「……なるほど、おおよその話は理解しました。先生は昨日の時点で既にシッテムの箱を手にしていて、その上起動することもできず、サンクトゥムタワーの行政制御権を回復させることはできなかった……と」
’うん’
「しかし、先生もお気付きかと思いますが、その話には一点明らかな矛盾があります」
’そうだね、俺の記憶が仮に正しかったのだとして……’
「はい。昨晩シャーレの仮眠室で夜を過ごしたはずの先生が、ここに居ることの説明がつきません」
リンと改めて会話する中で浮上した矛盾点、先生の記憶には不自然な空白があるのだ。昨晩シャーレで意識を失った先生が目を覚ますのであれば、当然そこはシャーレでなければおかしい。今いる場所からシャーレの部室まで距離的には約30kmの道のりがあるものの、その移動に関する記憶が先生には一切ないのである。
「仮に私の記憶が正しいとすると、先生が知るはずのない情報を持っていることの説明が付きません」
’だからと言って俺の記憶にも明らかな欠落があるとなると……’
「どちらの記憶も正しくない。ということになるのでしょうね……」
「正直、これでは何も解決しませんね……今の私たちの記憶は互いに頼りにならないということが分かっただけでも良しとしましょう」
’うん、何はともあれまずはシャーレに向かう、かな?’
「はい。先生の言葉が正しければ、シャーレには痕跡があるはずです。本来であれば先生が名前を挙げていた生徒にも話を聞きたいところですが、
「行きましょう、先生」
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エレベーターを降りてロビーに出ると、見覚えのある姿が視界に映る。
’あっ、ユウカちゃん!?’
「……?」
来客用のベンチに腰掛け足を組む彼女が、自身を呼ぶ声に振り返り、直後その表情を変えた。
「あっ!? 代行~~~~っ!?」
立ち上がるや否やこちらに駆け寄ってくるユウカ。
「ちょっと、遅すぎるわよ!! 何時間待ったと思ってるの!?」
「ミレニアムの……なぜここに? いえ、ちょうどよかったです。あなたに聞きたい――」
「待ってください。そのお話の前に、こちらにも要件があります」
「こちらもです。連邦生徒会長に面会をお願いします」
彼女が言い切る前に、次いでやってきた二人の少女が口を
「これは……」
「?」
難しい表情で黙り込むリンの姿に皆が訝しげな表情を浮かべる。
「……早瀬ユウカさん、羽川ハスミさん、火宮チナツさん、守月スズミさん。お待ちしていました。こちらへ」
「へ!?」
「……?」
そう言うとリンは
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「それで? 話を聞かせてもらえるのよね?」
「勿論です。もっとも、それはこの先のあなた方の答えにかかっているとも言えますが」
「……?」
「それはいったい?」
4人の顔を見まわしてから一呼吸、リンが一つの質問を口にする。
「この中で、こちらの先生がどなたか分かる方は?」
「は?」
「先生……?」
「…………」
「……?」
ユウカ、ハスミ、チナツ、スズミ、全員が怪訝な顔で先生の方を見る。その後、声をあげたのはユウカ。
「そ、そういえばそちらの大人の方はどなた?」
その瞳にあったのは純粋な疑問の色だけだった。
To Be Continued…