あれからどれだけ時間が経ったのか、先生はシャーレのビルのある一室でうなだれていた。
別れ際のリンの言葉を思い出す。
『先生でも起動できないというのは想定外ですが……諦めるわけにはいきません』
『今の私たちにとってこれは唯一の希望』
『私も見落としているものが無いか探してみますので、先生もシッテムの箱を起動する方法について、いろいろ試してみてください』
’……’
’……試してみるったって’
(どうすれば……いいんだよ)
試すも何も、無いのだ。何も。散々いじくり回して分かったのは『この機械は動かせない』という事実のみ。
(もしこのまま解決できなければ、俺は……)
’……’
少し考えるようにしていた先生が顔を上げる。
’……いや、そうじゃないな。あの子たちよりも大人の俺がこんなんでどうする? 八方塞がりでも、俺が先に諦めちゃだめだ’
’そうだ、何を俺はくよくよしてたんだ? 急にいろんなことがあり過ぎて、おかしくなってたのかもな……’
今日あったことを振り返る。自身の記憶が無いという事実に加えて、突然押し付けられた重大な責務。これまでに感じたことのない明確な生命の危機の連続。大勢の人たちの命運が自身の手にかかっているというプレッシャー。それらに圧倒されて柄にもなく気分が落ち込んでいたようだ。記憶は無くても何となく自分がどんな性格なのかは理解できる。己の本能が正しければ、こんなところでいつまでもくよくよしている男ではなかったはずだ。
『それまでは、私たちがキヴォトスを守ります。先生は心配なさらないでください』
(ただでさえ大変なのに、リンちゃんは俺を元気付けようとしてくれたんだ)
万事休すという状況にもかかわらず、彼女たちは一人として諦めてはいなかった。ならば先生である自分が早々に投げ出して良い訳がない。
’とは言ったものの、やっぱりうんともすんとも……’
外が暗くなるまで粘っても成果は無かった。
’……寝るか’
幸い、リンが用意してくれたこの部屋はシャーレの部室らしいが、仮眠室もシャワーも備え付けられていた。煮詰まった頭ではいつまで経っても良いアイデアは浮かばないものだ。
’……’
ふと、緊張が解けたのか、あることが頭を過る。
(我が息子よ、余りにもじゃじゃ馬が過ぎるだろ……)
悲しいかな、男の
(処理しない訳にはいかないからな……)
そうして己の愚息に手を添えた先生が思い浮かべたのがキヴォトスの少女たちであったことを責めることは難しいだろう。彼は罪悪感を感じながらも、自身のそれを処理するために右手を動かし始めた。
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’はぁ、はぁっ!!’
それから1時間が経過してなお、彼は手を動かし続けていた。
(お、おかしい……!! なんで、イけないんだ?)
普段であればとっくに処理が終わっているであろう時間。先生は休むことなく己のちんぽを扱き続けていた。にもかかわらず、彼はここまで一度も達することができていない。
(はぁ! はぁ!! 頭がおかしくなりそうだ!! いや、もうおかしくなっちまったのか!?)
いくら手を動かそうともその欲求が解消されることはなく、それどころか悶々とした思いは次第に大きくなり、既に彼は湧き上がる性欲に体を乗っ取られていた。
’あぁぁぁ!! イきたい!! イかせてくれぇ!!’
力を込めて剛直を扱き上げるも、彼の願いが果たされることはない。ただただ逃げ場を失った欲望は怪物のように膨れ上がり、精神を侵していく。
’あ、あぎぃぃ!! でる!! でるっ!! でないぃぃぃぃ!!’
そうして深夜になっても、先生の手と叫び声が止まることはなかった。
To Be Continued…