※この作品はR-18です。

かなけん新入社員のエッチな日々   作:阪東 名輔

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溶け合う二人

 四つん這いから崩れ落ちたクロヱの身体をひっくり返す。脚を開けばじゅくじゅくになった膣口が微かにぱくぱくと開閉している。

 早くチンポが欲しい。

 早くチンポを咥えたい。

 早くチンポで犯されたい。

 まるでそう訴えているかのように建太には見えた。

 恐怖の表情が滲んでいる顔を除けば、今のクロヱの姿は雄を求める淫乱雌だ。

 濡れそぼった割れ目を建太は肉槍の先端で擦る。上下に一回、二回、三回と往復させるとクロヱは反射的に腰を浮かせてしまう。

「ま……待って……ナマはっ、ナマだけは勘弁してよぉ……」

「ゴム使い切れば次はナマOKって言ったのは沙花叉先輩ですよ? 今さらダメだなんて言われても聞き入れられるわけないじゃないですか」

 何度も何度も焦らすように擦り続ける。建太も我慢している。ギリギリまで我慢してから生膣を味わいたかった。

「お願い、それだけはダメっ……」

 その懇願も今の建太の前では無意味だ。

 根元を持って剛直を固定し、赤黒く膨れた肉頭を陰裂に沈み込ませる。

「イヤッ……ヤアアァァァッ……!」

 絶望の叫びが虚しく響く。

 滾る雄の象徴が分け入ってきたことに対し、クロヱの意思とは裏腹に膣肉たちは歓迎ムードだ。溢れんばかりに分泌される愛液は侵入を促進し、傘のように張り出す肉エラに擦られた肉ヒダは悦びながらカリ首や肉幹に絡みつく。ゴムを挟まない直接交流に身体同士が打ち震える。

「奥まで挿入(はい)りましたよ、先輩……!」

 建太はわざわざそう伝え、クロヱのお腹あたりを撫でる。

「ヤダッ……抜いてっ、抜いてぇっ……!」

「今さら聞けるわけないですよ、二回も言わせないでください」

 建太も我慢はもう限界だ。この肉穴を責め倒して一刻も早く気持ちよくなりたいのだ。

「だいたい、あんなに俺を煽っておいて……そういう経験、豊富なんじゃないんですか? 最初に挿入(い)れた時だって出なかったじゃないですか、血が」

「違うのっ、そうじゃないのっ…………うっ、うくっ、ううぅぅぇえええん…………!」

 恐怖一色だったクロヱの顔が歪む。そして堰を切ったように大粒の涙が溢れ出し、痛みがある場所を抑えるかのように両手で顔を覆い隠す。

 これには興奮状態だった建太もただごとではない気配を感じ取り、だんだんと脳がクールダウンしていく。そして内心に芽生え始めたのは──罪悪感。

「沙花叉先輩……?」

 泣きじゃくるクロヱを前にし、どうすればいいのかわからない。

「ひっ、ひぐっ…………沙花叉ね…………」

 ところどころ詰まりながら語りだす。

「沙花叉……ホントは処女なの…………自分で道具、使って……ひくっ、使ってたら……破れちゃった…………ふんっ、えぐっ…………だから、キミにしたことも…………全部、AVとかエロ本の知識、だけ…………ひぐっ、ふぅっ…………」

 ごめんね、とクロヱがぽつりと言った。

 ズキッ、と建太の心が痛んだ。原因の種を蒔いたのは向こうだが、異性を泣かせてしまったことが辛い。

 けれどももう下半身は我慢できない。このまま引き抜き、一人で扱くなどという選択肢はもう取れない。

 だから、

「…………大丈夫ですよ、沙花叉先輩」

 建太は挿入したままクロヱの耳元で囁いた。

「沙花叉先輩、俺のチンコでたくさん感じてたじゃないですか。だからナマだったらもっと気持ちいいことが待ってるはずです──痛くしないように努力します。だから……怖がらないでください。それに、謝らないでください。俺だって……沙花叉先輩とセックスできて、凄く嬉しかったです。初めてが先輩でよかった」

