後半パートの序盤ですので、総じて変態度は低めです。次回以降はトチ狂ったようにマニアックな展開が繰り返される予定です。それでは。
坂下さんにシャワーを浴びるよう促され、僕は一人で温水に打たれていた。
「はぁ……はぁ……んぅっ……はぁっ……はぁっ……どうして、まだこんなに……!」
しかし、温かいシャワーで汗を流してもまともな心地良さは得られず、身体には熱が溜め込まれたままであった。
「んぅぅぅ……!二度も……出したのに……また、はぁ……はぁ……!」
彼女の膣内へと出してしまった一度目の射精。そして、一糸纏わぬ姿をオカズにした二度目の射精。僕は坂下さんの前で2回も射精をしたというのに、ペニスが固くなってしまっていた。
「こんなところで抜くなんて……本当の変態でしか……!」
既にトレーニングスペースでとんでもないことをしていたものの、男性用のシャワー室で自慰行為に励んでしまうのは別の意味で変態だと感じてしまう。男しか出入りがないこの場所で、本来勃起をすることなど有り得ないのだから。
「でも、このままだと……んっ、んぅぅっ!!!」
そうして自らの一向に萎えないペニスを握り締め、情けなく扱いていると、突然何者かかがシャワー室へと足を踏み入れてくる。
「っ……!?」
僕以外の利用者はいなかったため、入ってくるとすればおそらくジムの男性スタッフであった。仕事を終えて、汗を流そうと入っていたのかもしれない。
「(こんなところを見られでもしたら……!)」
男性用シャワー室でペニスを勃起させている利用客。そんな男がいれば、確実に不審者として扱われてしまう。僕は息を殺して、入ってきた何者かに気取られないようにする。しかし
「お身体の調子はいかがでしょうか?」
室内に響き渡る女性の声。それ紛れもなく、先程まで僕と共にトレーニングスペースで異常な行為をしていた女性トレーナー、坂下さんの声であった。
「さ、坂下さんっ!?あのっ……どうしてこっちに入ってきて……!」
「お客様の体調が気になってしまいまして。様子を確かめることが出来れば思ってきました。」
今の僕は下半身はおろか、上半身にも何も身に着けてない状態。つまりは全裸であった。
そんな僕に対して、室内に入ってきた坂下さんは平然とした様子で声を掛けてきて、少しずつ僕のもとへと歩み寄ってきていた。
「本日はお疲れさまでした。私のトレーニングにもお付き合いしていただき、ありがとうございます。」
「いやそんな……トレーニングというよりはその……色々とすっきりし過ぎてしまって。」
背を向けていた僕の後ろから、坂下さんの声が聞こえてくる。少しだけ振り向き彼女の姿を確認したが、当然のように僕と同じ全裸であった。既に大きな驚きはなかったものの、身体を振り向かせて反り返った愚息を晒す勇気もないのであった。
「でも、あんなにお身体が固くて私もびっくりしちゃいました。これからもちゃんとストレッチをしないダメですからね。」
「はい……努力したいと、思います。」
何食わぬ様子で声を掛けてくる彼女に、僕も当たり障りのない返事をする。だが、そんなことだけ済むはずもなかった。
「んぅぅぅっ!!?ちょっ……坂下さん、またこんな……!」
「恥ずかしがってもダメですよ?それに……もういっぱい気持ちいいことをしちゃったじゃないですか。」
後ろを向いていた僕に抱き着いてきた坂下さん。背中には固いままの乳首と、豊満な乳房の感触が広がり、引き締まった身体に似付かわしない彼女の女らしい柔らかさが広がる。
「どうですか?私のおっぱい……気持ちいいですか?」
「はぁ……はぁ……は、はい。引き締まった身体なのに、結構大きくて……んぅぅっ!!あっ……ダメでそこは……!」
背中に乳房を押し当てたまま、彼女は僕の股間へ手を伸ばしてくる。そして、既に自らで握っていた肉竿を共に握ってきたのであった。
「もう、やっぱりまた固くなってる。あれだけしっかり柔軟体操をしたのに、お身体をこんな固くしちゃうなんて……」
「いやっ……ここは柔軟とかストレッチなんて全然関係ないですからっ……んんぅっ!?」
そう言って胸を押し当てたまま、彼女はペニスに指を絡み合わせながら扱き上げてくる。先程よりも手慣れた、トレーニングとも称さない淫らな手付きで。どう見ても手コキとしかいえない扱き方をしてきていた。
