※この作品はR-18です。

棘(とげ)   作:霜月朔日

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裕子(主婦)

女は隣の家の嫁だった。齢はおれより十歳くらい上だと思う。おれがまだ十代の頃に、隣の家の息子が結婚したからってことで紹介されたことがある。隣の家の息子はおれより一回りほど年上だった。地域の祭礼があってその後の宴の席だった。紹介されて恥ずかしそうにしながらその席に来た女は二十代だった。細身で小柄で、控えめそうで。あんまり健康的な感じはしなかったな。色が白いというか、肌の下に血管が青く見えそうな感じ。髪も細くて、色が薄かった。全体的に色素が薄いという感じだった。顔立ちは男に好かれそうな感じだったよ。その場に居合わせた者はみな好奇の目で見ていたよ。もちろん性的な好奇だ。ああ、隣のあの男はこの女とヤッてるのか、とおれもそれしか思わなかった。それが始めてその女を見た時だった。

 

 何年かして子どもが生まれて。子どもが小学校の低学年くらいだったから、女が三十代半ばくらいの時だと思う。女の入浴する姿を見た。夏で、海水浴から帰って子どもと一緒にシャワーを浴びていた。子どもの体についた砂をシャワーで洗い流すのに気をつられて、うっかりと窓を閉め忘れたらしい。日焼けで少し赤味を帯びた肌と、水着でおおわれていた白い肌がぱっと見て目についた。肌のコントラストがやけにくっきりとしていて、水着を着ていた時に隠れていた部分がすべてあらわに見えた。女の濡れた髪と、白い肌と、黒い濃い陰毛と。青白いくらい白い肌と陰毛の黒の対称がリアルだった。乳房は大きくはなかったけれど、乳輪と乳首が小さめでいい感じだった。少しやわらかそうに肉のついた腰がいやらしい感じだった。なにせ色が白かったし、尻のカタチなんかは悪くなかった。

 別にスタイルが良いわけでもないし肌にハリがあるわけでもないけど、うつぶせに這わせて後ろから挿入してやったらいいだろうなと思った。旦那とは違ったペニスでひいひい言わせてみれば楽しそうだと思った。まだ三十代半ばくらいだったから、夫婦関係が一番、激しいころだよね。女の体としては、ちょうどいい年齢だよな。それから興味を持つようになった。

 

 それから何年かして、女が三十代後半になった頃だと思う。暑い夏の日が続いていたある日、隣の家のエアコンが故障したらしかった。それで隣の家では窓を開けて、外気を取り入れるために窓際で扇風機をまわしてた。夜になって、灯りがつくと家の中が網戸越しに丸見えだった。二階の和室がその夫婦の居間だった。その日おれは家に一人でいて、隣の窓が開け放しになっていることに気がついた。自分の家の灯りを全部消して留守を装って暗くして物音を立てないようにして、夫婦の様子を覗き見てみることにした。

 九時頃になって子どもが寝て、旦那が風呂に行ったようだった。女は居間で、テレビを観ながら洗濯物を畳んでいた。そんな様子を見ていた。暑いから、女はぶかっとした短パンに、白いティシャツで、髪もしばってアップにしていた。腕とか脚とか首元とか、白い肌が露出していたから、これでいいかと思って、この機会にこの女で抜いておこうかなと思った。気づかれることなく女の横顔を眺めながら自分のペニスに手を伸ばした。ちょっとした楽しみにするには悪くなかった。向こうに気づかれることなく、一方的に眺め見るというのはなかなかいいものだ。前に見た女の全裸の姿を思い出したり、目の前の女の肌を見たりしながら想像と現実を行き来して愉しんでいた。

 しばらくすると風呂から上がった旦那が二階に上がって来た。腰にバスタオルを巻いたままの姿だった。女と二言、三言話したかと思うと、いきなり腰のバスタオルを外した。ペニスを女の前に突きつけて見せつけるようにした。黒いペニスだった。勃起は半分くらいで先のほうにはまだ力がみなぎっていなかったけれど大きなペニスだった。亀頭の下の方はまだ皮に隠れたままだったけれど、亀頭は赤黒く大きかった。女は最初、驚いたような顔をして、次に顔を背けるような素振りをして、それから曖昧な笑いを浮かべていた。それからすぐに合点して、ペニスに手を伸ばすと手でしごき始めた。慣れた手つきだった。片手でしごきながら、空いた手を下から睾丸に伸ばして袋を撫でた。しばらくそうしていると旦那のペニスが力強く勃起してきた。膨張して硬さをましたそれは、おれがこれまで見たことのある中でもかなり大きい方だった。ペニスを握る女の白い手が、子どもの手のように小さく見えた。女は手を前後に動かしてペニスをしごく動きを止めなかった。

