孕ませプリンセス!~孕ませを守る3人の魔法少女たち~ 作:XX(旧山川海のすけ)
第73話 師匠んチに凸してみた
そして私たちは帰って来た。
今の私たちの街……ボテハラ市へ。
出発前は右腕が欠損していた私だけど。
今はこの通り、再生した。
目の前で右の拳を握り、開く。
まだ、歴史を刻みはじめて1日目の手……
「心愛」
自分の新しい右手を確かめている私の背中に、雄介君の声が掛かる。
振り返ると、決意を固めた彼がいた。
……これから突撃するんだよね。
師匠の……家を。
新幹線に乗っているとき。
私は彼に話したんだ。
師匠は、私の家の隣に住んでいるって。
すると彼は
「だったら、2人で乗り込もう」
そう提案してくれたんだ。
私の家。
市から借りている一軒家。
築30年くらいの木造の平屋の家で、門のところに「純真」の表札が掛かってる。
……紙製だけど。
はがきで作ったんだよね。
表札にお金を掛けるの、勿体ないし。
で、私の家の隣。
もう一軒、家がある。
こっちは2階建てだ。
掛かってる表札は「望」
こっちは勿論紙じゃない。
天然石だ。
……どのくらいお金が掛かるのが分かんないけど。
大人の夫婦の家って感じがした。
……その下に、インターホン。
よし……。
唾を飲み込んで、私は。
新しい右腕の指で、そのボタンを押した。
ピンポーン。
「はーい」
ドタドタ音がして。
ガチャと洋風の玄関ドアが開き。
中から黒色ワンピースで身を包んだ美人な若奥様……望師匠が出て来たんだ。
師匠は訪問者が私だと気づいて
「じ、純真さん」
驚愕の表情で私を見て。
右腕が再生していることに気づいて、さらにもう一度驚いた。
そして私たちは師匠の家に招かれた。
厳密に言うと、慌ててドアを閉めようとする師匠の先回りをして、私がドアの隙間に右足を差し込んでそれを阻止。
いつもは落ち着いた清楚な美人さんな師匠が、目を吊り上げて私の頭を押して
入って来るな!
って意志を身体で示したんだけど。
私は「絶対に家に入れて貰う」という鉄の意志でグイグイ行ってたら
「星子さん、お客さんですか?」
家の奥から、身なりのキッチリした男性が姿を見せて来たんだ……
「やぁやぁ、妻の教え子がわざわざ訪ねて来てくれるなんてね。嬉しいよ。純真さんは義理堅い子だね」
にこやかにそう言い、私たち2人をリビングに通してくれて。
大画面テレビの前に据え付けられた応接セット。
そこのソファを勧めてくれた。
黒い革のソファと、それに似合うガラスのテーブル。
そのテーブルの前に、麦茶の入ったグラスを2つ置いてくれる。
師匠の旦那さんは、知的な男性で、20代には見えないけど、30代後半にも見えなかった。
多分アラサーど真ん中なんだろう。
でも、かなりカッコイイ部類に入ってると思う。
優しそうだし。
実際、突然訪ねて来た私たちを家に入れてくれて、お茶まで出してくれた。
名前は
職業は医者で、ボテハラ市では市の総合病院に勤めているんだって。
……そんな、麦茶を出してくれた後に、キッチンに引っ込んでいく師匠の旦那さんの後姿を見て。
師匠の心の動きが正確に理解できた気がした。
この……
目の前のソファに腰を下ろしている師匠の心の動きが。
次回、師匠との対話。
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