スーパーロボット大戦OG淫呪伝~逆襲のテンザン~ 作:真田クロ:B=Lack
第1話『プロローグ:蘇る悪意』
新西暦189年、春。
昨年に起きた封印戦争という大規模な戦いが終わり、地球は芽吹きと共に復興のための季節を迎えていた。
またしても戦争終結の立役者となった『
この時、鋼龍戦隊主力2戦闘母艦のうち『ハガネ』に2名、重要な人員補充があった。
一人は『ギント・キタウミ大佐』。
前大統領暗殺事件の関係で降格となりハガネの艦長を降りたテツヤ・オノデラ少佐に代わり、ハガネの艦長となったベテラン軍人だ。こちらはベテランの名にたがわぬ優秀さと柔軟さ、そして厳格さを併せ持つ指揮官で、クルーやパイロットたちには問題なく受け入れられた。
そして、もう一人の補充要員の名は……
「はぁ……まさか、アイツが補充要員なんてなぁ……」
「またか、リュウセイ。いい加減、現実を受け入れろ。毎度毎度、ため息が鬱陶しいぞ」
「いや、だってよ、ライ。まさか、まさかだぜ……?」
「リュウの気持ち、少しわかるわ。私はともかく、マイも少し怯えているし……」
ハガネ内の食堂にて、SRXチームの中核である『リュウセイ・ダテ』、『ライディース・F・ブランシュタイン』、『アヤ・コバヤシ』の3人は、今回の補充要員について話し合っていた。
隊長の『ヴィレッタ・パディム』は渦中の補充要員に対し「調べたい事がある」と残し、現在別行動中。そしてもう一人の隊員、アヤの妹である『マイ・コバヤシ』はアヤの言う通り、補充要員との接触を恐れて食堂に来ていない。
「俺も、思う所が無いわけじゃない。だが、イスルギ重工トップ直々のご指名だ。上も断るわけにもいかんし、その理由もないのだろう」
「うぅん、事情は分かってるんだ……でもさ……やっぱり、まさか過ぎるぜ。あの『テンザン』が生きてて、しかもハガネの所属になるだなんて……!」
リュウセイの口から出てきたその名前は、彼とあまりに因縁深く、そして、多くの遺恨を残して死んだはずの男のモノであった。
現在のハガネ所属の戦闘部隊は『SRXチーム』と『特殊戦技教導隊』の基本シフトに加え、特殊な事情で『L&Eコーポレーション』の面々も参加している。
主な任務は『ガイアセイバーズ』と異星人『ゾヴォーク』タカ派の残党への対処。
そこに
そしてそのテストパイロットとして現れたのが、2年前のDC戦争でリュウセイに敗れ戦死し、しかもその死後も異星人『エアロゲイター』に利用され蘇り、再びリュウセイと戦い敗れ、二度死んだ男。
『テンザン・ナカジマ』であったのだ。
イスルギ重工社長、『ミツコ・イスルギ』女史直々の説明によると、『L5戦役』直後のエアロゲイターの拠点であった『ホワイトスター』合同調査時に生体用カプセルを発見。接収したそのカプセルに、テンザンは仮死状態で保存されていた、との事だった。
彼の卓越した操縦センスや異星人の情報を収集する為、秘密裏に蘇生処置が試みられており、丁度封印戦争終結と同時に彼は目覚める事となり、それからはイスルギ重工のラボで匿われ、リハビリと情報提供に徹していたという。
しかし彼ほどの腕を持つパイロットを腐らせておくのはもったいないと、エアロゲイター関連の事情を深く知る上、常に人手不足のハガネに白羽の矢が立った、と言うのがミツコの口から語られた経緯であった。
「エアロゲイターに改造されたと思ってた『ゲーザ』は、人造人間にクローン脳で、テンザンが思念で繋いで動かしてた、か。
それにしたって……二度も俺の手で殺した男が、また現れるなんて思いもしないよ。しかも……」
「あの、殊勝な態度、か。本人の言う通り、2回も死んで懲りたというのは、嘘ではないとは思うが……」
