1. パーティーの始まり
真中君の部屋で、私は彼の勉強を見ていた。
「うーん、ここが分からないんだけど……。」
ノートを広げたまま、真中君が困ったように眉を寄せる。
「えっとね、ここは……。」
私はペンを指で回しながら、説明を始めたが、彼は私の話を聞きながら、じっと私の顔を見つめていた。
「……なぁ、東城。そろそろ休憩しないか?」
「えっ?」
次の瞬間、真中君はそっと私の手を取った。
「せっかく二人きりなんだから……さ?」
彼の目が優しく細められる。
「ダ、ダメだよ……勉強しなきゃ///」
といって、私はそっと手を引いた。
「そ、そうだよな! 俺達受験生だしな、ごめん、東城!」
「ううん、真中君の気持ちはとっても嬉しいの! でも、今はほら、勉強があるから……///」
「分かった! 今は勉強に集中するよ!」
といって、机に向かう真中。
(このままだと、真中君が勉強に集中できない気がする……)
そう考えた私は、コンビニに行くと真中君に伝えて、彼の部屋を後にした。
――コンビニへ向かう途中。
「真中君……どうしたら勉強に集中してくれるかな……?」
とさっきのことについて思考を巡らせていた。
ただ、すぐにいい案が思いつかなかったので、ひとまず買い物を済ませることにした。
コンビニへ向かう途中、不意に視界の端に、妙な光景が映り込んだ。
(あれ……?)
向井さんと……翔くん?
二人は腕を組み、親密そうに歩いていた。
(どういうこと……?)
気になった私は、気づかれないように二人の後をつける。
人気のない路地裏へと入っていく二人。
(こんなところで……何を?)
そう思った矢先、翔くんが向井さんの顎を指で持ち上げ、深く口づけた。
(えっ!?)
それは、ただのキスではなかった。
(……大人の、キスだ……。)
私は息を呑んだ。
数十秒ぐらいだっただろうか。とても長いキスだった。
そして、キスが終わると、向井さんは、翔くんの股間に手を伸ばした。
「お、お願いします……♡」
媚びるような甘い声で、彼の股間を手で撫で回す。
「ふふっ、こずえは可愛いなw ほら、いつものヤツをやってみろよw」
彼がそういうと、彼女は嬉しそうに、スカートをまくり上げ、パンツを露出させた。
その柄は苺だった。しかも、彼女のパンツは、グッチョリと濡れていた。
そんな彼女は、パンツに指をかけると、サッと脱ぎ、彼に手渡した。
そして、おしりを彼に向けると、媚びるような視線を送った。
「翔さん、お願いします…♡ こずえの苺は、もう待ち切れないの…♡」
彼はクククと笑うと、手渡された苺パンツをポケットにしまい、ズボンの中から、固くなったオチンポを取り出した。
そして――
ずぶぅぅぅぅぅ❤❤
「んぁあっ……❤」
間髪入れずに彼女のオマンコに挿入した。
静かな路地裏に、彼女の甘い吐息が響く。
(いや! こんなの、見ちゃダメ……!)
私は急いでその場を後にし、真中君の部屋に戻った。
「おっ、東城、おかえり! って、どうした、顔が赤いけど?」
「へぇっ!? な、なんでもないよ!!」
私は必死に平静を装った。
でも、頭の中からあの光景が離れない。
(翔くんと向井さんが……どうして、あんなことを……?)
抑えきれない何かが込み上げ、私は無意識に真中君の胸に飛び込んでいた。
「と、東城……!?」
彼の温もりに包まれる。
「ねぇ…真中君…」
「う、うん……!?」
「やっぱり、さっきの続き、しちゃだめかな……?」
「……えっ///」
その後は早かった。感情のままに、彼を求めた。
まるで、今日見た光景を、塗りつぶすように。
そうして、私は、真中君の部屋で一晩を過ごした。
だが、結局、私の心のモヤモヤが、晴れることはなかった。
(……翔くんと向井さんのアレは、いったい何だったんだろう……?)
2. トイレの秘め事
日曜日の午後。
勉強の遅れを挽回するために、私は真中君と一緒に、駅前のカフェに来ていた。
「昨日は、あんまり勉強できなかったし、今日は集中しようね!」
そうは言ってみたものの、正直、私はまったく集中できていなかった。
(……あの路地裏で見たことが、頭から離れない。)
結局、ノートを開いたまま、私の手は止まっていた。
そんな私を見かねたのか、真中君が声をかけてくる。
「ん? 東城? もしかして、昨日のこと思い出してるのか?」
「へぇっ!?」
図星を突かれた気がして、私は思わず顔を上げた。
だけど、真中君は、ニコニコしながら私を見る。
「ほら、昨日の、夜の……アレだよ」
「も、もう! 真中君ったら///」
顔が一気に熱くなるのがわかった。
「ちょ、ちょっと……お手洗い行ってくるねっ///」
少し怒った口調でそういうと、私は立ち上がって、カフェの奥にあるトイレへと向かった。
――個室に入り、扉を閉める。
(もう……真中君ってば、ほんとエッチなんだから……///)
そんなことを思いながら、また顔が赤くなる私。
一方で、昨日あれだけしたのに、今日になってもどこか落ち着かなかった。
(だめだめ、いつまでも引きずってだめ。いい加減、気持ちを切り替えなきゃ!)