 自分本位に性欲を発散して相手の心に嫌な記憶を植えつけてしまうのは建太も避けたい。自分だけではなく、クロヱにも気持ちよくなってもらいたい。その方が間違いなく互いにとっての最善であるだろう。

 クロヱはまだしゃくり上げながらも、

「…………痛く、しない?」

「必ず、とは言えませんが……極力、頑張ります」

 建太がそう誓いを述べると、涙で濡れた手をゆっくりと退かしていく。涙腺を腫らし、濡れた赤い瞳にはまだクロヱの怖がる気持ちが少し残っているように見えた。

「俺もまだ上手くできないと思うので……痛かったら、遠慮なく言ってくださいね……」

 クロヱの目が逡巡するように揺れる。けれどもその内側では媚肉が獰猛に絡みついてくる。まだ動いていないにも関わらず抽送しているかのような錯覚すら覚える。

 このまま彼女の意志を無視して無理矢理犯してしまいたい、という邪すぎる願望をどうにか押さえつけ、次段階への進撃の可否を待つ。

 クロヱと一瞬、目が合う。しかしすぐに向こうが逸らしてしまう。相手の顔色を見ずに自分の意志で決定しようとしているのを察し、建太は暴力的に渦巻く欲望を必死にコントロールしている。

 それから一分以上経って、クロヱの瞳が再び向けられた。今度はまっすぐに建太を見ている。僅かな迷いが見えた。しかしそれもやがて消え失せる。

「…………優しくしてね?」

「……はい!」

 前のめりになる心をどうにか抑えつつ、建太は腰をゆっくりと前後させ始めた。痛苦を与えないよう、慎重さを欠かないよう細心の注意を払う。

 クロヱの内側がきゅんきゅん、と収縮する。前進と後退を繰り返す剛棒は彼女が分泌した愛蜜でコーティングされていく。

「んっ……んんっ! んっ、あぁっ! ああっはぅぅんっ!」

 抽送を始めてからほどなくして大きな嬌声があがり始める。あれだけ怖がっていたとは思えない感じ方だ。

 それでも建太は自制をかけざるを得ず、本気を出せずにいる。今はまだ性悦の声をあげてはいるが、これ以上テンポを速めてしまうとまた泣かせてしまうかもしれない。そう思うとどうしても遠慮してピストンしなければならなくなる。そのせいでイマイチ気持ちがあがってこない。

 だんだんと単調になっていくのを感じる。建太の興奮も徐々に冷めていく。義務感でのセックスがこんなにも辛いものなのだと知らなかった。まるで愉しくない。

「はぁっ、はぁっ……」

 額に汗が浮かぶ。まるでやりたくもない労働を強いられているような感覚だ。クロヱの媚肉に包まれているはずの陰茎もこれ以上硬度もサイズも維持できない。

「……なんか辛そう」

 ボソリとクロヱが呟いた。曇り気味の表情からもあまり愉しめていないのが読み取れる。

「だ、大丈夫ですよ……だから俺に任せて――」

「もっと責めていいよ、キミもそうしたいでしょ?」

 その言葉に建太の動きが止まる。予想していなかったクロヱの言葉に理解が追いつかない。

「沙花叉、まだ大丈夫だから……むしろ、もっと激しくしてほしい。だんだんキミのが硬くなくなっていって、気持ちよくない」

 建太は今のクロヱの言葉を何度も何度も反芻する。ゆっくり、単語一つずつを呑み込み、理解していく。単純なもので、クロヱの言葉を全て理解した建太はまたも下半身に血流が集まり始めていた。

 建太は前のめりになり、ぬちゅ、ぬちゅ、と水音を立ててクロヱの穴を突く、突く、突く。

「んんっ! あぁっ、イイッ、イイよぉっ!! ナマのセックスっ、気持ちいいっ……!!」

 クロヱの悩ましい声が再び鼓膜を震わせる。地声とは異なる声色を作るのが得意な彼女だが、今この瞬間の喘ぎ声は作り物とは思えない。

 求められた通り、自我を出した抽送で責め立てる。相手よりも自分の欲望発散を優先し、絶賛発情中の淫器を使ってひたすら抜き差しを繰り返す。失われつつあった硬度はみるみる回復し、立派な武器の姿を取り戻していた。

