篠ノ之箒の双子の妹にTS転生したので、専用機自力開発してIS学園でハーレム作ろうと思う 作:読人不識
「榊ちゃんは何であんな酷いことを箒ちゃんにしたの!?」
束お姉ちゃんが強い口調で私に詰問する。
「ああでもしないと箒ちゃんは自分を責め続けるからだよ。束お姉ちゃんは他人の心とか興味ないからわからないだろうけど……」
話が通じないもどかしさを思い出しながら私が返す。
「でもっ! 箒ちゃんのお尻をあんなに酷く犯すことなかったでしょ!」
「箒ちゃんはそれくらい酷いことをしたんだよ! それを棚に上げて私に文句を言うなんてどうかしてる!」
思わず声を荒げる私に対して、束お姉ちゃんは冷たい目で睨みながら言う。
「確かに箒ちゃんは悪いことをしたよ……でも……」
束お姉ちゃんの声を遮って私は言う。
「ISを開発して宇宙進出することしか考えてない束お姉ちゃんには、私と箒ちゃんの気持ちはわからないよ! 」
そう叫ぶと私は部屋を飛び出す。
「待って! 榊ちゃん!」
束お姉ちゃんの声を聞いて足を止め、振り返り。
「お姉ちゃんが何を目論んで、どこまで計画が進んでいるのか私には今はまだ分からないけど、今回の二つの事件は演出にしてもやりすぎだよ!」
私は語気を強めて束お姉ちゃんを糾弾する。
「今更その話~!?」
束お姉ちゃんが面倒くさそうにそう応じる。
「今更じゃないよ、あんな事件引き起こしておいて……人が死ぬかもしれないところだったんだよ!?」
私は怒りに震えながら、事態の深刻さを姉に訴える。しかし姉は
「だって~、束さんは箒ちゃんを救いたかっただけだも~ん!」
と悪びれずに言う。
「だったら、なんであんな事件を起こしたの?」
私はそう問う。すると姉はあっさりと答える。
「だってだって~、箒ちゃんを虐める奴等っていっぱいいるからさぁ……束さんはそいつらが束さんや榊ちゃんにちょっかい出す前に排除したんだよ!」
姉の答えに私は怒りを抑えきれずに叫ぶ。
「だからって! 他人に迷惑かけて死者を出しそうな大事件を起こす必要があったの!? 」
私は姉の方へ歩み寄ると大声で詰問する、しかし姉は平然と。
「う~ん……榊ちゃんには理解できないかもしれないけど、世界は変わったんだよ」
姉の態度に私は眩暈を感じるが、気を取り直して質問する。
「世界が変わった? どう変わったの?」
そう問うと姉は語りだす。
「今のこの世界はね、一部の例外を除いてISを使えるのは女性しか存在しないんだよ。 だからもう男尊女卑とか男女平等とか古い考えなんだよ」
そんな姉の言葉に私は疑問をぶつける。
「そんなの知ってる! じゃあ何でそんな世界にしたの?」
「だってさ~、束さんがISを発明したのに、男共は束さんの言うこと聞かないし! だから女尊男卑の世界を作ってやったんだよ!」
そう姉が言い終わると同時に、私の中の何かが切れた。そして私は叫ぶ。
「そんな人ばかりじゃないでしょう!? こんな社会にして、中途半端にIS開発も放り出して! 結局束お姉ちゃんは何がしたいの?」
私の問いに、姉はあっさりと答える。
「そりゃあ、私がしたいことは決まっているよ! ISを本来あるべき姿に戻すんだよ!」
と。
そんな姉の答えを聞いた私は問う。
「本来のって?」
その私の問いに姉が答えるよりも早く、私の両肩を温かい手が抑える、千冬さんだった。
「織斑先生……」
私が驚いていると、千冬さんは淡々と言う。
「束……榊に何を吹き込んだ? 場合によってはお前を排除する」
そう語る千冬さんの目には怒りが宿っていた。
「ちーちゃん? 束さんが何を吹き込もうがそんなの関係ないでしょ?」
姉の言葉にも、千冬さんは動じない。
「今回の事件を見る限りではな……だが、お前が世界の変革を望んだ理由も今なら理解できる」