そう思い直し、ひとつ深呼吸をして、『よし戻ろう!』――と思ったそのときだった。
「も~う、ダメだって~♡」
と隣の個室から、小さな声が聞こえてきた。
「ほんとに、ココでするの~? 大丈夫かな~♡」
「バレなきゃ大丈夫だってw」
(……この声、どこかで……?)
思わず息をひそめて耳を澄ます。
「も~う、しょうがないなぁ♡」
「さすが、さつきだぜw」
(えっ、もしかして、北大路さん……?)
鼓動がドクン、と高鳴る。
(それに……この男の人の声は……まさか、翔くん!?)
さらに、ドクンドクン、鼓動が高鳴る。
(いやでも、でも、そんなはずは……?)
気になった私は、ダメだとわかりつつも、便座の上にのぼった。
そして、視界の先、個室の仕切りの隙間から、隣の個室を覗いた。
やはり、そこには二人がいた。
翔くんは便座に座り、北大路さんがその前に膝をついて、彼の股間に顔を埋める形を取っていた。
そして、リズミカルに頭を上下に動かす。
(な、なにしてるの……北大路さん!?)
直接は見えない。
だが、二人の距離感と、その動きから、北大路さんが何をしているかを察した。
(公共の場で……なんてことを……!)
顔が熱くなるのを感じ、私は、その光景から目をそらした。
(は、早くこの場から去らなければ……!)
そう思い、便座のフタの上から降りようとする。
だが、どうしてか先ほどの光景が頭に焼き付いて離れない。
そして、結局は、もう一度、彼らに目をやってしまった。
すると、さっきとは体勢が変わり、北大路さんが、スカートを捲りあげていた。
まるで、翔くんにアピールするみたいに。
だが、それよりも驚くべきことがあった。
(えっ!? 北大路さんも、苺パンツ!?)
そこには、昨日と似た光景が広がっていた。
そして、まるで昨日の再現かのように、北大路さんは、その場でパンツを脱ぎ、翔くんに手渡した。
翔くんはニヤっと笑うと、そのパンツをポケットにしまった。
(アレは一体どういう意味なの……?)
と私が疑問に思っていると、北大路さんがいきなり彼に抱きついた。
「ねぇ…♡ 早く私の苺を食べて…♡」
誘うように、翔くんに声をかけた。
気分を良くしたのか、翔くんはニッコリ笑うと、反り立ったオチンポを彼女の秘部に押し当てると――
ずぶぅぅぅぅぅ❤❤
「あひんっ❤」
躊躇なく彼女の中に挿入した。
そこから先は、理性を越えた男女の交わりが、何の迷いもなく繰り広げられていった。
(嘘……こんなの、現実で起こるなんて……!)
眼の前の光景に、半分パニックになる私。
でも、そんな二人から目が離せないでいた。
――結局、私は、二人がトイレから出ていくまで、ずっとその場にいた。
しかも、気づけば、彼らの動きに合わせて、私も無意識に自分にアソコに触れていた。
「はぁ……。なにやっているんだろう……私」
二人が出たあとのトイレで、私はひとり、ひどい後悔に胸を締めつけられていた。
「あっ、いけない! 早く、真中君のところに戻らなきゃ!」
しかし、すぐに、真中君を待たせていたことを思い出し、私は個室を出た。
……けれど、ほんの数歩で、また引き返すことになってしまった。
そう――なぜなら、私は、自分のパンツが、自分でも驚くほど濡れていたことに気づいたからだ。
(ヤダ……これじゃ、真中君のことをエッチ呼ばわりできないわ……///)
3. 震えるカラダ
カフェからの帰り道。夕暮れの風が少しだけ肌寒かった。
「体調悪いのか、東城?」
真中君が心配そうに私を覗き込んだ。
「え? あ、ううん、だ、大丈夫だよ! ジュース、飲みすぎちゃって……ちょっとお腹こわしちゃっただけだから、もう本当に大丈夫!」
私は小さく笑ってごまかす。嘘だと自分でも分かってる。でも本当のことなんて言えるわけがない。
頭の中では、今日カフェで耳にした光景がぐるぐると回っていた。
「それならいいんだ! でも、その、無理すんなよ。」
「う、うん、ありがとう。」
彼の純粋さが心に突き刺さる。
居た堪れなくなった私は、話題を変えようと話を切り出す。
「と、ところで、真中君! 今日も、その、おうちに泊まってもいいかな?」
「えっ!? あ、うん、べ、別に俺は、構わないけど……///」
いつもなら、真中君の戸惑いが少しだけ可愛いって思えた。
でも今日は、そんな彼のやさしさが眩しい。
「でも、東城も、体調悪いみたいだからさ。今日はゆっくり休んだ方がいいんじゃないか?」
――まっすぐに向けられた彼の気遣いの言葉が、嘘をついた私の胸に静かに突き刺さる。
「……そう、だよね。ありがとう、真中君」
結局、私は彼と別れて、一人で帰ることにした。
(……はぁ、何やってるんだろう、私……)
落ち込みながら、私は歩いていた。
すると、ふと前方に、どこか見覚えのある後ろ姿が目に入った。
(……西野さん?)
