ニュータウンにいつもの朝がやって来た。晴樹と淑乃は大学へと歩いている。
「ねえ、晴樹」
淑乃が涼しい笑顔で晴樹の方を向いた。
「何だい、淑乃?」
「今日の晩御飯は何がいいかしら?」
「え・・・?」
「何よ、そんな鳩が豆鉄砲を食ったような顔をして?」
「いや、淑乃からそんな台詞を聞いた事無かったから、びっくりしちゃって・・・」
「だって、貴方には世話になりっぱなしだもの、ご飯ぐらい作ってあげないと」
「ああ、それはありがとう。いつも感謝してるよ。じゃあ、晩御飯はカレーでいいかな?」
晴樹がご飯をリクエストすると淑乃は優しく微笑んだ。
「うふふ、カレーね。とびっきり美味しく作ってあげるわね」
「わあ、カレーか、俺楽しみだな!」
淑乃がカレーを作ってくれる事になってユキアグモンは喜んだ。
「淑乃の作る手料理美味しいもんな。毎日食べれて、俺、嬉しいぜ!」
「ユキアグモン、喜んでくれてありがとう」
淑乃がユキアグモンの頭を撫でた。
「流石は主、元主の健康管理は欠かせませんね。まあ、あれだけ熱い夜を過ごしているのですから絆も深まっているでしょうね」
「ピコデビモン、熱い夜って何だ?」
ピコデビモンがクスクス笑うとユキアグモンが聞いて来た。
「それは決まっているでしょう。まさに昨夜はお楽しみという、あだ!!!」
淑乃がピコデビモンにげんこつをした。
「余計な事を言わなくていいの」
「わ、私は本当の事を・・・主は手厳しいですね・・・」
賑やかなやり取りに晴樹は微笑んで見ていた。
「わーい、こっちこっち!」
街を歩いてると、カボチャ頭のデジモン、パンプモンが走って来た。
「あれ、このデジモンは?」
「パンプモン、待ってよー!」
そこへ一人の少女がパンプモンを追いかけてきた。
「のぞみ、こっちだよ!」
「見つけた、あれ、晴樹さん?」
少女は晴樹に気付いて声をかけた。
「ああ、のぞみちゃんか」
「晴樹、この子と知り合いなの?」
「ああ、玉田先輩の妹さんでね。たまに見かける事があるんだ」
「そうなの」
「晴樹さん、そちらの女の人は?」
のぞみが淑乃に気付いて晴樹に聞いた。
「彼女は淑乃、俺と一緒に暮らしてるんだ」
「初めまして、藤枝淑乃よ」
「もしかして、晴樹さんの彼女さん?」
「え、か、彼女・・・?」
のぞみに彼女と言われて淑乃は頬を赤くして目を丸くして驚いていた。
「晴樹さんにも彼女さんが出来たんだ!」
「え、え、そんな、彼女だなんて・・・それは、一緒に暮らしてるけど・・・」
彼女と言われて淑乃は照れくさそうにしていた。
「主、何を照れているのですか?いつも元主と熱い交わりをしているのにあで!!!」
ピコデビモンに淑乃がまたげんこつをした。
「子供の前で余計な事を言わないの」
「我が主は手厳しい・・・」
「ねえねえ、交わりって何?」
「ああ、のぞみちゃんはまだ知らなくていいんだよ」
晴樹がのぞみにまだ知らなくていいと言った。
「晴樹さん、デジモンの事件を解決しているんでしょ?」
「ああ、そうだよ」
「あたしも大きくなったら、パンプモンと一緒に事件を解決するの!」
「それは心強いね。でも、今はパンプモンと楽しく過ごしていればいいから」
晴樹は優しく微笑んでのぞみの頭を撫でた。
「あれ?」
「どうしたの、晴樹?」
「スマホが鳴ってる、玉田先輩かな?」
スマホが鳴っている事に気付いてポケットから取り出した。
「これは、ニュータウンデジモンホットラインだ」
「ホットライン?」
「ああ、デジモンが事件を起こした時に電話をするんだ。誰かな?」
晴樹が電話を取った。
「もしもし、ニュータウンデジモンホットラインです」
『あの、デジモンのギルドの方達ですか?』
「はい、そうですけど・・・」
『実は、お願いがありまして、山に来てくれますか?』
「山に?」
「晴樹、何か起きそうね?」
「ああ、行って見よう。じゃあね、のぞみちゃん」
「うん、晴樹さん、淑乃さん、頑張ってね!」
のぞみと別れて晴樹と淑乃は電話の主の相手の下に向かっていった。