※この作品はR-18です。

彼女には秘密の彼女たちとのイケナイ関係   作:柊咲

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第15話 泡の中

 

 同級生とのお風呂。

 しかも美少女二人に、場所はラブホのお風呂。

 人生でこんな経験をした男子高校生はどれだけいるだろうか。

 

 もし誰かに「どうだった?」と感想を聞かれれば、夜斗は考える間もなくすぐ答えるだろう。

 

 ──拷問だったと。

 

 

 

「ちょっとヨルっち、変なとこ触んないでよ?」

 

「夜斗くん、サヤちゃんはダメらしいけどわたしはいいからね。お触り♡」

 

「こらっ、雨奈! いかがわしい言い方しないの!」

 

 

 

 夜斗の両隣を占拠するサヤと雨奈。

 水着姿とはいえ、お湯の中だと着ているのか裸なのかはよくわからない。

 そもそもジャグジーの泡でモザイクのようになっている。

 むしろいかがわしい感じに見え、男としてはこっちの方がよっぽど不健全だ。

 

 そんな不健全な混浴だというのに、何もしてはいけない、お預けというのは……天国よりも地獄、拷問と例える方が正しい。

 

 

 

「飲み物とか持ってくれば良かった」

 

 

 

 顔の表面に浮き出た汗をタオルで拭うサヤ。

 夜斗の腕をギュッと掴んだ彼女は長風呂する気なのだろうか。

 

 

 

「もう出るか?」

 

「んー、もうちょい。ヨルっちは限界?」

 

「いや、別に」

 

 

 

 じゃあもう少しだけ。

 サヤは夜斗の肩に頭を乗せ目を閉じる。

 先程までの恥じらいが嘘のような密着度。

 これなら少しぐらい、と夜斗が彼女の身体を触ろうとすると「こら!」と手をはたかれる。

 駄目ならあんまり刺激しないでくれと、夜斗は思う。

 

 

 

「──ッ!?」

 

 

 

 そんな時だった。

 ふと、夜斗の太股に手が置かれた。

 ただジャグジーの泡で手は見えない。

 熱さと泡の勢いで脚の感覚も鈍って、どっちの手か判断できない。

 

 そんな手は、ゆっくりと夜斗の下半身へと移動する。

 

 

 

「おい」

 

「ん、どしたのヨルっち?」

 

「どうかしたの、夜斗くん?」

 

 

 

 二人ともが不思議そうに首を傾げる。

 

 

 

「いや、別に……」

 

 

 

 太股を撫でていた手が、ゆっくりと移動して、水着の中へ潜り込む。

 逆手で持たれた肉棒は既に半分ほど力が入っており、誰かわからない彼女の手で触られると完全な状態になる。

 挑発しただけ、ここで終わり。

 そんなことにはなるなと思っていると、謎の手は、逆手で握ったまま扱き始めた。

 

 

 

「ん……」

 

 

 

 小さく声を漏らす。

 

 

 

「どったの、ヨルっち?」

 

 

 

 肩に頭を乗せたサヤが不思議そうに見つめる。

 

 

 

「大丈夫? もしかして、熱くてのぼせたの?」

 

 

 

 雨奈が優しく微笑んだまま首を傾げる。

 どちらも怪しい素振りは見せない。

 だが、夜斗を悦ばせる手は動きを続け、更に激しくする。

 

 

 

「そういえばさあ──」

 

 

 

 ただ、触り方だけでどちらなのかは予想できた。

 そんな彼女は気付かれているとも知らず、楽しそうに混浴風呂を楽しんでいた。

 

 それから数十分。

 

 

「そろそろギブー。上がろっかな」

 

「そうだね。熱いのもあるけど、少し眠たくなっちゃった」

 

 

 

 サヤが先に湯船から出て、雨奈も出ようとする。

 

 

 

「おい」

 

 

 

 雨奈を呼び止めると、彼女は振り返り唇に人差し指を当てる。

 

 

 

「サヤちゃんには、内緒だよ……?」

 

「お前なあ……」

 

「ふふ、だって夜斗くん辛そうだったから。それにあのままだと寝れないでしょ?」

 

 

 

 やっぱり犯人は雨奈だったか。

 いや、あんなことをするのは雨奈しかいないが。

 

