第13章 終焉の刻
「はぁっ・・・・・・はぁっ・・・・・・、修次、・・・修次ぃ・・・っ、ああん・・・・・・っ!」
夜のキッチンで、テニスウェア姿の美智子が修次にバックから突かれている。
美智子の腰を両手で掴みながら、雄々しく腰を前後に振り続ける。
「ああ・・・・・・、修次、いいっ、いいのぉ・・・・・・っ!」
「義姉さん・・・っ」
修次はさらに激しく腰を振り続ける。
「あっあっあっ、あはぁぁっ! ああぁんっ!」
美智子が髪を乱してあえぎまくる。
結合部からぐちゃぐちゃといういやらしい音がする。
「義姉さん・・・っ」
修次が美智子の両腕を掴んで引き寄せる。
より深いところまで挿入される。
「はぁっ、はぁっ、だ、だめ・・・・・・! もう、もうわたし・・・!」
美智子が限界が近いことを告げる。
修次はさらに腰の動きを激しくする。
そして、ついにその時が訪れる。
「ああんっ! あはぁあっ! い、いくっ、いくぅううっ!!」
美智子は身体を弓なりに反らせながら絶頂に達した。
修次は美智子の膣内に射精する。
「あぁっ! あついぃ・・・っ!」
子宮の中に熱いものを感じる。
ひたすら義弟に犯され続ける日々。
それも今や姉弟の日常生活の一部と化していた。
「はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・」
荒い息を吐きながら、美智子は修次が自身を引き抜くのを手伝う。
「義姉さん・・・」
修次は美智子に優しくキスをする。
「んむ・・・・・・ん・・・・・・」
舌を差し入れて絡めると、美智子もそれに応えた。
しばらくの間、お互いの唇を貪り合う二人。
やがてどちらからともなく口を離した。
「義姉さん・・・好きだよ」
「・・・私もよ、修次」
二人はそのまま抱き合って眠りについた。
翌朝、二人が朝食を摂っていると、テレビにニュース速報が流れる。
『昨夜未明、○○市にて女性の遺体が発見されました』
「あら・・・物騒な事件ね」
美智子が眉をひそめる。
『遺体の女性は市内に住むK大学文学部二年・三浦恵津子さんと判明しました。恵津子 さんは自室で首を吊った状態で発見されました』
「あら・・・」
美智子が呟く。
『なお、現場からは遺書らしきものが見つかっており・・・』
「え?」
修次が反応する。
『・・・警察は自殺とみて捜査を進めています』
確かに修次は恵津子を凌辱した。
しかし、自殺は想定外だ。
いや、ミスコンで築いてきたものが凌辱の一件で崩れ落ちた。
それで自ら命を絶った。
そうなっても何らおかしくはないだろう。
いたたまれなくなって、部屋に戻った修次は、例のハードカバーに目をやる。
(これで、何人の女を犯してきたのか・・・。これのために恵津子が、死んだ・・・)
修次はその本を床に叩きつけた。
と、ハードカバーのページが勝手にめくられていく。
「な・・・なんだ!?」
やがて、ページが止まった。
「・・・ッ!?」
そのページを見た修次が目を見開く。
例によって顔は滲んで見えるが、それは修次自身だった。
その胸を、少年が持つナイフが貫いている。
おそらくは、背丈から弟の慎介だろう。
「慎介・・・!」
修次は思わず叫んだ。
『・・・これで、何人の女を犯してきたのか』
「な・・・!?」
修次が目を見開くと、ページの上の修次は消え、代わりに恵津子の姿が映し出されていた。
『・・・許さない、絶対に許さない・・・』
恵津子は修次を睨んでいる。
『絶対に、許さない・・・』
「な、何をだ!?」
『私の人生をめちゃくちゃにした罪よ!』
「お、俺はそんなつもりじゃ・・・!」
『うるさいっ! お前さえいなければ私は幸せになれたんだ! お前さえいなけれ ばっ!!』
恵津子がそう叫んだ瞬間、修次は何かに足をつかまれた。
「な・・・・・・!?」
その足には無数の手がかかっている。
そして、その手はどんどん増えていく。
その手の持ち主は、今まで修次が手籠めにした女性だった。
皆、虚ろな目で修次を見ている。
「そんな・・・!」
『お前はたくさんの女の人生をめちゃくちゃにしたのよ・・・』
『あなたは、一生償い続けなければならないの・・・』
『絶対に許さないから!』
女性達が次々と恨みの言葉を口にする。
そして・・・。
『わああああっ!!』
後ろからの叫び声に振り向くと、蒼ざめた顔をした慎介がナイフを手にして立っていた。
『よくも、よくもお姉ちゃんをっ・・・!』
慎介は修次に向かってナイフを振り下ろす。
「う、うわああああああああああああ!!」
修次が叫ぶと、その身体は恵津子の部屋ではなく自室に戻っていた。
どうやら寝室に戻るやそのまま眠ってしまったようだ。
「はぁ・・・! はぁ・・・!」
修次は肩で息をしながら、夢の内容を思い出す。
(俺が犯した女達からの恨みの声・・・)
『お前はたくさんの女の人生をめちゃくちゃにしたのよ』
(確かに俺はたくさんの女の人生をめちゃくちゃにしてしまった)
(そして、恵津子も俺のせいで死んだ)
『お前は一生償い続けなければならないの』
(俺は、どうすればいい?)