「それっ……それがイイのっ……! ガンガン突かれるのっ、好きぃっ……! ナマのチンポっ、こんなに気持ちいいなんてっ、知らなかったぁっ…………!!」

 肉槍で繰り返し突かれるクロヱの表情が少し緩んでいる。口元には微かに笑みが見える。

 相手を悦ばせることができているのがわかり、建太の心も軽くなる。そしてその余裕が性交の快楽を増幅させる。クロヱを泣かせてしまう前よりもはっきりと粘膜同士が絡み合うのが感じられる。

 建太は上体を前へと倒し、クロヱの両手を掴む。互いの指を絡め合うと物理的にも精神的にも距離が縮まるのを感じる。ゴムありの時よりも、ずっと近く感じる。

「深いトコきてるっ……!! キミの先っぽがっ、一番奥まできてっ、つついてくるうぅっ……!!」

 クロヱの表情からは笑みが消える。しかしそれは痛苦や拒絶によるものではない。

「もうイッちゃう……イっちゃうっ、イクっ、イクイクっ!」

 穴は狭まり、性器同士の摩擦力が増す。とめどない愛液のおかげで滑らかに動くが、三六〇度、全方位から媚肉に直接締めつけられる。

 興奮が臨界点に達した陰嚢から意思に反して遡上が始まる。

「イクイクイクイクっ──────────!!」

 叫ぶような嬌声が唐突に途切れ、クロヱの身体が海老反りになって浮き上がる。同時に建太の剛直も強烈な力で搾精され、上体がのけ反る。ゴムの隔壁から解き放たれ、ドクンッ、ドクンッ、と脈打ちながら、ドビュッ、ビュルルルッ、と精を吐き散らす。これでもう六回目、会社でフェラ抜きされた分も数えたら七回目だというのに一体どこから湧き出してくるのか、と思えてくる。一日でこんなに射精(で)たのは初めてだ。一日中AV鑑賞したとしてもこうはならない。

 精液と愛液の坩堝(るつぼ)の中でしばらく繋がり続け、それから建太が引き抜こうとすると、

 ガシッ。

 右腕をクロヱに掴まれた。

「……もう一回、シたい」

 その目は蠱惑的に潤っていた。

「一回だけじゃ、物足りない」

 建太の心臓がドクンっ……! と拍動する。それは今までに経験のない大きな拍動だった。

「沙花叉のこと……溺れさせて?」

 破壊力抜群のその一言が建太を再びケダモノに変えた。

 そしてクロヱのトランジスタグラマーな肢体に覆い被さった。

「文句、絶対言わないでくださいよ……!」

 折り畳まれたクロヱの両脚の間に割って入り、建太は腰をうねらせる。立派すぎるモノが生えたそれを上に持ち上げては落とし、持ち上げては落とし、持ち上げては落とす――

 その度に剛直は一番奥を叩き、カリ首が入口に引っかかるまで引き抜かれる。返しのついたそれが膣内射精(なかだし)した精液を掻き出し、結合部周りを泡立てる。白濁した淫猥な色に汚していく。

「おっきいのっ、たくさんズンズンしてくるっ! あぁっ!! 気持ちいいのぉっ!! ケンタのチンポ気持ちいいよぉっ!!」

「沙花叉先輩っ……!!」

 頭がおかしくなりそうな快感。下半身があまりにも熱すぎて溶けてしまいそうだ。

 性悦に翻弄される互いの顔が僅か三センチの距離に近づく。どちらからともなく舌を伸ばして絡め合い、やがてゼロ距離にまで詰めて唇をも貪りあう。

「んっ、ちゅっ、ちゅうぅぅっ……くちゅっ、ぴちゃっ、んちゅちゅっ……」

 口の中を唾液でいっぱいにし、聞いているだけで欲情してしまう音を鳴らしてのディープキス。上の口でも下の口でも繋がり合い、それでもまだ繋がり足りない。

 いつしか建太の大きな背中には手も脚も回されていた。ますます一つに溶け合っていく職場の先輩と後輩。

「ケンタっ……んちゅぅ、ちゅぱっ……」

 収まらない性欲。もっともっと深いところで、身体だけではなく心でも繋がりたい、溶け合いたいと希うクロヱ。それがいわゆる『だいしゅきホールド』と呼ばれる体位となって現れ出ているのだろう。

