※この作品はR-18です。

孕ませプリンセス!~孕ませを守る3人の魔法少女たち~   作:XX(旧山川海のすけ)

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第65話 頭が2つある意味

 私たちはまず最初に、阿比須町の豚箱に向かった。

 人血饅頭を買わないといけないからね。

 

 処刑の無い日は、死刑囚を収容している施設である豚箱で販売してるんだよね。

 人血饅頭。

 

 

 

「いつ来ても思うけど……汚いなぁ」

 

「この町では犯罪者は死刑囚の卵であり、死刑囚は人血饅頭の原材料で、豚の餌と移植用臓器の供給源だからね」

 

 そんな会話をする私たち。

 

 ……私たちは2人、並んで阿比須町豚箱の前に立っていた。

 

 阿比須町豚箱という看板が掛かっているその建物は。

 ボロボロのコンクリート製。

 

 塗装は一切されてなくて、汚らしかった。

 入るのに躊躇するくらい。

 

 あと、糞便の臭いがする。

 

 不快で、不潔な建物。

 窓には全て鉄格子がついていて、入ったものは絶対に逃がさない。

 設計者の鉄の意志を感じた。

 

 

 

「ええ~? 在庫無いんですか~?」

 

 豚箱受付で、人血饅頭を売ってくださいと、私がお財布を出して雄介君に渡そうとしていたら。

 

「申し訳ありません売り切れです」

 

 そう、受付のお姉さんが頭を下げて来た。

 豚箱受付のお姉さんは、ビシッとした女性用スーツで身を固めていて、とても有能そうな女の人が務めていた。

 

 私は

 

「ええっ! 売り切れって!」

 

 焦ってしまう。

 人血饅頭が無かったら、私の右腕はどうなるの?

 ぶらぶらの、中身の入っていない私の服の右袖を気にしつつ。

 

 だけどお姉さんは淡々と

 

「申し訳ありません。次の処刑をお待ちください」

 

 事務的にそう返して来る。

 うーん……

 

 どうしようかなぁ?

 他に人血饅頭を手に入れる方法無いのかな?

 

 例えばヤミで、とか。

 ネットを探したら売ってそうな気がするな。

 人血饅頭は今は阿比須町でしか買えないレアアイテムだし。

 

 そんなことを考えていたら。

 

「次の死刑の予定は?」

 

 雄介君が穏やかにお姉さんに訊いてくれた。

 お姉さんは

 

「明後日の正午に数件予定があります。会場は阿比須町運動場となっております」

 

 ニコリ、と。

 公開処刑の日時を教えてくれたんだ。

 

「当日は会場での販売がされます。死刑囚1人につき、200個は作れますから、当日参加すれば間違いなく購入できると思いますよ」

 

「分かりました。ありがとうございました」

 

 雄介君の穏やかで丁寧な質問に、お姉さんは隙の無い返答をくれた。

 ありがとう、という気持ちが沸き上がる。

 

「ありがとうございました」

 

 私もお姉さんに頭を下げた。

 ……心では、2人に。

 

 雄介君、私と違って最善の、正攻法を真っ先に考えてくれたんだ。

 そこにキュンとしてしまったんだ。

 

 私はヤミの手段コミコミで、最速で手に入れる方法を考えたんだけども。

 

 

 

 私と雄介君。

 大まかな価値観は一緒だと思うんだけど。

 

 そこに向かうための道筋の立て方は別のことが結構ある。

 

 そう、今日のこのことみたいに。

 最終的に同じところに行くことを双方納得できればいいんだから、そこに至るためのルートは完全一致しなくても良いよね。

 むしろ、一致しない方が良いんじゃ無いかと思うんだ。

 

 だって、そうじゃないと頭が2つある意味がないよね。

 

 そう思ったとき。

 

 

 ……師匠も、あの決断……子供を授かるために、人類を裏切る決断をすることは旦那さんと相談して決めたことなのかな……?

 

 

 ふと、そう考えたんだ……。




この気づきが、突破口になるのだろうか……?

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