※この作品はR-18です。

世界最強の魔女、無様敗北の末に敵国に捕まって魔女裁判で有罪になる。残りの人生は苗床として一生子宮を使われ続けるようです。   作:破戒僧

9 / 20
魔女は妊娠しにくい、と言ったな?
悪いな、ありゃ嘘だ。

……いや、設定ひっくり返したわけじゃなくて、話と話の間で、妊娠しにくいのをカバーするくらいにぐっちょんぐっちょんのぬっちょんぬっちょんにされてたってだけですけどね?
あと、ちょっと細かい理由とか設定も会ったりはしますが……まあその辺は今後本編で。

でわ、最新話、どうぞ。


第9話 出産

 

 

 一ヶ月。

 この『牧場』にマリー達が入れられてから経過した時間である。

 

 人によって、長いとも、短いともとれる期間だが……その一ヶ月の間に、マリーの姿は……大きく様変わりしていた。

 

(お腹が、重い……苦しい……)

 

 すらりと細く長い手足は健在。整った顔も、形のいい乳房も。

 代わっているのは、その腹部だけ。ぽっこりと出て膨らんでいる。

 

 誰がどう見ても、彼女が今『妊婦』であるとすぐにわかる光景だった。

 

 『魔女』は確かに、妊娠しづらい生き物である。

 それも、マリーという……他の魔女と比べても圧倒的な強さを、魔力を持ち、さらに『不老不死』の領域まで至っている存在であれば、なおのこと、その卵子を精子が射止めるのは至難の業だ。

 

 しかしそんなマリーも……こうして孕んでしまっていた。

 

 『種馬兵』は、その名の通り、魔女への『種付け』のために調整ないし改造された兵士である。絶えずその睾丸で大量の精液を作り、一度の射精の量は、女性の腹の形を変えてパンパンに膨らませてしまうほど。そんな射精を、1日に何度もできる。

 

 加えて、精子の寿命も長い。普通の人間の成人男性であれば、女性の膣内に射精した際、精液……に、含まれる精子の寿命は、長くて2~3日とされているが、『種馬兵』の精子は、長くて一週間以上もの間、生き続けることができる。

 寿命が長ければ、その分、膣内で生き延び、その間に排卵が起こる確率も大きくなる。

 

 そんな『種馬兵』から、毎日欠かさず、胎(はら)がパンパンになるまで精液を注がれていたマリー。

 腹の中には常に、大量の新鮮な精子で満たされている状態だった。いつ排卵し、卵子が出て来ても決して逃がさないように、何億、何十億の精子が待機していた。

 

 結果……タイミングもよかったのだろう。種付けが始まって1週間もする頃には、マリーは妊娠した。

 

 そして、妊娠からわずか3週間余りで……マリーのお腹は、臨月のように大きくなっていた。

 見た目だけではない。実際にそのお腹の中身は、臨月と同じ状態であり……もう既に、お腹の中で子供は育ちきっており……生まれてもおかしくないという状態だった。

 

「さすがに驚いたねえ……魔女は子供が生まれるのが早いのは知ってるけど、ここまでとは」

 

 いつ生まれてもおかしくない状態ということで、ベッドに固定されているマリー。

 両手両足に手かせ足かせを装着され、ベッドの四隅に鎖でつながれているその姿には、妊婦に対する配慮とかいたわりとか、そういったものは微塵も感じられない。

 単純に、産みやすいよう、取り上げやすいように姿勢を制御しているというような見た目だ。家畜に対する出産の補助に近いかもしれない。

 

 そんなマリーを、ベッドの横に立っているエリザベートが見下ろして、ニヤニヤと笑っていた。

 

「魔女の子供は、魔女の体内にある豊富な魔力の影響を受けて、通常の人間よりも早く育つ。その期間は、力が強い魔女ほど短くなり、一握りの強力な魔女であれば、わずか3か月で、未熟児でもない立派な赤ん坊を産むことができる……けど……」

 

 まるで説明するような口調で言いながら、エリザベートはマリーのお腹をさする。

 

