貞操逆転世界でAV男優始めました〜100年に1人の逸材 現役男子大学生Debut〜 作:たんばりん
## **デビュー作品の選定**
エリカが改めてタクミと向かい合い、ゆっくりと口を開いた。
「さて、本題に入りましょうか。」
エリカの声は落ち着いていたが、どこか弾んでいるようにも聞こえた。それも当然だろう。タクミの契約が正式に決まり、彼のデビュー作品をどうするかが、今ここで決まるのだから。
タクミはエリカの視線を正面から受け止める。彼女の瞳は鋭く、しかしどこか期待に満ちた光を宿していた。
「最初はね、タクミくんのデビュー作品も、他の新人男優と同じような流れにしようかと考えていたの。」
エリカは手元の資料を一瞥しながら続ける。
「たとえば、軽いインタビューを交えながら、ほんの少しだけ絡みを見せる、いわゆる“デビュー作品”らしいデビュー作品。でもね——」
そこでエリカは少し間を置き、タクミの目をじっと見つめた。
「——それじゃ、タクミくんの魅力を十分に引き出せないと思ったの。」
タクミはわずかに眉を動かす。
「だから、私は少し方向を変えてみることにしたの。」
エリカは机の上にいくつかの企画書を広げた。そのどれもが、タクミのデビューに相応しいものとして選び抜かれた案だった。
「まず、一つ目。」
エリカは一枚の企画書をタクミの前に滑らせた。
「**“逆ハーレム”ものよ。**」
タクミは視線を落とすと、企画書の概要に目を走らせる。
**《新人男優タクミ、デビュー作にして女優複数人を相手にする異例の作品》**
「タクミくん一人に対して、複数の女優を相手にする形ね。かなりインパクトがあるわ。業界内でも話題になること間違いなし。」
エリカは微笑みながら言った。
「……なるほど。」
タクミは短く相槌を打つが、彼の表情はまだ硬いままだった。
「次に、二つ目。」
エリカは別の企画書を手に取る。
「これは**“ナンパもの”**。でも、ただのナンパものじゃないわ。」
彼女は企画書をタクミの前に置くと、説明を続けた。
「マジックミラーで覆われた車の中での撮影。タクミくんが街中で女優にナンパされて、車の中で展開する形ね。視聴者の voyeuristic な楽しみを刺激するわ。」
タクミは企画書に目を通しながら、想像を巡らせる。
「リアルな演出になる……ということですね。」
「そう。タクミくんのナチュラルな振る舞いを最大限に活かせると思うわ。」
エリカは自信に満ちた笑みを浮かべる。
「そして、三つ目。」
彼女は三枚目の企画書を持ち上げる。
「これは**“オフィスもの”**よ。」
タクミは眉を上げた。
「オフィスもの……?」
「そう。タクミくんが会社員役を演じるの。スーツ姿で、仕事に追われるエリートサラリーマン。そんな彼が、社内で女性社員に誘惑される……っていう、王道のストーリーね。」
「……スーツですか。」
「タクミくん、スーツ似合うでしょ?」
エリカは少し楽しげに言ったが、タクミの表情は相変わらず硬いままだった。
「……」
彼の沈黙に、エリカはゆっくりと首を傾げる。
「タクミくん? 何か気になることでも?」
そう尋ねると、タクミは一瞬言い淀んだ。
「いや……」
タクミは言葉を探すように口を開いたが、また閉じる。
「遠慮しないで。何か意見があるなら、ちゃんと聞くわよ?」
エリカが優しく促すと、タクミは意を決したように、ゆっくりと口を開いた。
「……デビュー作品の女優は、プロの方ではなく、素人の大学の先輩でもいいですか?」
その瞬間、エリカの表情が止まった。
「——え?」
一瞬の静寂。
エリカはまばたきを一つして、タクミの言葉を反芻する。
「素人の……先輩?」
タクミは軽く頷く。
「はい。プロの女優さんと組むのはもちろん光栄です。でも、僕のデビュー作品が“特別”なものになるなら——
プロの女性ではなく、素人の女性の、真のリアクションを撮った作品がいいなと思ってるんです。」
エリカは息を呑んだ。
**タクミくんは、一体何を考えているの……?**
確かに、彼のデビュー作品は他の新人男優とは一線を画すものにするつもりだった。しかし、まさか彼自身がこんな提案をしてくるとは思っていなかった。
「でも……大学の先輩って、本当にただの素人よね?AV女優ってタクミが思っているほど甘い世界でもないのよ?
息遣い、喘ぎ声のタイミング。発声量。確かにニーズとしては没入感が増すから、女優の喘ぎ声があった方が良いというアンケートはユーザーの70%は答えているけども、逆に残りの30%ではその逆。むしろ女優の存在は黒子に徹してほしいということにもなるの」
エリカの言葉にタクミは「なるほど」と言葉を詰まらせた。
(前世基準で言えば男優の喘ぎ声が邪魔派ね。でもそれは男女の違いか、この世界では70%が好意的とはむしろ良い意味での予想外だな)
「タクミくん、これはお遊戯ではないの。プロの仕事になるのよ?」
エリカが慎重に問いかけると、タクミは視線をエリカに合わせて力強く答えた。
「だからです。正直この間見学させていただいた撮影よりも、俺の知り合いならもっと激しく、もっとエロく、よがります。
加えて、エリカさんが言ったように、この世界に革命を起こすなら、まずは必要なのはユーザーの“共感“だと思っています。
『こんな男子とエッチしたい』『スケベ男子から溺れるほどの量の顔射を受けたい』『身近なあの男の子は?』
『同僚は?』『後輩は?』そんなことを思って日々悶々としているユーザーに、“共感力“を与えるには、デビュー作品では女優も素人であり、かつ“観ているユーザーも運が良ければ同じ目にあっていたかも知れない“そんな共感を呼ぶ作品でデビューしたい。……と思います」
最後は尻すぼみとなった彼の言葉にエリカは押し黙りその場で検討する。
「……確かに、タクミくんの言うことも理解は出来るけど……」
「それに僕は1日連続で4回は射精出来ます」
「は?!」
合いの手のように差し出された言葉にエリカの口は大きく開いた。
「というか普段から仲良くしている先輩とは3Pをしますけど、基本フェラで一発、パイズリで一発、それぞれに一発ずつ、昨日も丁度4発してきたところです」
「ま……まって、ちょっと処理が追いつかない」
(四発ッ!?通常AV撮影では、男優は一発の射精を大事に、大事に場面を切り替えながら、時には擬似精液を使ってあたかも射精したように撮影するもの……それに……パイズリってなに?!……)
そこでふと彼女は前回の撮影見学の際に見た彼の男根を思い出す。
(……デカかった……いや、そうじゃ無くて!射精した後もビキビキに血管が脈動し、萎えることなく天に亀頭が向いていた……!!)
「どうやら契約金が五億円っていうのは安かったみたいね……」
その場で長い息を吐いた後、エリカは再び真剣な目でタクミを見つめ返した。
「乗りましょう。その話」
エリカがタクミに腕を差し出すと彼もまた、ニンマリと笑い「ありがとうございます」と言葉を繋げる。
こうして彼のデビュー作が決まる。
(さてと、帰って2人に交渉するか)
彼が思い浮かべるのは昨夜乱れ狂った2人の女性の姿であった。
後に伝説としてシリーズ化される
“現役男優によるマジナンパシリーズ“の一作目の大枠が決まった瞬間である。