ただし、ここで久々に戦線メンバーが活躍します。
AB好きなら是非、ご覧あれ……
特別任務の第一段階で伊勢と日向を発見、音無が手術を行った翌日、音無は第二次出撃隊の編成を発表すると、その6人に休息をとるように命じた。理由は大きく分けて2つ。
1つは単純に、編成から外れないIndianapolisとScharnhorstを休めるため。さらに、伊勢たちのような鹵獲改装艦娘を発見できる可能性が浮上したので、Sidneyとのシフトを無しにして今回の事案に関わった大淀を残すことになったから。
6隻中3隻を固定にするため、3人の疲労が十分に取れないと作戦に支障をきたすだろうと考え、音無は確実に成功する選択肢を選んだ。
3隻は固定枠なのでどうしても重火力となりがちだが、今回は万が一鹵獲改装された艦娘がいた時に備えて、駆逐艦を外して馬力の高い軽巡2隻となっている。
だが、雷装値が低い(練度1ではゼロだが、練度の向上に伴って少しずつだが上昇する)艦娘が2人もいることによって、夜戦火力はかなり控えめである。
逆に、Scharnhorstはそれなりの雷装値のお陰で昼戦・夜戦共に大きな能力を発揮してくれるため、こういった任務では大変使い勝手がいい。
「うふふっ、頑張らないといけないわね」
「熊野も頑張ってまいりますわ~」
「お姉にイイトコ見せるんだからっ!」
由良と熊野、そして千代田は初の特別海域出撃ということもあって、そのやる気は十分であった。
「皆、くれぐれも油断しないように。万が一鹵獲艦娘を発見しても慌てずに、旗艦の大淀の指示をしっかり聞くこと」
「了解」
音無は編成した6人にそれだけ伝えると、大淀と共に執務室を出た。
「申し訳ありません、提督。本来なら1日でも早く作戦を完遂させたいところを、休息時間をいただいて」
「確実に作戦を遂行するためだ。1日の無理で、2日分のロスをする訳にもいかないからな」
「おっしゃる通りです。急がば回れ、ですね」
「ああ」
本当なら、伊勢や日向のような目にあっている艦娘を救出したいはずなのに、自分たちの身を案じてくれている。音無の気遣いが大淀の胸に染みる。不謹慎かもしれないが、大淀は胸に秘めた想いを打ち明けるなら、今かもしれないと思った。
「あの、ていと……」
――フィィィィィッ!フィィィィィッ!――
突然けたたましい音が棟内に響き渡る。その音は、音無ですら知っている、宇宙の彼方へ飛んで行った戦艦の艦内で、緊急事態や臨戦態勢を知らせる警報。分かりやすいからという理由でチャーが採用した。
これを使う時は、施設内で火災などが発生した時、もしくは……
『緊急戦闘準備!緊急戦闘準備!港湾監視員より入電!深海棲艦と思われる艦隊が接近中!即応可能な艦娘は、直ちに艤装装着の上応戦せよ!繰り返す!』
「なっ!?まさか、深海棲艦がこの鎮守府に!?」
大淀は驚きを隠しきれない。先任提督が殉職した時も、鎮守府に襲撃を受けた。この様子ではその時ほどの大艦隊ではないようだが、まだ新任艦娘の割合が高い。もし直接空襲でも受けようものなら、どうなるか分からない。
「思ったより早かったな。大淀、一緒に……」
「提督、私は格納庫に向かいます!指揮所へ入ってください!」
「ちょっ、おい、大淀っ!」
音無が止めようとしたが、大淀は聞く耳を持たずに廊下を駆け抜けていく。すぐに格納庫に入れる艦娘がいないのなら、自分が行って用意しなければいけない。大淀が廊下を抜けて外へ出ると、着任したばかりの駆逐艦たちが困っていた。
「皆さん、落ち着いてください!監視員が敵艦を確認して、基地航空隊の発進準備を進めてます。私たちがするべきことは、敵の艦種が分かった時に最適な艦隊を編成することで……」
『続報!敵艦隊を捕捉、その中に軽空母ヌ級及び空母ヲ級を1隻ずつ確認!すでに艦載機が発艦し始めています!』
「も、もうそこまで!?」
