二次試験が終わり、飛行船で三次試験の会場に向かう。その道中、フレイとネオンは特に何も無く、ただ寝てるだけだった。
三次試験の場所はトリックタワーという高い塔の頂上。
「ここ三次試験のスタート試験となります。さて試験内容ですが試験官の伝言です。生きて下まで降りること、試験時間は72時間」
試験は開始しフレイは周囲を見渡す。塔には地上に降りるための階段も入り口もなく、塔の外壁にも窓も何もなく、地上に降りる術はない。
「フレイ、あれ見て」
ネオンの言った先には一人の受験生がいた。
「普通の人間ならこの窓1つない壁を降りる事は自殺行為だろうが、このくらいのとっかかりがあれば、一流のロッククライマーなら、難なくクリア出来るぜ」
一流ロッククライマーを自称した86番の受験者が、ゆっくりと壁を降りていくところだった。降り始めてからすぐに、こちらへ向ってくる人の頭の鳥がいた。
鳥は86番受験生を襲い、体を啄んでいる。
「鳥ってあんなに食べるんだね」
「普通はあんないじゃないけどね」
ハンター試験の受験者達の大半はどうやって地上に降りるか悩んでいるが、何名かは屋上の床に隠し扉があることに気づき、周りに気づかれないように消えていく。
ゴン達が隠し扉から降りたのを確認するとフレイはその近くに行き、扉を探す。
「ここに隠し扉あるぞ」
「本当だね、狭いから別れて行く?」
「いや抱きつきながら入れば行けるだろ」
「やった!早くハグして行こ?」
フレイとネオンは狭い隠し扉を二人で行くため抱き合いながら降りる。
降り立つとそこにはゴン達四人の姿があった
少し待っていると上の隠し扉が四つ開き人が落ちてきた。その人物はゴン達であった。
「あっ、フレイとネオンさん!二人もここに来たんだ!」
「まぁね。でも知ってる人で良かったよ」
「そこの紙に部屋の事書いてるよ」
部屋の中に″多数決の道″と書いたモニターが壁についてある。それには〔君達5人はここからゴールまでの道のりを多数決で乗り越えなければならない〕と書いてある。
そのモニターの手前の円柱の台座にはタイマーの腕輪が置いてある。腕輪の小さいモニター残りの71時間と17分が1秒刻みで減少していた。
「なるほどな、でも俺達五人だからネオンは着けなくていいか」
「そうだね、でもどうやって二人は一緒に降りて来たの?」
「ハグしながら降りたんだよ!」
ゴンの疑問にネオンが答える。ゴンは凄い!と驚きキルア、クラピカ、レオリオは肩を竦めたり苦笑いをする。
フレイも腕時計をつけるとゴゴゴ……と石作りの壁の一部が上がり、鉄の扉が現れる。
「なるほどな5人揃ってタイマーのを嵌めると」
「ドアの仕掛けが」
ドアの上部には"このドアを ○→開ける ×→開けない"と書いかれた装置が取り着けられている。
「もうここから多数決か。こんなもん答えは決まってんのにな」
レオリオが率先してボタンを押し、フレイ達もボタンを押す。装置には″◯5と×0″が出力されドアが開かれる。
ドアの奥にはT字路の道が続いていた。突き当たりの壁には先程と同じような装置があり左右には鉄格子で閉ざされている。
装置には″どっちに行く?◯→右 ×→左″と書かれており、ひとまず全員ボタンを押す。結果は◯3 ×2と出力される。
「なんでだよ!フツーこういう時左だろ? つーかオレこういうのは左じゃないと落ち着かねーんだよ!」
「確かに行動学においても無意識に左を選択するケースが多いとされているらしい」
「オレも聞いた事ある」
「俺も知ってる。だから試験官はそれを読んで左を険しい道にしてる可能性があるから右じゃない?」
「そういうことだ」
レオリオはフレイの話を聞き、軽く悪態をつきながら◯を×に変える。″◯5 ×0″となり右の鉄格子が上に上がる。