けれど、本当に驚いたのはそのすぐ後だった。
彼女の数歩後ろに、見覚えのある人物が歩いていたからだ。
(えっ、翔くん……? どうしてこんなところに?)
一瞬二人が一緒に歩いているものだと思った。
しかし、よく見ると、二人の間には少し距離があり、一緒というわけではなさそうだった。
だが、明らかに同じ方向を目指しているようだった。
(偶然?にしては、ちょっと変な距離感だよね……)
なんとなく気になって、私はそっと二人のあとをつけるように歩き出した。
まずは翔くんの様子をうかがってみる。
手をポケットに突っ込んだまま歩いてはいたが、特に目立った変わった様子はなかった。
それならと、西野さんのほうに目を向ける。
すると、彼女の様子に、どこか違和感を覚えた。
歩いてはいるけれど、妙に落ち着かない。
頻繁に周囲を見回し、ときどき立ち止まりそうになったり、小さく肩をすぼめたり――動きにぎこちなさがある。
(……体調でも悪いのかな?)
そう思った、その矢先だった。
ブゥゥゥ~ン!!
「ひゃっ!」
重低音が響き、同時にどこか悲鳴のような、か細い声が聞こえた。
声の主は西野さんだった。彼女は、その場で崩れるようにしゃがみ込み、ビクビクと身体を震わせた。
そして――
「んっ……♡ んん゛っ……♡」
と甘い声を漏らし、小さく二度ほどジャンプした。
その後、事切れたかのように項垂れた彼女の足元には、静かに水たまりが広がっていった。
(えっ、何が起きたの!? それに、西野さんの足元のあれって……)
信じがたい光景に、頭が真っ白になりそうだった。
だが、そんな中、彼女をニヤニヤと見つめる男の姿を私は見逃さなかった。
――そう、翔くんだった。
それを見た瞬間、私は何かを悟った気がした。
(正直、何が起きているのか、正確にはわからない。)
でも、一つだけ、確かなことがある。
(そう、西野さんは、翔くんにイかされたんだ……!)
4. 窓の向こうの真実
夕暮れが濃くなってきた街角で、私は、西野さんと翔くんの姿を遠くから見つめる。
先程まで一人うずくまっていた西野さんに、彼が声をかけ、手を差し伸べた。
最初は、どこかむっとした表情を見せた彼女だったが……すぐに柔らかな笑顔になり、手を取り、立ち上がる。
そして、そのまま二人は、自然に肩を寄せ合い、密着するように歩き出した。
(……もしかして、二人は付き合ってるの……?)
胸の奥が、なぜか少しだけ、ざわつく。
気になった私は、その後も二人の後を追っていった。
やがて二人は、駅から少し外れた古びたアパートの前で足を止める。
(まさか、ここに……?)
見れば、二人は建物の中へ入り、階段を登っていく。
そして、204号室の前で止まると、少し見つめ合った後、部屋の中へと消えていった。
(どうしてこんなところに……?)
気になった私は、一瞬、後を追うべきか悩んだ。
しかし、結局は、好奇心には勝てず、私はアパートの敷地内へと踏み込んだ。
まるで、答え合わせをするように。
204号室の前に来ると、カーテンの隙間から、かすかに明かりが漏れていた。
私は、サッと身を屈めると、そっと中を覗き込んだ。
薄明かりの中には、抱き合う二人の姿があった。
そして、ちょうどキスをするところだった。
(きゃっ! こんなとこ、見ちゃダメ……!)
そう思い、一瞬は目を逸らす私。
でも、どうしても、目の前の光景を確かめたい衝動にかられ、再び彼らへ視線を向ける。
すると、目の前では、先程よりも深く激しいキスが繰り広げていた。
(す、すごい……♡)
二人の情熱的なキスに、私は目が離せなくなった。
やがて、キスが一段落すると、西野さんは、おもむろに、自らのスカートを捲り上げた。
そこにあったのは、言うまでもない、苺柄のパンツだった。
(やっぱり、彼女も……)
だが、それだけではない。
クロッチの部分に、何やら太い棒のようなものが見えた。
(あれは、なんだろう……?)
気になっていると、西野さんがサッとパンツを脱ぎとった。
すると、そこに刺さっていたのは、ぶっといバイブだった。
(ッ!? あ、あんなものを、西野さんが……!?)
知識としては知っていたが、実物を見たのが初めてだった。
目の前の光景に、胸の高鳴りが収まらない。
私が一人でアタフタしていると、今度は、翔くんがおもむろにポケットに手を突っ込んだ。そして――
ブゥゥゥ~ン!
あの時聞いた音が、また鳴り響いた。
「あっ…♡ んんっ…♡」
バイブ音と同時に、甘い声を漏らす西野さん。
(そうか、さっき聞いたのはこれだったのか……!)