「あぐぅっ……また、こんな激しくシコって……んんぅぅっ!!!」
「2回もドピュドピュしたのに、まだこんなに固くしちゃうなんて……本当にエッチなオチンポですね。」
「んぅぅぅぅっ!!!す、すみません……坂下さんのことを考えると、全然収まりがつかなくて……!」
「もう……オマンコの中に出すのも、私の身体にぶっかけるのも気持ちよくなかったんですか?こんなに何度も勃起しちゃうと、自信なくなっちゃいますよ。」
そうしたネガティブな言葉に反して、彼女の声には嬉しさが滲み出ていた。そして、ペニスを扱き上げる激しさも苛烈になろうとしていた。
「んんんんぅっ!!!やめっ……坂下さんっ、そんな激しくシコられると……あひぃっ!」
「ふふっ……やっぱり2度も射精してるオチンポですから、敏感になってるみたいですね。それじゃあシコシコじゃなくて……お口でジュボジュボして差し上げます。」
そう言って僕を振り向かせた坂下さんは、シャワー室の床へと跪いてペニスと同じ高さに目線を合わせる。
「こんなに固くて、大きいままで……もしかして、下着の中で射精するのが一番お好きだったりします?」
「えぇっ!?いや……そんなことないですけど!どうしてそんな……」
「もしそうでしたら、私のパンツをお貸ししますので、それでシコシコしていただいてもいいんですけど……」
「坂下さんのパンツ……んぅぅっ!!」
元アイドルの、おそらくは脱ぎたてのパンツ。そんなアイテムを想像しただけで、僕は不覚にも新たな興奮に目覚めていた。それを表すかのように彼女に握られていたペニスが一際激しく震え上がってしまう。
「あぁんっ!もう……やっぱりパンツにドピュドピュしちゃうのが好きなんじゃないですか。どうしようもないヘンタイさんですね。」
「くぅぅぅ……坂下さんほどではないと思いますけど……!」
「やぁん……そんなに褒めちゃダメですからぁ。あぁむ……んぶっ、ぢゅぶっ、んぢゅっ、ぢゅるっ、ぐぶっ……ぐぶぉっ!んぢゅぅぅぅ……!!!」
変態であると罵られて、喜びを露わにする坂下さん。そのまま彼女は僕のペニスを頬張り、十分な固さを得ている肉棒を咥え込んでくる。
「んぢゅっ!ぢゅるっ!んぶぅっ……ぐぶっ、ぐぼぉっ!ぢゅぶっ、んぶぅっ!んぢゅるるるぅぅぅっ!!!」
「あぁぁぁっ!!!すごっ……手コキだけじゃなくて、フェラもこんなに……んんんぅぅっ!!!」
「ぐぶぅぅぅっ!!!ぢゅるっ、ぢゅぼっ、んぶぅっ!ぐぶっ、ぐぼぉっ!んぶっ、ぐぶぅっ!ぢゅっ、ぢゅぼっ、ぐぢゅぶぅぅぅぅっ!!!」
頬を窄め、顔が歪んでしまうほど激しい口淫。元アイドルのいつもは気さくで明るいトレーナーである彼女からは、到底想像もつかない下品な奉仕に僕は興奮が止まらない。
一方で、こうした下品な姿を付き合っている男には見せているのだと考えると、やはりそれはそれでショックでもあった。もちろん、そうした事実を前にしても興奮は止まらなかった。
「ごぶぅっ……んぶっ、ぢゅぶっ……んぶっ、んぼぉっ、ぐぅっ……ぐぶっ!ぢゅるっ……んぢゅぅぅぅっ……!!!」
「あぐぅっ!坂下さん……僕、また……んんぅぅぅっ!!!」
「んぶぅぅぅぅぅ……ぷはぁっ!はぁ……はぁ……まだ出しちゃダメですよ。こんなエロエロ勃起オチンポは、私がもっと気持ちよくしちゃいますから。」
「は、はい……」
このまま口内へと3度目の射精をしたいと思ってしまった、坂下さんはそれを許してはくれなかった。そして彼女はおもむろに立ち上がると、室内の壁に手をついて、尻を突き出す格好となって声を上げる。
「もう一度オマンコを使って、オチンポを柔らかくしてください。その固くて大きい勃起オチンポ、オマンコのストレッチで気持ちよくしちゃいますから。」
そうして露わとなった肉穴からは、さっき僕が注ぎ込んだ白濁と共に、彼女自身が新たに分泌した大量の愛液が止めどなく溢れ出ていた。その光景に僕の興奮もまた十二分過ぎるものとなり、身体が自然と彼女の腰を掴むのであった。
「今度はちゃんと我慢して、いっぱい気持ちよくなってくださいね。」
「はい……出来るだけ、気を付けます。んっ、んぅぅっ……!!!」
