ちさと様の下僕 作:千年
「これは、ここの数字を繰り上げて……」
「あ、そっか!」
元から宝石のようなきらめきを放つ瞳を一層輝かせ、鉛筆をノートに走らせるちさと様。学校の宿題をせっせと解くという、実に子供らしい姿。僕はその純粋な可愛らしさに心の奥底で喜びを感じながら、そばで見守る。
「よし、宿題終わった!○○、教えるの上手いね」
「そう?まあでも一応、教職課程は大学で取ってたから、そのおかげかな……?」
「きょーしょくかてー?何それ」
「学校の先生になる為のお勉強だよ。先生になりたかったから……」
「へぇ…………」
それを聞いたちさと様は、見慣れたイジワルな笑みを浮かべる。何度見ても飽きるどころか、革製品のように深みが増しているように思える。
「〇〇、先生になりたかったんだ〜それはどうして?」
その危険な笑みに僕は一瞬クラッと見惚れて、返事が遅れる。
「……えっと……中学生の時の先生にすごくお世話になって、その人みたいに自分もなりたいって思ったから……だよ」
嘘ではない。僕はその先生に確かに憧れていて、決断の理由の一つだったのは間違いない。だけど……
「ふぅん……えいっ!」
「あぎっ!?」
ちさと様は好奇に満ちた瞳で僕を見つめると、あぐらを描いていた僕のふくらはぎを思いっきりつねった。僕の脚に激痛が走り、反射的に立ち上がる。
「まあそれも理由なんだろうけど……一番の理由、多分それじゃないよね?」
ちさと様に隠し事は出来ない。彼女の勘の鋭さは大人を優に超えており、特に僕は心を読まれやすいのか、先日のアニメ画像の件といい、些細な事でも必ずバレる。逆に、全てを投げうって服従するにはピッタリのご主人様とも言える。
「痛た……あ、はい……一番の理由は他にあります」
「初めっからそれ言えば良かったのに。まあだいたい想像つくけど、それは何?」
僕の心音がよく聞こえる。親にも言った事のない、僕が教師を目指していたほんとあの理由、それは。
「せ、先生になったら、子どもの近くに居られると、思ったから……です」
それを聞いたちさと様は、けらけらと笑い出した。
「うっわー、やっばいねそれ。ロリコンすぎでしょ」
「ご、ごめんなさい……」
「どーせ近くにいるだけじゃなくて、えっちな事もしたかったんでしょ?先生にならなくて良かったね。なってたら、生徒に手出して今頃刑務所だよ?」
僕は気付けば正座して、ちさと様からの説教を聴いていた。邪な動機で教職課程を取っていた、あの頃の僕が隣に居て、一緒に怒られているような気持ちになる。
「まあいいや、宿題教えてくれたし、今日はこのくらいにしといてあげる。あそうだ、ご褒美は、何がいい?」
ちさと様はぱん、と手を叩いてお説教を切り上げ、僕にとって幸せな問いを投げかけた。宿題を教えてくれたらご褒美をあげると、事前に口約束があった事を忘れかけていた僕は、彼女を一目見て、咄嗟にこう答えた。
「えっと……体操着と帽子を付けて、して欲しいです……」
そして、夜。
「はぁ……もう二度とご褒美なんかあげない」
僕が知る限り最も不満げな表情を浮かべているちさと様。その頭と肢体を包むは、何の変哲もない黄色い通学帽と白い体操服に、紺のハーフパンツ。特段おしゃれとも言い難い、ありふれた服装だが、僕にとってその光景は、百カラットのダイヤモンドすら足元にも及ばないものであり、内側から溢れ出す歓喜と尊崇の感情で今にも弾け飛びそうだ。
「ああ……可愛い、可愛いです、ちさと様!」
「泣きそうになってるし……キモ。こんなのただの体操服なのに……」
ただの体操服だから良いのだと力説したら、きっとちさと様はいい顔をしない。ギリギリで僕の理性が働いた。
「ふん。今日は早く終わらせるから」
そう言ってちさと様は、僕のズボンのファスナーをビィッと下ろしパンツもかき分けて、ペニスを露出させる。
「うっわ、なんかいつもよりおっきくない?」
ちさと様の気のせいではなく、パンパンに張り詰めたペニスは、元気すぎて痛い。でも、通学帽と体操服という、若干チグハグな小〇生スタイルに身を包んだ彼女にペニスを触ってもらえている。それはまるで、自分が先生になり、生徒と禁断の行為に及ぼうとするような、とてつもない背徳感を味わえるものであり、興奮しない方が異常だと考えてしまう。
まあ、元からちさと様との関係は禁断なのだが。
「鼻の下伸ばして……ホントありえないロリコンだね。てか、ご褒美だからって、下僕なの忘れないでよ?」
「そ、それはもちろん」
「わかってるならいいけど。じゃ、〇〇先生、ちさとがイかせてあ、げ、る」
「ぅぅっ!?」
彼女は一瞬にして、僕のよく知るご主人様であるちさと様から、先生を誘惑して籠絡する小〇生の、新川千智へと変わった。僕はその豹変ぶりに少し驚いたが、普段の彼女は大人しい優等生だと聞くから、このくらいの変化はどうということはないのかもしれない。
「あ、ドキドキしてる、大人なのに。じゃあここ触られたら、どーなっちゃうのかな?」
僕のかつての夢が、彼女によってアソビのエッセンスに変えられている。その事実に興奮して、緊張して、ひしとペニスを掴まれた瞬間に、先走りをだらだらと垂れ流してしまう。
「ふふっ、先生、もうドロドロ。ちさとにおちんちん触られるの、そんなに嬉しかったんですか?」
嬉しい。僕が首を縦に振ると、彼女はにやっと笑い、もう片方の手で玉を揉んでくる。あまり味わった事のない快感に、身を捩らせる。
「あはは、先生、ピクピクしちゃってかーわいい。教室で教えるより、ウサギ小屋で可愛がられる方が向いてるんじゃないですかぁ?」
彼女が放つ蔑みの一つ一つが嬉しい。彼女の服装と言葉が、僕の心を本当の先生のように錯覚させる。
僕は先生になって、こうなりたかったのだろうか。いや違う、きちんと教育者として、子供たちを導き……
「じゃあ、もう射精しちゃっていいですよ?ほら、こーして精子出るとこチロチロされながらシコシコされるの、気持ちいいでしょ?」
違う、僕はきっと、こうなりたかったんだ。こうして生徒にペニスを弄られ、気持ち良くなって、女の子みたいな嬌声をあげながら、その小さな手に迸りを放ちたかった。
「ひっぐ、イクっ!」
ビュルッ、デュク、デュクゥ……!
それを自覚して、僕は夢を諦めた。そんな事を、射精しながら回想していた。
「あーキモかった、今までで一番!」
ちさと様がベトベトになった手を洗って、僕の元へ戻ってきた。不機嫌な顔の下の、新川と印刷されたゼッケンが眩しい。
「きょ、今日はありがとうございました」
「は?もう終わりのつもりでいるの?そんなにちさとが魅力ないの?」
「え?で、でも……」
「……なんかまたムカつく。〇〇のくせに。じゃあ今日は、もう出なくなるまで遊んであげるから」
ちさと様はスイッチオンとばかりに棒キャンディーを口に咥えて、僕に近づいてくる。子供の心は気まぐれみたいで、そのまま草木も眠る頃まで、居残り授業は続くのだった。