敵に空母がいることも驚いているが、既に艦載機の発艦も間近となっている。大淀の中で焦りが増す。
今日はレーダーの整備中だったこともあって、監視員の目のみが頼りだったが、そのせいで発見が遅れたことが悔やまれる。
その時……
「大淀さん、直上!」
焦りが混じった綾波の声が聞こえて大淀が頭上を見上げると、侵入していた爆撃機が迫る。艤装もない状態の大淀たちに成す術はない。大淀が頭を庇って目を瞑る。大淀は自分に落下してくる爆弾の直撃を受ける、そう覚悟した……
――ガアァン!――
大淀の耳に聞こえたのは爆弾の爆音ではなく、甲高く響く銃声だった。大淀が顔を上げると、直上に迫った爆撃機は、噴射口から煙を上げて空中で爆発した。大淀はなにが起きたのか分からない。
「大淀、無事か!」
聞き慣れた声を聞いて我に返った大淀が首を動かすと、鎮守府の入り口で頭上に64式小銃を構えている音無の姿があった。
「て、提督?」
音無は一度大淀に向けた視線を空に戻して、まだ数機いる爆撃機に照準を合わせる。
――ガァン!ガァン!ガァン!――
立て続けに3発撃った弾丸は直上の爆撃機に命中し、次々と爆散させていく。当面の脅威がなくなると、音無は銃口を下ろして大淀に歩み寄る。
「大淀、皆も大丈夫か?」
「は、はい。その、その銃は……」
音無が持っているのは、一見すると陸上自衛隊の64式小銃に見えるが、それだけで深海棲艦の艦載機を撃ち落とせるとは考えにくい。
「ああ、もしもの時のために、チャーに頼んで作ってもらったものだ。艦娘の建造と補給に使う資材でできている。流石に深海棲艦そのものには効かないだろうが、艦載機を撃ち落とすことくらいはできる。ほら、あんな風に」
音無がそう言って視線を変えると、再び迫る敵機にゆりを筆頭に武装した死んだ世界戦線のメンバーが視線を向けていた。
「バカども、久しぶりの戦闘よっ!死んだら骨は拾わないから、ちゃんと生き残りなさい!」
「さっすがゆりっぺ!そんなの聞かされたらくたばれねぇぜ!」
「そのための筋肉ですから!」
「目立たなくても、やる時はやるよ!」
「Get chance and lock!」
「皆、やるぞ!」
ゆりの隣に立っていた松下五段が軽機関銃(MG42)を振り上げ、空に向けて発砲する。あとに続いたゆりたちも自動小銃や拳銃、さらにこれまたチャーが作ったらしいロケット砲を四方八方に発砲して、対空戦闘に加わる。
「て、提督や普通の方がこんなことを……」
「これが俺たちだ」
「ですが、提督を守らなければいけないのに、なんで提督が出てきてしまうのですか!」
「んなこと言ってる場合かっ!お前たちが海で俺たちを守ってくれてんだ!ここでくらい俺たちに守らせろっ!」
音無のその一言を聞いて、大淀は自分の心臓がなにかに撃ち抜かれたような感覚がした。
「もし守りたいと思ってくれるなら、突っ立っていないで格納庫に行け。ここは俺たちでも守れるが、海に出て戦えるのはお前たちなんだ。頼むぞ」
「は、はいっ!」
音無に敬礼をした大淀は180度反転して、格納庫に向かって走り出す。走り続ける中で息が上がるのは、走った息苦しさだけではない。
「だめ、気持ちが、収まらない」
それから1時間と経たず、大淀を旗艦とした即応艦隊が出撃。発見した敵艦隊を沈めた。
見れば、上空を飛んでいるとは基地航空隊の『局地戦闘機 雷電』と『夜間戦闘機 月光(超・熟練)』だけであった。
大淀が戻ると、音無たちは煤まみれになりながらも、笑顔で大淀たちを迎えた。
音無たち死んだ世界戦線のメンバーもボロボロだが、誰も死んでいない。
椎名や野田、藤巻に至っては上陸してきたらしい上陸型の小型深海棲艦を短刀やハルバード、長ドスで制圧していた。
「こんなトロイ動物なら俺でも斬れるぜ!」
「ふん。天使に比べれば片腹痛いわ!」
「浅はかなり」
皆ニヤリと不敵に笑っており、どこかランナーズハイとでもいう状態のようだ。
そんな音無の笑顔は、今の大淀には眩しかった。
