※この作品はR-18です。

貞操逆転世界でAV男優始めました〜100年に1人の逸材 現役男子大学生Debut〜   作:たんばりん

16 / 17
幕間

朝7時、アラームの音が部屋に響く。

私は目を開けると、スマホを手に取り、画面を確認した。

未読メッセージ 153件

不在着信 7件

新着メール 48件

(…はぁ、もうこの状態が当たり前になりつつあるのが怖いわね。)

タクミ君のデビュー作が公開されてから、毎日こんな調子だ。

仕事用のスマホがまるで戦場の通信機みたいになっている。

ベッドから起き上がり、寝ぼけ眼のままシャワーを浴びる。

湯の温かさで意識がクリアになってくると、改めて今日のスケジュールを思い返した。

________________________________________

午前8:00 - 出社前のメール処理

着替えを済ませ、リビングのテーブルにノートPCを広げる。

朝食を取る余裕もなく、コーヒー片手に未読メールを処理する。

• 某大手AVメーカーからのオファー:「タクミくんの次回作について、一度お話しできませんか?」

• 某雑誌社からの取材依頼:「今週中に独占インタビューをお願いしたいです!」

• 某テレビ局からの出演オファー:「タクミくんをバラエティ番組に呼びたいのですが…」

• 某映画プロデューサーからの連絡:「タクミくん主演の映画企画があります!」

• 某大学教授からの問い合わせ:「タクミくんの作品について、ジェンダー論の観点から議論したいのですが、対談の機会はありますか?」

(ちょっと待って、なんで大学教授から問い合わせが来てるの!?)

さすがに最後のメールは予想外すぎて、思わずコーヒーを吹きそうになった。

この業界に長くいるが、男優がこんなにも注目されるなんて前代未聞だ。

いや、これは単に「タクミ」という存在そのものが、業界の常識を覆している証拠なのかもしれない。

________________________________________

午前9:00 - 事務所へ出勤

タクシーで事務所へ向かう道すがら、スマホでSNSをチェックする。

彼のデビュー作の話題は、いまだにネット上で大きな話題を呼んでいた。

「タクミくんの作品、今までのAVと全然違う!」

「45分の短さが逆にリアル感あっていい!」

「男優の概念を覆したタクミ、ガチで天才なのでは?」

一方で、やはり批判的な意見も少なくない。

「45分はさすがに短すぎる。ちゃんとした作品作れよ」

「話題性だけで売れてる感じがして嫌」

「この業界、結局こういう異端が出ては消えていくんだよな」

(…まあ、当然よね。)

デビュー作が話題になるのはありがたいが、問題はここから。

一発屋で終わるか、それとも新たな潮流を作る存在になるか。

すべては次の作品とタクミ自身の動きにかかっている。

というか、すでにあれからわずか3ヶ月で3本ほどの撮影を終えている彼の精力に思わず

「さて、今日も働きますか・・・。

橘エリカの一日は早いのである……。

________________________________________

午前9:30 - 事務所に到着

「おはようございます、橘さん!」

事務所に入ると、スタッフたちが忙しそうに動いている。

電話の音、パソコンのキーボードを叩く音、営業開始の定時というのに商談している声が飛び交う。

タクミのデビュー作が公開されてから、明らかに事務所全体が慌ただしくなっていた。

「エリカさん、こちらに!」

アシスタントの一人が駆け寄ってくる。

手には書類の束と、スマホのメモ画面が表示されている。

「今日のスケジュール、確認お願いします!」

• 10:00 - 会議(タクミの今後のブランディング戦略)

• 11:30 - 企画会議(次回作のコンセプト決定)

• 13:30 - タクミと合流、インタビュー撮影へ同行

• 15:30 – 会社に戻り企画会議

• 20:00 – 都内某所にて接待

「スケジュール、ぎっしりね…」

「ええ、それと追加で、某企業からCMオファーの話が来ています。マネージャーとして確認してほしいとのことです」

「CM…?」

「はい、スポーツメーカーです」

(いや、なんでAV男優にスポーツメーカーのCMオファーが来るのよ…)

とはいえ、これは悪い話ではない。

タクミの知名度が一気に上がった今、AV業界に留まらず、より幅広い市場に進出する道も考えなければならない。

________________________________________

午前10:00 - ブランディング戦略会議

会議室に入ると、すでに数人のスタッフと幹部クラスの社員が待っていた。

「さて、タクミくんの今後についてだが…」

社長が口火を切ると、ホワイトボードに彼の名前と数々の案件が記されている。

• 新作AVの方向性

• テレビ出演の可能性

• 企業タイアップの話

• ファンイベントの開催

(…いやいや、展開が早すぎる!)

