篠ノ之箒の双子の妹にTS転生したので、専用機自力開発してIS学園でハーレム作ろうと思う 作:読人不識
傷物語の三つ編みが一房の頃の羽川風です。
眼鏡をかけた優しげな眼付をした箒という感じです。
「
双子の姉、篠ノ之箒の気遣わしげな声が問いかけてくる。
ん? ちょっと待て双子の姉? 俺にそんなものいたか?
と、思った瞬間頭に激痛が走る。
そのショックで私は理解する、自分が何者なのか? を。
そう、私の名前は
織斑一夏のファースト幼馴染の一人で、ISに関するある秘密を姉の束と共有するIS研究者にして、篠ノ之流剣術の継承者。
身長体重プロポーションは箒と全く同じで顔も箒と似ているが、長い黒髪を三つ編みに纏め眼鏡をかけた
そしてIS学園への入学を目前にした昨日、突然前世が男だったという記憶と、ISという作品が結局完結しなかった事実を思い出し、前世の記憶と今生の人格が融合する苦しみで倒れ、今まで意識を失っていたようだ。
「うん。大丈夫、もう平気」
私はそう答えてベッドから起き上がる。そして、箒の心配そうな顔を改めて見て、その体を抱きしめる。
「さっ、榊?」
「ごめんね箒ちゃん。心配かけて」
「……いや、お前が無事ならそれでいいんだ」
私を抱き返しつつそう答える箒に、私は心の中でもう一度謝罪する。
私が前世の記憶を取り戻したのは、多分一夏がISを起動させたからだろう。そしてそれは同時に、私の中の野望が目覚めるトリガーになったというわけだ。
だから一夏。
お前は私の敵にならざるを得ないんだ。
* * *
* * *
* *
「では、一年一組代表は織斑一夏くんに決定です。あ、一繋がりでいい感じですね!」
「先生、質問です」
山田先生の台詞をさえぎって手を上げたのは、このクラス唯一の男子である織斑一夏だった。
「はい、織斑くん」
「俺は昨日の試合に負けたんですが、なんでクラス代表になっているんでしょうか?」
「それは──」
「それはわたくしが辞退したからですわ!」
山田先生の声を遮って、甲高い声が教室中に響く。その声の主は言わずもがなセシリア・オルコットだ。
「まあ、勝負はあなたの負けでしたが、しかし考えてみればあの勝負はわたくしに圧倒的に有利な状況でしたし、考えてみればフェアではありませんでしたわ。ですからこの勝負はノーカウントにしてあげて、あなたをクラス代表にしてあげようという心遣いですわ。おーっほっほ!」
セシリアは高笑いするが、一夏は彼女の意図を全く理解していなかったようで、
「いや、俺はクラス代表なんてやらな──」
「まあ、わたくしも鬼ではありませんわ。
クラス代表には一年間わたくしにISの操縦を教えて頂くということでよろしいですわよ?」
「いや、だからやらな──」
「はい、その条件で受けます」
「なっ!?」
一夏が断ろうとした瞬間、私はそれを遮るように
「一年間よろしくお願いしますね、代表候補生さん」
ニッコリと微笑んでセシリアに答える。すると一夏は、
「お、おい! なんで勝手に決めるんだよ!」
「おや? 織斑くんはクラス代表がイヤなのかな?」
反論する一夏に私は白々しく問いかける。ちなみに篠ノ之博士の妹である私の発言力は強く、クラス中から賛成の声が上がったので反対意見はなくなった。
「……わかったよ。やればいいんだろ……」
こうして一年一組のクラス代表は織
「納得いきませんわ!」
「「「えっ!?」」」
納得いっていない様子のセシリアが机をバシーンと叩く。
「なぜ篠ノ之妹さんが、この場を仕切るんですの? わたくし一夏さんにISの指導を受ける条件で、クラス代表の座を譲ったんですのよ、あなたが介入する余地はございませんわっ!」
「でも、織斑くんはクラス代表やるって言ってるし、けど織斑くんにオルコットさんの指導なんて無理だから他の人から指導を受けたほうが効率的かなって」
「あなた、男である織斑さんの肩を持つんですの? それはつまりわたくしに宣戦布告するということですか!?」
「いや、そんなつもりはないけど……」
「では一体どういうつもりで!」
「だって私はIS開発者の妹だし。だから織斑君より私の方が適任だと思うの」
「なっ!? そんなの理由になっていませんわっ!」
「でも事実だし」
と私が言うとセシリアはぐぬぬと唸り声をあげ。
「ならわたくしはイギリスの代表候補生ですわ、あなたの指導よりハイレベルな教育を受けておりますの、あなたの指導など必要ございませんわ!」
「でも私はIS研究者でもあるんだよ。それにあなたは専用機の能力を使いこなせてないのでしょう?」
「ぐっ……」
私の反論にセシリアが言葉に詰まる。すると一夏が、
「なあ箒、榊ってこんなに口達者だったか?」
「……いや、昔はここまでじゃなかったんだが……」
と、一夏と箒は小声で話している。私はそんな二人に構わず話を続ける。
「だから私がセシリアさんの指導をした方が、織斑君にとってもセシリアさんにとってもいいと思うの」
「しっ、しかし! それならあなただって専用機を持っていませんわ!」
とセシリアが言うが、私は表情を微塵も変えることなく答える。
「私の機体は篠ノ之博士……いや、束お姉ちゃんの手でできているから問題ないよ」
「なっ!? そんな機体が……」
そう驚愕するセシリアに一夏が補足をする。
「俺のもそうなるんじゃないのか?」
「一夏のは違うね、倉持技研って所が開発したんだよ。そのせいで開発が遅れた専用機もあるから、代表候補生の子に謝りに行くべきだと思うよ」
私は一夏に冷然と言い聞かせると、セシリアに向き直り
「セシリアさん、まだ反論はあるかな?」
と微笑みながらも目が笑ってない表情で彼女を見つめると、
「もっ、もうありませんわっ!」
セシリアはガタンと席を立ち教室を後にした。
私は去っていくセシリアのデカケツを舐めるように見つめると、どうやって我が物にするか思案を巡らせるのであった。
「ふぅ、これで一件落着だね」
「どこがだっ!」
と一夏が叫ぶ。そして箒も
「……お前、本当に榊なのか? 私の知っている榊はもっとこう……」
と何か言いたげだが私はそれを無視して、
「じゃあ織斑先生、私ちょっと保健室に行ってきますね」
「あ……ああ、わかった」
と千冬姉こと織斑先生に断りを入れると、教室を後にした。