即応艦隊が帰還して、補給と入渠(羽黒を庇って妙高が被弾したため)を済ませると、大淀は音無に戦闘の様子を報告した。
「まさか、深海棲艦がここまで押し寄せてくるとは、思ってもいませんでした」
「やつらの補給艦隊を襲撃したことで、向こうも報復に来たのかもしれないな」
「パラドックスが発生している以上、否定はできない可能性ね」
音無の推測にゆりが同意すると、大淀も頷く。
「その、提督、申し訳ありませんでした。私たちが、提督を守らないといけないのに」
「だから、言っただろう。海をお前たちがいつも守ってくれてるんだ。ここは、お前たちが戦う場所じゃない。お前たちが頑張って戦ってきてくれて、『ただいま』を言って、帰る場所だ。ここを守るのは、俺たちの仕事だ」
その一言が、大淀の心をさらに熱くする。
「とにかく、急な戦闘でまたお前に負担をかけた。大本営に俺から電信しておくから、もう1日休息しろ」
「し、しかし……ただでさえ1日時間を潰しているのに、これ以上は……」
「出撃予定の艦娘が疲労困憊で任務を失敗しましたなんて、かっこ悪くて言えねぇ……っていうのは建前だ。俺はな、戦いに集中できない状態で出撃されて、もしなにかあったら……そう思ったら怖いのさ」
音無のはにかむようななんとも言えない表情を見た大淀は、またも胸が高鳴るのを感じた。
「(あぁ、もう。この方は……ズルいですっ)」
この時、もう大淀は『深く』自覚していた。
これまでも自分が音無に対して淡い思いを抱いていることは理解していた。しかし、それは前任提督とは違うことからの興味だと自分に言い聞かせていた。
しかし、音無と千歳が肉体関係を持ってからというものの、音無の一挙一動を見るだけでドキドキと胸が高鳴るようになってしまった。
そこでようやく、本当の意味で自覚した。自分が、千歳同様に音無に好意を寄せているということに。
「まぁ、そういうことだから、無茶はできる時にしてくれ」
そう言われて、大淀は自然と噴き出していた。
「着任なされた時も、そんなことを言われました」
「ああ、そう言えばそうだったな」
すると、鳥海の通信機に連絡が入った。
「上空の月光より入電。『艦娘ラシキ影ヲ確認』とのことです」
「お、そうか。誰か、迎えに行ってやってくれないか?」
「では、私が行きます」
羽黒が艤装を着けたままの五十鈴と共に海へ出ると、数分ほどで戻ってきた。そこにいたのは、それなりに大きな艤装を着けた、しかし小柄な少女だった。
見た目は、某第三帝国のエースパイロットをモデルにした少女『ハルトマン』に似ている……巨乳なこと以外は。
いわゆる、『トランジスターグラマー』という奴だろう。
「あなたがAdmiralかしら?」
「あぁ。俺がここの提督、音無だ。君の名は?」
「グーテンモルゲン!私はDeytschland級装甲艦の1番艦、Deytschlandよ」
「Deytschland……確か、ドイツが開発した通商破壊向けの『ポケット戦艦』だったっけ?」
Deytschland
第一次世界大戦に敗北したドイツがベルサイユ条約で制限された枠の中で建造した、最大級の軍艦であった。
主砲に52口径28cm三連装砲を、副砲に55口径15cm単装砲、そして53cm四連装魚雷発射管を備えた軍艦で、排水量11700t(近いもの、という意味では前ド級戦艦の三笠など)に武装を詰め込んだ感じである。
また、主機関にディーゼル機関を、さらに船体の建造の際には電気溶接を多用したことによって重量の軽減と航続距離の延伸を図った特異な存在でもあった。
その能力は一言で言うならば、『通商破壊に向いた軍艦』であった。
何故ならば、当時の主力戦艦の速度が軒並み26ノット以下だったのに対して、ドイッチュラント級は26ノットから27ノットを出すことができた。