思い出されるのは一か月前、彼がこの『ハガネ』に配属になった日の事。仮面を被って現れたテンザンは、開口一番の謝罪と共に、リュウセイたちに頭を下げたのだ。
(仮面については、まだリハビリで完全に視力が戻っておらずその補助と、眼を刺激から守る為との説明だった)
「現に、あれから6度の出撃で、あの男は一度も例の『ゲーム感覚』という悪癖を出していない。
戦い方もしっかり俺達と連携を取り、コックピットブロックへの直撃を避けて無為に死者を出さないようにもしている。まぁ、口調だけは、相変わらず下品なままだったが……」
「それも、最初に謝ってたよな。コックピットに乗るとどうしても口汚くなっちゃうのだけは、治せなかったって。そういう奴ってたまに居るから、うん……俺の考え過ぎ、なのかなぁ……」
「いい子過ぎる、ってのが逆に怪しいのよねぇ~。念も……そりゃ念動能力者じゃないから弱いんだろうけど、何も感じないのがかえって不気味だし……
ともあれ、イスルギ絡みってだけできな臭いんだし、警戒するのは間違いないはずよ」
「ヴィレッタ隊長も気を付けろって言ってたし……なんにせよ、今は様子を見るしか出来ないって事、か」
会話を終え、ライとアヤは自室へと戻って行った。しかし、未だモヤモヤが晴れないリュウセイは、なんとなく食堂に残っていた。
『テンザン・ナカジマ』は自分と同じゲームがきっかけで軍にスカウトされた経緯があり、自分が間違った道に進んだらああなっていたかもしれない、と思える男だった。
彼との対決の後に戦った地球征服を狙う異星人や、世界の破滅をもたらす化け物たちとは、根本的に違う。自分の延長線だからこそ、未だに忘れられないトラウマでもあるのだ。
だが、リュウセイのモヤモヤは、その事だけに起因するモノではなかった。
蘇った彼が、今、ハガネで妙な立ち位置になりつつある……それが、もう一つの懸念点。
そしてその懸念点が食堂の扉を開けて、リュウセイの目の前に現れてしまう。
「ふふ、流石テンザンさん♪ この前の出撃でも凄かったし、私、もっと操縦のコツ教えて欲しいなぁ~♥」
「ホ! いいぜぇ、フィオナちゃん。つっても、フィオナちゃんも筋が良いし、俺なんてすぐ抜かれちゃうかもなぁ」
「まったぁ♥ あ、テンザンさんは座ってて、私が飲み物取って来るから~♪」
「おぅ、サンキュ~」
『フィオナ・グレーデン』。
『
双子の兄『ラウル』と共に『エクサランス・レスキュー』に乗り込むパイロットであり、前の戦争では特殊なエンジンを積んだ単座型の機体で大活躍をした女傑でもある。
まだ年若く、気の強さのわりに鋼龍戦隊の女性パイロットの大半に漏れず恋愛にはやや奥手。それでも同僚で仲間であり、ともに『エクサランス』を作り上げた幼馴染の『ラージ・モントーヤ』を異性として意識しているのは、(本人たち以外)誰の目にも明らかだった。
そんな凛とした、釣り目だがパッチリして美しい瞳から闊達さが良くわかる彼女が、今は渦中のテンザンの前で、デレッデレの……今まで見せた事のないような『女の子』らしい……いや、もっと悪く言えば『メス』らしい、男に媚びるような表情を見せているのだ。
細長い手足のスレンダーな美しい体型であり、胸部が豊満な女性の多い鋼龍戦隊関係者女性の中では、一際平坦な胸の持ち主……だったのだが。最近急な成長期が来たのか、今はちょっと見ただけでもそれなりの大きさなのが確認出来るほどのボリュームで、柔らかそうなその膨らみはスキンシップの度に、テンザンの腕へと押し当てられている。
「今のL&Eがイスルギ重工との提携で関わる機会が多いとは言え、あのフィオナが、あそこまでになるなんて……って感じですよねぇ」
L&Eのメンバーであるエクサランス開発の立役者、ピンク髪でくせっ毛のメカニック美少女である『ミズホ・サイキ』も食堂に入ってきて、気づけばリュウセイの隣に座っていた。
