※この作品はR-18です。

棘(とげ)   作:霜月朔日

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30代独身女 気が強く言葉の厳しい女を調教する


千夏(34歳)

「千夏という名前の女だった。三十代も半ばなのにまだ独身だった。気が強くてものをはっきり言うタイプだったから、彼女のことを苦手に感じる人が周囲には多かったかも知れない。方言を隠そうともせず、この地域独特のきつい言い回しで普段から話していた。小柄でややぽっちゃりして、茶色の髪が肩口にまでかかっていた。容姿は並みより下だったと思う。丸顔で昔話に出てくる狸を思わせた。それでも化粧だけは濃くてね。厚ぼったい唇に塗った赤とかオレンジとかの口紅が印象的だった。胸だけは大きくていつも着ている白衣が胸からウェストにかけてパンと張っていてちょっと見には白衣が歩いているように見えた。

 

「それまでに男性経験は一人だけあったそうだ。それもずいぶんと若いころに一人だけ。周囲から距離を置かれるタイプだけにずいぶん長い間男のいない生活を送ってきたんだろう。これまで同僚の男性や若い男子生徒を思い浮かべては自慰をしてきたんだろうな。年齢から考えると女友達の旦那を思い浮かべて自慰をしたのかも。性的な欲求を満たしたいと思うことがあっても身近にパートナーは存在せず探そうとしても疾うに適齢の時期は過ぎていたから。

 

「千夏と同じ職場で仕事をしていたのは三年ほど前までのことだ。それから違う部署に転勤になって、なんとなく思い出して、どうかなと思いながらメールを送った。彼女に連絡したのは年齢的にも状況的にも手軽だったからだ。簡単だろうと思った。もともと親しかったわけでもなく、転勤の後は話をすることもなかった。単なる顔見知り程度だった。すぐに返事が来た。近況だとかなんとかを交わして、一度ご飯でもどうかと誘うとすぐに承諾した。男から誘われることがあまりなくて誘われたのが嬉しかったのかも知れない。何をするのかわかっていただろうに。その日まで再会に期待していろいろ妄想を重ねたんだろう。その日はファミリーレストランで軽く食事してすぐにホテルに行った。彼女はなにも言わずに着いてきた。ぴったりしたジーンズを履いていたけれど、上半身はずいぶんと露出の多い服装だった。期待して来たんだろうと思いすぐに行為に移った。部屋に入るとソファにもたれて長いキスをした。軽い口臭が気になった。舌と舌をからませて濃厚にキスを交わしながら反応を見ていた。最初は硬かったが耳に舌を這わせてやると息が荒くなった。

 

「彼女はいきなり体を起こして、生理中だから、と言ってきた。それで上半身だけ自分で全裸になった。豊満な乳房と小さな乳首が目に入った。悪くなかったけれど下半身はジーンズを履いたままだった。冗談じゃないと思ったが本当に冗談じゃないようだった。生理中ならゴムをつけずに生で挿入して中出しができるから構わずに進めようかとも思ったが血が着くことを想像して止めにした。生理の血でペニスが血まみれにされるのはグロテスクであまり気持ちのいいものじゃない。

 

「代わりにフェラチオをさせようと思った。おれは服を全部抜いてベッドで仰向けになり彼女の口技を待った。彼女は上になってキスを繰り返し、それから首、胸の順に唇と舌を這わせた。乳房をおれの胸のあたりにこすりつけてきた。はっきり言って下手だった。時間をかけるだけでおれは少しも気持ちよくならなかった。指がいつまで経ってもペニスに到達しない。じらしているのとは別のためらいをそこに感じた。後から聞くとそれまでフェラチオはあまりしたことがなかったそうだ。たぶんそれまで一度もしたことがなかったのだろう。前の男は要求してこなかったし、自分から進んでしたこともなかったそうだ。若いころに風呂のないアパートに住んでいた頃の男性経験しかないんじゃないかと思った。

 

「ペニスを口にふくませると歯が当たった。歯を当てるなんてこの頃の女では珍しいことだ。目をつむってペニスを頬張っていたので上目遣いにおれの顔を見るように言った。どうしてかと聞いてきた。その方が興奮するからと答えると納得した様子だった。面倒くさかった。舌先を亀頭にちろちろといつまでも這わせるだけで顔を前後に動かす動きがなかった。不満に思って口をすぼめさせてそれで頭を押さえて腰を大きく前後に動かした。美人でない女のフェラチオは気持ちがいい。おれのペニスをくわえこんで顔がゆがんでいた。しばらくグラインドを続けると少し気持ちよくなった。

 

「片方の乳首は陥没していて乳房の内側で硬くなるだけだった。指で刺激しながら口ではさんで外にひき出してやった。垢の味がした。彼女の乳房にローションを垂らし乳房でペニスを挟ませた。乳房でペニスを愛撫するのは初めて体験する性技だったようだ。これまでにこんなことをしたことがない、と彼女は言った。もっともそれは普通の女がする行為ではない。ヘルスとかソープといった風俗とかそんな女のすることだ。彼女は両の手で乳房を抱えておれのペニスを挟み、上半身を揺らして一心に奉仕した。悪くなかった。それで気持ちいいと言ってやった。誉められて嬉しかったようだ。一心に乳房をゆらした。単純な頭だな、と思った。これでこの女もしばらくは自分のいいようになると思った。

 