かといって追いつける巡洋艦級以下の艦では28cm三連装砲という戦艦に近い大口径砲の砲撃力の前に敵わないため、もしこの船が通商破壊で商船を攻撃し始めた場合、各国は止められない可能性が高かったのだ。
これに影響されたことでフランスはDankerk級戦艦を建造したという話もある。
もっとも、そのDankerk級に影響されたドイツがさらに建造したのがScharnhorst級巡洋戦艦なのだが。
すると、Deytschlandは『フン』と鼻を鳴らした。
「確かにボディはコンパクトだけど、28cm三連装砲と15cm副砲の力は伊達じゃないわ。戦艦より速く、巡洋艦より強い私の力、とくと見せてあげるわ!」
すると、直井がボソリと呟いた。
「それは、『戦艦より弱く、巡洋艦より遅い』という奴では……?」
直井は小声で言ったつもりだったが、彼女はハッキリ聞き取ったらしい。それに関しては本人もかなり気にしていたらしく、ちょっとブルブル震えながら涙目になってしまった。
すると、音無が近づいてDeytschlandの頭を『ポン』と叩いた。
「大丈夫だ。うちの鎮守府はどんな奴でも歓迎する。どんな奴にだって、できることはある。だから、泣かないで頑張ってほしい」
すると、『フン』と言いながら涙を拭いて見せた。
「そんな風に言われたら仕方ないわね。Deytschland、ただいま着任するわ」
Deytschlandの艦種は一応『重巡洋艦』で、能力は以下となる。
○ 耐久・48
○ 装甲・39
○ 回避・27
○ 搭載×2
○ 速力・低速
○ 射程・長
○ 火力・50
○ 雷装・16
○ 対空・26
○ 索敵・12
○ 運・10
また、初期装備は以下となる。
○ 28cm三連装砲(火力+15・命中+2)
○ 15cm単装砲(火力+2・命中+2)
○ 無装備
○ 無装備(×2)
なんと、重巡でありながら戦艦に近い能力があるということからか、最初から4スロットを持っている。
この汎用性を活かせば、低速であろうとも高い能力を発揮するだろう。
「じゃあ、一応重巡になるってことだから……羽黒、案内してやってくれ」
「はい。分かりました」
羽黒に連れていかれたDeytschlandは艤装を外し、重巡寮へと向かっていく。
音無はホッと一息ついて座り込む。これで補給艦隊殲滅に当てられる艦娘が増えて、音無は少し安心を顔に見せた。その横に立つ大淀がなにかを思い至っていることに、音無はまだ気付いていなかった。
昼間の急襲で艦娘たちも気を引き締めているらしく、夕食はあまり盛り上がっているような雰囲気ではなかった。それでもマイペースな夜戦バカと自称アイドルなど、テンションの高いメンバーが陽気にしていたので、緊張が続くわけではなかった。
食事を終えた音無は、消灯前に艦娘の寮を回って声をかけた後、風呂場へ向かっていた。すると、洗面所の入り口に立っている人影を見つけた。夜なので明かりも弱く、一瞬誰かが分からなかったが、高い身長と細い手足、そして白い制服を着てピシッと背筋を伸ばした姿を見て、誰か分かった。
「こんな時間にお前が自室に戻ってないなんて珍しいな、大淀」
そこに立っていたのは、いつもなら時間に厳しい大淀だった。秘書艦や夜間巡回の業務がない時は、決めた時間で入浴・または入渠して消灯時間までに布団に入っている。その大淀が自室にいないことが、音無には珍しく感じられた。
音無が目の前に立つと、背筋を伸ばしながらも俯いていた大淀が、ゆっくりと顔を上げる。その顔を見て、音無は不安を抱いた。大淀の頬は、目から流れる一筋の涙で濡れていた。
「どうした、なにかあった……」
それ以上はなにも言えなかった。大淀はなにも言わないまま、音無に抱き着いてきたのだ。
「お、大淀?」
「いけないんです」
「えっ?」
「こんな気持ち、持ってはいけないんです。でも、もう自分をごまかせないんです……」
「持っちゃ、いけない?」
「……熱が、収まらないんです。千歳さんがいるのに、提督のことを想えば想うほど、体の熱が収まらないんです」
