篠ノ之箒の双子の妹にTS転生したので、専用機自力開発してIS学園でハーレム作ろうと思う 作:読人不識
「ふぁ~あ」
私の隣を歩く一夏が、あくびをしながら伸びをする。
「昨夜はよく眠れた?」
私は何とはなしに訊いてみる。
「久しぶりにぐっすりとな」
学園入学して初めての姉弟でも同室だろうし、リラックスできてたのかもね。
そんなことを話していると渡り廊下の前方で、庭に向かって真剣な表情を向ける箒ちゃんがかがんでいた。
私達は箒ちゃんに声をかけながらそばに寄る。
「おはよう箒ちゃん。そんなところで何してるの?」
「ああ、二人ともおはよう。これだ……」
と言って箒ちゃんが指さした先には、庭に
『ひっぱってください♡』
という看板が生えていた。
「これは……?」
一夏が怪訝な表情で尋ねると、箒ちゃんは顔を背けて答える。
「知らん……だが、今日は七月七日だ」
あ! なるほどね。
そういうことか。
私は思わず笑顔になってしまった。
「箒ちゃん、お姉ちゃんに連絡したの?」
私がそう尋ねると、箒ちゃんは顔を真っ赤にして否定する。
「ち、違う! 断じて違うぞ!?」
まあ、そういうことにしといてあげましょうか。
私は箒ちゃんの手を取ると笑顔で言った。
「じゃあ、お姉ちゃんが喜ぶように一緒に引っ張ろっか?」
「あ……ああ」
一夏も加わって三人で同時に引っ張ると、うさ耳のアクセサリーはすんなり抜けた。
そして抜けたうさ耳の根っこから光が照射され、両耳から放たれた光が交わるところを中心として何かが実体化しようとする。
『あっはははっははははっはははは』
懐かしい笑い声が辺りに響く。
「お姉ちゃん!」
私が叫ぶと、光が人の形をなして実体化する。
『やっほー、みんな元気してた?』
現れたのは、私と箒ちゃんの姉である篠ノ之束だった。
「やあやあ! 会いたかったよ~箒ちゃん!」
そんな挨拶とともに現れた束お姉ちゃんに箒は驚きの声を上げた。
「ね、姉さん!?」
博士はそのままの勢いで抱き着くが箒はそれを拒む。
「や、やめてください! こんなところを誰かに見られたら……!」
そんな箒ちゃんの言葉に束お姉ちゃんが反応する。
「大丈夫、大丈夫! もう見られてるから」
そう言って指さされた先には、一夏の姉である織斑千冬先生が立っていた。
「ちふ……織斑先生!?」
「あちゃ~見つかっちゃったか~」
と、束お姉ちゃんは悪びれた様子もなく言う。
「まったくお前は……」
織斑先生が呆れたように言う。
「お久しぶりだね、お姉ちゃん」
久方ぶりの再会に私は束お姉ちゃんに声をかける。
「やぁ! 久しぶりだね榊ちゃん! 課題はもうできてるかな?」
束お姉ちゃんは私を見ると笑顔で言う。
「うん、できてるよ」
私はそう言うと、束お姉ちゃんに普段三つ編みを飾っているリボンを手渡す。
「はい、どうぞ」
束お姉ちゃんは私からリボンを受け取ると満足そうに笑う。
「うんうん! いいね~流石は私の妹だね!」
そんな束お姉ちゃんの姿に千冬先生が溜息を吐く。
「はぁ……榊、あまりこいつを甘やかすな」
そんな先生の言葉に対して私は笑顔で答える。
「大丈夫ですよ、ちゃんと課題を作った分は働きで返してもらいますから」
私の答えに先生はさらに溜息をつく。
「まったく……お前も苦労しているんだな……」
そんな先生に私は笑顔で言う。
「ありがとうございます」
すると束お姉ちゃんは何かを思い出したかのように声を上げた。
「あ! そうだ、箒ちゃんに渡したい物があるんだった!」
そう言って束お姉ちゃんは指を鳴らすと、巨大な円筒形のコンテナが転移してくると二つに割れ、中にはフィッティング前の赤いISが鎮座していた。
「これは……?」
箒ちゃんは困惑気味に尋ねる。
「これが私の開発した第四世代型IS『紅椿』だよ!!」
そんな束の言葉に一夏は驚きの表情を見せる。
「第四世代型!?」
そんな一夏の反応に同意するように、周りに集まった生徒達からもざわめきが生まれる。
『第四世代だって……』
『各国のIS開発機関だって第三世代の試作機が出来始めたところなのに……』
『篠ノ之さんだけズルい……』
そんな生徒達の反応に満足したように束お姉ちゃんは笑みを浮かべる。
「そう! この『紅椿』は、全てのスペックが現行ISを上回る最高の機体だよ!」
そして束お姉ちゃんは箒ちゃんに向かってこう続けた。
「さぁ、パーソナライズとフィッティングをしよう! 」
「ね、姉さんが……?」
箒ちゃんは驚きの表情で束お姉ちゃんを見つめる。
「うん! 私がやってあげよう!」
束お姉ちゃんは笑顔で答えると、紅椿に近付き、その装甲に触れる。
