※この作品はR-18です。

彼女には秘密の彼女たちとのイケナイ関係   作:柊咲

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第13話 白と黒のたわわ

 

 

 ※雨奈視点

 

 

『いいって言うまで開けないで!』

 

 

 

 サヤが夜斗にそう言い、雨奈と二人お風呂場に閉じこもった。

 

 

 

「……どう、しよっか」

 

 

 

 洗面台に手を置き、サヤは大きくため息をつく。

 

 

 

「どうしようかって?」

 

「雨奈はさ、いいの?」

 

「え?」

 

「ほら、三人でお風呂に入るのとか……あ、あと、その後に三人で、あ、あ、あれ、するのとか」

 

 

 

 教室でのサヤは無表情で氷のように冷たい表情をしている。

 そんな彼女が今、雨奈の目の前で自慢の雪のような白い肌を赤く染めている。

 

 

 

「サヤちゃんは、乗り気じゃない?」

 

「……だ、だって三人ってほら。なんか怖いというか、不安というか。お風呂はまあ、百歩譲っていいけどさ。三人でエッチするのは……」

 

「三人でするのは?」

 

「たぶん、嫌だと思う……。だって三人でってことは、エッチなことしてるとき、ヨルっちあたしのこと見てないときあるんでしょ? それって、なんかさ……。いや、雨奈のこと見てるのが嫌ってわけじゃないの! ただ、ただね……」

 

 

 

 サヤはそこで黙ってしまった。

 

 要するに”エッチしているときはずっと自分のことだけ見ていてほしい”ということだろう。

 言いたいことはわかる、雨奈だってできることなら彼の目は自分だけを見ていてほしい。

 というより、セフレの前に恋愛感情が入っている時点で誰でもそう思うだろう。完全に割り切るなんて難しい。

 

 

 

「夜斗くんに三人は嫌だって言っていいんだよ?」

 

「でも、二対一だから……」

 

 

 

 空気を悪くしたくないというサヤの考えなのだろうか。

 

 

 

「それじゃあ、サヤちゃんの味方しよっかな。そうしたら、一対二になるよね」

 

「……でも、雨奈はしたいんじゃないの?」

 

「サヤちゃん、言い方!」

 

「え?」

 

「別にわたし、どうしても三人でしたいわけじゃないんだよ? そんな変態な子じゃないの!」

 

 

 

 膨れてみると、サヤは「ごめんごめん」と笑いながら謝る。

 

 

 

「だけどお風呂は一緒に入りたいな!」

 

「三人?」

 

「三人で。この広さなら三人で入っても大丈夫だもん」

 

 

 

 一般的な正方形のお風呂ではなく八角形のお風呂。

 おそらくはジャグジー機能なんかもあるのだろう。

 外観や部屋以外はあまりお金をかけていない古臭いラブホに見えるが、部屋にはお金をかけているようだ。

 

 

 

「裸だとあれな気分になっちゃうから、水着つけてとかならどうかな?」

 

「水着? 水着、水着……それなら、いっか。プールみたいな感覚だもんね!」

 

「そうそう! それに仕事中は用意された水着をつけないとだから、家から持ってきた水着を夜斗くんに見せるチャンスじゃない?」

 

「あっ、そういえばそうだった。うん、じゃあ、お風呂だけ! 水着持って来よっ!」

 

 

 

 明るい表情に戻ったサヤが颯爽と部屋を出て行こうとする。

 だがふと振り返り、雨奈を見てにっこりと笑った。

 

 

 

「雨奈、ありがとっ! さすがあたしの親友!」

 

 

 

 親友、親友、親友。

 その言葉が頭の中で震え、変な笑いが生まれる。

 

 

 

「えへへ、初めて親友だなんて言われた……。嬉しい」

 

 

 

 そう思ったが、少しだけ罪悪感があった。

 

 

 

「あのまま三人でしてたら夜斗くんのこと独り占めできるかも、なんて思っちゃった……」

 

 

 

 雨奈自身、三人でしたいという気持ちは無い。

 できるなら二人っきりで、自分だけを夜斗には求めてほしい。

 だけど夜斗が望むのなら、夜斗が三人でしたいというなら、夜斗が喜んでくれるなら、

 いいよ、

 そういうスタンスでいた。

 

 そんな雨奈だったが、頭の片隅で思うことはあった。

 三人ですることになれば、きっとサヤは羞恥心から何もできないだろう。

 そうなれば夜斗を独り占めできる。

 自分よりも細身で美人で優れたサヤに、夜斗目線ではなくサヤ目線で一歩リードできると思ってしまった。

 

 セックスであれば、サヤに負ける気がしない。

 誇れないというのはわかっているが、

 

 

 

「わたしが誇れるの、これしか思いつかないから」

 

 

 

 サヤとはこれからも仲良しでいたい。

 だけどやっぱり、夜斗のことに関してだけは負けたくなかった。

 

 ──サヤが夜斗への気持ちに自分自身で素直になってしまう前に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ♦

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 秘密の会議が終わり、先程まで暗かったサヤが明るい表情で出てきた。

 その少し後に出てきた雨奈と目が合うと、彼女は無言で親指を立てる。

 どういう意味なのかわからないまま、彼女はサヤに引っ張られ、二人は布地の何かを持って浴室に閉じこもる。

 

 洗い物も終わってしまい、ベッドに座る置物状態。

 

 

 

「もういいよ!」

 

 

 

 少ししてから呼ばれた。

 お腹一杯だから微かに寝そうになっていたのだが、すぐにバッキバキに目が冴える。

 

 

 

「おお!」

 

 

 

 洗面所の扉を開け、目の前に見えた光景におもわず声が漏れた。

 

 

 

「うわっ、なんか変態おじさんみたいな反応」

 

 

 

 真っ白な肌と正反対な黒の水着をつけたサヤに言われた。

 特に布面積が少ないわけでも、派手なわけでもない普通の水着。

 だけど彼女の水着姿はエロいという言葉よりも、見惚れるほど綺麗という言葉が合っていた。

 

 

 

「なんかあの人、目が怖いんだけど……。雨奈、助けて」

 

「おお!」

 

 

 

 今度は純白にひらひらしたものがついた水着。

 二人とも胸は大きいのだが、雨奈のは破壊力がある。

 綺麗は綺麗だが、雨奈の水着姿は”エロい”という言葉が頭の中で何度も飛び交う。

 

 

 

「夜斗くん、目が危ない人になってるよ?」

 

「……ああ。いや、いいなと思って」

 

 

 

 という感想しか出なかった。

 対照的な水着姿の二人に見つめられる。

 

 

 

「もしかしてこれ、俺も水着になる流れなのか?」

 

「当たり前」

「そうだよ」

 

 

 どうやら水着をつけてお風呂に入る流れになったらしい、先程の秘密会議の結果。

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