※この作品はR-18です。

貞操逆転世界でAV男優始めました〜100年に1人の逸材 現役男子大学生Debut〜   作:たんばりん

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第三話

 

「こっちこっち!」

 

さやかに手を引かれ、タクミは学内の公園の一角へと誘導された。

 

入学式が終わったばかりのこの時間、キャンパスのあちこちでサークルの新歓が行われ、賑やかな声が響いている。音楽を流して踊っているグループもあれば、バーベキューをしている連中もいる。そんな喧騒を抜けた先——

 

「……ん?」

 

タクミは思わず足を止めた。

 

そこだけ、異様なほど静かだった。

 

ブルーシートが広げられ、食べ物や飲み物が並んでいるものの、そこにいるのは女性ばかり。そして人数も……妙に少ない。周囲の活気と比べると、まるで閑古鳥が鳴いているような雰囲気だった。

 

「みんなー!男子新入生を連れてきたよー!」

 

さやかが元気よく声を上げる。

 

その瞬間——

 

「えっ!?」

「マジで!?」

「……男子……?」

 

沈んでいた場が一気に沸いた。

 

全員の視線がタクミに集中する。ほんの数秒前まで静かだったとは思えない熱気。

 

「さやか、でかした!!」

「すごいよ!男子を勧誘できるなんて!」

「さすがさやか!やる時はやる女だと思ってた!」

 

先輩たちは口々にさやかを褒めちぎっている。その異様な盛り上がりに、タクミは戸惑った。

 

「え、そんな大げさな……?」

 

「大げさじゃないよ!」

 

興奮した様子で、一人の先輩が言った。

 

「だってウチのサークル、男子ゼロだったんだから!」

 

「……え?」

 

タクミの思考が一瞬止まった。

 

——男子ゼロ?

 

「いやいや、そんなわけ……」

 

思わず周囲を見渡すが、確かに男性の姿はない。

 

前世の記憶では、水泳サークルには確かに男性もいた。人数こそ少なかったが、それなりにいたはずだ。それが今、この場には一人もいない。

 

タクミは改めて目の前の女性たちを見つめた。

 

*……あれ?*

 

どこか見覚えのある顔がある。

 

記憶の中にある「男性の先輩」にそっくりな女性がいた。雰囲気も似ている。だが、どう見ても女性だ。

 

(まさか……いや、そんなバカな)

 

タクミはすでに「男女比3:7の世界」だと知っていた。

 

——知っていた、はずだった。

 

だが、実際にこうして体験すると、その影響の大きさを改めて思い知らされる。

 

(ここまで違うのか……?)

 

前世と同じ大学、同じサークル。だが、その光景はまるで別世界だった。

 

「……あっ、そういえば」

 

さやかが突然手を打った。

 

「私、まだ名前聞いてなかったね!」

 

「あ、そうですね」

 

タクミは改めて場を見渡し、全員が期待に満ちた目で自分を見つめていることに気づく。妙な緊張感が走った。

 

「えーっと、山田タクミです。一人暮らししてます。水泳は……少しだけやったことあります」

 

それだけ言うと、一斉に歓声が上がった。

 

「やったー!入部確定だね!」

「タクミくん、ようこそ水泳サークルへ!」

「一人暮らし……ふふ、いいねぇ~」

 

最後の一言に妙な含みがあるのは気のせいだろうか。

 

「せっかくだし、座って座って!今日は新歓だから、飲んで食べて、いっぱい話そう!」

 

さやかが満面の笑みで誘ってくる。

 

タクミは困惑しつつも、彼女たちの勢いに押され、ブルーシートの上へと座らされた。

 

こうして、タクミの水泳サークル(?)での新歓が始まった——。

――――

 

「ほら、タクミくん、これ食べて?」

 

「こっちも美味しいよ、はい、あーん♪」

 

「え、いや、自分で食べますって……」

 

「遠慮しなくていいの! ほら、はい、あーん♪」

 

タクミは困惑しながらも、目の前に差し出された串焼きを口にした。

 

——焼き鳥の味がした。

 

「どう? 美味しい?」

 

「あ、はい。普通に美味しいです」

 

「ふふっ、良かった♪」

 

ユイナ先輩が満足そうに微笑む。

 

