※この作品はR-18です。

音無提督の艦娘救済道~ハーレム仕立て   作:笠三和大

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ここでようやく南西諸島海域に戻るわけですが……時間かかったと思うでしょう。
すみませんでした。
そして……またも新たな艦娘が音無との関係を深くしそうです


進撃の艦隊

  翌日、音無たちは南西諸島海域の追撃戦へ進撃するべく準備を整えていた。

また多数の艦娘が着任したSSS鎮守府は、音無のみならずゆりや日向たちの指示であれこれと動き回っている。

 そんな忙しい光景を、曙や浜風たちはポカンとしながら見ていた。

「な、なんなのこの鎮守府……提督権限持つ人が複数いて、装備を人間が作って、寮の修繕や資源の採掘までやって……おかしくない?」

 曙の疑問に、大淀と千歳は『ウチの洗礼を受ければすぐ慣れる』と言わんばかりの笑顔で見守るのであった。

「まぁ、そうなるな」

 伊勢と日向も、加賀と翔鶴もうんうんと頷いている。

 そんな曙たちを連れながら、朝の食事を摂るべく食堂へ向かう。

 今日は高松と萩風が立っていた。

「あっ、提督。おはようございます」

「おや音無さん。おはようございます」

「高松に萩風……?珍しい組み合わせだな?」

 すると、2人は『むふっ』と言わんばかりにドヤ顔をし、作っていたものを見せつけた。

「どうですか?この筋肉と健康への愛が溢れるメニュー!」

「カロリー計算に加えて栄養バランス、様々な計算の上で健康と味にも配慮した新作の食事です!本日の朝食はこれになります!」

 意外な組み合わせである。

「大淀、萩風のテンション、やたら高くね?」

「はぁ……その……萩風さんは、艦娘でも随一の健康オタクでして……」

「へぇ……そんな一面があるのか」

 音無も医者志望だったため、むしろ萩風の考え方は理解できる。だが、そこに高松が加わっているという点が若干の不安を覚えさせていた。

 だが、見てみると肉に野菜に納豆など、確かにバランスがかなり整っている。

 さらにゴボウを含めた煮物など、腸の調子を整えてくれそうなメニューもある。

「うん。見た目もうまそうだし、栄養バランスもしっかりしてる。これはいいな」

「でしょう!やっぱり健康第一なんです!大事なんです!」

「そ、そうか……」

 萩風が目を輝かせながら音無に迫る。萩風の『クラスに1人はいそうな美少女』というべき整った顔を間近に寄せられた音無は顔を赤くしながら若干仰け反るのだった。

「(近い、近い!)」

 食事の間も萩風はどうすればよりより良い健康を得られるかということを熱く語り、音無に『大人しそうな子だけど結構積極的なタイプだな……』という印象を植え付けるのだった。

 朝食を終えた後、艦娘たちを集めた音無は朝礼を行う。

「皆の協力もあって、特別任務をクリアすることができた。だが、ここからは南西諸島海域への本格的な進行となる。さらに手強い深海棲艦も次々と出現するだろう。皆、気を付けて欲しい!」

 だが、曙が『ちょ、ちょっと待ってよ!』と声を上げた。

「まさかこの鎮守府、まだ正面海域を突破したばかりなの!?ありえないでしょっ!?千歳さんなんてもう練度50で改二でしょ!?そんな艦隊を有している鎮守府が、まだ正面海域突破したばかりぃ!?どんだけ練度上げしてんのよ!わけわかんない‼」

 そう言われても、音無の方針でできる限り皆の練度を上げてから出撃させているのだから仕方がない。

「次の出撃目標は『カムラン半島』の追撃戦だ。編成は以下となる」

 

 

○ 川内(15.2cm連装砲・15.2cm単装砲・零式水上観測機)

○ 羽黒(20.3cm連装砲(3号)・10cm連装高角砲(砲架)・零式水上観測機)

○ 翔鶴(烈風改×21・彗星一二型甲×21・流星改×21・烈風改×12)

○ Gneisenau(出撃時のScharnhorstと同じ)

○ 金剛(試製35.6cm三連装砲・15.2cm単装砲・零式水上観測機)

○ 加賀(彗星一二型甲×18・彗星一二型甲×18・流星改×45・彩雲)

 

 