「あ、ミズホ……う~ん、こっちもまさか、だよなぁ……ハートの付いたチョーカーなんて着けちゃってるし」
「彼女、テンザンさんに勧められて、最近アクセサリーやネイルに凝ってるみたいなんですよ」
フィオナと同じくショートカットの美少女であるミズホだが、スレンダーなフィオナに対しこちらはより女性的な、豊満な身体付きをしている。フィオナも最近大きくなったとはいえ、こっちの胸部は圧巻のボリューム。サイズにして未だフィオナとは二回りは差があるだろう。
そんな彼女も、親友であるフィオナの変化に思う所がある様子だ。
「フィオナがああなった理由は、この前謎の黒い機体が襲撃してきた時、テンザンがフィオナを助け出したから……だよな、やっぱり」
「そうですね、イスルギと共同で作ってる新型の試験飛行中での襲撃で……テンザンさん、鮮やかに黒い機体を撃退して、フィオナを助けてましたし。フィオナもロマンチックな展開には勝てなかったか……あ、でも、思った以上にテンザンさん、凄い人だったんで……それに惚れたのもあるかも、ですね」
「凄いって言うと、やっぱり操縦の腕? 俺も、正直念動力なしじゃ……負けてる気もするけど……ぐぬぬぅ」
「それもですけど……」
(それもって……フォローはしてくれないんだ……)
研究畑で生きてきたミズホは、割とノンデリであった。ともあれ、彼女から語られる内容は、リュウセイの知らないテンザンの姿であり……
「機体開発に対するセンスとかも、かなり鋭いんですよ。エクサランスの特性もすぐに見抜いて、的確な改良のアドバイスとかもくれてますし。
色々あったらしいとは言え、イスルギ重工がイチオシするだけはあるんだなって。その上あの強さですし、フィオナが気になっちゃう事自体は、意外じゃないですね。ただ、あんなデレデレな面を見せるとは、思ってなかっただけで」
「お、おぅ……ミズホから見ても、そうなのか。あ、でも、その……イスルギと提携って、大丈夫なのか? やっぱり、時流エンジンが目当てなんじゃ……」
「あ、その辺は大丈夫です。時流エンジンは今や、私とラージにしか作れませんし、その情報は一切漏らしてません。ミツコ社長、エクサランスの換装システムを次期主力に採用したいって言ってくれてますし、フィオナとテンザンさんの機体もそれ用ですからね。
ふふふ、ついに私の研究が認められて……そう、そうよ、やっぱり汎用性と局地用装備のバランスは、換装型の方が…………ブツブツブツブツ」
「あ、う、うん、そうだな……」
ロボに関するうんちくは大好きなので、ミズホの話を聞くのは結構好きなリュウセイだったが、今日はなんだか憂鬱な気分が晴れないままだった。
その後、やっぱり基礎からやり直して腕は追いつこうと、シミュレーターに籠っていたリュウセイだったが、そこに慌てた様子の『アラド・バランガ』が現れた。
「あ、あの、リュウセイさん、ゼオラどこに行ったか知らないっスか?」
「え? いや、俺は見てないけど……なんかあった?」
「う~ん、いや、俺の気にしすぎかもしんないんスけど、昨日からなんか悩んでる様子だったんで……で、今日話でも聞こうかなって思ってたら、見当たらなくって」
『ゼオラ・シュバイツァー』は戦闘ではアラドのタッグパートナーであり、『スクール』という悲惨な境遇から生き残った仲間でもある。特に仲が良い彼女をアラドが心配するのは、当然の事だった。
ゼオラと言えば、童顔で子供っぽい雰囲気にも関わらず、スタイルだけは飛びっきりに良いトランジスタグラマー銀髪美少女なのだ。無自覚に、無防備にバインバインと揺らされる彼女の巨乳や巨尻の前に、思わず前かがみになってしまうハガネの男性クルーは未だ後を絶たない始末。
そんな彼女がテンザンと……となると、どうしても先程のフィオナの惨状(?)が、リュウセイの脳裏に浮かんでしまう。