大淀が口にした『おもい』がなにを意味するのか、千歳を抱いて女性と言うものを少しは考えるようになった音無は、流石に理解できた。そして、大淀が泣くほどに思い詰めていたことを考えた途端、音無も大淀を抱いていた。
「すまない。そんな気持ちを抱えていたなんて。ずっと隣にいてくれていたのに、気付いてやれなくて」
先日艤装が発見されるまで、大淀はずっとサポート担当として音無の隣にいた。もしかしたら、これまで一緒にいる時間は体を重ねた千歳よりも長いかもしれない。そんな彼女が、自分にこれほどの思いをぶつけてくれるまで気づけなかったことを自戒した。
いいや、気付いてないフリをしていたのかもしれない。千歳を抱いた後、彼女に他の艦娘が想いを告げて来たら拒まないで欲しいと言われてはいた。しかし、日本の一夫一妻社会の慣習になれていた音無に、他の女性にも手を出していいと言われても迷いがあったのだ。
しかし、最近は考えが変わりつつあった。千歳が大破した時に彼女たちが普通の人間とは違う考え方で接しなければいけないという経験を持ち、昨日は伊勢と日向の手術をすることで艦娘の体についても知った。そして、目の前で流れている大淀の涙が音無の心を固めた。
だから、音無から大淀にこう言った。
「大淀。お前のこと、俺に抱かせてくれるか?」
直接的な言い方。今までの音無であれば絶対になかったことだが、考えが変わったことで、音無は今までになく積極的になっていたのだ。
「よろしいのですか……私、千歳さんと違って胸も薄いですし、可愛げもないですよ?」
「そんなことはない。スラリと伸びた手足は細いけど健康的だし、胸は……確かに薄いかもしれないけど、俺の初恋相手はそもそも駆逐艦並みの女の子だ。胸の大小で判断するようなことはしない」
「私の存在が、提督の重荷になってしまうかもしれませんよ?」
「知ったことか。艦娘を受け止めるのが提督の役目だ。そして、俺自身がお前たちを抱きたいと思っている。つまり、なんの問題もない」
音無はもう肚を決めていた。『自分が負える限り、彼女たちの想いを背負っていく』と。
そして、大淀もまた、そんな音無に抱かれながら心の中でこう思っていた。
「(もうっ、ズルいです。そんなこと言われたら……私の心が提督に繋留されてしまうではありませんかっ……)」
自分と同じくらいの背丈のこの青年に、もう骨の髄まで惚れ込んでしまった。だから、大淀は自分の願望をあえて音無にぶつけてみることにした。
「では、提督。その……お願いがあるのですが……」
「ん?」
それから数分後、音無は自分の寝室へ向かっていた……大淀をお姫様抱っこしながら。
「まさか大淀の願望が『女性らしく抱かれながら運ばれたい』だなんてな」
「やはり、おかしかったですか……?」
「いや、むしろカワイイなって思ったよ。大淀はさ、なんていうか……他の艦娘より大人っぽくあろうとしている感じがしていたから、こういう『女の子っぽい』感じがむしろいいかな、って思う」
「あ、あうぅ……」
自分の乙女な部分を『カワイイ』と言われたことが恥ずかしかったのか、大淀は赤面しながら顔を音無の胸に埋めるのだった。
だが、それは音無の体臭をモロに受け止めることに他ならなかった。
「(あぁ……提督の『男性』の臭いが……汗臭いのに、なぜか頭にじんじん響きます……)」
大淀は若干頭がボーっとしていたものの、音無を味わうことはやめられないでいた。
だが、そんな時間も長くは続かない。
「大淀、部屋に着いたぞ」
部屋に到着した以上、扉を開けてもらうためには降りなければいけない。だが、大淀はできればベッドまでこのまま運んでほしかった。
なので……音無の首に腕を回し、より『ギュッ』と抱き着いた。
「お、大淀?」
「その……これであれば腕1本くらいは動かせると思います。なので……このまま……」