「いつまで経っても昂まってこないので、最後は手で射精させることにした。おれが立ち彼女は座ったまま彼女の目の前の高さにあるおれのペニスに手で触れた。言われた通りにペニスを握りゆっくりと根元から先まで上下に手を動かした。ローションにまみれた指がすべる感覚は悪くなかった。単調な刺激でも同じリズムで継続されると次第に昂まってきた。射精をぎりぎりまで我慢した。いよいよ我慢しきれなくなると彼女に向けて一気に射精した。力を入れてぜんぶ出した。白濁した精液があたりに飛び散って彼女を汚した。精液にまみれた彼女の顔を見た。裸になった上半身やジーンズにも精液が飛んでいた。もう一度会う約束をしてその日は別れた。わかりやすく言うと次回は膣にペニスを挿入して本番のセックスをするということだ。

 

「それからしばらくの間は彼女には連絡しなかった。こんな女を扱うには待たせるのがちょうどいい。元気ですか、といった短い内容のメールが幾度か彼女から来たが形だけの返信をした。何年振りかの久しぶりのセックスで胸を高ぶらせているのがわかった。おれとの行為を思い出して自慰をしているのだろうと思った。次に会う日を決めたのは三週間ほど経ってからだった。

 

「その日はショッピングセンターの駐車場で待ち合わせた。彼女は車に乗るとすぐに首に抱きついてきた。会いたかったといいながら唇を寄せてきた。彼女の手がおれのからだのあちこちを撫でまわした。不快だった。彼女は前回より肌の露出の多い服装だった。期待感が服装に現れていた。ホテルの部屋に入るとまた抱きついてきた。ソファに並んで座り長い間キスを交わした。うんざりするほど唾液が交じり合った。

 

「行為の前に二人で風呂に入った。前の時に乳首やからだの一部に垢のような味がしたことが気になった。この女のからだつきを見ておきたいとも思った。男と一緒にお風呂に入るのは初めてだと彼女は言った。浴槽に浸かっていると、後からおずおすと彼女が体を隠しながら入ってきた。肉はついているが、三十歳を過ぎているにしては悪くないからだだった。肌にはまだ張りがあった。どこにも日焼け跡のない真っ白な肌だった。シャワーを浴びる彼女の体をじっくりと観察した。年齢相応によかった。浴槽の中で彼女の背後に周り、後ろからからだをあちこち愛撫した。乳房をゆっくりと揉みしだいていると陥没した乳首が硬くなって自然に外に出てきた。自慰をするときに自分で乳首を刺激するようになったのだろうと思った。乳首が勃起することに慣れてきたようだった。脚の間に手を伸ばすとぬるぬるした液体が股間を濡らしているのが浴槽の中でもわかった。這わせていた指を膣の中に入れてやると彼女は歓喜の声を上げた。ずっと待ち続けていたのだろう。そのまま指を出し入れしてやると歓喜の声は喘ぎ声に代わった。二本の指を膣に出し入れしながら親指でクリトリスの刺激を加えてやった。喘ぎ声が大きくなったので浴槽の中で絶頂を迎えさせてやった。彼女は浴槽の中で体を硬直させて声を出しながら絶頂に達した。

 

「ベッドでは長い時間をかけて愛撫した。耳、首筋、胸とだんだん下に下がってくると彼女のあげる歓喜の声が大きくなった。一度絶頂に達したので気が楽になったのだろう。これほど声を出す女はあまり見たことがないほどだった。安普請のアパート住まいならば周囲の耳が気になるほどの声だ。ああとか、いいとか単純な言葉ばかりだった。喘ぎ声は激しくからだの反応も大きかった。クンニリングスに長い時間をかけた後、ゴムをつけて正常位で挿入した。膣の入り口で浅く入れたり出たりして時間をかけてじらした。その分奥まで一息に貫き通した時の声は大きかった。体を裏返して騎乗位で上に乗せ、最後はバックから激しく責めた。真っ白な尻の肉が揺れ、打ちつけるように腰を振るとパンパンとしめった音が響いた。射精までにたっぷり三十分ほどの時間をかけて責めてやった。彼女は歓喜の声を上げ続け終わった時にはぐったりと力を失った。すぐには動けないくらいだった。

 

「おれとの行為は彼女をいたく満足させたらしい。おれにしてもまんざらではなかった。白い肌、大きな乳房、ふくよかな尻が魅力だった。喘ぎ声の大げささを除けば気に入らないところはあまりなかった。彼女とは5回ほどセックスした後で関係を辞めた。理由はよく覚えていない。彼女のセックスの反応の単調さや話すことの考えの浅さに飽きてしまったのか。他のことで責任が増え忙しさを増してきた頃だったからか。いずれにしてもよく覚えていない程度の理由だったのだろうし、その程度の理由で絶ってしまえる関係だったのだろう。

 

「関係のあった時期から十数年経って彼女と偶然に会った。年齢が大台に届きそうな彼女は髪に白髪がちらほら混じり以前のような濃い化粧もなかった。前よりは幾分太り気味になっていた。独身のままであれ以来はセックスもしていなさそうだった。気が強く言葉が厳しく周囲から距離を置かれている寂しい女にセックスの機会をもたらし、絶頂を感じさせてやったことに感謝する気持ちはなさそうだった。けれどもう一度おれとセックスできるのではないかと淡い期待を持たせてやろうかと思った。白髪交じりの女におれのペニスをしゃぶらせてやるのもわるくないと思った。

 

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