話しながら右の道を進み曲がり角も進むとそこには広い切り立った足場と奥の広い空間が広がっている。
下の見えない吹き抜けの空間があり、中心のリングのような石の足場、その奥には手前と同じようにせり出した足場と、さらに奥へ進む通路があった。
その通路にはローブで顔を隠し、手錠で腕を固められた五人が立っている。
ローブの人物の一人が通路天井の監視カメラに向かって手錠を外してくれと言うと、その手錠が外れローブを脱ぎ去る。無地の青い囚人服を纏った古傷の目立つスキンヘッド強面の男だっ。レオリオたちの方を向いて叫ぶ。
「我々は、審査委員会に雇われた試練官である!!」
見え目に似合う低めのしかし威勢の良い声で試験について説明される。
5人のチーム同士で1対1の勝負を5回行い、3勝以上することがクリア条件。勝負の内容はその都度試練官が設定する。引き分けはなし、片方が負けを認めた場合もう片方が勝利者とする。そう説明し、ベンドットは最後に付け加える。
「それではこの勝負を受けるか否か!! 採決されよ!! 受けるなら○、受けぬなら×を押されよ!!」
「ま~た採決かよ!いちいち時間のムダだぜ!どうせ合格するためにはこの勝負受けなきゃならねーんだろうがよ!」
これでいいんだろ!とレオリオを筆頭にボタンを押し、リングの足場の大型サイズのモニターに″◯5 ×0″と出力される。
「どうだ、満場一致だぜ!」
「よかろう」
決定を受け、スキンヘッドの男が頷いた。
「こちらの一番手はオレだ!さぁそちらも選ばれよ!」
「どうする?あのガタイに自信満々の態度。中々強そうだぜ?」
「じゃあ俺行って来てもいい?最初の方が気が楽だし」
「いいのか?あの試験官は″戦い方は自由″と言っていた。あの試験官なら肉弾戦を挑む可能性が高いが」
「フレイなら大丈夫だよ。頑張ってねー」
クラピカがフレイの事を心配する。フレイ自身は特に心配せずに切り出した足場から伸びた細い橋を進みリングに行く。
「さて、勝負の方法を決めようか。オレはデスマッチを提案する」
デスマッチのルールはどちらかが負けを認めるかまたは死ぬまで戦う。クラピカとレオリオは男の言葉を聞き目を開く。
「いいよ。でも落ちたら死んだって判定でいい?」
「あぁ、その通りで構わん」
男が半歩下がり構えを取る。対するフレイは、自然体のまま男を見ている。
「それでは――勝負!!」
男が体を地面に近づながら駆けにタックルを仕掛ける。体格差から直撃すれば骨が砕け、体を起こせないであろう。
フレイはタックルを跳んで避けると男の背中を踏み背後に回る。
「うぐっ!」
男は背骨が折れ痛みで動けなくなっている所をフレイは足を纏めて掴みと体を回転する。
「よいしょっ!」
そのまま男の足を離すと下が見えない吹き抜けの空間に落ちていった。
フレイは落ちた事を確認し細い橋で元の足場に戻り、レオリオが手を上げ歓迎する
「お前すげーな。ヒソカの時も思ってたがやっぱフレイは強いな。心配して損したぜ」
「そらね、あれぐらいなら問題ないよ」
「フレイって思ってたより強いんだな。あいつって元軍人の傭兵だからさ」
レオリオとキルアがフレイと話す。談笑しつつもクラピカはこの後の事を考える。
「ここで勝利できたのは大きいが、強力なフレイと言うカードを使ってしまったということでもある。残り4人で更に強力な相手が控えていないことを祈るばかりだな」
「でもあと2勝だけすればいいんでしょ?なんとかなるよ」
クラピカは相手の試験官───超長期囚人についてわかりゴン達に共有する。囚人達は受験生を足止めできただけ減刑するそうだ。
その向かいで試練官たちの一人が、また監視カメラに向かって拘束解除を願い出てその姿を顕にした。
中肉で背はやや低め、片目が前髪で隠れた、たれ目の若い男だった。