「キスっ……きもちいいっ……あぁっ、ケンタぁっ……んちゅっ、ちゅぱっ」

「沙花叉っ、先輩……あむっ、んんっ……」

「クロヱ、って呼んでいいよっ……んふぅっ、あふぅんっ」

「さ……クロヱ先輩っ、んんっ、ちゅるっ、ふぅっ……」

 お互いを下の名前で呼び合い、さらに距離が縮まった気がする。

 裸で抱き合い、濃厚なキスを繰り返す。そっちに意識が向いて下半身はゆっくりとした動きになっているが、今はまだそれで満たされた状態が保てている。

 けれどもそれを三分、五分と続けているうちにだんだんと激しさが欲しくなってくる。お互い、性器の渇望の声が大きく響いてくるのを内から感じていた。

「クロヱ先輩……そろそろ俺……」

「いいよ……一緒にイこ?」

 建太は身体を起こし、クロヱの膣内(なか)へと再進撃する。欲望を解放し、相手を孕ませんが如き獰猛な抽送だ。

 そしてそれは今のクロヱが最も求めていることだった。

「あっあっあっあっ!! それっ、それすごくイイのっ!! 今日イチっ、気持ちいいぃぃっ!! すごいっ、こんなの虜になるっ!! ケンタのチンポ忘れられなくなっちゃうぅっ!!」

「クロヱ先輩だってっ、今日一番の締まりですよっ……! くぅっ、ヤバいっ、下半身がっ、俺のチンコが喰われそうっ……!!」

 正常位というオーソドックスな体位ながら、二人はこの日一番と言っていいほど高まっていく。視界にバチバチと火花が散り、高まっていく互いの体温で結合部は燃え上がるように熱い。

 無防備な雌犬のように両手をハングアップし、突き込まれる衝撃と悦びで自慢の豊乳が波打つように揺れまくるクロヱ。

「もうっ、これじゃなきゃ無理っ……! ナマで挿入(い)れられてっ、めちゃくちゃにされないと満足できない身体にされちゃったぁ……!!」

 にへら、と笑うクロヱ。その口端からはよだれがとろとろと零れている。

「ねぇっ、ケンタはどう? 沙花叉のオマンコ、忘れられなくなっちゃった……?」

「当たり前じゃないですかっ、こんな気持ちいいので童貞捨てたら、死んでも忘れられないですよ……!」

 粘り気を孕んだ水音を立て、膣肉を満喫する。このワンルームの快適に保たれた室温に対し、猛る象徴を突きこむ部屋は火傷しそうなほど熱い。それは互いに強い興奮を覚えている証であり、吐精と受精を歓迎している証左でもある。

 建太はベッドシーツを支点に上体を支えていた両腕を移動させる。新たにクロヱの柔らかな膨らみを鷲掴み、大きく開いた手で揉んだり、左右互い違いに捏ね回したり、曲げた人差し指で突起部を繰り返し弾いたりする。

「んぁっ、あぁっ……おっぱいっ、乳首っ、どっちも気持ちいいぃっ……!」

「どっちの方が気持ちいいんですか?」

「そんなの、選べないっ……! 答えられないぃ……!」

 とは言うものの、さっきから乳房本体よりも乳首を弄んだ方が明確な反応を見せてくれる。なので建太は両サイドからクロヱのを寄せ合わせ、その上で薄桃色で主張するそれを転がす。

「んひっ、おぅんっ! ダメっ、ヘンな声、出ちゃう……! あぅんっ、おふぅ、うぅんんんおああぁぁぁぁっ……!」

 よがり狂う姿がたまらない。しかも膣の締まりがさらに向上する、というオマケつきだ。それは極上の快楽をもたらしてくれる反面、建太の忍耐力も吸い取っていく。肉壺全体が精を搾り取ろうとうねり、あらゆる方向から圧力を加えてくる。

