昼休み、中庭で昼食にしようと外に出た宮藤紘乃と、彼女の後ろをそっと追う篠原光一。
風が校庭を吹き抜け、中庭に植えられた木々の葉がざわざわと揺れた。
その瞬間、中庭を歩いていた宮藤紘乃のセーラー服のスカートが大きくはためいた。地を滑るように通り抜ける風は、まるで彼女をからかうかのように足元に忍び込み、そのスカートをふわりと持ち上げた。
「えっ……!?」
驚いたように声を漏らし、慌ててスカートを手で押さえた。その動作は素早くも慎ましやかで、彼女の性格がそのまま現れているようだった。風に翻弄されるスカートは、彼女の指の間を抜けようとするかのようにはためいて、その姿はどこか生き物じみた軽やかさを持っていた。
紘乃のブルネットの髪もまた風に流され、顔にかかる前髪を彼女はそっと手で払う。その仕草ひとつひとつが静かで、彼女の持つ品の良さと落ち着きを感じさせた。けれど、その落ち着きの中にある微かな焦りが、彼女の頬に浮かぶ薄紅色として現れていた。
「……あっ」
髪を気にしてしまったせいで、後ろ側のスカートは派手に捲れてしまったと吹き抜けた風がふとももと臀部を撫でた事で気付く。それまでの所作と比べて幾分慌ただしく、髪を払った手を背部のスカートを押さえつけるよう添えた。
たった数秒間。
それでも、光一の眼鏡に仕込まれたカメラは、宮藤紘乃のしなやかな曲線を描くふとももから肉付き豊かな臀部まで全てと、それを包む、柔らかなパウダーピンクのショーツをばっちりと記録する。
それは彼女の衣装ダンスでいつも大切にしまわれている、お気に入りの一枚だった。裏打ちの布地はコットンで仕立てられ、全体は化繊の生地で艷やかなレギュラーショーツタイプ。手に取るとほんのりとした冷たさを感じさせるその触感は滑らかな一品。
陽の光を受けると、ほんのりと光沢が生まれ、その柔らかな色合いが彼女の清楚な雰囲気によく似合っていた。バックから見るショーツは履き口に小さなフリルレースが飾られている以外は無地のデザインでありながら、どこか洗練された印象を与える。目立つことなく、しかし持つ人の品格を引き立てるデザインであるくせに、彼女の豊かな肉付きの臀部にピタリと張り付くだけで印象が一気に淫らな色合いを醸し出す。清楚な雰囲気を纏う彼女に、清楚な布地。ふたつが合わされば、肉付き豊かな臀部の尻肉は重力に負けずに太ももに乗らず、上向いていて。パウダーピンクがその弾力に満ちているだろう尻肉を飾り立てている。
下方、足下から見上げたショーツ、彼女の大切な部分を守る下腹部側から見上げれば、さりげなく桜の花びらが刺繍されている。その刺繍は、同系色の淡いピンクの糸で仕上げられており、布地に溶け込むように控えめに配置されている。その刺繍の形は流れるように目立ちすぎないようデザインされているが、目を凝らせば細かなステッチの緻密さに驚かされる。
前面もまた、縁取りにはごく薄いフリルレースが施されていた。布地全体と同じパウダーピンクで仕立てられ、ショーツ全体に柔らかな立体感を与えていた。フリルの波打つラインが動きの中で表情を変え、ふんわりとした女性らしさを感じさせる。
◆
眼鏡に仕込まれた小型カメラで捉える光一が知ることはない情報だが、紘乃はこのショーツを、放課後に会いに行く恋人の為に今日選び抜いて来ていた。それは、彼女自身の性格を映し出すような、控えめで穏やかなデザインでありながら、どこかに隠れた繊細な美しさを持つ一枚だった。
このショーツを選ぶ際、紘乃は「目立たなくても、自分らしいものを」と心に決めていた。そして、この一枚を手にしたとき、それが自然と彼女の心に馴染んだのだ。そっと自分を飾り立ててくれる控えめながらも華やかなデザインも、彼女にとっての「特別感」を高める一因となっていた。
今朝、紘乃はそっとタンスの中からそのショーツを取り出した。一度手の中で広げてみると、その薄い布地が今日の楽しい時間を約束してくれているような気がした。その柔らかな生地を手に取り、上も同じデザインのブラを合わせて着替える。姿見に映る彼女の表情は、ほんの少しの照れくささを漂わせた。小さく微笑みながら、セーラー服に袖を通していく。スカーフを結ぶまでの動作は、まるで自分だけの秘密をそっとしまい込むような慎ましさに満ちていた。
◆
