孕ませプリンセス!~孕ませを守る3人の魔法少女たち~ 作:XX(旧山川海のすけ)
優子が生まれて。
私たちの生活は変わった。
私は雄介君と一緒に住むことになったけど、新婚後の甘い生活なんて無くて。
優子は私たちの都合なんてお構いなしに泣くし、調子悪くなるし。
深夜に起こされるのは別に普通で、急に風邪を引いて、学校前に病院に行くこともしばしば。
「心愛、僕にも育児を手伝わせて欲しい」
……雄介君はそう言ってはくれるんだけど。
雄介君に私は、希望通りの進路を取って欲しかったんだ。
……私は無理そうだから。
優子を育てながら女子高生をするのは、ここボテハラ市なら可能なんだけど。
それでも大学受験をするのは相当厳しい。
私は、諦めた。
まともに受験勉強できないから、まともに大学を目指せない。
そして。
まともに目指さなくても入れる大学に入ることに果たして意味はあるの?
そう思ったから、諦めた。
子供たちの手が掛からなくなったら、改めて目指そう。
……確か、ボテハラ市の制度に「高校生妊婦救済制度」ってのがあったはず。
現役時代に大学受験できなかった女性に、市から助成金出るんだよね。
それを利用させて貰う。
そして……
卒業式がやってきた。
ボテハラ高校の卒業式。
私は首がすわり始めた優子と一緒に出席する。
赤ちゃんが一番可愛いとき。多分。
私と同じ状態の子は他にも居て。
葵さんと美池さんもその中の1人だ。
葵さんは、ツルギ君の息子の
私の隣の席だ。
……葵さんの実家の天龍家は、男の子に青の字を入れる習わしがあるらしい。
その伝統に従っての命名なんだって。
まあ、家督を握ってるのは葵さんのお兄さんらしいから、剣青君が天龍家の後継者になることは多分無いみたいなんだけどね。
もっとも、葵さんとしてはどうでも良いんだろうけど。
ツルギ君の赤ちゃんを産んだことが重要なんだし。
葵さんはまだまだ産むつもりらしい。
剣青君がもう少し大きくなったら、2人目を作るんだって。
頑張らないと。ツルギ君。
美池さんは未婚の母の状態で、娘の桜ちゃんを育ててる。
美池さんの実家は産婦人科らしく、子育てのサポートは充実してるらしい。
あと……
美池さん、養育費を貰ってるんだよね。
それも、月に30万円。
すっご……
なんでもさ、美池さんのお客さんだった男の子たちが、1人1000円ずつ毎月養育費を払っているらしい。
「俺たちを桜の父親にさせて欲しい!」
そう、美池さんに頼み込んで。
自分から払いに来たらしい。
それで30万円……
まさしく「情けは人の為ならず」だよ……。
「このお金は全額桜のために使うよ。私のお金じゃないから」
そう言って、美池さんは全額貯金に回している。
お仕事のお金も、実は1円も自分のためには使ってはいなかったみたいで。
とことん、他人のために生きている女の子なんだね。
美池さんは。
「
そうこう、自分たちを取り巻く状況を考えていると。
私の名前が校長先生に呼ばれた。
「はい!」
返事をしつつ、立ち上がる。
抱っこ紐で胸の前に優子を抱っこした状態で。
そのまま卒業式を執り行っている体育館の、正面舞台上の演台に向かう。
花で飾られている演台に。
そこには校長先生がいて、卒業生に卒業証書を渡している。
次は私の番なんだ。
そして演台への階段を上り。
私は校長先生の前に立つ。
校長先生は私の前で
「卒業証書。種原心愛。……以下、同文です。おめでとう!」
そう言って、私の卒業証書を差し出してくれた。
私はそれを両手で受け取った。左手薬指に、銀色の指輪が嵌った手で。
今日はひとつの人生のイベントの終了日。
そして新しいスタートの日。
……雄介君。
これからも、色々きっと大変なことがある。
私たちを育ててくれた人たちが、そうだったみたいに。
でも、一緒に乗り越えて行こうね。
絶対に出来ると信じているから……!
……そんなことを想う私を。
私の胸の前に抱っこ紐で抱っこされている優子が。
純真な瞳で不思議そうに見上げていた。
<了>
次回、あとがき。
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