そんなことを考えていると、翔くんがバイブの先をツンツンしだした。
「あぁんっ…♡ んんっ…♡ んあっ…♡」
西野さんから、また、声が漏れる。
「あっ…♡ あぁんっ…♡ んんっ…♡ もう…イジワル♡」
彼のいたずらに、可愛く答える西野さん。
その反応に気を良くした翔くんは、今度は、バイブに手をかけた。
――そして、それを勢いよく引き抜いた。
ズボッ!!
「あひぃぃぃぃぃぃ❤」
突然の出来事に、獣のような声を出す西野さん。だが、その表情は、恍惚としていた。
(西野さんがあんな顔をするなんて……!)
目の前の異様な光景に、私は驚きを隠せなかった。
そうこうしていると、今度は、ズボンからオチンポを取り出す翔くん。
そして、西野さんのオマンコにあてがうと、煽るように彼女に声をかける。
「ほら、チンポだぞ…つかさw 入れてほしかったら、おねだりしてみろよw」
普通だったら、こんなこと言われても従わない。
ましてや、私の知っている西野さんだったら、こんなことには絶対に反論するはずだ。
だが、私には分かっていた。目の前の彼女が、そんなことをしないことを。
むしろ、彼からの命令を待っていたことを。
案の定、西野さんは、彼の言葉に従うように、脱いだパンツを彼に手渡した。そして――
「つかさの苺を、もっとイジメてください……❤」
と甘い声を出しながら、おしりをフリフリしだした。まるで、彼を誘うように。
(西野さんも、もう変えられちゃったんだ……)
変わってしまった知り合いをみて、私はなんとも言えない気持ちになった。
そんな彼女のおねだりに満足したのか、翔くんは、希望に答え、オチンポを彼女の中へ挿入した。
ずぶぅぅぅぅぅ❤❤
「あひぃぃぃんっ……❤」
跳ねるような雌の声だった。
そして、そこからは、二人の濃密な時間が展開されていった。
その様子を見つめながら、私は、男次第で、女はこうも変わってしまうのかと思っていた。
また、その一方で、あることにも考えを巡らせていた。
そう、一連の出来事が、偶然じゃないということに。
一人の男性が複数の女性と関係を持つこと自体は、よくあることだと思う。
(でも、それが全員、私の知り合いなんて、偶然で済まされるはずがない…!)
そう考え、私はこれまでの出来事をひとつずつ思い返していった。
そして、頭の中に一つの結論が導き出された。
(そうか! 翔くんは、私を使って彼女たちを堕としていったんだ!)
5. 答え合わせと忍び寄る影
204号室の窓辺にしゃがみ込んだまま、私は目の前の光景に息をのんでいた。
翔くんの前で、とろけるような笑顔を浮かべる西野さん。彼女が、あんなふうになるなんて。
(あれは偶然じゃない……全部、翔くんがやったことなんだ!)
胸の奥で確信めいたものが生まれていく。
『翔くんは、私を使って、彼女たちを堕としていった――』
そんな結論に至ったのは、ちゃんと理由がある。
それは、芝居後の彼女たちの態度だ。
正直、あの芝居は、彼女たちにとって、かなりショッキングな出来事だと思う。
でも一方、あの程度のことで、彼女たちが引き下がるだろうか?
否。そんな簡単に、引き下がる人たちじゃないと思う。
(だって、真中君を好きだって気持ちは、あの程度じゃ折れるはずがない……!)
同じ人を好きになった女だからこそ、わかる――そんな感覚だ。
それなのに、事実として、彼女たちはあっさりと身を引いていった。
『それは、なぜか?』
そう――翔くんが介入したからだ。彼が、私に隠れて、西野さんたちを堕としていったんだ。
『でも、いつから?』
そんなのは明白だ。“芝居”を見せた後だ。
私にはよくわかる。好きな人を奪われたときのあの喪失感。耐えがたいものがある。
そんな心のスキマを、彼は、翔くんは、狙ったんだ。
どんなに気丈な女の子だって、心が弱っているときに支えられると、心を許してしまう。
しかも、相手はあの翔くんだ。
狙われたら、イチコロだと思う。
(正直、イケメンだしね……)
それに、今回、間近で見て分かってけど、あのオチンポ。
(あんなのに貫かれたら、きっと、女の子は戻ってこれなくなっちゃう……)
そんなことを思いながら、私は窓の外から二人の淫らな行為を見つめていた。
グッチョリと濡れたパンツに、自分の指を沿わせながら。
――すると、不意に背後から声がした。
「あれ、東城さん? どったの、こんなところで?」
身体がビクッと震えた。
(だ、だれ……?)
戸惑う思考。
だが、名前を呼ばれた以上、振り返るしかない。
だから、意を決して後ろを振り向いてみた。
バッ!
すると、そこには、北大路さんと向井さんが立っていた。
「え、どうして二人が……!?」
言葉が出ない。何もかもを見られてしまった気がして、頭が真っ白になる。
だが、北大路さんは、そんな私を見てニコッと笑った。
そして、まるで全部分かっているような表情でこう言った。
「ふふっ、そっか。東城さんも、『メンバー』だったんだね」
「えっ……メンバー? それって、どういう……?」
北大路さんの言われたことに、頭が追いつかない。
「なにって、そりゃあ……『翔くんのストロベリーガール』だよ❤」
(――えええ!?)
