篠ノ之箒の双子の妹にTS転生したので、専用機自力開発してIS学園でハーレム作ろうと思う 作:読人不識
楯無さんに先行した私の『緋牡丹』が簪ちゃんの『打鉄弐式』と抱き合って飛行する。
緋色と白の機体色が相まって、まるで何かの花びらが舞うように見えるだろう。
簪ちゃんの顔が私の顔の間近で固定され、彼女が真っ赤になっているが、これは仕方ない。
緋牡丹は高機動戦闘もこなせる万能型、打鉄弐式を曳航した方が速度も上がる。
そして私は簪ちゃんに向かって言う。
「どう? 機体の調子は」
私の問いに簪ちゃんが答える。
「うん……すごくいい……」
そんな私達に楯無さんが通信で割り込む。
『ちょっと! 2人とも! なんで抱き合ってるの!?』
その反応に私は笑顔で答える。
「え~だって簪ちゃんの専用機と緋牡丹の相性がいいからいいじゃないですか?」
さらに楯無さんは抗議する。
『そうだけど、端から見るとちょっといやらしいわよ!』
楯無さんの言葉に簪ちゃんが反論した。
「い……いやらしいって……」
私は二人のやり取りを微笑ましく思いながら言う。
「まあ、でも楯無さんの機体も結構えっちな格好してますよね?」
そう、楯無さんが纏っているミステリアス・レイディは装甲が少なく肌色面積が多い。
『そ……それは……』
と、楯無さんは口ごもるが私は続ける。
「それに簪ちゃんの機体だって可愛いじゃないですか」
私の言葉に今度は楯無さんではなく簪ちゃんが反応する。
「……か……可愛い?」
そして楯無さんも負けじと反論する。
『でもこの機体は私の美貌を引き立てるためにデザインされたのよ? それをいやらしいだなんて失礼しちゃうわ!』
二人の反応を見て私は少し意地悪な質問をする。
「じゃあ、いやらしいのは楯無さんだけですか?」
すると今度は簪ちゃんが答える。
「……お姉ちゃんもえっち」
私達のやり取りを見ていたナターシャ先生が言う。
『あの……二人ともそろそろ敵と接触します、戦闘準備をお願いします……』
そんなナターシャ先生の言葉で私達は気を引き締めた。
『「了解!」』
そんなやり取りの後、
『マスターターゲットです』
緋牡丹の二つのコアが融合した意識体である『天華』がそう教えてくれる。
「ありがとう天華。相手の様子は?」
そう訊ねながら私は『殲撃』を視野に収めると、本土面への侵攻方向を遮るように包囲し、距離をあけたまま睨み合いに入ろうとする。
簪ちゃんは佐渡島方面への侵攻方向を遮ろうと移動している。
『敵機1:距離4000m:索敵中の模様』
そんな天華の報告を受けて私は楯無さんへ通信を繋げる。
「こちら榊、敵と相対しています」
すると楯無さんからの返信が届く。
『了解、こちらは後二十分で到着するわ』
そしてナターシャ先生からも通信が入る。
『二人とも、くれぐれも無理はしないでね』
「了解」
『はい』
私達はその通信に答え、作戦を開始する。
「行くよ! 簪ちゃん!」
『うん!』
二人でそう言いあいながら私は近接用武器であるエネルギーブレード『桜花』を、簪ちゃんは薙刀型の近接武器である『夢現』を構える。
そして私はじりじりと距離を詰めながら、相手の出方をうかがう。
ここから二十分は我慢比べだ。
私はローカルモードで天華に問い掛けながら、殲撃のコアにクラッキングを仕掛ける。
『天華、敵は仕掛けてくると思う?』
すると天華は即答した。
『間違いなく、彼女たちのIS操縦技術ならば攻撃してきます』
そんな言葉に私は苦笑で答える。
「その”彼女たち”っていうのは束お姉ちゃんのこと?」
すると天華は即答した。
『はい、束博士も含まれます』
そんな答えに私は納得しつつ、殲撃のコアがロックされていることを突きつけられる。
「するとこれを撃破した功績は、妹への誕生日プレゼントって感じかな?」
そんな私の軽口に天華は真面目な声で答える。
その声を聞きながら、殲撃のコアを解錠するよりは撃墜した方が
『はい、間違いなくそうでしょう』
そして私は胸に秘めていた質問を天華にする
「束お姉ちゃんの目的は何かな? そして……その目的を叶える為には、私達が束お姉ちゃんに利用されるだけの存在でいいのかな?」
『いいえ、現状では判断材料が足りません』
そんな天華の答えに私は思わず苦笑する。
「そっか……じゃあ、私達はどう動けばいいのかな?」
そんな私の問いに天華は即答する。
『思うままに動かれるのがよろしいかと。マスターの行動は、全て私がサポートします。ですからご自身の判断を信じてください』
そんな天華の言葉に私は笑顔で答える。