そして通りがかりに二人の話を聞いていたフィオナの兄『ラウル・グレーデン』が、丁度良いタイミングの情報をもたらしてくれた。
「ゼオラ? それならちょっと前から、フィオナたちと一緒に『クレイ=ドール』の方に行ってるぞ?」
「な……マジか!?」
『クレイ=ドール』とは、現在ハガネに同行しているイスルギ重工のドック艦である。地球の平和を守る
きな臭いってレベルじゃない、どう見ても真っ黒なヤバイ企業。そんな何を企んでるかもわからない連中の所に女の子が向かうのは、やはり心配だ。
「イスルギの艦に、アラドに用事も伝えずに行くなんて……おかしくないか?」
「え? でも、俺達も何度か行ってるし、たかがドック艦だろ? フィオナとミズホも付いてるんだから、気にしすぎなんじゃないか?」
(こいつ……大事な妹と開発主任兼恋人最有力候補が今どうなってるか、全然気にしてないのか……能天気すぎやしないか?)
自分の事を棚に上げてラウルの朴念仁っぷりを内心で呆れつつ、リュウセイは嫌な予感がさらに高まるのを感じていた。用事も告げずに行ってしまったゼオラだが、確かにフィオナとミズホが一緒なら、急に誘われて見学に行っただけ、と言うのもあり得なくはない。
でも、明らかに今までと様子の違うフィオナと、テンザンに対し妙に好意的だったミズホを思い出すと、どうしてもモヤモヤが強まってしまうのだ。
「えと、じゃあ、俺達も行ってみます? クレイ=ドールに。俺もやっぱ、ゼオラが心配だし」
「そうだな、痛くない腹なら探らせてくれるだろ。それじゃ俺達も、早速あっちに行ってみようぜ! ほら、急げよラウル!」
「あ、俺も行くの? 心配性だなぁ~、リュウセイは」
そんなこんなで、男3人でイスルギのドック艦『クレイ=ドール』に向かう事に。だがその試みは、早々に出鼻をくじかれる事となった。
当の女性3人がテンザンと共に帰ってきて、ハガネの通路内で鉢合わせしたのである。
「もぉ~、テンザンさんったらぁ♥ って、あれ、ラウルにリュウセイ、それにアラドも? どしたのよ、慌てて」
「あ、いや……その、ゼオラが急にいなくなって、クレイ=ドールに行ったらしいから、俺達も探しに行こうって……」
「あぁ、そうだ、ごめんなさい! でも、ちょっとアラドにはまだ、話せない事だったから……♥」
鉢合わせた4人組のうち、フィオナは見慣れてしまったテンザンにべったりの、少し上気して頬の赤くなった色っぽい表情で。少し離れたミズホはともかく、今はゼオラもテンザンに距離が近く、彼女の頬も興奮で赤みを増している様子だった。
アラドに対してだけは遠慮なくべたべたと触り、スキンシップにもほどがあるゼオラだったが、他の異性にこの距離を許した事は今まで一度もなかったはずだ。
「テンザン、その、疑う訳じゃないんだが……悪いけど、どういう事か説明してもらっていいか?」
テンザンが仮面をしていて、その表情がよく見えないからだろうか……どうしても、心がざわついて仕方ない。疑う訳じゃないと言いながら、リュウセイの表情は明らかに、テンザンを詰問しようとするソレだった。
そんなリュウセイからテンザンを守るように、ずいっとゼオラが前に出てくる。
「あ、あの、テンザンさんは悪くないんです! むしろ、感謝してるって言うかぁ……♥
えっとね……アラド、コレなんだけど……」
「ん? このカプセル、画像デバイスだよな……?」
「うん、コレにね、オウカ姉さんの遺言が残されてたの。それを、テンザンさんが届けてくれて……さっきまで、あっちで内容を確認してたんだ。
中には姉さんの映像と、音声が入っていたわ。私はもう見たから、ほら、ラトにも見せてあげて」