6. ストロベリーガールの秘密
「いや、わたしは、その……!」
言葉に詰まる私を見かね、北大路さんは強引に、私の手を引っ張っていった。
「大丈夫大丈夫w 東城さんなら、すぐ慣れるってw」
そしてそのまま、彼女は勢いよく204号室のドアを開け放つ。
「翔くーん、来たよー!」
目の前に広がる光景に、私は息を呑んだ。
西野さんがベッドの上で、翔くんと身体を重ねていたからだ。
その頬は火照り、肩で呼吸しているように見えた。
「お、やっと来たかw ……それと、東城さんもねw」
翔くんが私に目線を送ってくる。
「えっ…えっ…?」
頭が追いつかない。
西野さんは、驚いたようにこちらを見たが、すぐに安心したような表情になり、翔くんとのセックスを再開した。
(なんで…みんな、こんなに普通なの!?)
どこか現実味のないこの空間に、私は立ち尽くしていた。
「おっーと。そろそろ、フィニッシュだw さぁいくぜ、おらぁぁぁ!w」
掛け声とともに、彼は腰を強く打ち付けた。
バチンッ!!
「ああぁぁぁぁぁぁぁ❤ いくぅぅぅぅぅぅぅぅ❤❤」
西野さんは激しく喘ぐと、翔くんにしがみつくようにして身を委ねた。
ビクンビクンビクンッ!
絶頂を迎えたのか、彼女の身体は小刻みに震えていた。
――やがて震えが収まったのか、彼の腕の中で静かに脱力していった。
翔くんは、西野さんをそっと寝かせると、ティッシュを数枚とり手早く後処理を済ませると、何事もなかったかのように立ち上がり、私の近くに座った。
「驚いたでしょ、東城さん?」
「えっ……?」
突然の状況に、思わず目を瞬かせる。
そんな私の戸惑いをよそに、翔くんはまるで世間話でもするかのように語り始めた。
「最初はさ、アフターケアのつもりだったんだよ。あの『芝居』をすれば、彼女たちが落ち込むのは分かってたからさ。ほら、俺、傷ついてる女の子を見ると放っておけない性分だしねw」
冗談めかして笑う翔くんに、私はただ、呆然とした目を向けるしかなかった。
「それで、彼女たちが立ち直るまで、毎日元気づけてたんだ。俺なりの方法でさ。そしたら、なんか、みんな俺のこと好きになっちゃったみたいでw こんな感じにw」
(やっぱりそうだったんだ……)
翔くんは肩をすくめて、さらに続ける。
「でもさ、不思議だったんだよ。なんでか、みんな『苺パンツ』を履いてたからさw」
「だから、聞いてみたんだよ。そしたら、『真中との思い出』だって言うんだよ。ちょっと笑っちゃったぜw」
「でもさ、だったら俺が、その記憶を『上書き』してあげたらいいじゃんって思ったのよ。」
「だからさ、俺が苺たちを美味しく頂いたってわけw つまり、彼女たちは『俺に狩られた苺たち(ストロベリーガール)』ってことさw」
何気ない口調なのに、その意味はあまりに生々しかった。
「俺も馬鹿らしいとは思ったんだよw でも、一回やってみたらさ、意外とみんなハマっちゃってw それから、毎日のように『苺パンツ』を履いて遊びに来てくれるんだw」
彼の言葉に、私は身体の奥からじわりと熱くなるような感覚を覚えた。
(信じられない。こんなことって……)
そんなことを考えていると、翔くんは、私を見て、フッと笑った。
「でもさ、結果的に、東城さんのためにもなったからOKだよね? だって、邪魔者を排除できたんだからさw」
彼の一言に、私は言葉が詰まってしまった。
(違う、そうじゃない……でも)
彼の言葉を否定したい気持ちがある一方で、私は、真中君と恋人になれた事実から目を背けることができなかったからだ。
もう、私の頭の中はぐちゃぐちゃになってしまった。
(ねぇ、真中君。私は、一体どうしたら……?)