すると紅椿の装甲が光だし、空中に展開された複数の空間投影ディスプレイをタッチしながら操作していく。
そんな束お姉ちゃんの様子を見ていた一夏は感心したように言った。
「……すごいな」
確かに凄いわね。
あの操作方法なら私でもできないわ……
まぁ私はあの操作方法をわざわざ使う必要ないからなぁ。
「ん? どうしたの?」
そんな一夏の反応に束お姉ちゃんが反応する。
「あ、いや……凄いなと思って」
一夏の言葉に束お姉ちゃんは満面の笑顔で言う。
「ふふん! もっと褒めてくれてもいいんだよ!」
と、その時、
「た、大変です!! 織斑先生ーっ!!」
慌てた様子の山田先生が駆け込んできた。
「どうした?」
織斑先生が尋ねると、山田先生は息を切らせながら報告する。
「こ……これをっ!!」
そう言って山田先生はスマートホンを織斑先生に渡し、
「特命任務レベルA、現時刻より対策を始められたし……日本へ向けて宣戦布告なしの軍事侵攻が仕掛けられました。目的はおそらくIS学園」
「なんだって!?」
その報告に一夏は驚きの声を上げた。
そんな一夏に対して千冬先生が言う。
「落ち着け馬鹿者。だが、これは厄介なことになったな……今日の予定はキャンセルだ、専用機持ちは集合しろ、残りのものは自室で待機! 以上、解散!!」
そして束お姉ちゃんはそんなやり取りを見ながらも紅椿の作業を続ける。
「は~い♪ 終わり! どう? どこか改善点はあるかな?」
そんな束お姉ちゃんの言葉に箒ちゃんは呆然としながら言う。
「いや……一次移行どころか初期設定まで済んでる……」
すごい、流石束お姉ちゃんだわ。
でも、これで箒ちゃんも専用機持ちか……
私はそんなことを考えていたが、束お姉ちゃんはそんなことはお構いなしに紅椿を身に纏った箒ちゃんに言った。
「じゃあ試運転も兼ねて飛んでみてよ!」
その言葉に箒ちゃんは驚きの声を上げる。
「わ、わかりました」
そして箒ちゃんは上空へ飛び立とうとし、
「待て! 丁度いい、箒お前も専用機持ちになったわけだ、お前もブリーフィングに参加しろ」
と、織斑先生に止められた。
「は、はい」
箒ちゃんがそう返事をすると束お姉ちゃんが笑顔で言った。
「それじゃあ私は暇潰しに行ってるね! あ、それと紅椿のスペックデータも渡しておくから確認してね!」
そんな束お姉ちゃんに一夏が声をかける。
「あ、あの! 束さんはこれからどうするんですか?」
一夏の問いに束お姉ちゃんが答える。
「ん? 私? 私はちょっとやらなきゃいけないことがあるからまた後でね!」
そして束お姉ちゃんはそのまま何処かへ行ってしまった。
そんなやり取りを見ていた千冬先生が溜息を吐くと、私達に指示を出した。
「……では、専用機持ちは全員集合! 私の部屋に集合しろ! ……榊も来い」
「は、はい」
私はそう返事をすると織斑先生に続いて歩き出した。
「現状を説明する、二時間前、ハワイ沖で試験稼働にあったアメリカ・イスラエル共同開発の第三世代型の軍用IS『銀の福音』が制御下を離れて暴走。監視空域より離脱したとの連絡があった。同時刻オホーツク洋上で試験稼働中だったロシア開発の第三世代型の軍用IS」
「『殲撃』ね」
私がそう言うと織斑先生が頷く。
「そうだ、その制御下を離れ暴走したとの連絡があった。そしてここからが重要だ」
そんな先生の言葉に全員が緊張感を持った。
「その後衛星による追跡の結果、福音はここから10km先の空域を通過することが分かった。学園上層部からの通達により我々がこの事態に対処することとなった、よって本作戦は専用機持ちによる追撃及び撃墜だ」
そんな千冬先生の言葉に一夏は疑問の声を上げる。
「殲撃はどうするんだ?」
「榊に簪を支援として付け迎撃を任せる、やってくれるな?」
織斑先生が問いかける。
「わかりました」
私はそう答えると簪ちゃんは
不安そうな表情を浮かべて言った。
「わ、私なんかで大丈夫なの……?」
そんな簪ちゃんに私は笑顔で答える。
「大丈夫よ、私のサポートをお願いね♡」
そして一夏は織斑先生に向かって言う。
「俺も出ます」
しかし織斑先生はそれを否定した。
「駄目だ、お前は福音方面の主力だ。それに榊と簪には二年の専用機持ちも途中で合流する予定だ心配はない」
そんな織斑先生の答えに一夏は少し悔しそうな表情を浮かべると頷いた。
「わかりました」
そして私は簪ちゃんに向かって言う。
「それじゃあ、行きましょうか? 簪ちゃん」
そんな私の言葉に簪ちゃんは少し不安そうな声で答えた。
「う……うん……」
そして、私達は先生の部屋を出て作戦会議を行うために移動した。
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