 意識せずとも速くなる抽送。先程の射精分はもう大半を掻き出しており、新鮮な遺伝子を注ぎ込むには十分な容量が既に空けられている。

「クロヱ先輩っ、もう射精(で)るっ、射精(だ)しますっ! いいですよね!?」

「いいよっ、また射精(だ)してっ! 一番奥にびゅるびゅる膣内射精(なかだし)してっ……!!」

「先輩っ、先輩っ!!」

「ケンタっ、ケンタぁっ……!!」

 最後はクロヱの腰を掴んで固定し、滾りに滾る下半身を奥へ、奥へと繰り返し突き込む。纏わりつく潤った肉の感触が亀頭も肉幹も、全てを煽って昂らせていく。

 二人は何度も互いの名前を呼び合い、そして二人一緒に果てていった。

 オーガズムに達したことで一気に収縮した肉壺にどぷどぷっ、と濃厚なナマ搾り精液を注ぎ込む。一滴残さす射精(だ)そうと腰を数回打ちつけ、尿道内の残った分も全て鈴口を介してクロヱに移し替える。

 ついに萎え始めた肉棒を引き抜くと塊のような白濁がどろっ、と排出される。その粘性の高さに我ながら驚く建太。

「ようやく萎えてきたね。キミ絶倫すぎ〜w」

 普段の生意気な笑い方をし、その塊を人差し指で崩して一部を掬う。んべっ、と長い舌を出してそれを舐め取り、それから咥えた。まるで建太に対してシたのと同じように水音を立てる。

「マジ苦っ……けど、キミのだと思うと悪くないかな」

 一言感想を述べてからクロヱは建太の顔を見る。建太もクロヱの顔を見つめる。そしてクスリ、と笑い合う。

「けどさすがに疲れてきた……汗も滲んでるし一緒にシャワーでも浴びますか」

「えー、シャワー……?」

「いいじゃないですか、もうお互いに裸は解禁してるんだし」

「そういう問題じゃないっての〜……」

 嫌がるクロヱだったが、最終的には渋々ながらその提案を呑んだ。

 

     ◇

 

 頭上からのぬるい温水が心地よい。火照った身体をちょうどよい温度に調節してくれる。

 汗と性臭を洗い流し、クロヱの場合は数日分の垢も排水溝に吸い込まれていく。

 建太はさっぱりとした清々しい気持ちになる。

「どうですか、クロヱ先輩? 動いた後のシャワーは心地いいでしょう?」

「……あんまりそうは思えないけど」

 対照的にクロヱは不本意そうに口を尖らせ、建太めがけて恨みがましい視線を投げつけている。

「前から思ってたんですけど、なんでそんなに風呂が嫌いなんですか?」

「だってすぐのぼせるもん。だったら毎日入らない方がよくない?」

 そういうものかなぁ、と思う。建太にはいわゆる風呂キャン界隈が理解できない。

「それよりさぁ、身体洗ってよ。自分で洗うのメンドいし。それに今さら触るのに躊躇なんかしないでしょ?」

 なんてことないようにクロヱが言った。

 いきなりそんなことを頼まれた建太は一瞬戸惑ったが、彼女の言う通りだ。

 シャワーを止めてから手にボディソープをつけて泡立て、曲線が豊かなクロヱの肢体に擦りつけていく。風呂嫌いのはずなのに肌だけは綺麗なのは生まれ持った体質なのだろうか。

「あっ……なんか手つき、やらしいんですけど~」

「別にそういうつもりじゃ」

「そう言う割にはお尻とかおっぱいとかにばっかり泡塗りたくってんじゃん」

 指摘されて建太はまさか、と思った。

 しかし改めてクロヱの身体を見た時、それが嘘ではないことに初めて気づいた。

 意識したわけではなく普通に洗おうとしたはずなのに、クロヱの身体についた泡は乳房や臀部、太ももといった性的な魅力の強い部分に明らかに集中していた。

 それを意識してしまった途端、落ち着きを取り戻していた愚息に再び精気が湧き上がる。こうなるともう自制は利かず、下を向いていたそれはだんだんと上向きになっていく。

「あれあれ~? なんかまたおっきくなってな~い? 『そういうつもりじゃない』っていうのは口だけかな~?」

 勃起に気づいたクロヱは身体についた泡を可能な限り谷間にかき集めて膝立ちになり、

「沙花叉も綺麗にしてあげるね~w」

 その豊満な膨らみで挟み込んできた。建太の股部分も泡に包まれていく。左右二つの乳房を互い違いに上下に動かしてくる。視覚と触覚でまたもや最大値まで勃ち上がってしまい、クロヱの立派な果実をもってしても隠し切ることができない。