(どうすればこの罪を償えるんだ・・・?)
「はぁ・・・・・・っ」
修次は深い溜め息をついた。
それから数日後。
修次の家に電話が掛かった。
数回の呼び出し音のあと、美智子が電話に出る。
「修次、あなたによ。水野さんって方から」
(水野・・・水野貴子?)
聞き覚えのある名前だった。
前のハードカバーの持ち主だ。
修次はその電話に出る。
「もしもし」
『あ、修次くん? 私、水野です』
(やっぱり・・・)
「どうも・・・」
『今、お時間いいかしら?』
「ええ。大丈夫ですが・・・」
『じゃあ、ちょっとお話があるの。今から家に来てもらえるかしら』
(話?)
『それとあのハードカバーを持って来てくれる?』
「・・・分かりました」
『ありがとう。待ってるわ』
「はい・・・」
修次は電話を切ると、例のハードカバーをバッグに入れて家を出た。
「いらっしゃい。待ってたわよ」
貴子は笑顔で修次を出迎える。
「それで、話って・・・?」
「まあ上がってちょうだい」
貴子に促されて家に上がり、リビングに通された。
「コーヒーでよかったかしら?」
「はい・・・」
貴子はコーヒーを淹れて、テーブルに置くと自分も席についた。
「あの本のことなんだけどね・・・」
「・・・!」
(やっぱりその話か)
「私が小学生の時、この家に引っ越してきて、この家を改築することになったの」
その話とハードカバーと何の関係があるのか?
「作業をしていた人が床下からあの本を見つけて、うちに持ってきたの」
「あの本・・・」
修次が呟く。
「そうよ。修次くんがずっと持ってるあの本」
「・・・これか?」
修次は例のハードカバーを貴子に見せる。
「ええ。それよ」
貴子は頷く。
「私、あれからその本について色々に調べてみたの。そしたら・・・」
「そしたら?」
「とある心霊サイトにその本についての記事があったの」
「え・・・!?」
修次は思わず声を上げる。
「私もそういうのに興味はあったし、読んでみたの」
「そしたら・・・」
「この本には、読んだ人を狂気に陥れる力があるらしいの。そして最後は破滅に追い込むって書いてあったわ」
修次は思わずハードカバーを手から落としそうになり、慌てて持ち直す。
(まさか・・・!)
貴子は話を続ける。
「最初は都市伝説の類じゃないかって程度だったんだけど、テレビのニュースにもなったし・・・」
「とある大学のミスコンが自殺したとか言ってたな」
貴子は頷く。
「それで、気になったからこの本を私に持ってきた人に連絡を取って聞いてみたの」
「・・・なんと?」
修次は恐る恐る聞く。
「その人が言うには、その本に書いてある事が次々と現実になっていって・・・」
「・・・!!!」
そんな馬鹿な! 修次はそう言いたかったが、反論する余地もなかった。
今彼が持っているハードカバーに操られるように、修次は次々と女性達を凌辱していった。
そして、その結果が恵津子の死だ。
「そんな・・・!」
修次は呆然とする。
「信じられないけど事実よ」
「そうだったのか・・・」
「それでね、その本は処分した方がいいって忠告されたわ」
「え?」
(どういうことだ?)
「もしこのままその本を手元に置いていたら、あなた自身が破滅してしまうって」
「・・・!!」
修次は思わず立ち上がる。
「でも私はそうは思わないの」
(な・・・!?)
「だって、あなただけはそうさせたくないもの」
「・・・!」
修次は言葉を失う。
「私はね、あなたの事が好きなのよ」
貴子は修次を真っ直ぐ見つめて言った。
「だから・・・」
(・・・え?)
「私と一緒に来て」
そう言って貴子は立ち上がり、修次に歩み寄ると彼の身体を抱き締めた。
そして、そのままキスをする。
「・・・っ!!」
突然の事に驚いたが、すぐに受け入れた。
(ああ・・・)
これが欲しかったんだ・・・。
ずっとこうしていたい・・・。
そんな思いに駆られる。
二人の身体がソファに倒れ込む。
と、不意に貴子が身体の向きを変えた。
修次の目の前にセーラー服のスカートの中身が飛び込む。
ズボンの前が開かれ、肉柱が取り出さられる。
(え?)