音無も、大淀がこのままベッドまで運ばれたいということに気付いていた。なので、『あぁ、いいよ』とだけ言うと、左手を動かして扉を開け、室内へ入ったのだった。
寝室へ入ると足で扉を閉め、大淀をベッドにゆっくりと寝かせた。
「大淀、俺が脱がしていいのか?」
「い、いいえ。服は自分で脱ぎます。ですが、『その後』は……提督の……お好きなようになさってください」
大淀とて性行為を知識としては知っているが、経験は全くない。その点、音無は千歳と度々体を重ねていることから、経験はむしろ多いと言っていいだろう。
なので、服を脱いで全裸になった後は、その経験に任せることにしたのだ。
セーラー服のネクタイを外し、ゆっくりと上を脱ぐ。その後スカートのホックを外し、床に落とした。
そこには、純白の下着に身を包んだ、スレンダーなモデル体型の美女が立っていた。差し込む月明りで肌が光り、どこか幻想的な雰囲気を醸し出している。
「……あぁ、やっぱりキレイだ」
「うぅっ……そ、そう思ってくださいますか……?」
「もちろんさ。間違いなくお前はキレイだよ」
すると、音無は大淀を抱き寄せ、しっかりとキスをしてやった。
「んっ……はんっ……んむっ……」
すると、音無の手がショーツ越しに大淀の形のいい尻肉を揉み始めた。
「(あぁっ、提督が私の肉の薄いお尻を揉んでるっ……ダメですっ、そんなにモミモミされたら、私、余計に発情しちゃいますよぉっ……)」
そこで油断したのがいけなかった。音無は大淀の唇を舌で割ると、そのまま大淀の口腔内に自分の舌を突っ込んできたのだ。
「むんっ……んじゅっ……じゅむっ……」
大淀は音無にホールドされて、唇が重なり合う快楽から思わず逃げようとモゾモゾ動くが、大淀の想像していた以上に音無の力が強かった。
しかも、だんだんと脳が痺れるような快楽が大淀の全身に回り始め、力も抜けていく。
「(あぁ、ダメ。ダメです……こんなにされたら私……もう逆らえません……私の全てを提督に捧げないと、気がすまなくなってしまいますっ……)」
すると、音無が力を緩めて、大淀の拘束を解いた。
「て……提督……?」
すると、音無は辛抱ならないと言わんばかりに服を荒々しく脱ぎ、傍にあった椅子の背もたれにかける。
音無が全裸になった時、大淀は目を見張った。
その腰に備わった単装砲(若勃起)は見事にそそり立つ最大仰角状態で、サイズは小さく見積もっても弩級戦艦……いや、やはり超弩級戦艦クラスはあるように思えた。
「すごく……大きいです……」
「千歳にも言われたな、それ……」
音無自身は他に比較対象がいない(同年代の男子と風呂に入ったことがない)ためなんとも返答しづらいのだが、艦娘たちから見て大きいのであれば、やはり大きいのだろう。
困惑しつつも音無は改めて大淀に触れ、ショーツとブラを脱がせる。
「ああぁっ……」
一瞬大淀は自分の胸と秘処を隠そうとするが、音無に『好きにしてくれ』と言ったことを思い出したからか、その手を止めた。
「提督……大淀のこと、好きにしてください……っ」
そういうと、大淀は大きく手を広げて音無を誘った。
音無もまた、大淀を押し倒すことでそれに答えて見せた。
まずは再び大淀とディープキスをし、互いに昂ぶりを上昇させる。
「はむっ、んむっ……むちゅっ……てい、とく……」
大淀も音無とのキスで昂ってきたようだった。すると、大淀の秘処に音無の手が伸びる。
「あっ、そこはっ……」
音無の手が触れると、『くちゅっ』と湿った音が響く。触れられただけでも大淀は感じているようだ。
「はあんっ……」
「ここか?」
「うぅっ……や、やだぁ……」
さすがに感じている顔を見られるのは恥ずかしいらしく、真っ赤になっていた。
「はははっ、やっぱりカワイイな」
千歳は酒に酔っていたからと言うのもあるのかもしれないが、色気のある顔を見せることが多かったが、大淀はまだ初心な顔を見せてくれる。
音無はそんな大淀を素直に『カワイイ』と思ったのだ。