「またこんなにおっきくしちゃってさ~w、絶倫すぎるっしょ~w」

 言い返そうにも言い返せない。この節操のなさには呆れてしまう。まさか自分がこれほどまでに精力が強いとは思ってもみなかった。

 まるで鋼のように硬くなったそれをむにむに、もにゅもにゅ、と揉み洗いされ続けると先端からも透明な液体が零れ始める。泡と混じり合うも、まるで納豆のように糸を引いてしまうため一目でペニスの興奮度合いが丸わかりだ。

「いやらしい汁まで垂らしちゃって~w」

 クロヱは胸部を離し、シャワーヘッドを手に取る。二人分の泡を洗い流し、綺麗になった剛直をうっとりと眺め、その裏筋を長い舌でぺろっ、と舐める。

「うっ……」

 建太は呻いてしまう。それを効果ありと判断したクロヱは範囲を陰嚢の裏から亀頭の先まで広げ、唾液をまぶした舌で舐め回してくる。

「苦い味がする~、我慢汁たくさん出てるね~節操なし~w」

 快感で脚の力が抜けそうになってくる。それを隠そうとすると建太は自然と仁王立ちのようなポーズをとっていた。力強い姿を作ることで自らを奮い立たせ、しかしイキリ立ってしまう。

 それが抵抗のように見えたのだろう、クロヱの瞳に挑戦的な光が生まれ、今度は大きく口を開けて丸呑みにしてきた。

「うおぉっ……クロヱ、先輩……!」

「ぐぽっ、じゅるっ、じゅぽっ! んぶっ、んぽっ、んっじゅうぅぅっ!」

 淫猥なサウンドが浴室内に反響する。右手で睾丸を優しく揉まれ、再生産を促される。下を向けばこちらを上目遣いで見てくる二つの瞳。それはこちらの反応を愉しんでいるようにしか見えない。

 ザラつく感触が満遍なく苛んでくる。我慢汁の漏出が止まらない。そこを舌先でチロチロ、とほじくられて視界がチカチカする。

「うぐ…………うぅ…………」

 昂ぶらされる剛直。このまま責め続けられたら長くは保たない。ぐつぐつ、と根元が煮え滾るのがわかった。

 ところがクロヱは建太が達する前にペニスを離した。唾液とカウパー液が混ざった粘つく糸が舌と亀頭とを繋いでいる。自重で少しずつ垂れ下がり、やがて中央付近で途切れた。

「しゃぶってたらまたシたくなっちゃった……あんっ、沙花叉のもぐちょぐちょになってるし……」

 指で秘裂を数回擦り、見せつけてくる。濡れ濡れになった人差し指を親指とつけたり離したりして、淫蜜の濃さと粘度をアピール。

「あと一回くらい、ヤれるでしょ? またベッドでシよ〜よ」

 建太は唾を呑む。

 そして二人は身体を拭いて浴室を出る。

 そこで建太の目が偶然、『あるもの』を捉えた。

「クロヱ先輩、ベッドじゃなくてここでヤりましょうよ」

「ふぇ……?」

 腕を引っ張り、建太はクロヱに『あるもの』を見せた。

「えっ、ちょっと、これって……!?」

「いいから。そこに手をついて尻を向けてください」

 言いながら建太はクロヱの両腕を掴んで『あるもの』に手を突かせた。おずおずといった様子ではあるが少しずつ尻も突き出していく。さながら壁に両手をつけて立つ猫のようだ。