普通、新人男優がここまでの案件を抱えることはありえない。

今のタクミは、業界の中で異常なほどの注目を浴びている。

「エリカくん、マネージャーとしてどう考えている?」

社長の問いかけに、私は一呼吸置いてから答えた。

「まずは、次の作品のクオリティを高めることが最優先です」

「ほう」

「彼の知名度が上がった今だからこそ、2作目が重要です。もしここで期待外れの作品を出せば、一発屋のレッテルを貼られ、すぐに消えてしまうでしょう」

「たしかに…」

「テレビやCMの話は、作品の評価が確立した後でも遅くはありません。ですので今は彼の第二作となる弊社初の試みである“マジックミラー号”のブランディングに注力していくべきかと」

場の空気が少し引き締まった。

このまま流されるように案件を受けてしまえば、タクミは瞬間的には売れるかもしれないが、長続きはしない。

私は、彼をただの流行り廃りの存在にはしたくなかった。

________________________________________

午前の仕事だけで、すでに疲労感が半端じゃない。

けれど、まだまだ一日は終わらない。

午後はタクミ本人と会って、次のインタビュー撮影の同行。

それにしても、彼は今どんな気持ちでこの状況を見ているのだろう?

(…きっと、のんびり寝てるんだろうな。)

そんなことを思いながら、私は次の仕事へと向かうのだった。

________________________________________

 

午後12:30 - 事務所に戻る暇もなく、タクミと合流

午前の会議が終わると同時に、スマホのバイブレーションが鳴る。

画面を確認すると、タクミ本人からのメッセージだった。

「今起きた」

…え?

時間を確認すると、12:30。

午後の撮影インタビューは13:00から。

(こいつ…この状況で、まだ寝てたの!?)

「ちょっとタクミ君、今起きたってどういうこと?」

すぐに電話をかけると、ゆるい声が返ってきた。

「あー…昨日ちょっと夜更かししてさ。疲れが抜けなくて…」

「言っておくけど、今日は午後から撮影インタビューだからね!? もうすぐ迎えに行くから、すぐ準備して下さい!」

「はーい、了解ー」

のんびりとした返事。

ほんとに分かってるのかこいつ…。

彼のマンションは事務所から車で15分ほどの場所にある。

私はタクシーを拾い、急いで彼の元へ向かった。

________________________________________

午後12:50 - タクミの自宅前

「…ほんとうに準備してるわよね?」

インターホンを押しても応答がない。

何度か押して、ようやくタクミ君が眠そうな顔でドアを開けた。

「おはよ…じゃなくて、もう昼か」

「当たり前です! さっさと準備! あと5分で出ますよ!」

「はーい、はーい」

タクミ君はボサボサの髪をかきながら、ゆっくりとリビングに向かう。

…全然焦っていませんね。

「ねえ、さすがにインタビュー前なんですから、もう少し気を引き締めてください」

「まあまあ、落ち着いて。俺はいつも通りで大丈夫だから」

「それが問題なんです…」

とはいえ、タクミ君のこの"自然体"こそが、ファンを惹きつける魅力でもある。とも思う。

結局、私はため息をつきながら、彼が準備を終えるのを待った。

________________________________________

午後1:30 - インタビュー撮影スタート

撮影スタジオに到着すると、すでにスタッフたちが準備を進めていた。

カメラマン、照明スタッフ、インタビュアー、そして雑誌社の編集者たち。

「よろしくお願いします!」

タクミ君は軽く会釈しながらスタジオに入る。

スタッフも彼の登場にざわついていた。

「タクミさん、ついにお会いできて光栄です!」

「まさか45分の短尺作品でここまで話題になるとは…」

「本日は色々とお話をお聞かせください!」

インタビューのテーマは、"異例の短尺作品で一躍話題となった新人男優"。

デビュー作の話、業界に対する考え、そして今後の展望などを語る予定だ。

(さて、ちゃんと受け答えできるかしら…)