「おぉおお、マジか!! それなら早速、ラトにも知らせないと! あ、ありがとうございます、テンザンさん! 俺、行ってきますねー!!」
カプセルを受け取ったアラドは駆け出すと、あっという間に居なくなってしまった。
「えっと……でも、どうしてテンザンがそれを?」
「ん、俺、DCに居た時割とやんちゃしてたから、アードラーや上層部だけの隠しアジトの情報とか、色々こっそり盗んでてな。目覚めた後、身体はともかく記憶ははっきりしてたんで、まだ発見されてなかったアジトをイスルギと調査して、その時見つけたってわけだ。
その後色々あって忘れてたんだが、この前イスルギから持ってきてもらったから、ゼオラの嬢ちゃんに確認してもらおうと……」
「テンザンさん、まだラトにはかなり警戒されてるし、アラドはあんな感じなんで……まずは私にって」
「偽の画像だったりして、ぬか喜びさせたら悪いと思ってな……他の二人には、まだ秘密って事にしてもらったんだ」
「姉様、人格を消される前に、遺言を残してくれてたんだ……多分クエルボ博士が、記録カプセルをアギラから隠してくれてたんだと思う」
(なんだ……そんな事だったのか……)
ゼオラと同じ『スクール』の生き残りである『ラトゥーニ・スゥボータ』と特に仲の良いリュウセイは、彼女らがどれほど『オウカ』を慕っていたかを知っている。
そんな大事なものを見つけてくれたなら、ゼオラが興奮して思わずテンザンとの距離が近くなるのも、わかる気がする。
つまり……因縁の相手が妙にモテていて、パイロットとしての純粋な腕もまだ負けていたせいで、自分は嫉妬していたんだろう。リュウセイはずっと感じていた嫌な感覚を、そういう事だったのだと今、割り切る事にしたのだった。
「悪い……俺、正直ずっとテンザンの事疑ってた。それと、俺からも言わせてくれ。ゼオラたちにオウカさんの遺言を届けてくれて……ありがとう」
「へへ、気にしなくていいぜ、リュウセイ。お前が俺を疑うのは、当然だっての。あんだけの事をしてきたんだからな……
でも、俺がDCに入ったのも、今ここに居るのも、『地球を守りたい』って気持ちがあったからなのは本当なんだぜ。
だから……今度は一緒に、戦わせてほしい。この星の、明日の為に……な!」
「あぁ、変に嫉妬して悪かった。これから頼りにしてるぜ、テンザン!!」
ようやく心のモヤモヤが晴れ、リュウセイは新たな仲間を歓迎する事にした。
彼の特殊な能力、念動力者としてのセンスは未だほんの少し、警鐘を鳴らしていたが……それは気のせいだと切り捨てて。
「な、気にしすぎって言っただろ? で、フィオナたちはこれからどうする? ラージが報告書待ってるけど……」
「ん、私らは新型について、もうちょっとテンザンさんと話し合いたい事があるから、ラウルは先に戻ってて」
「りょうか~い。じゃ、行こうぜリュウセイ。お邪魔しちゃ悪いだろ」
「ああ、またな、テンザン」
「おぅ、じゃあな、リュウセイ」
そうしてリュウセイが去った後、テンザンと女性3人は、会議用の個室へと入って行った。
そう、共に新型開発に関わっているフィオナとミズホだけでなく、何故かゼオラまでそれに付いて行ったのを、この時リュウセイたちは見逃してしまう。フィオナが首元に付けているハートの付いたチョーカーを、こっそりミズホとゼオラも付けている事も。
その後、イスルギ重工関係者用に貸し出されている、個室の会議室にて。
何故か設置されている大きなソファーにて(ミツコ社長が無理言って置かせてもらった)、テンザンはその中心に大股開きでどっしりと座り、左右に女たちを侍らせ、彼女らのたわわなオッパイを遠慮なしに揉みしだいていた。
「『この星の、明日の為に……』なぁ~んてなぁ! ぎゃはははは! あんな臭いセリフ真に受けるなんて、リュウセイの野郎相変わらずのキモオタっぷりだったぜ~!