「あぁぁっ!入ってきちゃうっ……!2度も射精してるのに勃起したオチンポ……んんぅぅっ!!!ぶっといチンポがナカに……んぅぅぅっ!!!」
ペニスの先端を膣口にあてがい、そのまま一気に腰を突き出す。2度目の挿入でも入り口には窮屈さがあったものの、中へと挿入すると容易く根元まで埋没するのであった。
「あぁぁぁぁんっ!!!あぁぁっ……またオチンポがオマンコのナカに入ってきたぁっ!ぶっといオチンポ……太くて固いオチンポぉっ……!あぁんっ!!!」
「んぐぅぅぅ……はぁ、はぁ……やっぱり坂下さんのナカ、すごくキツくて……!」
「ひゃぁんっ!んぅぅ……ふふっ!今度はすぐにドピュドピュしませんでしたね。」
「当たり前……ですよ。2度も出していたら、そんな……すぐになんて……んぅぅぅっ!!!」
むしろ、ちょうどいいくらいであった。坂下さんの言葉通り、彼女の膣内に挿入をするのは一度抜かれたペニスでないと腰を動かすことも出来なかった。そして、ここからが本当の意味でのセックス、本番だという覚悟も要求されているのであった。
「いっぱいズボズボして、気持ちよくなってくださいね。オマンコを使ってオチンポが満足していただけたら……私も嬉しいです。」
「坂下さん……!ふんぅっ……んぅぅぅっ!!!」
「あぁぁんっ!んっ、んぅっ……あぁんっ!オチンポっ、おっきいオチンポがオマンコにずぶぅぅぅって……あぁぁぁんっ!!!」
多少の時間が空いていたとはいえ、一晩で三回の勃起なんてしたことはなかった。それでも僕の身体は性欲で漲るほど元気で、三度勃起したペニスを坂下さんの膣内に突き込めてしまっていた。
「んぅぅぅっ!!!こんなに気持ちいいオマンコなんて……ふんぅっ、ふぅっ……んんぅぅっ!!!」
「ひゃぁんっ!あっ、んぅぅっ!!!ふふっ……ご自分のパンツの中にドピュドピュするよりも気持ちいいですか……?あぁんっ!オマンコのズボズボのほうが……おぱんつの中よりも……あぁぁんっ!!!」
「当然ですよ……んぐぅっ!こんなオマンコにチンポを挿れたら……はぁっ……はぁっ……んぅぅぅぅっ!!!」
坂下さんは僕が彼女をオカズにオナニーをしたことと、下着の中に精液を大量に吐き出したことが相当嬉しいらしく、腰を打ち付けられて喘ぎながらそんな問いかけをしてくる。
「やぁぁんっ!!!勝っちゃったのぉっ……お客様のパンツよりも気持ちいいオマンコぉっ……パンツよりも気持ちいいオマンコだからわたしっ……ひゃぁぁんっ!!!」
「いやっ……下着に勝つって……んぐぅっ!?また締まりがキツくなって……!あぁぁぁっ!!!」
競う相手が人間ではなく、僕の下着などでいいのだろうか。元アイドルとしてでなく、これほど一人の女性としても魅力的であるにも関わらず、彼女は異常なまでに自らを貶めているようであった。
「あぁんっ!もう……またオチンポがビクンビクンって、オマンコのナカでいっぱい喜んじゃってる……あぁんっ!こんなエロエロチンポ突っ込まれたら……わたしだってぇっ……あぁぁぁぁ……!」
「んぐぅっ……さ、坂下さんのマンコがキツくなっただけ……なのに……ふんぅぅぅぅっ!!!」
「んひぃぃぃっ!!!んぅぅっ!!あぁぁっ、いやぁぁんっ!!!チンポっ、チンポぉっ!チンポ奥に届いちゃうっ!バキバキのデカチンでわたしのマンコっ、チンポでマンコ壊されちゃうよぉっ!」
腰を激しく打ちつければ打ちつけるほど、坂下さんは淫らに喘ぎ狂ってくれる。普段の態度や性格からはまるで分からなかったけれど、セックス中の彼女は間違いなくドMだといえた。
僕自身はSでもなければMでもない気がしていたが、ここまでMっ気の強い人を相手にすると、自分がドSなのではないかと錯覚してしまう。そんな勘違いをするほどに、僕は坂下さんに夢中となって腰を打ちつけていた。
「はぁっ……はぁっ……坂下さん、僕……もうそろそろ……!」
「はいっ!いっぱい出してくださいっ!オチンポからあっついザーメン……わたしのオマンコにドピュドピュしてほしいのっ……あぁぁんっ!!!あっ、あぁぁぁっ!!!わたしも……わたしもイっちゃうっ!オマンコ気持ちよすぎてイっちゃうのぉっ!あぁっ、いやっ、いやぁぁぁぁぁんっ!!!」