「もう、どうしてこんなに急に風が強くなるの……!」
紘乃は声に出しながら、スカートを押さえた手をぐっと強く握りしめた。足から舞い上がろうと揺れる布地を懸命に抑えつつ、吹き抜ける風の元凶となる方角をじっと見つめた。その目には、ほんの少しの苛立ちと戸惑いが宿っている。
風は無邪気にも再び彼女の襟元を狙うように吹き抜ける。紘乃は押さえたスカートを手で引き寄せながら、風が通り過ぎた先を恨めしげににらんだ。その視線には、風そのものに向けられたかのような小さな怒りが込められていたが、それでも彼女の表情にはどこか可愛らしい一面があった。
「本当にもう……」
小さく呟く紘乃の声は、風にかき消されてしまったが、その唇がわずかに歪む様子から、彼女の中に込み上げた感情が垣間見えた。その瞬間、再び風が吹き抜け、彼女の髪を乱し、シャツの襟元を軽く揺らした。
紘乃は肩をすくめるようにして髪を直し、スカートを丁寧に整え直した。彼女の手元はどこか慎重で、それが余計に、風に翻弄される彼女の姿を愛らしく見せていた。周囲を警戒するように一度辺りを見回すと、再び風の気配を追うように空を仰ぐ。
その視線の先には、鮮やかな青空が広がっていた。風はその空の中を自由気ままに駆け回り、木々の葉を鳴らしながらどこかへ去っていく。その様子をじっと見つめた紘乃は、ひとつ深い息をつき、軽く頭を振った。そして、もう一度スカートを確かめると、小さく微笑んだ。それは、自分に向けた苦笑いのようにも、風に対する諦めのようにも見えた。
冬
◆◆◆◆
夏
午後の風が勢いを増し、校舎裏の広場を吹き抜けた。空を走るように流れるその風は、藤堂希里子のセーラー服のスカートをふわりと持ち上げ、暴れるままに煽った。金色に近いベージュブロンドの髪も風に踊り、彼女の肩を掠めるように揺れる。
「きゃっ!」
希里子は小さな悲鳴を上げ、慌ててスカートを押さえた。スカートはまるで風と遊ぶかのように、彼女の手をすり抜けて再びはためく。その姿は、あたかも生き物が逃げ出そうとしているかのようで、紺色のプリーツスカートが彼女の指先から逃れて舞い上がろうとする。
「もう、どうしてこんなに強い風なのよ!」
希里子は風を恨めしげに睨みつけながら、スカートを両手で掴み、何とか膝上で整えようとした。風に煽られるたび、スカートの布地が波を打つように彼女の手元で動き、彼女は舌打ちしそうな表情でそれを押さえ込んだ。
その様子を、少し離れた場所で篠原光一が見ていた。彼は思わずその場に立ち止まり、乱れたスカートを直そうと懸命な希里子の姿に目を奪われていた。風に揺れる髪やスカートの動きが、まるで映画の一幕のようだった。
そして、本来は一瞬のお宝シーンだったはずのその瞬間を、人間には不可能な精度で光一の眼鏡に仕込まれたカメラが克明に切り抜く。
それは、西高男子のほとんどが夢想する光景だった。
希里子の華やかなショーツは、ロイヤルブルーサファイアのようにきらめくサテン地に豹を思わせる黒の模様が横断していた。高貴さと野生を同居させた薄布が包む桃尻は、いつかの紘乃の物と比べると小ぶりだが、はち切れんばかりの張りを持って包まれている。レオパード模様が流れる生地は季里子の瑞々しい肌に沿うようにぴたりと密着し、その弾むような柔らかさと雄を誘うまろみのある曲線を晒し、スカートを押さえようと身動ぐと繊細な皺が寄る。縁を彩るブラックレースは、彼女の臀部と健康的でしなやかに伸びたふとももを甘やかに這い、ふんわりと桃の輪郭に絡みつき、わずかに沈み込んで尻肉に食い込んでいた。
包み込まれた薄布の外へと目を向けてみれば、羞恥が全身を駆け巡ったせいか淡く紅を含みながら、でもどこか恥じらうような白さを湛えている。ほのかに乳白色を帯びた肌は紘乃と比べればより健康的で活動的な印象を与える肌色で、手でなぞればそこに薄紅の血潮の熱を感じさせそうだった。よくよくズームし、スローで見ればほのかな産毛さえも見て取れそうな高精細の映像が、掲示板の住民たちに提供され、桃果の柔らかさを際立たせた肉を食い入るように見つめた。