「さて、次は誰が行く?」
「オレが行くよ」
ゴンが手を上げる。超長期囚人という話を聞いたらフツビビるだろキルアが言葉を漏らす。
「だって次の人そんなに悪そうじゃないもん」
キルアはゴンに同意しクラピカとレオリオは呆れながらゴンを送り出す。
二人目の男――爆弾魔のセドカンとゴンの勝負は互いが持ったロウソクの火、そのどちらが先に消えるかだった。
「どっちのロウソクがいいか決めてくれ。長いロウソクなら◯短いロウソクなら×を多数決で決めてもらおう」
セドカンは二つのロウソクを取り出した。片方は短く、もう片方は長いロウソクだ。
「長い方はきっと何か仕掛けがあるだろーぜ」
「確かに普通ならそう考えるだろう。だがその裏を読んでいる可能性があるかもしれない」
不自由な二択。明らかに異なる条件の時、警戒心が働き即断できなくなり、失敗した時の心理的ダメージは公平な条件下より大きいものとなる。
「ゆっくり決めてもらっていいよ。ボク達はたっぷり時間があるからね」
セドカンの煽り言葉に惑わされレオリオとクラピカは悩む。が、ゴンにクラピカが選択を任せる。ゴンの野生のカンに任せたのだ。
ゴンは長い方が長時間火が消えないというと考え長いロウソクを選んだ。それクラピカとレオリオが肩を落とすがゴンを信じ、長いロウソクよ◯のボタンを押す。
セドカンは長いロウソクをゴンに投げる。その時フレイはある事に気付く。
ゴンとセドカンはリングの四隅にあるトーチから火を貰いロウソクに火をつけ、ゲームが始まる。
「あのロウソク普通ならどれぐらいで燃えつきるんだろうな」
「軽く見積もって5、6時間って所だろう」
「あの男、ゴンに投げたロウソク変えてたよ」
「何ィ!あっ、見てみろ!ゴンのロウソクだけ火の勢いが奴よりでかいぜ!おそらく火薬か何かで火力を増してるんだ!」
レオリオの言う通り、ゴンのロウソクだけボオォォ!と勢いよくロウソクが燃えている。
「この調子じゃあと2、3分しかもたねーぞ!くっ汚ねぇまねしやがって!」
実はセドカンは四本のロウソクを用意していた。ゴンがどちらを選んでも油が染みこんだロウソクしか渡されなかったのだ!
ゴンはロウソクを地面に置いた。ロウソクは火の勢いが強く、下から吹く風程度では消えない。その時、ゴンはセドカンに一瞬で接近してロウソクの火を直接吹き消したのだ。
「勝ち!」
ゴンは笑顔で勝利のピースをセドカンに向ける。
「よし!これであと一勝だぜ!オレかクラピカが勝てばいけるな!」
レオリオがゴンの勝利に喜びを表わにする。キルアはレオリオに戦力扱いされてない事にカチンッと苛つく。
「よし次は私が行こう」
クラピカの相手は、カッパみたいな頭をしフランケンシュタインのようなツギハギの顔の大男だった。大男の話では19人も人を殺しているらしい。
「で、勝負の方法は?」
「デスマッチだ。どちらかが死ぬか降参するまで続ける。だが、おまえが降参したところでオレが攻撃を止めるだなんて思わないことだな」
「わかったそれでいい」
クラピカは民族衣装の青いベストのような服を脱ぎ、動きやすい姿になる。
「……待ちな!こっちは試験官といってもしょせん囚人だ。だから凶器の類を持つ事は許されない。だからそっちも武器の所持は禁止する!純粋な殴り合いの勝負だ!」
「なるほど、わかった」
クラピカは動揺する様子もなく木刀やナイフを床に捨てる。キルアはあの試験官が殴る度胸もないホラ吹きだと気付く。ゴンも同じ考えのようだ。
大男は跳び上がり、右手を引きクラピカ目掛けて腕を振り降ろす。クラピカは横に避けたが床は砕ける。大男は本来こんなことできないが体内に鋼鉄を仕込んでいるからできている。
「12本の足をもつ蜘蛛のイレズミ!あれはまさか……」