**橘(たちばな)ユイナ**。この水泳サークルの会長で四年生。

 

すらりとした高身長に、艶のある黒髪。きりっとした目元には涼やかな色気が漂う。品のある立ち居振る舞いが、まるでどこかの令嬢のような印象を与えていた。

 

そんな彼女が今——

 

「タクミくん、もっとこっち寄って? ほら、狭いんだから」

 

すぐ隣に座り、肩が触れ合う距離で微笑んでいる。

 

タクミが少し身じろぎすると、反対側のさやか先輩がぐいっと腕を絡めてきた。

 

「なーに、ユイナだけずるい。タクミくん、こっちもちゃんと見てよー?」

 

「いや、別にそっちを見ないとか、そういうんじゃ……」

 

タクミの言葉を遮るように、さやかがさらに密着してくる。

 

彼女は明るい茶髪のウェーブがかったボブヘア。

少しルーズに羽織ったカーディガンの下はタンクトップ一枚で、谷間がちらつくどころか、意図的に見せつけているような状態だった。

 

「このサークル、男子いないんですか?」

 

タクミは視線を逸らしながら、思っていたことを口にした。

 

「そうなの! だからタクミくんは超貴重な存在ってわけ♪」

 

「ええ、だからこそ、ちゃんとおもてなししないとね?」

 

ユイナ先輩がタクミの隣にさらに寄る。膝が触れ合い、彼女の長い髪がふわりと肩にかかった。

 

「お、おもてなしって……?」

 

「こうして話を聞いて、飲み物を注いで、楽しい雰囲気を作ることよ」

 

ユイナ先輩がすっと手を伸ばし、タクミのコップにジュースを注ぐ。

 

「ほら、乾杯しましょう?」

 

「あ、ありがとうございます……」

 

タクミは戸惑いつつも、二人の先輩とコップを合わせた。

 

(……これ、完全に接待じゃね?)

 

前世の水泳サークルの新歓は、先輩たちが主役の飲み会だった。

 

ビール瓶が次々と回され、大声で一気飲みを強要され、泥酔する人間が続出。新入生はほぼ観客で、先輩たちの宴会芸を眺めるだけの地獄絵図だった。

 

だが、今のこの場はどうだ?

 

(……全然違う)

 

「もう飲んじゃったの? じゃあ、はい、これ」

 

「えっ?」

 

ユイナ先輩が、今度はタクミのコップに直接ストローを差し込み、差し出してきた。

 

「え、いや、これを俺が……?」

 

「気にしないで、ほら」

 

「……いやいやいや」

 

タクミが戸惑っていると、今度はさやかが腕を絡めてくる。

 

「タクミくん、女の子に飲ませてもらうのって、嫌い?」

 

「い、いや……そういうわけじゃ」

 

「じゃあ、いいじゃん♪」

 

タクミの腕にむにっと柔らかい感触が押し付けられる。

 

(……どうしてこうなった?)

 

前世の新歓とは何もかもが違う。

 

水泳サークルの新歓は、タクミにとってまさに"接待"の場になっていた——。

 

だが、その違いは"接待"だけではなかった。

 

「ぷはぁ~、酒うめぇ!!」

 

「もうちょっとペース落としなって……ほら、まだあるよ」

 

「大丈夫大丈夫~、ユイナだって結構飲んでるでしょ?」

 

「私? まあ……そうね。でもタクミくんには飲ませないわよ?」

 

「うんうん、だって貴重な男の子だからね~♪ 酔わせて潰しちゃったら大変!」

 

さやかは上機嫌でタクミの肩に寄りかかりながら、ガンガン酒をあおっていた。

 

ユイナも、それなりのペースで飲んでいる。

 

タクミが見る限り、すでに二人とも顔がほんのり赤い。

 

(……え、俺のこと酔わせたくないとか言いながら、自分たちはガバガバ飲むんだ?)

 

タクミには酒を勧めないが、自分たちは遠慮なく飲む。

 

しかも、ただ飲むだけでなく、タクミの両側に密着し、時折無駄にボディタッチを増やしてくる。

 

(……この世界、男女比の影響がこんなところにまで出るのか?)

 

タクミは目の前の光景を見て、ようやく"男女比3:7の世界"を本当の意味で実感し始めていた——。

 

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