歪んだ心を溶かす者 作:原作が勝手に言ってただけ
「で?あなたはどんな女性遍歴を歩んできたのかしら?」
暖かな日差しが射す昼前、少し遅めの朝食を彼に作らせてから改めて問い詰める。
「い、いやあ……別に普通だと思うけど……?」
正直なところ、視線を右に左にと動かしながら弁解する彼を見れただけでもう満足はしているのだが、昨晩は結局攻められっぱなしだったためその意趣返しも込めて、もう少し深掘りをすることにした。
「普通ねぇ?私は誰かに髪を洗ってもらうのなんてそれこそ幼少ぶりだったのだけど?」
「……」
私の言葉を彼は黙って聞いている。
だが、その顔はどことなく緩んでいるようにも見えた。
「あなた、にやけてない?今の話におかしいところがあったかしら?」
どういう訳かにやけている彼に少し腹が立ったため、向かい合って座るテーブルの下で彼の足を探し、少し強めに踏んでやる。
「ぅ……にやけてなんか……」
「嘘ね、何がおかしかったのかしら?」
彼の足にかける力を増やす。
「ぅっ……その……幼少ぶりってことは……ほぼ俺が初めてってことでいいのかなって思ったら……ちょっとうれしくなってしまいまして……」
「………………そう」
足を踏まれているというのに、頬が緩みきりそんなことを宣う彼にすっかり私も毒気を抜かれてしまった。
向こうでも操を立てるとか初めてを捧げるみたいな言葉があったけど、男ってのはみんなそういうものが好きなのかしら?
「じゃあ、話はこれくらいにして朝食を食べよう。せっかく作ったから、ね?」
「ええ、そうね」
やけに話を逸らそうとする彼に私が同意すると露骨にホッとしたような顔をする彼。
もう見逃してあげてもいいかと思ったけど……。
「話は食べながらでも聞けるものね」
「……はい」
◇◇◇
しおらしい彼が珍しくて思い付きでマッサージを頼んでみたら、あっさりとしてくれることになった。
午前中から横になってマッサージなんて少し前までは考えられなかっただろう。
それもこれだけ心を許せる人が傍にいるなんて、ここでの生活を考えれば最上に幸せなことだ。
……この、妙に手慣れた手つきがなければ。
「マッサージの腕も、色々な女の子たちで磨いてきたのかしら?」
彼の女性遍歴はふたを開けてみれば、別におかしなところはなかった。
交際経験も大くも少なくもないごく一般的な数字。
だからこそ、その手際の良さでそこそこ深い時間を過ごしてきたことが察せてしまう。
それに、少しだけ妬いていた。
「もう勘弁してくれって……」
「………………。ふふ、分かったわよ。その代わり過去の誰よりも気持ちを込めてマッサージしなさい?」
「ははっ、かしこまりました」
それからはまるでガラス細工に触れるがごとく、あまりに柔らかい手付きでフェザータッチをしてきたかと思えば、普段酷使する足の裏などはツボをしっかりと突くよう、男らしい力強さで丁寧にマッサージをしてくれる。
「あなた、本当にうまいのね。こっちの世界でも整体とか需要あるだろうし、やってみたら?」
「ヒナタ専用でいいよ」
茶化すつもりだったのに……どうやら私はこういう時に真面目な返しをされるのに弱いようだ。
彼にとっては当たり前のように吐き出された言葉なのかもしれないが、そんな言葉で私の真ん中はキュンと熱を持った。
「……そう」
照れ隠しに言葉が短くなる。
「あれ?照れた?」
「……うるさいわね。そういうことを言わないのが、いい男なんじゃないのかしら?」
「じゃあ、別にいい男じゃなくてもいいかな。ヒナタにいい顔をする男は大勢いるだろうけど、悪い顔を見せて処されないのは俺だけだし」
「あまり調子に乗っているとあなたでも……」
「あなたでも、なに?」
彼はいつの間にか男の顔を覗かせてきた。
マッサージの手も少しずつきわどい部分に近づいてくる。
「……んっ」
思わず声が漏れてしまい、咄嗟に口を押えた。
「リラックスしなきゃ、身体が強張ってるよ」
私の手を追うように背筋をなぞりながら彼が耳元でささやく。
こんな状況ではどんな女でも落ち着けないのではないだろうか。
落ち着こうと深く息を吸うと、嗅ぎ慣れないアロマキャンドルのほのかな香りが鼻腔を突く。
「……あなた、この香り!」
「ああ、最近人気だって聞いて買っておいた」
「それは……演技?それとも素?」
「さて?なんのことやら」
確信犯だ。
だが、今気が付いてももう遅い。
完全にその気にさせられているのだから。
そして満を持したとでも言うように、彼の手がわずかに膨らみじっとりと熱を持った蕾に触れた。
「ぁんっ♡――っ」
ここまで当たらずとも遠からずな辺りを入念にマッサージされて、だいぶ焦らされていたせいか軽く触れられただけで嬌声が漏れた。
「今のは、アロマのせいかな?」
嗜虐的な彼の声がやけに響く。
「んぅっ♡んんっ♡」
薄い布一枚を挟んだ刺激でこの反応。
これで、今――
「あ゛ぁっんっ♡」
その瞬間は何が起きたか分からなかった。
しかし、体はそれをすぐに理解する。
今までにない快感が全身を貫き、頭から足の先までびりびりと伝わる。
「タイミングばっちりだった?」
「んっ……いいっ♡」
私が欲しいと思った瞬間を完璧に捉えている。
「あぁっ♡あっ♡んんぅっ♡」
アロマのせいか、念入りに焦らされていたせいか、それとも感情的なものか。
今の私にはそれを考えるだけの思考力は残されていなかった。
うつぶせの私に彼の体重がかけられていつもとは違うあたり方をする。
「ほら、腰上げない。気持ちいいの逃がしちゃダメだって」
「あ゛あ゛ぁっ♡」
防衛本能からか、これ以上はダメだと思って浮かせた腰もそれ以上の力で容赦なく押し戻される。
「そろそろっ……俺も、限界っ」
「いいっ♡いいわっ♡来てっ♡」
私の中で暴れるように脈動し膨らんだそれから激しく精が放たれる。
「はぁっはぁっ♡んっ♡」
それが引き抜かれると、途端に物足りなさを覚える。
私は本能に身をまかせ、ずらされたせいで違和感しかない下着を脱いだ。
「まだ……来てっ♡」
体勢を変え彼と向き合うとはしたなく足を広げてそう言った。
仲直りというよりかは有耶無耶セッの回。
めっちゃ迷走してました。
〇ェ〇シチュ書きたいんですが、小説で擬音・効果音をやるとなぜか萎えてしまう……。
あと女性視点難しいです!