 

 

「でも、ジャグジー付きのお風呂で良かったね。お陰でサヤちゃんにバレなかった」

 

「そうだな」

 

「泡の中でわたしたちが何をしてたかも、泡の中で……夜斗くんが声を押し殺しながら果てちゃったことも」

 

 

 

 くすくすと小悪魔のように笑みを浮かべる雨奈。

 まるで夜斗のことを誘うような仕草に、やっぱり拷問だと、夜斗はため息をつく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ♦

 

 

 

 

 

 

 

 

 ──次の日の朝。

 

 丸いベッドで横になり、美少女に挟まれ目を覚ます。

 雨奈の優しさのお陰で昨夜は思った以上にぐっすり眠れた。

 もし彼女の優しさを受けなかったら、おそらく寝るまで拷問が続いていたのだろう。

 

 

 

「寝相、悪すぎだろ……」

 

 

 

 夜斗の腕にしがみついて寝ていたサヤだったが、夜斗が目を覚ますと頭と足の位置が真逆になっていた。

 もしかしたら寝ている間に何度か顔を蹴られていたかもしれない。

 

 

 

「どうするか、二度寝するか」

 

 

 

 目覚ましよりも二時間早く起きてしまった。

 外はようやく太陽が昇り始めた頃といったところだが、厚いカーテンのお陰で部屋の中は薄暗い。

 二度寝するにはいい時間だが、あまり眠気はない。

 

 

 

「……おはよ、夜斗くん」

 

 

 

 どうするか考えていると、耳元で囁かれた。

 

 

 

「悪い、起こしたか」

 

「ううん、大丈夫。それより夜斗くんって早起きさんなんだね」

 

「いや、なんか目が覚めちまった感じだな」

 

 

 

 寝返りをうち、雨奈の方を見る。

 サヤもそうだが、雨奈は普段からあまり化粧をしないので、寝起きでもその可愛さは変わらない。

 大きな目が夜斗をジッと見つめ、目が合うとにっこりと微笑む。

 

 

 

「なんかいいね、こういうの」

 

「こういうの?」

 

「一緒に目が覚めて、その日初めて見るのが夜斗くんの顔。なんかいい」

 

「なんだそれ」

 

「えへへ。それにいつもの夜斗くんとなんか少し違う感じがする。目が細い?」

 

「寝起きだからな」

 

 

 

 サヤを起こさないようにお互い小声で会話をする。

 こんな他愛もない会話からも、心の底から嬉しいという雨奈の気持ちが伝わってくる。

 

 

 

「そういえば夜斗くん、苦しくない?」

 

「何がだ?」

 

「エッチな気分なの我慢してない?」

 

「お前、俺が一日も我慢できない男だと思っていないか?」

 

「違うの?」

 

「はあ……。平気だ、別に」

 

 

 

 そう答えると、雨奈は「ふぅん」と少し不満そうな声を漏らす。

 

 

 

「もしかして、わたしが寝てる間にサヤちゃんとしたの……?」

 

「なんでそうなるんだよ」

 

「サヤちゃんとしたから平気なのかなって」

 

「最初に寝たのがサヤで、あの寝相のサヤが夜中に起きると思うか?」

 

 

 

 サヤは今も気持ちよさそうに寝息をたてている。

 

 

 

「じゃあ、なんで平気なの?」

 

「俺にだって自制心ぐらいある」

 

「そっか。でも今は……その自制心いらないんじゃないかな」

 

 

 

 そう言った雨奈は夜斗の耳に唇を触れる。

 

 

 

「ねえねえ、お風呂場、行こっ……?」

 

「……」

 

「お願い。声、我慢するから。サヤちゃんと夜中に抜け出してないなら、できるよね?」

 

 

 

 サヤは寝ている。

 本来の目を覚ます時間まで余裕もある。

 何より我慢しているのは確かだ。

 

 この囁く誘惑に断る理由はなかった。

 

 

 

「我慢できないくせに何言ってんだよ」

 

「じゃあ、夜斗くんが手で口を抑えていいよ。あっ、でもそれだと余計に声が出ちゃうかも」

 

「変態だな」

 

「お揃いだね、えへへ。……行こっ、夜斗くん」

 

 

 

 音を出さないように二人は風呂場へ向かう。

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