そう語ると千冬さんは私に向かって言う。
「榊、お前の気持ちはわかるし尊重したいとも思う……だが今は少し冷静になれ」
私は千冬さんの言葉に冷静さを取り戻すと素直に謝罪する。
「……すみません……頭に血が上ってしまって」
「気にするな、お前の気持ちはわかるつもりだ」
私に対して千冬さんは優しく語り掛けると姉に向かって言う。
「束、お前は榊の気持ちを本当に考えたのか?」
「もちろんだよ! だから箒ちゃんを救ってあげたんだよ!」
そう語る姉に千冬さんがさらに問う。
「それはお前がしたいことであって、箒や榊が望むことではないだろう? 」
その問いにも姉は悪びれずに答える。
「でもさ~、束さんがしたいことをして何が悪いの?」
「それはお前のエゴだろう? 」
「エゴってなにさ?」
姉の答えに千冬さんが答える。
「自分がしたいこと、自分の欲求を満たすために他人や社会を巻き込む行為だ」
その答えを聞いた姉は笑いながら言う。
「そんなの束さんにはわかんないよ! だって束さんはISを宇宙で使いたいだけだもん!」
姉の答えに千冬さんも怒りを抑えきれない様子で言う。
「それがエゴだと言ってるんだ! お前はISの本来の姿がどうなのか理解していないだろう!?」
その千冬さんの言葉に姉は悪びれずに言う。
「そんなのどうでもいいよ、ISが使えれば……今のISの使い方は邪道だよ!」
「今のISの使い方が邪道だとして、お前は自分の方が正しいと思うのか!?」
「束さんにとってはね!」
そう語る姉に対して千冬さんが言う。
「なら、お前のエゴでこの社会は間違っていると?」
「そうだよ! だから私が正すんだよ!」
そう答える姉に私は思わず叫ぶ。
「それは違うよ! だって世界は変わっても人は変わっていないから! 」
そんな私の言葉に姉は鼻で笑うように答える。
「だから何?」
私は姉に答える。
「世界は変わっても人は変わっていない! ならISが使えるのは女性しかいなかったとしても、男性と女性が手を取り合えば世界を変えられるよ!」
その私の言葉に姉は心底馬鹿にしたように言う。
「束さんにとっての世界はね……ISが使えて楽しいか楽しくないかだよ」
そんな姉に対して私は言う。
「そんな身勝手な……」
私の言葉を遮るように千冬さんが言う。
「それが身勝手だと言うんだ、お前は自分の言いたいことだけ言いおって……」
千冬さんは怒りに震えながら束お姉ちゃんに向かって言う。
「お前のエゴでどれだけの人間が迷惑を被ったと思っている? 」
「そんなの知らないよ! 私は私のやりたいようにする!」
そんな姉の言葉に、私は思わず叫ぶ。
「そんな……そんな身勝手なことってないじゃない!」
その私に対して姉は冷たい目で答える。
「だから何?」と。
そんな姉に私は決意を込めて
「束お姉ちゃんが何をしようとも、私と緋牡丹は負けない……」
姉と敵対することを告げる。
「へぇ……束さんと敵対するの?」
姉は興味深そうに私に問う。
そんな姉に私ははっきりと答える。
「そうだよ! 」
その私の言葉に、千冬さんが言う。
「榊……お前はそれでいいんだな?」
と、私は迷わず答える。
「うん、もう決めたから!」
そんな私の決意を聞いた姉が笑いながら言う。
「あははっ! じゃあ束さんは全力で二人を叩き潰してあげるよ!」
そんな姉の宣言に対して私も宣言する。
「私も全力で戦うよ!」
そして、私と姉は睨み合うように視線を交わし、お互いに和解は無理だと悟る。
そこへ織斑先生が視線を遮るように立ち
「今話し合ってもお互い納得できる答えを出すのは無理だろう。ここまでにしておけ」
と、水入りを宣言した。
その言葉を受けた私は踵を返すと
「さよなら、お姉ちゃん」
と呟いて部屋を後にするのだった。