穏やかなお昼、ニュータウンの公園で晴樹達は休んでいた。
「晴樹、あ~~ん」
淑乃が作ったお弁当を晴樹に食べさせていた。作った玉子焼きを晴樹に食べさせようとしている。
「あ~~ん」
晴樹は淑乃の作った料理を食べて味わった。
「どうかしら?」
「淑乃のご飯、今日も美味しいね」
「それは良かったわ。晴樹の為に毎日作ってあげるわね」
「ありがとう、淑乃」
「淑乃、俺達のご飯は?」
「折角ですから、私も頂きましょうか?」
ユキアグモンとピコデビモンもお腹が空いたのか駆け寄って来た。
「慌てないの、貴方達の分もあるわ」
淑乃はユキアグモン達を宥めて作った料理を箸で差し出した。
「お、美味そうな唐揚げ、頂きます!」
ユキアグモンが体気を食べて、ピコデビモンがほうれん草を味わった。
「お熱いねえ、お二人さん」
そこへ、海賊風の衣装を纏ったデジモンが現れた。
「君は、デジモン?」
「私達に何か用かしら?」
「いや、邪魔する気はないぜ。お前さん達、ギルドだろう?」
「まあ、ギルドをやってるけど?」
海賊風のデジモンにギルドをやってるかと聞かれて晴樹はその通りだと頷いた。
「そうだろう、おいらの目に狂いは無かったぜ。おいらはフックモン、白鯨を求めて海を旅するさすらいのデジモン、だったが・・・」
「どうしたの?」
「今は、この世界で真面目に働く事を考えているのさ」
「そうなんだ」
「で、私達に働ける場所を紹介してほしいとか言うの?」
淑乃が言うとフックモンは頷いた。
「そうさ、ギルドのあんた達なら、いい場所を知ってるんじゃないかと思ってな」
「それなら、私達じゃなくても普通に求人で探せばいいじゃない」
「それはしてる、してるんだが・・・」
「お~~い、兄貴~~~!」
そこへ民族風のトカゲのデジモンがやって来た。
「彼は?」
「こいつはディノヒューモン、おいらの弟分さ。ディノヒューモン、いい求人は見つかったか?」
フックモンが弟分にいい求人は見つかったかを聞いた。
「ダメだよ、兄貴。どの求人もデジモン不可って書いてあるよ」
「そうか、くう~~~、この世界じゃ俺達デジモンを雇ってくれないのか、世知辛い世の中だぜ」
「ああ、それは大変だね・・・」
デジモンとの共存が始まったとはいえ、まだまだデジモンを警戒する人間は多かった。それは求人でも反映されていた。今の世の中はデジモンにとって生きにくい世界だった。
「けど、こんな事でおいら達はくじけないのさ。どこかできっとおいら達を雇ってくれるはずさ。だからこうして諦めずに仕事を探しているのさ」
「それは立派だね」
「そうね、前向きと言うか、あら?」
淑乃がスマホが鳴っている事に気付いた。
「どうしたんだい、淑乃?」
「晴樹、高エネルギー反応が出てるわ」
「まさか、どこかでデジモンが?」
「お、何だ、事件の匂いか?」
事件の予感がしてフックモンはやる気になっていた。
「いえ、デジモンではない強力なエネルギーだわ。これは一体・・・」
淑乃が考えていると、周囲に結晶が下りて来た。それはデジモンの形になって晴樹達に襲い掛かった。
「うわ、何だ?」
「何なんだこいつら?」
晴樹達は攻撃をかわして戦闘態勢に入った。
「これは、スパイラル?」
晴樹は突然、現れた結晶体がスパイラルではと推測した。
「スパイラル?」
「淑乃、慧斗先輩達が倒したデジモンの不純物から作られる存在だよ。おかしいな、スパイラルは消滅したはずなのに、何故・・・」
「晴樹、考えていても仕方ないわ。私達で食い止めましょう」
「そうだね、行こう、淑乃」
「よし、おいら達も手伝うぜ」
フックモン達も晴樹達の戦いに協力すると言った。
「君達も手伝ってくれるの?」
「ああ、旅は道連れって言うだろ。おいら達も力を貸すぜ」
「ありがとう」
「そこまで言うなら協力させてもらうわよ」
「さあ、行こうぜ、晴樹、淑乃!」
ユキアグモンとピコデビモンはヒョーガモンとアイスデビモンに進化して、スパイラルに向かっていった。