「さすがにたった1ヶ月でコレってのは、私も初めて見たよ。いや、妊娠するまでの期間を考えたら、もっと短いのか……つくづくすごいもんだねえ、『黒の女王』様は」

 

 帝国軍所属の軍医達の見解によれば、もう今日明日生まれてもおかしくないという。

 

 僅か3週間で臨月。

 エリザベートの言った通り、今までに帝国が『牧場』で飼育してきたどの魔女よりも短い期間での出産である。

 それでいて、検査してわかっていることだが、母子とも順調で健康的な不安要素も何一つない。

 

 マリーという魔女が、世界最強と言われるほどの力を持ち、『苗床』としてこの上なく優秀だったからこそ、これだけ短い期間で新しい命を生みだすことが可能なのだった。

 

 その事実に、牧場を運営している帝国の研究者達は驚き、戦慄した。魔法を封じられていても、これほどのものなのかと。

 しかし同時に、この上なく優秀な『苗床』がこうして手に入っている現状を喜んだ。この『苗床』は、きっと多くの優秀な『魔法兵士』や『軍用魔獣』を産み、帝国にさぞかし大きな実りをもたらしてくれるのだろうと。

 

 その最初の『実り』が、もう間もなく産まれようとしている。

 

 研究者達に加えて、エリザベートもそれを見物するために部屋を訪れていた。

 今日だけ特別に同行させてきた、2人のスペシャルゲストと共に。

 

「ま、マリー様……あんなお姿に……っ!」

 

「こんな……むごい、ことを……っ!」

 

「……っ!? い、イザベラ……アリシア……!?」

 

 ベッドの上で拘束されているマリーは……エリザベートが連れて来た、自分の部下2人の姿を目にして、愕然として目を見開いた。

 

 2人とも、自分と同じように全裸であり……重厚な革製の首輪(の、魔道具)によって魔法を封じられている。そして、その首輪からじゃらりと延びた鎖2本を、エリザベートが握っていた。

 あの鎖を引っ張って連れ回し、2人をここに連れてきたのだろう。自分と一緒に、マリーの出産の瞬間を見物するために。

 

 そして、イザベラとアリシアもまた、2人とも……妊娠していた。

 この1か月、彼女達も『種付け』を受けていたのだろう。しっかりと種がついて、彼女達の胎の中で順調に大きくなり始めているようだった。

 

 さすがに2人とも、マリーのように短期間で臨月級にまで育ったわけではない。

 少しお腹が出ていることがわかる……という程度の大きさだ。『臨月』にまで至るには、まだまだ時間がかかるだろう。

 

 それでも、マリーと同じように『種付け』され、『苗床』として使われてしまっていることがわかるその姿は……今まさに出産の瀬戸際にいるマリーから見ても、痛々しく、悔しい光景だった。

 同時に、こんな風になってしまった自分達を見られたくないと、イザベラとアリシアは、マリーの顔を直視できず、目を伏せさせた。

 

 ……しかし、運命のいたずらだろうか。

 正にその時……マリーの腹部に、内側から押し広げられるような痛みが走り始めた。妊娠期間の終了を告げる、妊婦として最後の試練となる痛みが。

 

「うっ、ぐぅ……っ……!?」

 

 目ざとくそれに気づいた研究者達は、すぐさま配置につく。

 マリーの両足を固定している足枷と鎖を引いて左右に開かせ、さらに上に引っ張り上げる。

 まるでおむつを替える時の赤ん坊のような姿勢にされ、正面から見てマリーの何もかもが丸見えになってしまった。

 

 マリーはその姿勢を恥ずかしく、屈辱的に感じるも、一秒ごとにひどくなる陣痛がすぐさまそれを塗り潰す。

 

 よくあるたとえ話として、出産の時に女性が感じる痛みは、『鼻からスイカを引っ張り出すよう』などと言われる。同じ痛みを男性が経験したら、耐えられずにショック死してしまう、とも。

 それは当然、魔女であっても例外ではないのだが……

 