修次が驚いていると、貴子は肉柱を口に含んだ。
「ん・・・!」
思わず声を上げる修次。
「ふふ・・・」
貴子は微笑みながらも口を動かすのを止めない。
ちゅばちゅばと音を立てられ、修次はさらに快楽を煽られる。
「ねえ、私にもお願い・・・」
修次はそれが何を意味するのか分かっていた。
修次はスカートの中に顔を突っ込み、パンティの上から貴子の秘所に舌を這わせた。
所謂シックスナインの姿勢である。
「んっ・・・、そう、上手よ・・・」
貴子はうっとりとした声で言う。
あの時は貴子を押し倒し犯したが、今度は逆に彼女に主導権を握られている。
「・・・!」
貴子は舌を動かし、修次の肉柱を責め立てる。
その絶妙な舌遣いに、修次はあっという間に高みへ上らされる。
「う・・・! もうダメだっ・・・」
どぴゅーっ!! と勢いよく精液を放出する修次。
「んっ!?・・・んく」
貴子はそれを口で受け止める。
(あ、ああ・・・)
射精を終えてもまだ余韻が残っているのか、身体がビクビクしている。
「た、貴子さん・・・今度は上になって」
「ええ」
貴子はスカートを脱ぐと、修次の腰を跨いで膝立ちになった。
そしてゆっくりと腰を下ろしていく。
「ああ・・・っ!」
「うっ・・・」
(温かい・・・)
柔らかく温かな感触に包まれる感覚に思わず声を上げる。
(これが女の人の・・・!)
今まで犯してきた女達の中は皆冷たく、ただ肉欲を満たすためのものだった。
だが、今は違う。
今自分の上で腰を振っているのは、愛を語らった女性なのだ。
(俺はこの人を・・・抱いている)
そう思うと胸が熱くなった。
「あっ、ああん!」
貴子の動きが激しくなる。
(き、気持ちいい・・・!)
初めて味わう女の蜜壺の感触に早くも果てそうになる修次。
ハードカバーに操られてではない。
今度は自分の意志で・・・貴子を求めているのだ。
「はあっ、はっ・・・」
呼吸が荒くなり、ついに果てそうになる。
「っ・・・! ああーっ!!」
修次はたまらず射精した。
貴子は、修次の上で突っ伏す。
「ああ・・・、いっぱい出てる・・・」
二人は繋がったまま抱き合った。
「貴子さん・・・愛してる」
修次はそう言ってキスをすると、ゆっくりと身体を起こした。
「え? あ・・・」
今度は自分が攻める番だと悟ったのか、貴子は恥ずかしそうに目を伏せた。
(かわいいな)
そんな様子に思わず笑みが溢れる修次だった―――。
翌日、修次が学校から戻ると、美智子が慌てた様子で話し掛けてきた。
「修次、大変な事が・・・」
「何、義姉さん」
「菜月が・・・菜月が、死んだの」
「な・・・!?」
修次は絶句した。
「・・・詳しく教えてくれ」
「昨日の夕方、傍を走っていた鉄工所のトラックが荷崩れを起こして・・・菜月はその鉄パイプの下敷きになって・・・」
「そ、そんな・・・!」
修次は愕然とする。
「助かる見込みは・・・?」
美智子が無言で首を横に振る。
「残念だけど、即死だったらしいわ・・・」
「な・・・!」
修次は拳を握りしめる。
と、その時だった。
『・・・・・・!』
頭の中であの声が聞こえてきた。
(ち、畜生め!)
美智子に聞こえないように心で叫ぶが、身体は勝手に動いて寝室に向かう。
(ふざけるな!)
もう終わったはずだろ!? 終わりにしてくれ!!
そんな叫びも虚しく、修次は寝室に入り、禁断のハードカバーを手に取る。
『・・・・・・!』
声に誘われるようにページを開くと、そこには昨日の続きが書かれていた。
「ああ・・・」
絶望に打ちひしがれながらも、手は勝手に動く。
修次を導くように、ゆっくりと本はめくられていく。
そして・・・最後のページまで到達した。
しかし、そこには何も書かれていなかった。
「え・・・?」
今まで白紙だった場所には何も書かれていない。
それはまるで・・・
「終わったのか・・・?」
ぽつりと呟く。
もう女の魂は引き付けられていないという事だろうか? それともまだ続きがあるのだろうか?
(これで終わりなのか?)
そんな疑念が頭をかすめる中、最後のページに文字が浮かび上がった。
"終焉の刻" そう書かれていた。
「しゅう、えん・・・?」
何か意味のある言葉なのだろうかと、修次は考える。
しかし、その言葉の真意を知る術はなかった・・・。
(終わりじゃなかった・・・!)
修次は激しく後悔した。
恵津子が生きたいと望んだのだから、彼女の願いを叶えてやるべきではなかったのだろうか?
そして、美智子と菜月もそれに巻き込んでしまった。
いや、違う。
これはすべて自分のせいなのだ。
「くそっ!!」
思わず壁を殴る。
(どうすればいいんだ!?)
そんな思いとは裏腹に時間は過ぎ去っていくのだった――。
第13章 終焉の刻 完