貞操逆転世界でAV男優始めました〜100年に1人の逸材 現役男子大学生Debut〜 作:たんばりん
## **新宿超高級テナントビル・最上階 貴賓室**
新宿の中心にそびえ立つ、エンジェルプロダクションの本社ビル。
その最上階に位置する貴賓室は、まさにこの業界の“玉座”とも言える場所だった。
天井に吊るされた巨大なシャンデリアが、温かみのある光を放っている。
壁一面がガラス張りになっており、眼下には都心の高層ビル群が広がる。
その光景は、まるでこの場所にいる者だけが“東京を支配している”かのような錯覚を覚えさせた。
**ここが、日本最大のAVプロダクションの心臓部。**
そんな場所に、今、タクミは座っていた。
向かいに座るのは、**大河内静香**。
齢七十を超え、一代でエンジェルプロダクションをここまでの地位へと押し上げた“女帝”。
その姿は、まさしく“歴戦の猛者”とでもいうべき雰囲気をまとっていた。
銀髪を後ろでまとめ、深い皺が刻まれた顔には、鋭い眼光が宿っている。
一言も発しないまま、じっとタクミを見つめる。
まるで、獲物を見極める猛禽のように。
タクミは、その圧倒的な“視線の重さ”に、知らず知らずのうちに背筋を正していた。
傍らに座るエリカも、珍しく硬い表情をしている。
この会談が、ただの形式的なものではない。
それは、タクミにも十分に伝わった。
やがて、長い沈黙の後——
「ふむ……」
大河内が、静かに息を吐きながら言葉を紡いだ。
「エリカ、お前もなかなかいい目をしているな」
エリカが驚いたように目を見開く。
「……会長?」
「この男……いや、まだ若いから“少年”とでも言うべきか」
大河内は、興味深そうに目を細めた。
「こいつは、“特別”だ」
その言葉に、タクミは小さく喉を鳴らした。
「……特別?」
「少年、男優というのは何だと思う?」
唐突な問いかけに、タクミは少し戸惑う。
「それは……女優さんと共演して、作品を作る役割というか……」
「違う」
大河内は即座に否定した。
「男優とは、“影”でなければならない」
「この業界において、男優とは“作品を引き立てるための存在”だ。
目立つことなく、ただ黙々と、機械のように役割を果たす。それが理想とされてきた。それが理想だとワシもずっと考えていた」
タクミは何も言えず、ただその言葉を噛みしめるように聞いていた。
「しかし……君は違う」
大河内の眼光が、一段と鋭さを増した。
「君の映像を見せてもらったよ。たった数分の映像だったが、確信した」
「この男はただの男優じゃない」
大河内は椅子に深くもたれながら、ゆっくりと微笑んだ。
「**君は、この業界に“革命”を起こせる存在だ**」
タクミは息を呑んだ。
革命——。
そんな大それた言葉を、自分が言われるとは思ってもいなかった。
「会長……」
エリカが、静かに口を開いた。
「……だから、**本契約の条件を引き上げるべきだ**と、お考えになったのですね」
「そういうことだ」
大河内は手をひらりと振ると、エリカに視線を向ける。
「契約書を出せ」
エリカは頷き、手元の封筒をテーブルに置いた。
「タクミくん、こちらが**本契約書**です」
タクミは、その封筒を見つめる。
「仮契約の内容と基本的には変わりませんが……」
エリカが言いながら、契約書のある一点を指差した。
「**ここだけ、変更されています**」
タクミはその部分を見て、驚愕する。
**『売上マージン:15%』**
「……え?」
仮契約の時点では、**10%**だったはず。
それが、**15%**に引き上げられている。
「これ……」
タクミが困惑するのを見て、大河内は満足げに微笑んだ。
「これが、**弊社の本気度**だ」
「我々は、この業界の頂点に立つ企業だ。その誇りを賭けて、君を迎え入れる」
「だからこそ——破格の条件を提示した」
タクミは、契約書を握る手に力を込めた。
「……俺に、そこまでの価値が……?」
思わず零れた言葉に、大河内は豪快に笑った。
「そんなもの、これから証明すればいいんだよ」
「“タクミ”という名が、日本中に轟く日が来る。その時、君は気づくだろう」
「**自分がこの業界を変える存在なのだと**」
タクミは、ゆっくりとペンを取った。
目の前の契約書に目を通し、深呼吸をする。
「……俺でいいんですね?」
「違うな」
大河内は笑った。
「**君しかいない**」
その言葉を聞いた瞬間、タクミの迷いは完全に消えた。
彼は、ゆっくりと契約書に**自分の名前を書き記した**。
その瞬間——
**AV業界の“革命”が始まった。**