喧嘩する時は真っ先に先陣を切って走り出す。
何か物言いをするときいつも躊躇わずに口にする。
夜斗というのはそういう男らしい男だ。
だけど、そういう男であっても、時として女よりも女っぽくなるのも男という生き物だ。
「もしサヤちゃんが起きて、エッチしてるとこ見られたときにカモフラージュできるように、お湯を沸かしておこっと」
自ら秩序を壊すことはせず、ただ流れに身を任せる。
雨奈の優しさに付け入り、彼女から誘ってくるのを待つのは女々しい思考ともいえる。
「せっかくなら浴衣とかあればいいのにね。浴衣を少しずつ脱がしてエッチするの、夜斗くん好きそう」
「俺をなんだと思ってんだ」
「好きじゃないの?」
「……」
「ほら、やっぱ好きだ。ふふん、旅館に行ったときのお楽しみだね」
「雨奈」
「ん?」
円形のジャグジーバスのタイルの部分に腰掛け、お湯を流れるのを見つめる雨奈に声をかける。
「いや、まさか誘われると思ってなかったからな」
「今の話? まあ、サヤちゃんにバレたら不貞腐れそうだからどうしようか迷ったけど。でも、やっぱしたいなーって。それに」
「それに?」
「抜け駆けしたらダメって約束はしてないから、サヤちゃんと。別に、サヤちゃんのペースに合わせる必要はないかなって」
雨奈は座ったまま夜斗を呼ぶ。
近付く。だけどまだ遠いと呼ばれる。
すぐ目の前で止まると、雨奈は服の上から肉棒を触れる。
「それに、わたしが行動を示さないとサヤちゃん、これからもずーっとなんもしないだろうから。こうして抜け駆けして刺激してあげるのも、きっとサヤちゃんの為だと思うんだよね」
「どういうことだ?」
「ん、鈍い夜斗くんは気にしなくていいよ? 夜斗くんはただ、いつも通り楽しそうにしてくれたらそれで」
ズボンを下ろす。
朝勃ち状態の肉棒が顔を見せると、雨奈は顔を近付ける。
鼻先を当て、匂いを嗅ぐ。
「ちょっと臭い?」
「シャワー浴びてねえからな」
「なんかこんな雄らしい匂いしてる夜斗くんのおちんぽ珍しいかも。あっでも、体育祭のときにしたときも臭かったかも」
先端、そこからカリ首、裏筋へと鼻先を当てて匂いを嗅がれる。
背筋がゾクゾクと震える。
肉棒がびくんと跳ねると、雨奈は嬉しそうな声を漏らす。
「あっ、興奮してピクッてなった♡ じゃあ、湯船にお湯が一杯になるまで、お口で気持ちよくしてもいい?」
「ああ」
「ああ、じゃないよ。雨奈、口で気持ちよくしろ……でしょ?」
くすくす笑う雨奈を見下ろし、夜斗は彼女の頭を撫でた。
「そのいい方だと俺がクズ野郎みたいだろ」
「あれれ、違った? 同級生の女の子二人と体の関係を持って、好き勝手に──」
「──おい、喋ってないで早く口で咥えて気持ちよくしろ」
「あ、誤魔化した♡ クズだね、夜斗くん……」
雨奈は「でも、そんなクズな命令されたら興奮しちゃう♡」と嬉しそうにする。
「でもでも、その前に……ね?」
自分の唇を指でトントンと叩く。
キスをしてという合図なのがわかり、夜斗は唇を重ねる。
舌を絡め、お互いの口内を混ぜ合わせる。
すると、普段はあまり感じない歯磨きしてすぐの歯磨き粉の味がした。
「お前、歯磨いてたのか?」
「実は夜斗くんが起きる前に磨いてたの。こうなってもいいようにね」
「俺が起きる保証なんて……って、もしかしてお前」
環境が変わったから普段よりも早く目が覚めたのかと思っていたが、もしかしたら違う、別の要因によって起こされたのかもしれない。
「ん、どうしたの?」
じーっと見つめるが答える気はない。
なのでキスの続きを。
だが、自分だけ寝起きの状態でキスするのは躊躇いが。けれど雨奈は逃がさないと手を伸ばす。
「フェラの後も夜斗くんキスしてくれるから、わたしも寝起きの口臭なんて気にしないよ?」
「それとこれとはだな……まあ、お前が気にしないならいいが」
「いつもと違うありのままの夜斗くんの味も知りたいしね。えへへ」
変態だなと思いながら顔を離す。
雨奈はキスして満足したのか、開いた唇が肉棒へ近づき、そのまま飲み込んでいく。
先端から徐々に温かい肉に包まれると、自然と顔が上を向く。
「ああむっ、んっ、ん、ちゅ……っ♡ ふふ、よるほふんの、おひんほ……しょっぱい♡」
「咥えながら喋るな」
「んふふ♡ んちゅ、じゅぷっ、じゅるっ、ちゅ♡」
座ったまま、右手で根本を抑えたまま顔を前後に動かす。
裏筋に舌を添えたままの口淫は、昨夜の手でされた刺激よりもずっと気持ちがいい。
勝手に腰が動き、もっと激しい快楽を求めていた。
「んちゅ♡ んぷっ、んじゅじゅじゅ……っ♡ よるほふん……っ♡」
上目遣いの視線。
動かないで、苦しいよ。
そんな視線でも表情でもない。
むしろもっと動いていいよ、好きにわたしの口を使っていいよ。
そんな慈愛に満ちた優しい表情だった。
だから夜斗は手を離した。
「ん……っ?」
「雨奈のしてくれるのを見たくなった。胸、触るぞ?」
「んん♡」
咥えたまま頷く雨奈は自分の意思で口淫を続ける。
夜斗は雨奈の着ていたパジャマのボタンを開けていく。
雨奈もサヤも寝る時は下着を付けない。
前に聞いてサヤは「セクハラ!」と教えてくれなかったが、雨奈は「しめつけが嫌なの」と言っていた。
なのでボタンを外せばそのまま、豊満で純白な双丘が顔を見せる。
「んっちゅ、じゅぷっ、ちゅ……おっぱいでしてあげよっか?」
その誘いに、夜斗は考える間もなく頷いた。