「そう、12本足の蜘蛛のタトゥー!これこそ幻影旅団の証!オレこそ旅団四天王の一人、マジタニ様よぉ!」
あれは幻影旅団の証!──ではない。この男は自身を幻影旅団の一人に見せ掛け相手を降参に追い込むという戦法をとっている。
しかしクラピカの逆鱗に触れた。クルタ族の特徴である緋目になり大男の顔面を左手で掴み、命乞いに耳を貸さず床に叩きつける。
「3つ忠告しよう。1つ本当の旅団の証は数字が刻まれている。2つやつらは殺した人間の数などいちいち覚えてない。3つ2度と旅団を語らぬ事だ、さもなければ私がお前を殺す」
目の色は緋から元の黒色になり、フレイ達のいる場所に戻ってくる。
「大丈夫かクラピカ」
「私にけがはない」
「つーかお前に近づいても大丈夫か?」
「……わかってはいたんだがな、一目見て大した使い手ではないことぐらい。あのイレズミのニセモノだとはわかっていた。しかしクモを見ると目の前が真っ赤になって………と言うか普通のクモを見ただけても逆上して性格変わってしまうんだ」
クラピカは膝を腕に抱え座り、落ち込んでいる。ゴンとレオリオはクモを見せない事を誓った。
「まぁ、仕方ないんじゃない?それに怒るのは悪い事じゃないからさ」
「そうだな……むしろ喜ぶべきか…」
フレイはそんなクラピカを励ましている最中レオリオが対岸の試験官に話をする。
「おい!決着はついただろ。オレ達はこのまま進めばいいのか?」
「うふふ、それはできないわね。だって決着がまだついてないもの」
「何ィ!どういうことだ!」
相手の試験官、おそらく女であろう言葉を聞きレオリオは驚くがそれを無視する。女はリングに行くと大男の首を触る。
「気絶しているだけだ。勝負はデスマッチ!一方が負けを宣言するか死ぬまでするか決めたはず。彼は生きてるし負けを認めてない!」
「ちっ!屁理屈抜かしやがって、おいクラピカあの死に損ないに引導渡してこい」
「なっ」
「断る。勝負はもうついていた。あの時すでに戦意を失っている相手を殴ってしまった。これ以上敗者にムチを打つ真似をしない」
クラピカとレオリオの言い合いに発展しそうになる。そこでキルアが代わりに殺そうと提案するがクラピカは1対1の勝負だからと断る。レオリオとキルアがクラピカの態度文句を言う。
そこにフレイが口を開く。
「あいつ、気絶振りしてるよ。て言うかあの女の試験官も気付いてるからグルだ」
(原作知らなくても結構わかりやすいな。キルアとかは気付いても良さそうだけど)
「本当か?」
「おいクラピカ!フレイの言った通りならあいつに配慮する必要なんてねぇーだろ!」
「ひとまず行ってきたら?」
フレイの言葉を聞きクラピカは大男の近づき確認する。
瞼を指で開けると目立つように右手で大男目掛け、拳が振ると大男が横に転がる。
「降参!降参するから許してくれ!」
「あいつ!フレイの言う通りたぬき寝入りしてやがった!」
「まぁいいじゃん。これで進めるよ」
◆◇◆
「ゴール!」
塔の一階。頂上と同様の真っ平らで円形の広間。その外周の壁にいくつも存在する扉の1つをくぐって、一番乗りしたゴンが、歓喜の声を上げた。残り時間、58時間49分11秒。
6人の他には4人しか到着していない。半径20メートルほどの空間に明かりが松明2つのみの薄暗い空間が広がっている。
試験官達を無事終わらせると特に苦労もなく進んでいく。
最後の問題は全員で通れるが45時間かかる道か、3人しか通れないが3分で行ける道か、という内容。
45時間も歩かされるのは面倒だなと思ったがゴンが機転を利かせ、45時間の道を選んだあと、壁をフレイが壊して3分の道を進んだ。
第三次試験通過人数26名(内一人名死亡)
早くエロシーン書けそうな所まで行きたいです。
あと、ネオンをもっと出したいですね。