「うん! ありがとう!」
そんな私の言葉を聞き、
『いえ……私はマスターのサポートが役目ですから』
と天華は答える。
そんなやり取りをしている間も目の前の機体は動く気配がない。
そして時間は過ぎ、ナターシャ先生から通信が入った。
『榊さん! 間もなく楯無さんが到着します!』
「了解!」
そう答えた私の視界の端に楯無さんが映った。
『簪ちゃん! 援護お願いね!』
『うん!』
二人のやり取りを見て、私は思わず微笑んでしまうのだった。
楯無さんが合流した途端、殲撃が攻勢に出た。
「来ます!」
私がそう叫ぶと、楯無さんが返事を返す。
「二人とも! 作戦開始よ!」
そして私は緋牡丹を加速させ敵に向かって突撃した。
そんな私に向かって無数のレーザーが飛んでくる。
それを左右にジグザグに動いてかわす。
「まだまだっ!」
今度は前後左右にビームの雨が降り注いだ。
しかしそれも上下や斜めに飛んで回避する。
「この程度ならまだ余裕だよ!」
そう叫びながらも私の目は敵の位置を探す。
そこへ楯無さんが
「今が殲撃の攻撃特化モードよ! 最初から奥の手を使ってきたわね。これが続くのは最長で30秒、それを避け続けて! 私は簪ちゃんを守りつつ、罠を張るから!」
と、通信を繋いできた。
「わかりました! でも楯無さんこそ気を付けてくださいね!」
そう答えながら私は敵に向かって加速させるが、視界に敵がいない。
「天華! 敵の位置は!?」
そんな私の叫びに天華が答える。
『はい、マスター。敵は後方の高度2500mを飛行しています』
私はその言葉に驚きつつも言う。
「そんな……どうやって!?」
しかし天華は冷静な声で答えた。
『榊さん、殲撃は一瞬攻撃モードで強襲した後、すぐに高機動モードで距離をとったのよ。ここまでモードの切り替えが自在なのは意外だけど、種が割れてれば対応できるわね?』
私は楯無さんの言葉に頷きながらも敵の動きに注意を払う。
そんな私に向かって簪ちゃんが叫ぶ。
『榊さん! 敵が……』
遠く離れた位置で殲撃がライフルを構えている。
「くぅっ!!」
私は緋牡丹に緊急回避をかけながら下降する。
ライフルから放たれたビームが緋牡丹のすぐ横を掠めていく。
そして再び距離を詰めようと加速する私を狙い、今度は上空からの攻撃が始まる。
「そこ!」
私は振り向きざまに桜花を振り抜くと敵のビームを弾き飛ばした。
『やるわね!』
そんな楯無さんの声を聞きつつ、私は敵に向かって言う。
「まだまだこれからです!」
しかしそんな私の言葉に天華が答える。
『いえ、マスター。そろそろ時間です』
その言葉に私は思わず聞き返す。
「時間?」
すると天華が答える。
『はい、マスター』
そんな天華の言葉と同時に敵の高機動モードが終了する。
「簪ちゃん!」
私は思わず叫んだ。
『はい!』
簪ちゃんが殲撃に向けて、マルチロックオンを完了すると同時に、連射型荷電粒子砲《春雷》x2門、独立稼動型誘導ミサイル《山嵐》 6機×8門を全力発射する。
殲撃は回避行動をとろうとするが
『逃がすはずないでしょう!?』
ミステリアス・レイディが作り出した水の壁が行く手を遮り動きを阻害する。
その水の壁を突き破ったミサイルは、誘導機能によって複雑な軌道を描きつつ殲撃を追尾し着弾する。
爆炎の中から力を感じられなくなった殲撃が現れ、崩れるように墜落してゆく。
それを見た楯無さんは、簪ちゃんのそばから素早く移動すると空中で殲撃を受け止める。
「簪ちゃん! 榊さん! お疲れ様!」
楯無さんの言葉を聞きながら私は緋牡丹を簪ちゃんのそばに寄せる。
「お疲れ様です、楯無さん、簪ちゃん」
私がそう労うと、楯無さんは笑顔で答える。
「うん、ありがとう!」
そして簪ちゃんは少し照れた様子で言う。
「う……ううん、私はほとんど何もできなかったから……」
そんな二人のやり取りを微笑ましく思いながらも、私はナターシャ先生に通信を繋ぐ。
『はい、こちらナターシャです』
「こちら榊です。目標の撃墜に成功しました」
私の報告にナターシャ先生は驚きながらも嬉しそうに言う。
『え!? もうですか?』
「はい、多少幻惑させられましたが、こちらのコンビネーションが上回り、簪ちゃんの全力攻撃で撃墜しました」
私の説明にナターシャ先生は感心した様子で答える。
『なるほど、流石は代表候補生ですね』
そんな先生の言葉に私は少し誇らしげに言う。
「はい、自慢のパートナーです!」
そんな私の言葉に簪ちゃんは恥ずかしそうにうつむいたのだった。