7. 揺れる視線の先で
彼の言葉に、混乱する私。
そんな時、向井さんの声が、私を現実に引き戻した。
「えっと、翔さん、そろそろ、私もいいですか……♡」
ほんの少しだけはにかんだ笑顔。
けれど、その奥にある期待と熱が、言葉よりも雄弁に語っていた。
翔くんは、少し笑ってから向井さんの方を見た。
「もちろん。ところで、今日も履いてきた?」
その問いかけに、彼女は嬉しそうにうなずき、スカートをたくし上げた。
露わになったのは、当然、苺柄のパンツだった。
(やっぱり……)
そして、今までのやり取りと同様に、向井さんはその場でパンツを脱ぎ、翔くんにそれを渡した。
彼はニッコリと笑い、それをポケットにしまうと、向井さんをソファの方へと導く。そして――
ずぶぅぅぅぅぅ❤❤
「んあぁぁぁっ……❤」
間髪入れず、彼女の中へとオチンポを挿入した。
そこからは、二人の空間が広がっていった。
激しくぶつかる二人の身体に、飛び散る汁と汗。
私はまた、身体が熱くなっていくのを感じた。
「ふふ、こずえちゃんもずいぶん積極的になったねw」
横から聞こえた声に顔を向けると、北大路さんが西野さんにタオルを手渡していた。
「そうだね。最初は『他の人に見られるなんて恥ずかしいです……///』なんて、一人でモジモジしてたのに笑」
西野さんは照れくさそうに笑いながらタオルを受け取った。
そこに漂う空気は、まるで『もう何度もしている』かのような、落ち着いた親密さだった。
私はふと、自分だけがそこに馴染めていないことに気づく。
この空間において、私は『蚊帳の外』なのだ。
「そういえば……東城さんは、なんでここにいるの? さっきの話だと、まだ『メンバー』ってわけではなさそうだったけど…?」
北大路さんが振り返り、少し首を傾げながら聞いてくる。
「えっ、それは、その……」
私は一瞬迷いながらも、正直に答えることにした。
「実は、西野さんと翔くんが歩いてるのが見えて……それで、つい……」
「ははっw つまり気になって、ここまで来ちゃったってわけねw」
北大路さんが笑い、西野さんもこちらを見て微笑んでいた。
「案外、東城さんもスケベなんだね笑」
からかうようなその言葉に、私は顔が熱くなった。
そんな中、奥の方から向井さんの声が聞こえてきた。
「あぁんっ❤ 翔さん、気持ちいいです…もっとぉ❤」
声のトーン、息遣い、そのすべてが私の中に、じわりと響いてくる。
(あんな声、出るんだ……)
私はその場に立ち尽くしたまま、耳の奥で何かがじんわりと疼くのを感じていた。
(翔くんとするのって、そんなに気持ちいいの……?)
不思議と鼓動が早くなる。
(って、なに考えてるの、私……!)
イケないことだと分かっている。でも、そのような考えがどんどんと溢れてくる。
翔くんの姿。彼を見つめる女の子たちの表情。
そのすべてが、私の何かを――静かに、確かに、揺らし始めていた。
(イケない、こんなことって! でも、ドクンドクン…♡)
8. ほころぶ価値観
「ところで、東城さんは、真中とは、もうエッチはしたんだよね?」
「ふぇっ!?」
唐突な北大路さんの質問に、言葉にならない声を出してしまう。
「そんなに驚かなくてもいいじゃんw だって、付き合ってもう一ヶ月でしょ?」
「え、あ、うん、まあ……そうだけど……」
「じゃあ、もう経験済みだよね?」
立て続けの問いに、私はつい観念したように頷いた。
「う、うん。少し前にね……///」
「そっか。じゃあ、真中とのエッチどうだった?」
とさらに詰め寄るように質問してくる北大路さん。
「ど、どうって、……その、ふ、普通だったよ……///」
私は、顔が真っ赤になっていくのを感じた。
「そっか、普通か……。うん、それを聞いて安心したかな。」
そう言って北大路さんは立ち上がり、少しだけ伸びをする。
そのあっさりとした反応に、私は少し違和感を覚えた。
「えっと、安心したって……どういうこと?」
気になって尋ねると、北大路さんは振り返って、私の目をまっすぐ見て笑った。
「だって、私…もう普通のエッチじゃ満足できないんだもんw」
「……えっ?」
彼女の言葉に一瞬頭が混乱する。
「東城さんだって見たでしょ……翔くんのアレw」
彼女は軽く肩をすくめ、笑いながら続けた。
「なんていうか……ね。あれを知っちゃうと、普通じゃ、物足りなくなっちゃうのよw」
そう言い残すと、彼女は翔くんの元へと歩いていった。
そして、向井さんがしたように、苺パンツを脱いで翔くんに渡すと、二人はセックスを始めた。
気持ちよさそうに喘ぐ北大路さん。
その姿を見て、さっき彼女が言ったことを思い出す。
『あれを知っちゃうと、普通じゃ、物足りなくなっちゃうのよw』
確かにあそこまでの激しいセックスは、まだ経験したことがないと思った。
(アレに比べたら、確かに真中君とのセックスは、普通かもしれない……)
そんな感情が一瞬頭をよぎる。
でも、それと同時に、『普通でもいいんじゃないかな?』という感情も芽生えてきた。
だって、私は、真中君と過ごす穏やかな時間がいいし、一緒に夢を語り合い関係こそが重要だって思うから。
(セックスだけが、大事ってわけじゃないわ!)
そう、結論付けて、私は心を奮い立たせた。
そんなことを考えていると、目の前で北大路さんがフィッシュを迎えていた。
「ふぅ……これで、3人とも1周はしたかなw それじゃ、そろそろ今日の本命といきますか。」
といって、立ち上がると、彼はまっすぐ私の方に歩いてきた。
どうやら、私の番がきてしまったようだ。
(大丈夫よ、綾。だって私が好きなのは真中君だもん!)
9. 彼の提案と彼女の選択
翔くんはふぅ、とひとつ息をつくと、私の隣に腰を下ろした。
「さすがにちょっと疲れたな……」
その言葉とは裏腹に、彼の横顔はどこか晴れやかだった。
それに、連続で3人の相手をしたはずなのに、彼のチンポは、相変わらずギンギンのままだった。
(お、大きい……)
家族と、そして真中君しか知らなかった私は、翔くんのそれの『存在感』に圧倒されていた。
(なに考えてるの、私……!)