 やがて旦那が女の顔をペニスの方に引き寄せると、女は口を開いてごく自然に口に含んだ。旦那の要求に応じて女はフェラチオを始めたんだ。いつもこんなふうにやってるんだなと思った。明るい部屋で全裸で立つの旦那の勃起したペニスを、正座したままで女がフェラチオする女の姿。普通の夫婦が性的な行為に没頭する姿は刺激的だった。

 女はペニスを口に含んで顔を前後させたり、左右に振ったりして旦那を愉しませていた。舌をのばして亀頭のカリの裏を舐めまわしたり、竿裏の筋にそって這わせたり、睾丸に唇をつけたり、口に含んだり。女は慣れているのか、仕込まれているのか。手を休めることなく、蟻の戸渡りに中指を這わせたり、アナルの方に指を伸ばしたりもした。普通の主婦が、こんなテクニックでフェラチオをしているのかと思った。昼間、普通の顔をして、買い物したり、掃除したり、あいさつしたりしている人が、こんな顔で夢中になってペニスをしゃぶっていることのギャップに興奮した。

 旦那は立ったままの姿勢で、女のフェラ顔を眺めたり、目を閉じて上を見たり、深い息をもらしたりして満足そうだった。女のシャツの襟もとから手を入れて、乳房を触ろうとしたりしていた。女は自分でシャツをたくし上げて乳房を旦那に触らせようとした。白い肌と小さめの乳房を見ることができた。女の乳房に伸ばした旦那の指がもぞもぞと動くたびに、女は身をよじらせてみせた。旦那のペニスが大きいものだから、それをくわえる女の眉のあたりに皺がよっている、そのフェラ顔が良かった。目を閉じて旦那のペニスを含んだまま、顔を前後させる女の姿は刺激的だった。

 

 その後、旦那がリモコンに手を伸ばして部屋の灯りを消したので、暗くて見えなくなった。暗くなった窓越しに、衣擦れの音と、息づかいが聞こえた。ピチャピチャ舐める音とか、女の漏らす低い声とかがした。旦那が女の体に、挿入のための前戯をしていることがわかった。窓を開けてることもあって女は声を出さないように気をつけていたんだろうな。暗闇で音を聞いて、想像するのもいいもんだった。

 ごそごそする音がして、しばらくして女がうッと声を漏らすのと、旦那が息を吐く音が同時に聞こえた。前戯で女の膣が十分に潤って、旦那がペニスを挿入したんだなと思った。その後は、衣擦れの音が規則的に聞こえるだけで。女のあえぎ声は聞こえなかった。つまらないセックスをしてるなと思った。おれならもっと女を追い込んで、愉しませてやれるのにと残念だった。

 一度だけ、女が声をもらした。我慢しかねたのか、ああっという声を女が低く漏らした。その声を聴いただけでこっちはイキそうになった。それから肉と肉がぶつするパンパンという音がして、旦那の低いうめき声がしたから射精しただろうと思った。パンパンした音はフィニッシュ前の動きで、あれだけビチャビチャした音もしていたんだから、女もひどく濡らしていたんだろうとも想像した。旦那は溜まっていたのか、挿入から十分もかからなかったよ。えらく早い射精だなと思った。モノが立派なくせに早いと思った。俺ならもっと長い時間愉しませてやれるのにと思った。

 

 次の日、隣の家にエアコンの修理がやって来て、それから窓が開いて家の中が見えることはなくなってしまった。だけどいいものを見せてくれたと思った。そのことがあってからその女に対する興味が違ったふうに高まった。想像の世界で、隣の女を犯すようになった。家に押し入ってやろうかとか、後をつけてどこか人気のないところでヤッてやろうかとか。いろいろなカタチを考える。

 外で女の顔を見るたびに、あのフェラチオを思い出す。たまに外で顔を合わせた時に、あいさつくらいは交わすんだけどそれだけで終わる。フェラチオしてたよねとか、セックスしてたよなとか言いたくなる。あんなフェラチオをしていた女が普通の顔して生活していることが信じられない。ペニスの裏筋にまで舌を這わせていた女が普通の顔しているんだぜ。いつか、あの女に奉仕させて、生で挿入して白濁した精液を射精してやりたいと思うよ。うんそう思うな。方法ならいくらでもある。

 女とはこの前も家の近くの道で会ったよ。白いブラウスに黒っぽいパンツで、買い物帰りという感じだった。こんにちわ、と感じの良い挨拶を交わしたよ。けれど、頭のなかでおれは別のことを考えている。

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