 そして『あるもの』にはそんなクロヱの姿が左右反転で映し出されている。その背後には今まさにメス猫と交尾行動をしようとしているオス猫こと建太の姿もあった。

 そしてクロヱの身体で隠れてはいるが、建太がクロヱの膣内(なか)に挿入(はい)っていく一部始終も『あるもの』──壁に設置された姿見はバッチリ映し続けた。

「あぁっ…………あっ、あっ、あっ! まっ、これぇっ……! こんなっ……!」

 抽送に喘ぎ、自慢の乳房を前後に大きく揺らすクロヱ。それを目の前で見せつけられる羞恥で媚肉が収縮する。膣肉の摩擦係数が大きくなり、剛直への淫靡な刺激も強まる。

「クロヱ先輩のエロい顔、バッチリ見えてますよ……俺のチンポ美味しそうに咥え込んでっ、よがってますね……!」

「あんっ! あんっ! これっ、恥ずかしすぎっ……! 沙花叉っ、セックスしてる時っこんな顔っ、してたのっ……!?」

「そうですよ……どうですかっ、セックスで気持ちよくなってる自分の顔を見た感想はっ……!」

 どちゅんっ! どちゅんっ! と腰を打ちつけ、最奥を繰り返し突く。そこへ至る道中も愛液をたっぷりと滲み出して悦びを表している。

「はぁっ、こんな顔……こんな顔っ、してたの……?」

 緩んだ口は半開き、その端から滴るよだれ、性の悦びに潤む赤い瞳。

 沙花叉自身も見たことがない、蕩けた表情をした全裸の女がそこにいた。

 そんな彼女をさらに追い詰めようと二つの手が迫る。

 建太はクロヱの背中にもたれかかり、暴れるように揺れる豊乳を掴んだ。それをさわ、さわ、と優しく揉みつつ、人差し指を器用に動かしてコリコリの突起を転がす。

 クロヱの反応は抜群だった。

「あぁっ!! 同時に責められ、るぅっ…………ダメっ、これぇっ……ふぅんっ、気持ちっ、いいぃぃっ……!!」

 膣奥と乳首を同時に責められてクロヱはだんだんと崩れていく。身体が九〇度に折れ曲がり、内股の脚はガクガクと震えている。そのつけ根付近にある結合部の隙間からは溢れた愛液が太ももを伝い、あるいは重力によって糸を引きながら落ちていく。

「もうっ……無理いぃぃっ…………んんんっ!? ああぁぁっ!!」

 淫らな色を含んだ叫び声と共にクロヱは崩れ落ちる。呼吸を乱す小柄ながら豊満な肢体は建太の両腕によって辛うじて支えられる。乳房を弄んでいた手は反射的に腰を掴んでおり、クロヱをカーペットの敷かれた床に軟着陸させた。

「はぁっ……はぁっ……」

 下を向き、酸素を求めて喘ぐクロヱ。その姿はまるで四つん這いの獣のようだった。

 そして、建太はまだクロヱと繋がったままだ。しかもバスルームでのプレイのせいで滾ったままである。

 今朝の建太ならばきっと躊躇っただろう。しかし童貞を卒業し、男としての自信を身につけたこの場にいる建太は違う。

 張りのある尻たぶにのしかかり、床の上で続きを開始した。

「はぅっ!? ちょ、嘘っ!? こんな、床の上……!? あぁっ、せめてっ、ベッドで……!」

「もう我慢できませんよ……! このままヤりましょう……!」

 建太は上から腰を何度も打ちつける。筋肉と脂肪がぶつかり合う音にねっとりした水音が混ざり合って淫猥なハーモニーを奏でる。

 クロヱを床に組み伏せて犯す。

 そんなシチュエーションに建太は興奮を覚えていた。本能的で原始的、まるで草原やサバンナといった広大で開放的な空間で交尾する野生動物になった気分だ。ラブホの一室という切り取られた社会空間ではあるが、ベッドではなく床でセックスする、というのが理性から解放されたようで昂揚するのだ。