思考を振り払おうとしたとき、彼が穏やかな声で話しかけてきた。
「驚かせちゃったよね。ごめん」
「えっ……ううん。だ、大丈夫。確かにびっくりはしたけど、皆の様子を見てて、なんとなく納得もできるところもあったから……」
急に声をかけられたせいで、私は、意味不明なことを口走ってしまう。
「ハハハ、なにそれウケるw 意味分かんないよ東城さんw」
「えへへ、確かに意味分かんないよね笑 ごめん、何言ってんだろう私……笑」
彼に指摘さえ、顔が赤くなる。
「でも、よかったw 東城さんに失望されたら、どうしようかと思ってからw」
ふと見せるその素直な表情に、胸の奥が少しだけちくりと痛む。
「失望なんて……しないよ。それに……結果的に、翔くんのおかげで、真中君と付き合えたのは事実だから。」
私がそう言うと、翔くんは一瞬驚いたような顔をして、それから少し照れくさそうに笑った。
「そう言ってくれると嬉しいな。結構頑張ったもんね俺。だって、大好きな東城さんの願いだからねw」
「ふえっ!?」
唐突な『大好き』宣言に変な声が出る。
「アレ、気づかなかった? 初めて会ったときから、結構アピールしてたと思うんだけなw」
冗談のように笑うその顔に、私はどう返していいか分からなくなっていた。
(そ、そんなの、ずるいよ……)
心がざわついていく。
そんな私を見て、彼は、少し悪戯っぽい目でこちらを見つめてきた。
「そういえばさっき……真中君と付き合えたのは俺のおかげっていったよね?」
「え、う、うん……言ったけど」
「じゃあさ……その『お礼』ってもらえたりするのかな?」
「えっ、『お礼』?」
急なことに、頭が追いつかない私。
「『お礼』っていっても、ちょっとしたお願いを聞いてほしいってだけなんだけどw どうかな?」
「え、えっと……」
「ね、どうかな?」
「えっと……まぁ、ちょっとなら、いいかな」
翔くんに間近で見つめられて、ついつい承諾の返事をしてしまう私。
「ありがとう! なーに簡単なことだよ。真中君のコスプレで、ちょっとやるだけさ」
「ああ……そうなんだ。でも、具体的には、なにをやるのかな?」
「何って、そりゃ決まっているよ。エッチさw」
「ふぇっ?」
「だから、エッチだよw ここで東城さんとエッチしたいんだw」
「えええええ!?」
あまりにもあっさりと言われ、驚きの声が出る。
「まぁまぁまぁ、まずはちょっと聞いてよw 俺達ってさ、芝居とはいえ、抱擁に、パイタッチに、キスに色々してきたじゃん。でもさー、まだエッチはしたことなかったじゃんw だから、せっかくだし、最後までしたいなーって、どうかな?」
「ど、どうかなって……それは、ちょっと……ダメっていうか」
「えっ、だめ? でも、東城さん、俺のチンポに興味あるでしょ?」
「……っ!」
まるで図星をつかれたような感覚に陥り、恥ずかしくなる東城。
「きょ、興味なんか……ないよ///」
なんとか声を振り絞り、彼に反論した。
だが、そんな私の心を見透かしたように、彼はニヤっとした表情を浮かべた。
「嘘だね。部屋に入ったときから、ずっとチラチラ見てたでしょ。それに……」
ペラッ!
