孕ませプリンセス!~孕ませを守る3人の魔法少女たち~ 作:XX(旧山川海のすけ)
「私が妊娠していない!? 何かの間違いですよ! もう一度調べ直して下さい!」
……葵さんが猛っていた。
看護婦さんが困ってる。
「葵さん落ち着いて」
私は葵さんを宥めた。
8番診察室の外で、自分の順番を待っていたら。
突然診察室から大声がして。
ちょっと迷ったけど、飛び込んだら葵さんが猛っていた。
男性のお医者さんは
「天龍さん、落ち着いてください。あなたは妊娠して無いんです。中に誰もいませんよ!」
身振りを交えながら事実を伝えるんだけど
「そんな! あんまりです!」
そんなお医者さんの言葉に葵さん、興奮し過ぎてちょっと泣いてた。
「私、大切な夫の子供を身籠れたと思って、お祝いの準備までしたんですよ!? もうベビーベッドまで買ったのに!」
……気ィ早いなぁ。葵さん。
「ベビーベッドがあろうとなかろうと、結果は変わらないんですよ!」
だけどお医者さんにはそんな感情論は通じなくて。
冷徹に事実を伝えて来た。
その言葉に、葵さんはさめざめと泣きだした。
「……そんな。とても嬉しかったのに。17才で身籠って、18才で出産。そのまますぐ身籠って、19でまた出産……」
葵さんは自分の立てていた計画を呟いていた。
葵さんの計画、毎年赤ちゃんを産む計画は、一見無茶に思えるかもしれないけど……
ラバーズ法を習得している女には、決して無茶じゃ無いんだよね。
育児が大変なのは変わらないけど……
産む分は、ラバーズ法の呼吸でだいぶ負担が減るんだよね。
だから大丈夫なんだ。
「……私の妊娠出産能力が低下する35才までに、18人のツルギさんの子供……夢見ていたのに」
……実現していたら、雨田君は28才で18児のパパなのか……
それは……美しいね。
ビッグダディだよ。
葵さんの思い描いていた夢に、私は遠い目をした。
気持ちはすごく良く分かる。
私だって子だくさん大家族を夢見てるし。
だから私は
「葵さん」
肩に手を置いて、慰める。
「今回は残念だったけど、今度からさ……」
雨田君に愛してもらうときにさ、フィニッシュを迎えるときに「葵、孕め!」とか「僕の子供を産むんだ!」って命令して貰いなよ。
そう、提案した。
葵さん、キョトンとしていて。
「……それに意味があるんですか?」
そう訊き返して来たので。
私は
「身体は魂の奴隷じゃ無いんだよ」
そう、教えてあげた。
私の言葉を聞き、葵さんは
「魂の……奴隷じゃない?」
「そう」
理解が難しいのか戸惑っている葵さんに、私は頷き。
その真意を教えた。
それはね……
「なるほど。自分の身体に言い聞かせて貰うことが重要なんですね」
「そう。自己暗示っていう言葉があるでしょ」
……用事が済んだので受付で処理を済ませて、産婦人科を後にしつつ。
ちなみに支払いはゼロ。
この町では妊娠出産育児はタダだから。
「自分の身体は自分のものって思ってると、フルスペックが出ないときってあるんだよ。……お母さんの受け売りだけど」
そして並んで自動ドアの扉を潜って外に出た。
偶然だけど生理不順で2人で同時に産婦人科に来て。
結果としては2人とも妊娠してなかった。
私も葵さんも、それが残念に感じたけど……
私は少しだけホッとしていた。
雄介君に報告をしなくて良くなったから。
ちょっとだけ、不安だったんだ。
……そのときだった。
彼女に……出会ったのは。
次回、新キャラ登場!
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