そのまま大淀の秘処を弄り続けると、大淀は時折『ビクン、ビクン』と体を震わせた。
「てい、とく……そんなにされたらぁ……あんっ」
音無としては、せめて最低でも1回は大淀を絶頂させ、媚肉を蕩けさせることで初体験の痛みを少しでも和らげてやりたいと考えていた。最初は入口周りを撫でるだけだったが、指を立ててゆっくりと挿入し、捻るように動かす。
すると、大淀が一瞬『ビクリ』と体を跳ね上げると、がくがくと震え出してしまった。
口をキュッと結んでこらえているようだが、同時に秘処から『プシャッ』と液体を噴出したことを見て、音無は彼女が絶頂したと理解した。
「んっ、んんっ……はっ、はぁっ……はぁっ……も、もう……いきなり激しい、ですぅ……」
「悪いな。お前が初めてで痛がるかと思うと、つい……」
「気遣ってくださるのは嬉しいですが……私、もう限界なんです……」
大淀は仰向けに寝転がると、M字に開脚した太腿を腕で抱え、自分の秘処に手を伸ばして『くぱぁ』と広げて見せた。
秘処からは蜜が滴り、湯気が上がっている。
音無は『ゴクリ』と息をのむと、自分の単装砲を構え、大淀の秘処に狙いを定めた。
「大淀、行くぞ」
「はっ、はい……」
『ぐちゅっ』という音を立てながら少し入れた、と思った瞬間、一気に奥へ押し込んだ。
「ひうっ!うぅぅっ……」
「痛いだろうが、ちょっと我慢しろっ!」
一番奥まで押し込むと、そのまま大淀を強く抱きしめた。
大淀も音無にしがみつくように抱き着くと、単装砲をむしろ奥へと誘うように媚肉がグネグネとうねる。
「うっ、ううっ……た、確かに痛いですっ……」
「無理すんなよ。あんまり痛いならもうしばらくは……」
だが、大淀はそのまま音無にしがみついたままだった。
「わ、私だって艦娘ですっ……多少の痛みでどうこうなるような柔な存在では、ありませんっ……だから……」
大淀は痛みに目を潤ませながらも、はっきりと言った。
「私に提督のモノだという証を、下さいっ……」
大淀の『おねだり』に、音無の股間はさらに昂った。
「分かった、分かったよ。ん、くぅっ!」
大淀を抱いている腕にさらに力を込めて、音無は密着したまま腰を振り始める。
「あんっ、あぁんっ、そ、そこれすっ、奥の、大淀の格納庫、いっぱい突いてくらさいっ!」
大淀は細身で引き締まっていることもあってか、膣内の感触は千歳よりもきつい。
そんな膣内を往復していれば、当然絶頂も早くなる。
「大淀、出るっ、出るぞっ!受け止めろっ!」
「はっ、はいぃ、受け止めましゅぅ!提督の三式弾、大淀の格納庫で受け止めましゅぅ!いっぱい、らしてくらさいっ!」
音無の主砲の先端が大淀の子宮口を突いた瞬間、砲口から大量の白濁が大淀の子宮に押し寄せた。
――ドプドプッ!ドビュビュビュッ!――
「あっ、はあああぁぁぁぁぁぁんっ……‼」
音無の主砲発射(膣内射精)に伴って大淀も絶頂を迎え、がくがくと震えながら仰け反った。
「はっ、はひっ、ひいっ……」
舌をダラリと出し、ぐったりとした大淀だったが、音無がそんな大淀にまたキスすると、そのまま腰を動かして主砲をズボズボと出し入れし始めた。
「はっ、へっ、て、てい、とくぅ?」
「悪ぃな。千歳とヤリまくってたら、1発程度じゃ収まらねぇんだ。お前は限界かもしれねぇが、俺はまだまだヤラせてもらうっ!」
「しょ、しょんなっ、わらひ、も、もうらめらすっ、イッてりゅのにぃ……」
だが、大淀は心の中で思っていた。
「(あぁ、提督は私のような女でも、何度も抱こうと思うくらいには興奮してくださるのですね……嬉しい、です……)」
大淀はそれを幸福に思いながら、音無のピストンに身を委ねるのだった。
結局、ほぼ朝まで大淀は抱かれ続けた。
何度も射精された大淀の下腹部はポコリと膨れ、体中が互いの体液まみれとなるまで絡み合ったのだった。
真面目な人が見せる色気って、なんとも言えませんよね……