そんなわけねぇーだろっての! なぁフィオナ、ゼオラぁ~♪」
「あはぁんっ♥ テンザン様の手ゴツゴツでぇ、モミモミされるの気持ちイイっ♥♥
ええ、もちろん♥ 私達は地球を守る為じゃなくてテンザン様の為に存在しているんだし、地球だってテンザン様の為にあるんだから、全然逆なのよねぇ♥」
「きゃあんっ♥ テンザン様の乳首コリコリぃ、たまんないですぅ~っ♥♥
わ、私もぉ、テンザン様の偉大さを知った今ぁ、テンザン様のメス奴隷としてお役に立つこと以外、どうでもいいって思うようになっちゃいましたぁ♥♥」
下劣な笑みを浮かべ最低な事を言っているテンザンに対し、正義のために戦ってきた鋼龍戦隊の一員だったはずの彼女らは、それを咎めるどころか、媚びに満ちた笑みで追従してしまっている。
「おぅ、ミズホもご苦労だった。怪しまれない為にお前だけ距離を取ってもらって、スキンシップも媚びも禁止しているの、悪かったなぁ~」
「いえ♥ 確かにフィオナがべったりなのは羨ましかったですが、テンザン様の役に立つこと以上の悦びは、私達眷属メス奴隷にはないですから♥
これからも何なりと、テンザン様の欲望のままに、私達にご命令くださいませ♥」
もし、今この部屋に『思念』や『呪い』を感じ取れる者が居れば、ここに居る全員から立ち上る邪悪で禍々しいオーラに、恐怖していただろう。
最も強い邪悪さを放っているのは当然テンザンだが、自らそのシモベを自認する女たちからも確かな邪悪さが、多分に滲み出ているのだ。
いつの間にかフィオナ、ゼオラ、ミズホの全員の瞳が紫に染まり、邪悪な輝きを放っていて……仮面を脱いだテンザンの瞳には、それをより悍ましく強烈にした紫紺の炎が宿っている。この部屋はテンザンが特殊な結界を張っていて、邪悪な思念と呪いが漏れないようになっているのだ。
「はぁ~、こっちではいい子ちゃんしてなきゃいけねぇから、マァジ肩が凝ったぜぇ~。だがこの部屋なら多少好き勝手出来るからな。
まずはお前ら三人、同時に俺様に奉仕しろっての。クズどもに合わせて溜まった鬱憤を、お前らのエロボディで晴らさせてもらうからなぁ~」
「じゃ、私はおチンポ様ご奉仕で♥」
「もう、フィオナったら♥ では、私はオッパイムニュムニュマッサージで♥」
「な、なら、私は、キスを……♥♥ あ、それに、テンザン様ぁ♥ 私の乳首も、好きなだけコリコリしちゃって大丈夫ですぅ♥♥」
「おう、頼むぞぉ、お前らぁ~」
「「「はぁ~いっ♥♥♥」」」
こうしてソファーにて、艶やかな美少女3人による淫らすぎる奉仕が始まり、防音完備のこの部屋は途端にエッチな水音で支配される。
「ちゅっ♥ んちゅっ♥ ちゅぅううう~~~っ♥♥ じゅるっ♥ じゅるるっ♥♥ はぁん、テンザン様ぁっ♥♥ テンザン様とのキス、ゼオラたまんないですぅ♥ んちゅぅうう~~~っ♥♥」
「ホ! 最初はあんなに拒んでたのに、今じゃすっかり乳首コリコリされながらのキスにドはまりしちゃってんなぁ、ゼオラは!」
「あぁん、すみません、テンザン様ぁ♥ テンザン様から求められたキスを拒むなんてもったいない事、今じゃもう考えられないですぅ♥ ちゅぅううっ♥♥」