 そして、そう感じているのは建太だけではない。その証拠に肉棒を締めつける圧力は明らかに強まっており、快楽に喘ぐ声も高くなってきている。

「んんっ! あぁっ、あぁんっ! なんでっ……こんなに興奮っ、してるのぉっ!? 沙花叉っ……こんな場所で犯されてっ、興奮しちゃってるぅ……!!」

 クロヱもまた、この動物的な性交に興奮を覚えていた。さっきはナマ挿入に涙を流していたのに、今はこんな退廃的な行為に悦んでしまっている。

「ほしいっ、ほしいのっ……ケンタの精液、求めちゃってるぅっ……! 奥が疼いて仕方ないの……!」

「わかってますよ、こんなにマンコキツキツに締めつけてっ……俺のザーメンが欲しいって訴えてきてるのがっ……!!」

 クロヱの両腕を床に押さえつける。うつ伏せにした上から覆い被さり、その上から獣欲のこもった抽送。剛直の根元にぶらさがる袋の中身が上がってくる。内容量全てを吐き出し切ろうと尿道に充填されていく。

 昼休みにフェラチオで抜かれたのを皮切りに今日だけで既に八回射精している。しかし九回目の射精は今までで最も多く射精(で)る──そんな確信があった。

 建太もクロヱも漏れ出る声が止まらない。メスを受精させようと上げる雄叫び。オスを興奮させてより多くの精を作らせようとする嬌声。獰猛な笑みを浮かべる建太と、近づく絶頂への期待に表情が緩むクロヱ。

「おぉっ、おぉぉぉっ……クロヱ先輩っ……射精(だ)しますよっ……射精(だ)すぞっ、クロヱっ……!!」

「もうっ、あっあっあっあっ! イクっイクっイクっイクっ――――!!」

 クロヱの尻を床に押しつけ、猛々しい剛棒から爆ぜるような膣内射精(なかだし)。その勢いはあっという間に肉壺を満タンにしていった。

「はぁっ……はぁっ……クロヱっ……!」

 二度、三度と抜き差しして膣内(なか)をかき混ぜ、ずろぉぉぉ……、と引き抜く。こぽっ、と音を立てて白濁が溢れ出るのを見届け、建太は精液まみれのペニスをクロヱの顔のそばへともっていく。

 クロヱは虚ろながらもどこか満たされたような表情をしていた。肉棒の姿を認めると、のそり、と顔を向けて舌を伸ばす。表面やカリ首、鈴口に残った精液を綺麗に舐め取ると、ニッ、と笑ってみせた。

「……さすがに疲れた」

「ですね……」

 ゆるゆると立ち上がり、ティッシュでいろんな体液を拭き取り、数歩歩いてベッドに倒れ込む。

 そこから眠気の床に落ちていくまでにかかった時間は五分とかからなかった。

 

     ◇

 

 目が覚めると、窓の外は白んでいた。

 キングサイズのベッド。それを覆う掛け布団に包まれた建太は両腕を上へと大きく伸ばした。

 隣には寝息を立てているクロヱ。朝日を反射して銀髪がキラキラ光っている。

 その寝顔が愛おしくなり、そっと手を伸ばす。銀髪を手のひらで優しく撫ででいると「んん~……」とクロヱが覚醒する。

「おはようございます、先輩」

「んあ……おはよぉ~」

 クロヱは欠伸を一つすると、寝ぼけ眼を擦る。

「起きるの早いね~……昨日あれだけヤったのに」

 んん~っ、とクロヱは上体を伸ばす。掛け布団がめくれて豊乳が露わになる。建太の視線はそこに吸い込まれた。そういえば掛け布団の下は二人とも全裸だ。

「……どこ見てんの~?」

 建太は思わず顔を背ける。するとクロヱはアハハ、と笑った。

「今さらなんでもないっしょ、裸を見るどころかもっとすごいことまでヤってんだしさ」

「……それもそうですね」

 建太は顔を元に戻す。

「で、この後どうする? さっさとチェックアウトして帰る?」

「その前にシャワー浴びましょうよ。また汗かいて、他にもいろいろ汚れがついてますし」

 ええ~、と露骨に嫌そうな顔をするクロヱ。

「どうせ二十分もあれば終わりますよ、行きましょう」

 起き上がった建太に連行され、ぶー、とふくれっ面を見せるクロヱ。しかしそれ以上の対抗はなく、二人は浴室へと入っていった。

 二十分もあればシャワーは終わる。

 そう言っていたはずの二人は一時間以上出てこなかった。

 閉ざされたドアの向こうからはシャワーの水音に混じり、身体を打ちつけ合う音と二人の喘ぎ声が微かに聞こえてくるのだった。

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