しかし、季里子の尻はあまりにも熟れすぎていた。張り詰めたショーツが、抑えきれぬ情欲を漏らす唇のように、スカートを押さえようとする動きに耐えかねて、ゆっくりと中央に引き絞られていく。はためく風の悪戯をどうにかしようと悪戦苦闘する全身の動きを、もともと布地が少ない豹柄ショーツでは支えきれず、ついに履き口のブラックレースの縁が中央に寄っていく。ツンと上向く桃尻の充実っぷりが繊細な刺繍の模様を歪ませ飲み込んでいく。黒糸の細やかな波紋が、食い込む果実の形に沿ってわずかに浮き上がり、まるで薄布の奥で脈打つ生き物のように、甘やかに飲み込まれていった。
スローモーション。
希里子の指先が、暴れるスカートを押さえてわずかに動く。すると、プリーツスカートの端がふわりと揺れ、それにつられるように、高貴な青い薄布に包まれた桃も艶やかに揺らいだ。生地の滑らかな光沢が、彼女の仕草に応えるようにきらめき、果実の輪郭を縁取るレースが微かに波打つ。その動きにつれて、桃の表面はふるりと撓み、その下に眠る筋肉の存在を伝えるようにほのかに膨らんだ。
そうして、桃尻の半分以上を晒してしまったセミTバッグのような状態となってしまう。
そこまで見届けた光一は、知らず湧き出ていた唾液を飲み込んだ。
しかし、その視線に気づいた希里子は、スカートを整えようとする手を一瞬止めると、彼に向かって睨むように目を細めた。
「ちょっと、篠原! 見てるんじゃないわよ!」
彼女の声は風に負けない勢いで響いた。その頬はわずかに紅潮し、風のせいなのか、それとも見られている恥ずかしさのせいなのか、彼女自身も分からないほどだった。
「えっ……ち、ちが……ご、ごめん!」
光一は慌てて目を逸らし、両手を挙げて弁解するような仕草を見せた。しかし、その動揺した様子が、希里子を余計に苛立たせる。
藤堂希里子は今朝、普段は選ばないような「特別感」のある一枚を選んでいた。それは、高級感を感じさせるロイヤルブルーサファイアカラーのショーツ。彼女がふとした拍子に目を奪われ、「これくらいなら、まあいいかな」と選んだものだったが、いざ学校に履いていくとなると、どうしても派手すぎるかもと気になってしまう。
布地は上質なシルクと化繊で仕立てられており、光を受けるとわずかに艶めいて、ロイヤルブルーの深い色合いが高貴さを引き立てる。その色味は、希里子のベージュブロンドの髪と相まって、彼女の全体的な雰囲気を引き立てるものだった。
ショーツの前面、腰骨のそれぞれを飾る小さなリボンがどこか挑発的に飾られている。
──さすがに派手過ぎる、か……?
ショップでそのショーツを見つめたときにも思ったが、改めて手に取ると、彼女の中でその疑問が再び頭をもたげた。いつもの自分よりも少しだけ攻めた選択をしたことが、なんとなく恥ずかしくもあり、それでいて捨てきれない折角だしこれにしとくかという気持ちが同居していた。
縁取りには、ごく細やかなスカラップ模様が施されており、その繊細さが豹柄ショーツ全体の野性的な印象に柔らかな印象を加えていた。布地の軽さと相まって、折りたたんだときの手のひらに収まる感覚はどこか特別な安心感を与えてくれる。その感触に、まあ誰に見せるわけでもないからいいか、とそれ以上考えずにそれを履いていく事にしたのだった。
まさか風に煽られて、一瞬とはいえ同級生に見せてしまうなんて考えてもしなかった。
しかも実は隠しカメラに撮られていて。あまつさえそれを巨大掲示板群の片隅にアップロードされて、尻肉を半分以上晒した状態を四桁に到達するダウンロードをされるだなんて思ってもいなかったのだ。
風がようやく落ち着き、スカートもようやく彼女の下半身を隠してくれる秩序を取り戻したあと。彼女は光一を牽制したあと、周りを見回し、誰も見ていないことを確認してから、そっとスカートの上から食い込みを摘まんで直した。
「ちょっと……こういう時に限ってさあ……もう」
自分に言い聞かせるように呟く声には、照れ隠しの色が濃かった。
「まったく……」
小さく呟いたその声は、誰にも聞こえないほど小さかったが、スカートを整え終えた彼女の指先には、先ほどまでの苛立ちがまだ残っているようだった。
その内、本編での5ちゃんねる風アンチスレッド回を予定しています。
https://odaibako.net/u/Akitarou5ch
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