先程の醜態を払拭出来る喜びと、純粋に坂下さんを満足させることが出来るという喜びに、僕の心身は高揚感に溢れていた。既に倫理観や背徳感の壁は崩れており、パンパンという音を何度も響かせながら問いかける。
「出しますから……坂下さんのナカ、オマンコのナカに……ふんぅぅぅぅぅっ!!!!」
「あぁぁぁぁんっ!!!出してっ、いっぱい出してぇっ!オマンコにいっぱいザーメンちょうだいっ!わたしのヘンタイマンコにチンポザーメンドピュドピュしてほしいのぉぉぉぉぉっ!!!!!」
求められる喜びと満たせる喜び。三度目の勃起で出せる精液は多くないかもしれない。それでも、僕は彼女の膣内を渾身の力で貫き、その瞬間まで快楽を味わい尽くすのであった。
「んぐぅぅぅっ!!!出るっ、イくっ……んぅぅぅぅ……あぁぁぁぁっ!!!!」
「あぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!んっ、んぅぅっ!!!で、出てるぅっ……!あったかい精子がドピュぅぅって……んんんっ!!!オマンコの中、オチンポのドピュドピュでいっぱい……あぁぁんっ!!」
射精が出来ていた。三度目の勃起だったのに、三回目の射精が出来ていた。決して大量とはいえなかった。でも、坂下さんの膣内が僕の肉棒を激しく締め付けてくれたおかげで、精根尽き果てた中でもイくことが出来ていた。
「んぅぅぅっ!!!あぁんっ!ダメっ、キちゃうっ……オマンコから気持ちいいの……すごいのいっぱいっ……オチンポのビクビクと一緒にわたしっ……あぁぁっ!あぁぁぁっ!!!あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんっ!!!!!」
そして、僕が射精をしてすぐに、坂下さんも身体を震わせて絶頂を迎えていた。実質彼女とは初めてのセックスだったというのに、僕たちはほぼ同時にイくことも出来てしまっていた。
「んぐぅっ……坂下……さんっ!んんんぅっ!!!」
「ひゃぁぁんっ!?お、お客さま……?あぁんっ!」
彼女への想いが込み上げる僕は、達したにも関わらず腰を振り続けていた。しかし、3度の射精で限界を迎えていた肉棒はそうした動きに応じることなく、急速に萎んで膣穴から抜け落ちてしまうのであった。
「はぁ……はぁ……坂下……さん。」
「無理をしたらダメですよ。お身体を悪くしてしまえば、エッチもトレーニングも出来なくなっちゃいますから。」
「はい……気を付けます。」
そう言って僕の顔を見つめてくる坂下さんの顔は、激しいセックスの後とは思わないほどいつも通りだった。本当に僕と彼女は行為へと及んでいたのか、そう疑ってしまうほどに。
「あの……坂下さん。」
「なんですか?」
だが、そうして彼女を呼ぶと、どことなく嬉しそうな笑みを浮かべてもいた。既に精根尽き果ててはいたものの、込み上げてくる想いを伝えようと、僕は不意を突くように彼女の唇を奪うのであった。
「んぢゅっ……んちゅっ……ぢゅるっ……んぅぅっ!んっ、んぢゅぅぅぅ……!」
「ぢゅぶっ、んぶっ……すみません……んんっ、んちゅっ……」
坂下さんは拒もうとはしなかった。むしろ、僕が舌を絡ませようとすると、積極的に舌を出して求めてきた。3度もの射精をした愚息だったが、そのキスだけで再び勃起することを望んでいるようであった。
◇
ようやく心身共に落ち着きを取り戻し、僕は改めてシャワーの温水を浴びて汗を流す。だが、衝立を挟んだ隣には、僕と同様に全裸でシャワーを浴びる坂下さんがいたのも事実であった。
「坂下さん?」
「はい、なんでしょうか?」
「ここ、男性用のシャワー室なんですけど。」
出すものを十二分吐き出していたため、僕は必要以上に冷静となって、当たり前のようにシャワーを浴びている彼女に突っ込みを入れていた。
「女子用のほうに行くのが面倒ですから。」
「いや、そんな理由で居座られたりしても……」
既にジムスタッフとしての仕事も、僕との行為も済ませてしまったためか、坂下さんはプライベート感が全開なままでシャワーを浴びていた。
「こんなところを誰かに見られてでもしたら大変ですよ。」
「ふふっ……お客さまは、私の裸が誰かに見られちゃうのがイヤだったりします?」
「えぇっ!?い、いや……そういうわけじゃ……ないです……けど。」