「うぅっ……ぐぎ、ひぃんっ……あ、んいぃひぃぃっ……!」

 

 出産のために徐々に開いていくマリーの膣。腹の中で赤ん坊が動いて、外へ、外へ出て行こうとしている証拠だ。

 それに比例するように、マリーが上げる、激痛に耐える声も大きくなっていくのだが……その声にすら、聞き逃しようのない『艶』が乗っていることに、その場にいた全員が気付いていた。

 

 施設の職員達も、研究者や医務達も……見物しているエリザベートや、帝国軍の高官達も。そして、無理やり立ち会わされている、イザベラとアリシアも。

 この、産みの痛みにすら、マリーは快感を覚えてしまっている。出産という、女性にとって神聖な――それが『種付け』という名のレイプの末の、『苗床』の役目としてのものであれど――行為ですら、彼女という被虐性愛者(マゾヒスト)は、楽しんでしまうのだと。

 

 その証拠に、開いていっている膣口から……羊水以外のとろりとした液体が絶えず漏れ出してきていて……すぐ傍で見ていてそれに気づいた者達は、あまりにも欲望に正直な反応に呆れていた。

 ある者は笑い、ある者は呆れ、ある者は悔しさに目を伏せる。

 

「おいおい、これから出産だって言うのにぐちょぬれだぞ、この女」

 

「大丈夫かよ……赤ん坊が愛液で溺れちゃうんじゃないのか?」

 

「産湯より先に、母親の愛液まみれにされることになるなんて、可哀そうにな」

 

「うぅ……う、うるさい……んぐぅ、ふぅ……ううううっ! あがっ、で、出る、あぁぅっ! 出てくる……頭、もう……ぅあぁあああっ!?」

 

 もう言い返す余裕すらないないマリー。目を固く閉じ、歯を食いしばってその痛みに……あるいは快楽に耐える。

 

「呼吸を楽にしなさい。私と同じようにしろ。ひっひっ、ふー、ひっひっ、ふー」

 

「っ……く……ひっひっ、ふー……ひっひっ、ふー……」

 

 そばにいる医官に言われた通りの、特徴的なリズムの呼吸法を、言われるままに試すマリー。

 正直に言って、痛みがマシになった気は別にしなかったが、それを続ける間に……徐々に圧痛を覚える個所が、下の方に移っていくのを感じていた。

 

(生まれる……出てくる……! 赤ちゃんが、私の子供が……外に出てくる……っ!!)

 

 子宮の中で暴れていたそれが、子宮口をこじ開けて外に出て、膣の中、肉壁を押しのけ、肉ひだをかき分けてどんどん下へ、外へ進んでいく。

 絶対にそんな狭い道を通りそうにない異物が、中から外に出ていく感覚は、激痛の中でも妙に鮮明で、不思議さすらマリーは覚えていた。

 

 赤子は膣内を、ゆっくり、ゆっくりと進んでいく。

 さっさと通り過ぎてくれれば、その分苦痛も短く済むのだろうが、じれったさを覚えるくらいにゆっくりと、中々進めずにいるようだった。

 

 出産経験のないマリーには、これが普通のことなのかわからない。

 あるいは、さっき飛ばされた下品なヤジのように……自分という、痛みを快楽に帰る変態のせいで、愛液でぬれて滑る膣内を進むのに苦労しているのか……などとすら考えてしまう。

 

 それでも少しずつ、少しずつ、着実に進んでいく。膣内も半分を超え……開きかけの出口にまでついに手がかかった。

 

 そして最後に、十数分前まではぴったりと閉じていたはずの秘裂をこじ開けて……それは出てくる。

 膣口が、内側からありえない大きさに、真円状に押し広げられた瞬間……まさに『鼻からスイカ』の痛みに例えられる、思考が真っ白になるほどの、最大の苦痛にマリーは襲われる。

 

「ぐぅ、ぅうううぅ……あぁっ、あひあああぁあぁああっ!!」

 

