん、いいよっ……」
絞り出すような掠れた声に、全身が蒸発しそうなほど熱くなる。汗ばんだ細い体をシーツへ押し潰し、手の痕が付くんじゃないかと思うほどきつく抱き締める。
腰を押し出すようにバチュンと一突きした瞬間、太い快感が尿道を通った。
「ぐぅっ、うぅぅぅっ……!」
ビュルルルッ、ビュルルッと精が放たれる。溜まりに溜まった種付け汁が押し出されていく快感に全身が震える。あまりの快楽に腹筋が強張り横隔膜がつっぱる。尻穴がすぼまり精巣から精液をひり出していく。鈴口が開き、大量の精子が妹の膣奥めがけて流れ出ていく。
「ん゛ぅッ、んッ……あぅっ——ッッ、——ッ」
膣内で射精するたび夕月の顎が上向いた。膣奥がきゅううっと亀頭を締め付けてくる。その快感に俺は歯を食いしばることしかできない。
妹の膣に吸引されるがまま、俺はビュービューと精を注ぎ続けた。
はぁはぁと、夕月の苦しそうな息づかいが聞こえてくる。
気づけばずっと妹を押し潰していた。
今も俺は絶頂の快楽に酔っている。彼女の膣口はペニスの根元を頻繁に締め付けてくるし、膣奥もキュンキュンと亀頭を吸引している。ずっと搾精されているような感覚だ。
我慢の果ての中出しが、こんなに強烈だとは思いもしなかった。
「おにいちゃんっ……ぅッ」
妹が顔を歪ませる。俺は慌てて両腕をシーツにつき、ぐぐっと上体を持ち上げた。
やっと俺の体重から解放された夕月がふぅと息をつく。
「わるい、キツかったよな」
「……うん、体潰れるかと思った」
「すまん」
「ううん、お兄ちゃんにぎゅっとされるの、気持ちいいから」
「そうか」
「ん……」
妹はまだ快楽に襲われているようだった。結合部が締まるたび、「んッ」と眉をしかめている。
だけどだんだんと、呼吸が落ち着いてきていた。
「お兄ちゃん、いっぱい出た?」
「ああ、信じられないくらい出た」
「うん、なんとなくわかる」
「そうなのか」
夕月が自分のお腹の下に触れる。
「お腹の中、お兄ちゃんでいっぱい」
ふんわりと微笑む。この妹は、自分が今どんなに嬉しそうな顔をしているのか分かっているのだろうか。兄の情緒を狂わせるような表情のまま、夕月がさらにつぶやく。
「赤ちゃん、できるかな」
「かもな」
「いいの?」
「ピル飲むかどうかはお前に任せるって言ったろ」
「うん……どうしよっかなー」
「迷ってんのか」
俺としてはとっくに覚悟ができているが、どうしようかなと言われると妙に気になってしまう。
すると妹はからかいが成功したみたいに両眉を上げた。
「じょーだんだよ」
「そうか」
きっとあとでピルを飲むのだろう。そんな気がした。
「お兄ちゃん」
「ん?」
「シャワー浴びるけど、一緒に入る?」
「ああ、そうだな」
兄妹で一緒に汗やらなんやらを流すのもいいなと思う。射精直後の今なら、きっとまったり湯舟で過ごせそうだ。
……いや、絶対二回戦が始まる。一週間の禁欲が一度のセックスで解消されるわけがないのだ。
俺も入るわ、と言おうとするが……なぜか言葉が出てこない。
全身が泥の塊みたいに重い。
ここ最近の寝不足で消耗していた体が、この激しい中出しセックスでスタミナを使い果たしたらしい。
「ごめん、体重いわ」
「ん。じゃあ、私一人で浴びてくるから、お兄ちゃんここで寝てて」
「いいのか? 夕月戻ってきたらまたシーツ汚すことになるぞ」
「いいよ、明日シーツ洗うし」
「悪いな」
「ついでにゴム取ってくるね」
「ああ」
返事をしながら、萎びたペニスを引き抜く。夕月が俺の下からどいた瞬間、体を支えていた両腕から力が抜けた。
うつ伏せで夕月のベッドに沈み込む。
「じゃーちょっとだけおやすみ、お兄ちゃん」
「ああ」
「今日、来てくれてありがと」
「あぁ……」
かろうじて返事をするが、いよいよまぶたの重みに耐えられない。
ふわりと背中に布団が掛けられる。
妹の落ち着く匂いに包まれながら、俺は静かに眠りに落ちていった。
二人のえちちはまだ続きます。