否定しきることが出来なかった。あれほど激しいセックスをして、快感を分かり合えてしまった以上、坂下さんのことをただの女性スタッフと見ることは出来なくなっていた。
ただ、先日の電話での会話や今日の口ぶりから察すると、彼女にも付き合っている異性がいることは確かであり、これ以上何かを求めてしまうことは危ないとも感じていた。
「坂下さんって、付き合っている人とかいるんですか?」
「付き合っている人?恋人がいるかどうかってことですか?」
「……はい。」
それでも、確かめずにはいられなかった。一線を越えてしまってからではあったものの、僕は彼女の口から異性との関係を聞いておきたかった。
「はい、もちろんいますよ。あまり大きな声じゃ言えないですけど、アイドルだった時も付き合っていましたから。」
「そう……ですか。いや、そうですよね。」
別にアイドルであった時からか否かは気にはならなかった。ただ、言葉を濁そうともせずにはっきりと答える坂下さんに安心と、僅かな落胆を覚えるだけであった。
「でもそれじゃあ……僕とこんなことをしていることがもしも……」
「バレたりしちゃったら、大変なことになっちゃうかもしれないですね。」
すこぶる楽しいそうな口調で、彼女はそんな言葉を返してくる。
坂下さんは間違いなく淫乱だった。普段はそんな雰囲気を微塵も感じさせないのに。こうして身体を重ねてしまった後であっても、貞操観念が低い女だとは思えなかった。
「何か他に聞きたいことはありますか?」
「それは……まぁ。でも、考えたらキリがないと思うので。」
聞きたいことなど山ほどあった。それこそ、付き合うことが出来れば聞きたい放題なのかもしれない。だが、そんな領域に僕が手を伸ばすことは許されず、伸ばすだけの覚悟も度胸もないのであった。
「それじゃあ、もう一つだけいいですか?」
「はい。」
どうせなら最も聞きにくそうな質問をしようと思ってしまった。彼女から『なんでも』という枕詞は引き出せてはいないが、大きな好奇心と多少の意地の意地悪さを込めながら、僕は彼女に問いかける。
「他の利用者……ジムの男の客とも、こんなことをしているんですか?」
「………」
さすがに返事に困ったのだろうか。すぐに言葉は返ってこなかった。そして、そんな質問をしてしまったことに僕自身も後悔していた。
少なくとも、性欲を十二分に発散した後で問いかけるような話ではなく、もしするのであればセックスの最中にでもしておくべきだったかと、返事がかえってくるまでの時間で思い悩んでしまった。
「ここまで激しいエッチはそんなにしないですよ。裸のお付き合いだって、それほど多くはありませんから。」
「してなんかないって、否定は……しないんですね。」
「もう……私にウソでもついてほしかったんですか?それとも、お客様の彼女になってほしいって思ったりしました?」
「いっ、いやっ……そんなことは……!恋人がいるんだったら、そんなこと出来るわけないですからっ!」
確かに独占欲のようなものが芽生えてはいたものの、恋人がいるという事実をはっきりと伝えられたことで、さらなる関係を求める思いは抑えることが出来ていた。
それでも、女性としての魅力に溢れていながら、淫乱ぶりを隠そうともしない彼女に対して、僕は未だに惹かれ続けているのであった。
「あの、今後もその……僕とこういうことを……」
「はい。お客様さえよろしければ、ご一緒のトレーニングが出来ればと思ってます。」
どんなに過激な性行為に及んでいたとしても、坂下さんはトレーニングの一環という建前を崩そうとしなかった。
「でも、エッチなことだけをしようとしてもダメですからね。しっかりと身体を鍛えたり、汗を流したりするお客様じゃないとお相手しませんから。私だって、お仕事の一部としてお客様へサービスをしていますので。」
「うぅぅ……だ、大丈夫です。今後も努力させていただきます。」
妙なところで真面目というか、はっきりとした線引きをしてくる坂下さん。ただ、そうした彼女の信念や価値観が、僕を含めたこのジムの利用者のモチベーションを高めてくれている。
きっとそれは、如何わしい関係であろうとなかろうと、彼女の魅力に惹き寄せられた時から変わることがないものなのであった。