心配しながら見守っていたが、タクミ君は意外とスムーズに質問に答えていた。

「デビュー作の反響について、どう感じていますか?」

「正直、こんなに話題になるとは思ってませんでした。でも、自分なりに作品に向き合った結果なので、嬉しいですね」

「45分という短さが特徴的でしたが、何か意図があったのでしょうか?」

「AVって、長ければいいってものじゃないと思うんです。俺は、一番濃い瞬間を詰め込むことを意識しました」

「なるほど…! では、今後はどのような作品に挑戦していきたいですか?」

「うーん、まだ決まってないですけど、観た人が“これは新しい”って思える作品を作りたいですね」

相変わらずタクミ君は飄々とした態度だったが、スタッフの表情は満足そうだった。

…まあ、これなら大丈夫そうね。

________________________________________

午後3:00 - 撮影終了、タクミとはここで別れ事務所に戻り次の打ち合わせへ

インタビューが終わると、すぐに次の打ち合わせが控えていた。

「では、タクミさんの次回作であるマジックミラー号についての企画会議を始めます」

企画会議の内容は、タクミ君の次回作の方向性について。

事務所としても、彼を単なる一発屋に終わらせないために、慎重にプロジェクトを進める必要があった。

「では、タクミ君の次の作品について話を進めたいと思います」

ホワイトボードには、いくつかの企画案が並んでいる。

• デビュー作品と同じようにタクミのナンパ企画にするのか

• 女優はだれを使うのか

• 性感エステはどうか?

「マネジャーのエリカさんとしては、どの方向性がいいですか?」

ふと、本企画のプロデューサーより声が掛かる。

「うーん…どれも面白そうだけど、やっぱり彼のデビュー作品が売れたのは、彼のリアルというか、我々女性が理想とする荒々しい男性の象徴からだと思うのよね…」

私の発言に、プロデューサーが興味を示す。

「男性の象徴…! それもそうですね。彼の場合はあの荒々しく、いやらしい演技は正に私たちの理想の男性像でした。しかしこれをマジックミラーとするならどう生かすべきか・・・」

「この際、彼のアドリブに任せてもよいのではないでしょうか?」

ひとり、会議に参加していた若いADがそんなことを発言する。

(…気持ちは分かるけど…)

彼女の意見にも一理ある。しかし新人男優に全任せではプロとして、いかがなものか。

私はその場で嘆息した後、本日の会議も長引くことに目が遠くなった。

(いつ帰れるのかしら・・・)

 

 

________________________________________

午後5:00 - 事務所に戻り、雑務処理

長い会議が終わり、ようやく事務所に戻る。

しかし、仕事はまだ終わらない。

「エリカさん、また新しいオファーが来ています!」

「今度は何?」

「テレビドラマの出演依頼です!」

「…え?」

「某人気ドラマのプロデューサーから、『タクミくんを俳優として使いたい』という話がありまして…」

思わずスマホの画面を覗き込むと、確かに有名ドラマの制作会社からの正式なオファーだった。

(…マジで言ってる?)

AV業界の枠を超え、タクミはついに俳優としても注目され始めていた。

これは、彼の未来を大きく変える転機になるかもしれない…。

「…タクミ、ちょっと話があるわ」

私は、彼を事務所の会議室へと連れて行った。

ここから先、彼のキャリアはさらに大きな岐路を迎えることになる——。

________________________________________

夜 8:00 PM – 会食

夜は業界関係者との会食。

某映像メーカーの幹部、プロデューサー、そして某雑誌の編集長が同席していた。

「タクミくんの今後の方向性について、そろそろ真剣に考えないといけませんね」

「すでにAV男優の枠を超えた存在になりつつあるので、どこに軸足を置くのかが重要です」

みんな彼を引っ張り込みたいのが見え見え。

だが、私は思う。

タクミは「男優」としての枠に留まるような男ではない。

かといって、何かを背負うような男でもない。

「彼自身がやりたいことをどう引き出していくか、ですね」

私はそう答えながら、冷めたワイングラスをゆっくりと傾けた。

________________________________________

深夜 0:00 AM – 帰宅

ようやく帰宅し、ソファに倒れ込む。

仕事のメッセージはまだ鳴り止まないが、今日はもう見る気がしない。

(タクミ、これからどうなるんだろうな…)

マネージャーになって数日。

すでに私の人生は彼に振り回されっぱなしだった。

だけど、不思議と悪くない気分だった。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。