※この作品はR-18です。

孕ませプリンセス!~孕ませを守る3人の魔法少女たち~   作:XX(旧山川海のすけ)

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第63話 はじめての敗北

「やったぞ! ついにHRプリンセスを倒した! お前に目を付けた我の目に狂いは無かったぞ!」

 

 コンドゥムの哄笑。

 空中で身を反らして凄い笑顔と嗤い声。

 

 私はそれを仰向けに倒れたまま聞いていて。

 そして転がったまま、私は失った右腕を押さえた。

 

 凍結したせいで、出血していないみたい。

 その凍結状態は私の変身解除の影響なのか、急速に解除されていき

 

 そして同時に傷が塞がり、出血の心配は無くなった。

 右腕は無いまんまだけど。

 

 そこに

 

「さあメツボウプリンセスよ! HRペンを奪え!」

 

 コンドゥムの言葉。

 

 くっ

 

 私にはもう、それに抗う術は……

 

 そう、私がこの先を考え、絶望を深めたとき。

 

「……勝負ありですね。右腕を奪ってしまったことは謝罪します」

 

 師匠は動かずに、倒れた私を見下ろすように、視線を投げて来て。

 

 何故かそのまま、もう戦えなくなった私に追撃を掛けて、HRペンを奪い取るようなことはしてこなかったんだ。

 

 ……何で?

 負けたのに……?

 

 私は欠損部位を気にしながら、身を起こした。

 そのまま立ち上がる私に、師匠はこう言った。

 

「……今の私は、教え子の右腕を奪い取った上でHRペンまで奪う覚悟まで固まっていません。1度だけ、預けます……」

 

「なんだと! 情けを掛けるつもりか!? お前、報酬は欲しく無いのか!?」

 

 慌て、背を向け立ち去る師匠に、追い縋るコンドゥムに

 

 師匠は

 

「……やらないとは言っていません。次は必ず覚悟を固め、殺してでも奪い取りますよ……」

 

 その師匠の言葉には、ガラハドを前にした主人公の覚悟が宿っている気がした。

 

 師匠……。

 

 ギリギリで首の皮が繋がった私。

 でも、もう後が無いのは同じだ……

 

 次に戦うことになったら、終わりだよ……!

 

 広がる絶望……

 どうしよう……?

 

「心愛!」

 

 先の閉ざされた未来を感じ、沈み込もうとしていく私を、雄介君が支えてくれる。

 駆け寄ってくれた彼を、私は見つめた。

 

 ……ここで感情が溢れて

 

 私は、泣いてしまった。

 

「雄介君……私、負けちゃった……負けちゃったよォォォッ!」

 

 残った左腕で、彼の背中に手を回し、泣きじゃくる。

 悔しかったし、恐ろしかった。

 

 AHR(アンチエイチアール)たちの思惑通り、この世界から孕ませが消えてしまうことが。

 大家族も、子供溢れる社会も、全部消えてしまう……!

 

 雄介君はそんな私を受け止めてくれた。

 そして、こう言ったんだ。

 

「……心愛。一度阿比須町に戻ろう」

 

 えっ、と思った。

 

 阿比須町……

 

 日本で、ううん……世界で一番民度が終わっている街……

 

 そして私たちの古巣……。

 

 そんなところに雄介君は戻ろうって言うの……?

 

 戸惑う私に、彼はこう続けた。

 

「……一度、僕らの原点を見つめ直すんだ。心愛!」




主人公、自分の原点を見つめに行く。
ここで第5章は終了です。
次回から第6章。

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