 その瞬間……マリーは、絶頂した。

 己の中から生まれ出てくる赤ん坊に、生まれた瞬間に絶頂に連れていかれた。

 誕生と同時に、生れた赤ん坊の体に、吹いた潮を降り注がせた。

 

 こうして……マリーは無事に、赤ん坊を産み落とした。

 元気な産声を上げて男の子が生まれ、へその緒を切られて無事に取り上げられ……産湯につけられる。羊水と血、そして愛液と潮にまみれた体を、洗われる。

 

 己の中に確かにあったものがいなくなった、喪失感と解放感。それらを、絶頂の余韻の中に感じながら……荒い息を少しでも整えようとするマリー。

 どうにか首を動かして目をやると、施設の職員の手で、小さな赤ん坊が元気に泣いて暴れながら産湯に入れられていた。

 

(わ、私、の……産んだ……赤ちゃん……)

 

 しかし、産湯が済むと、赤ん坊は……仮にも母親であるマリーに一言の断りもなく、職員によって、そのままどこかに連れていかれてしまう。

 

(ま、待って……つ、連れて、いかないで……!)

 

 生まれたのは、種付けという名のレイプによって仕込まれた、望まれない赤ん坊である。名前も知らない『種馬兵』との間にできた、最初から兵士にする目的で作らされた子だ。

 日に日に重くなっていくお腹を抱えて、悔しさと屈辱に顔をゆがめ、何度も涙で枕を濡らした。

 

 愛おしいなどと、大切だなどと思えなかった。胎の中で大きくなるその子を、疎ましく思いさえもした。何度もだ。

 目の前にいるのは、その、この一ヶ月弱ほどの妊娠期間の間ずっと、自分の心と体を苦しめていた子供なのだ。

 

 そんなことはもちろんわかっていた。わかっていたが……それでも、母親としての本能なのか……マリーは、その子が連れていかれるという目の前の光景に、強い拒否感を抱いていた。

 手放してはいけないと、心のどこかで思っていたのかもしれない。

 

「あ、っ……」

 

 しかし、やめて、と一言言う気力すら残されていない上に、彼女は彼女で『検査に連れていけ』と、職員達がベッドごと運び出し始めてしまう。

 

 しかも、マリーももう、出産で心身ともに疲弊し、限界に達していた。

 今にも落ちそうな意識の中、必死に耐えて我が子を目で追って……

 

 しかし結局、数秒としないうちに、生れたばかりの我が子は……抱くことはもちろん、まともに顔を見ることもできなかった子は、鋼鉄製の扉の向こうに消えて、見えなくなった。

 それと同時に……マリーは力尽きて、意識を失った。

 

 

 

 マリーとその子が再び会う機会は、二度と訪れなかった。

 

 

 

 ☆☆☆

 

 

 

 それから、数日後。

 

「先日、『牧場』にて『黒の女王』マリーローズが出産した魔法兵士素体ですが、検査結果が出ましたので報告いたします。遺伝子検査及び細胞含有魔力量検査等、新生児の時点で可能な全ての検査を行いましたが……総合的に見て、文句なしに最上級の素質かと」

 

「ほう……さすがは世界最強の魔女の子供、ということか。これは数年後、大きな戦力になるであろうことが期待できるな」

 

 場所は、『牧場』……ではなく、帝都中心部にある宮殿。

 その最奥、玉座の間。

 

 研究機関の長から、マリーが生んだ子供についての報告を受けているのは……その部屋の中心に据えられた、玉座に腰かけている男だった。

 

 背が高く、筋骨隆々の鍛え上げられた体駆を持ち、飾り立てられた豪奢な服に身を包み、厚手のマントを羽織っている。

 角刈りのように短く刈り上げた金髪に、髭を生やした堀りの深い強面の顔の偉丈夫。年の頃は、見た目だけなら40代前半といったところだろうか。

 

 軍を率いる将軍かと思ってしまいそうな力強いたたずまいだが、この部屋で玉座に座っているという事実を見れば、そうではないとわかるだろう。それが許されるのは、1人しかいない。