(ぎゃははは、マァジ最高だぜぇ~! こんないい気分が味わえるなんて、得体の知れないモンを受け入れた甲斐があったってもんだぁ~)
そう……復活した、本来ならこの世界からとっくに退場しているはずのテンザンが、このような暴虐を振るえるのには当然、相応の理由があった。
その理由は追々明かされるとして、今わかっているのは、彼は常軌を逸した『女たちを支配する』力を手に入れているという事だ。
「まぁしかし、この地球はもちろん、いずれは宇宙全てが俺様のモノになるんだからなぁ。
俺様を利用しやがった元DCや異星人どもはムカつくし、他にも地球を狙うゴミどもをプチ潰す事自体には、協力してやろうじゃないか。
だが……」
かつての自分に止めを刺した男の顔がテンザンの脳裏に浮かび、彼の中にぐつぐつと強烈な怒りがこみ上げてくる。いや、怒りの対象はそれだけではない。その時寄ってたかって自分を嬲った連中に加え、自分を見捨てたくせにのうのうと正義の味方面している裏切り者たちも同罪だ。
「くひ……リュウセイ……間抜け面しやがって、お前には絶対に、地獄を見せてやる……!
奴だけじゃねぇ! スカした赤角野郎に、リュウセイの相棒のクソ金髪……あぁ、アイツのアニキも裏切り者だったじゃねぇか!
何より『鋼龍戦隊』の男どもめ、どいつもこいつも超エロい恋人を侍らせてやがるじゃねぇか! そいつぁ……めちゃ許せんよなぁ?」
「じゅるっ♥ れろんっ♥ れろれろれろぉ~~~っ♥♥ んふぅっ♥
んふふふ……私としても、テンザン様のモノにしてもらえてなかったら、まだラージなんてダサい雑魚オスに執着してたって思うとぉ……ホント、許せないわね♥」
「私もっ♥ テンザン様の虜にしてもらって、ようやく真実に目覚める事が出来ました♥
ラウルたちなんて、たまたま私たちの近くに居ただけの凡夫なのに……ふふ、みぃんな、テンザン様に思い知らされちゃえばいい、ですよね♥」
「ちゅっ♥ ちゅっ♥ むちゅぅううううっ♥♥ んはぁっ♥ そうです、テンザン様ぁっ♥♥
テンザン様の魅力に気付いてない、さっきまでの私と同じバカメス達はぁ♥ 早くザコオスどもなんて見限って、テンザン様のモノになっちゃうべきなんですぅっ♥♥」
「ホ! そうだ、その通りだ、俺の眷属メス奴隷ども! この『鋼龍戦隊』のエロメスどもはぜぇんぶ、俺様のモノになる宿命だっての!
全く、俺がDCに居た頃は、周りはクソみたいな野郎ばっかだったつーのに……ここの連中だけいい思いしやがってぇ!
ひひひ……最後は寝取った女どもを存分に見せつけて、ここのオスども全員に、俺様が受けた屈辱の何倍もの絶望を味合わせてやる!!
だからその為にも……これからも役に立ってもらうぞぉ! フィオナ、ゼオラ、ミズホぉ~~~っ!!」
「当然♥ じゅるっ♥」
「はいっ♥」
「れろ……了解ですぅ♥」
「「「我らが『百邪淫王』、テンザン・ナカジマ様ぁ~~~~っ♥♥♥」」」
『鋼龍戦隊』の中で徐々に、しかし確実に進んでいく悪意の侵食。
これは邪悪なる淫欲の呪いにより導かれ、極悪非道なる淫王の眷属奴隷へと、淫らに隷落してしまう正義の女戦士たちの物語である。
次回!第2話『クレイ=ドールの罠』