「きゃっ……///」
「こんなにパンツを濡らしてるんじゃ、言い訳できないよ、東城さんw」
彼は大胆にも私のスカートをめくってきた。
彼の指摘に、思わず、顔が赤くなる私。
「ち、違う! これは、ほんと、そういうのじゃなくて……///」
私は、反論を試みようとした。だが、私自身も気づいてしまっていた。
彼女たちのセックスを見ながら、正直、興奮してしまったことに。
「もう、真中とは結ばれたんだろう? だったら、俺のことなんて、数のうちに入らないさ。」
混乱している私に、翔くんは、甘い言葉をかけてきた。
そして、オロオロしている私を隙をついて、パンツの割れ目を指で撫でてきた。
「あっ……♡」
彼の指の感触に、思わず、声が漏れる。
その反応を見て、彼は確信したように、私のパンツの中に指を滑り込ませてきた。
「きゃっ! やめて翔くん!」
そんな私の言葉など無視して、彼は私のクリトリスを愛撫してきた。
「ふふっ、可愛いなぁ、東城さんはw ほら、ココが気持ちいいんだろ。」
「あっ…♡ んっ…♡ あはんっ……♡♡」
ダメだと分かっているのに、彼の優しい愛撫にほだされて、強く拒絶できない。
「こんなの、大人の男女だったら当たり前の行為さ。一夜の夢だと思って、忘れてしまえばいい。」
「そんなこと……でも、ああっ……♡」
どうにか抵抗しようとするものの、彼のテクニックの方が上手で、私はどんどん翻弄されていく。
「それに、東城さんだって、エッチなことに興味があるんだろう? 知ってるぜ、路地裏やトイレで俺達のことを覗いてたことをw」
(ああ、全部バレてる……)
どうやら、私の心と行動はすべて、彼に見透かされていたようだった。
(それじゃ、もう、抵抗しても意味ないかもしれないな……)
彼の言葉を聞いて、私は、そんな考えに染まっていった。そして、同時にじんわりと思考が霞んでいくのを感じた。
そんな折に、翔くんの声が耳元に届いた。
「さぁ、東城さん、決断のときだよ。君は僕のお願いを聞いてくれるかな? もし聞いてくれるなら、君が履いているパンツを、俺に渡してくれ。それが、俺達の『メンバー』になる証だから。」
彼は、そう私に選択を委ねてきた。
(……そうか。アレはそういう意味だったんだ。)
彼の言葉で、私の中の苺パンツの謎が、すべて解き明かされた。
そしてその瞬間、私は気づいていた。――私の心が、確かに揺れていることに。
(私は、真中君が大好きだ。彼と恋人になれたことは、本当に幸せなこと。一緒に夢を追いかけて、未来を描いて……そう思っていた。今でも、そう信じている)
……でも。
心の奥にある、もう一つの想いが顔を出す。
私は静かに視線を上げて、西野さん、北大路さん、向井さんの3人を見回した。
彼女たちの表情はそれぞれ違っていた。
けれど、どこか共通している。――誰もが、自分の心に正直で、どこか誇らしげで、とても綺麗だった。
まるで、「愛されている」ことそのものが、彼女たちの輝きになっているように思えた。
私は、少しだけ目を閉じ、深く息を吸い込んだ。
そして、1つの決断をした。
私の決断に、翔くんは柔らかく微笑んだ。そして――
「ようこそ。」
と小さく耳元で囁き、私をそっと抱き寄せた。
その日、私は、翔くんに『大切な苺』を捧げた。
(ごめんなさい……真中君。私、もう戻れないみたい❤)
10. 苺パーティ
東城に告白したあの日から、俺たちの関係はずっと続いている。
時間を重ね、笑って、励まし合って、同じ未来を目指していた。
東城のおかげで、俺は夢だった大学の映像学科にも進めたし、彼女をモデルにした短編作品で、小さな賞ももらった。
けれど。
気づかないうちに、何かが、少しずつ変わっていった。
彼女の声のトーンや、会話の間合い。そして、ふとした瞬間に逸れる視線。
最初はごくわずかな変化にしか思えなかった。でもそれは、ゆっくりと、確実に、二人の間に距離を作っていった。
今では、彼女の目は、もう俺だけを映してはいない。
けれど、関係は続いている。
そんな俺は、今日もカメラを構える。彼女をフレームの中に収めるために。
たとえ、その横に、別の誰かがいたとしても。
たとえ、その笑顔が、俺にはもう向けられなくなっていたとしても。
彼女が見せる“今”を、記録していたい。
まるで、過去の愛を証明するかのように。
ビデオカメラ越しに見えた彼女は、以前と同じ笑顔を浮かべていた。
でもその視線の先には、別の男がいる。
男の名前は翔といるらしい。
彼女の世界を変えた、元凶である。
その周囲には、彼女だけでなく、こずえ、さつき、西野の姿もあった。
誰かが笑い、誰かが甘える声が部屋に響き渡る。
そして、熱を帯びた吐息や、激しい喘ぎ声が聞こえている。
それは、俺の頭を苦しめる。
けれど、俺は構わずにビデオを回し続ける。
彼女が誰といても、どんな顔をしていても、俺はそれを受け止める。
いつか。
そのレンズの向こうで、ふと俺を見て、笑ってくれる日が来ると信じて。
「翔くん、翔くん❤ 綾にもっとオチンポちょうだ~い❤」
「だめだよ、東城さん❤ 次はさつきの番なんだから…あんっ❤」
「あぁ~ん❤ 翔さんの指で、こずえのメス穴もうトロトロです~❤」
「じゅるるるっ❤ ぷはっ❤ へへへ、つかさ……翔くんのオチンポだーいすき❤」
部屋中に苺たちの黄色い声が響き渡る。
「あはー! みんな最高だぜ! それじゃ、最後に、みんなの愛を俺に教えてくれ~!」
いくよ! せ~の!
「「「「翔くん(さん)、だーいすき~❤❤❤」」」」
ここまで読んでいただき、本当にありがとうございました。
本作はこれで、ひとまずの完結となります。
もともと、「短編で少し変わった構成のものを書いてみたいな」と思ったのが、この物語の始まりでした。
当初から全体のプロットはあったのですが、実際に書き進めていくうちに少しずつ方向性やキャラの動きが変わっていって、気がつけば思った以上に時間がかかってしまいました。
5話という短めの構成ではありましたが、思いのほか多くの方から感想やコメントをいただけて、創作する喜びをあらためて感じさせてもらえました。ありがとうございます。
これからも、色々な形で作品(SSやゲーム)を作っていきたいと思いますので、応援頂けると嬉しいです。ではでは~。