 

「出産後の『苗床』の方の様子はどうなのだ?」

 

「全く問題なく。既に完全に回復しております。というより、出産直後から持ち前の再生力で肉体を回復させ、その日の夜には、疲労を除けば、ほぼ妊娠前の健康な状態にまでなっていました」

 

「そちらも相変わらずの規格外か。なら、すぐにまた『苗床』として種を仕込めるわけだな?」

 

「はい。着床後はわずか1ヶ月弱で出産可能、さらにそこから即座に回復して再度種付け可能となりますので……あらゆる意味で過去最高の性能を誇る『苗床』でございます。今後数年、十数年のうちに、未来の帝国を必ずや世界を征する国に押し上げる戦力を産み揃えてくれるでしょう」

 

「素晴らしい……余の期待を超える成果である。誉めて遣わすぞ、研究所長」

 

「ははっ、もったいないお言葉でございます……皇帝陛下」

 

 帝国皇帝……レガリア・クロンクリフト・カリギュライアード。

 世界征服を標榜し、他国全てを滅ぼして取り込むという国是を掲げ、一切の躊躇なく覇道を歩む男は、自らの野望のための大きな力となるであろうとの報告に、満足げに笑みを深める。

 

「生まれた子供は、直ちに魔法および魔法薬による強化措置を行います。肉体が外科手術に耐えられるまでに成長したら、強化改造のための手術を行い、さらに肉体を強化します。成長促進の魔法薬も投与しまして……他の兵士と同様に進めば、早ければ5年で戦場に投入可能になりましょう」

 

「さすがにそちらは時間がかかるか。まあ、仕方あるまい。それで、『苗床』は?」

 

「念のため昨日から検査を行っておりますが、問題は見つかっておりません。明日の朝から、また『種付け』を再開する予定です。上手くすれば、月に1体のペースで強大な『魔法兵士』を量産していけるでしょう……どうぞ吉報をお待ちください」

 

「うむ、期待しておるぞ」

 

 そう言って、皇帝は玉座から立ち上がる。謁見は終わりのようだ。

 

 君主が玉座の間を後にするのを、平伏しつつ横目で見届けてから、研究所長は立ち上がると、ふぅ、と息をついた。

 

(やれやれ……いつもながら、陛下の覇気はこの老骨にはきついものがあるな)

 

 玉座に座る皇帝は、別にその老研究員を威圧していたわけではない。

 ただ単に、そのたたずまいから漏れ出る、まさしく『覇気』と呼べる存在感や威圧感そのものが、この大国を統べる者にふさわしいものである、というだけだった。

 人を、組織を、国を引っ張っていく者としてはこれ以上なく頼もしい素質ではあるが、文字通り骨身にしみてその力強さ、恐ろしさを知っている者からすれば、彼の前に出る謁見は、何度やっても慣れることのない、緊張で体がこわばる舞台だった。

 

 へまをしたり、聞きたくもない報告を耳に入れたりしなければ、別に理不尽に粛清されるというようなこともないが……そうわかっていてもだ。

 

(……とても、齢79になる……私よりも年上の老人とは思えんな)

 

 皇帝・レガリアは、若干27歳の時に即位し、そこから実に半世紀以上もの間、皇位についている。

 老人とは思えない、ありえないほど若々しいく活力に満ち溢れたその肉体には……当然ながら、種も仕掛けもあった。

 

(皇帝直属の研究者達のみが製造・研究を行っているという、若返りの秘薬……魔女の命を削って作りだされているという噂だが……いや、考えるな。それを知ろうとすれば、間違いなくこの首が飛ぶことになろう……滅多な考えなど起こすものではない)

 

 ぶるりと身をわずかに振るわせつつ、研究所長は立ち上がり、玉座の間を後にする。

 歩きながら……この先のことを考える。

 

(もっとも……それが事実なら、近い将来、こちらにも何らかの形で話が来ることだろう……何せ、『素材』として使うには極上の魔女が今、『牧場』にはいるのだからな……)

 

 

 

 

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