 折角なので、新しく入ったメンバーで艦隊を編成しようと考えたようであった。今までは掃討艦隊や演習ばかりさせていた艦娘に出撃させようということだった。

 Gneisenauや金剛も主力艦隊への編成は初めてだが、演習と掃討艦隊での出撃で練度は20を超えているため、チャーからも『問題ない』とお墨付きをもらっていた。

 というか、川内と羽黒を除いて初期とは思えないほど装備が充実しているのだが、そこにはもはやツッコミを入れない艦娘たちであった。

「やったー!やっと夜戦ができるよー‼」

「言っとくけど、夜戦は危険なんだから、しないに越したことはないんだぞ」

「えぇー!いいじゃん‼夜戦しよ、夜戦‼」

 実際、川内は史実でも夜戦ばかりしているので当然と言えば当然だが、相も変らぬ『夜戦バカ』っぷりに誰もが苦笑いしている。

 ただ、艦娘と肉体関係を持っている音無からすると、『夜戦』という言葉は『ソッチ』の方面の言葉を連想させてしまう。

「とにかく、皆一片の油断もなく、帰ってくるまで気を抜かないこと。いいな?」

 音無の気迫は伝わったのか、皆も最後は顔を引き締めて『了解‼』と答えるのだった。

 こうして、艦隊は出撃する。

 

 

――カムラン半島海域

 まず、結論から言えば主力艦隊までの道のりは『楽勝』の一言に尽きた。

 追撃戦とはいえ放っておいたからかいくつもの艦隊と出くわしたが、練度の高さと戦術の徹底もあって、全くダメージを負うことなく進むことができた。

「翔鶴さんと加賀さんの艦載機隊もすごいよー。あっさりと敵艦隊をボコボコにしちゃうんだもんねー」

「ふふっ。提督と工廠長のお陰ですよ」

「えぇ。かつては載せられなかった機体も載せられて、流石に気分が高揚します」

 空母2人も、初めての出撃で大戦果を挙げることができてかなり嬉しそうだ。

 一方、艦隊決戦で活躍できていることからか、Gneisenauも嬉しそうだ。

「ふふふっ。できることならお姉さまと一緒に戦いたいですが、早くお姉さまに追いついて一緒に出撃できるように頑張らないと♪」

 どうやらGneisenauは山城と近いタイプの艦娘(シスコン)らしく、なにかあるとすぐに『お姉さま』というところは正にそっくりだ。

 だが扶桑と山城もそうだったように、史実でのGneisenauは、ある時期まではScharnhorstとずっと一緒で『仲良しペア』とまで言われたほどだったのだから、当然と言えば当然なのだろう。

 その通信を聞いていて、音無は思った。

『なあ大淀、ゼナって山城と似てるとは思うんだけど、山城よりは柔らかく聞こえる気がするんだが……』

 通信はスピーカーで一緒に聞いているので、隣にいた大淀も『あ~……』と同意した。

 すると、Gneisenauから声が上がった。

「偵察機より入電!『敵主力艦隊ト思シキ艦隊発見!空母ヲ級2隻、軽母ヌ級1隻、重巡リ級1隻、駆逐ハ級2隻』とのことです!」

 なんと、通常海域と同じ編成であった。

「強力な機動部隊、ですね」

「うぅ~……どうせなら夜戦したいなー……」

「せ、川内さんったら……」

 どこまでもブレない川内に思わず羽黒が冷や汗を流すが、これに関しては今更というところである。

「まずは艦載機を発艦させます。直掩隊も、攻撃隊の援護に回って!」

 艦載機が発艦し、敵への攻撃に向かう。

 敵空母も艦載機を発艦させてくるが、33機の烈風改(制空値12)の前では無印の艦載機程度では敵ではなく、呆気なくバタバタと撃墜され、制空権確保に成功する。

『キエエエエェェェ!』

『ウリイイィィィィ!』

 その結果は……

「攻撃隊より入電!『空母ヲ級1隻撃沈、1隻大破。軽母ヌ級、駆逐ハ級1隻轟沈』とのことです!」

「相変わらず頭おかしい戦果ですね……」

 確かに、鎮守府海域を突破したばかりとは思えぬ(以下略)。

「じゃぁ、これから突撃するよっ。単縦陣で突っ込んで、中距離に入り次第発砲、もし敵が残ってたら副砲を発射して混乱させるよ!もし発射できたら魚雷も発射!……うぅ~……やっぱ夜戦まで待っちゃダメ~?」

『ダメだ』

『ダメです』

 音無と大淀のにべもない言葉にしょんぼりしつつも、真面目に仕事はする川内だった。

「全航空隊、発艦始め!」

 すると、艦娘たちから観測機が飛び立っていく。

 既に敵艦隊は半数が撃沈しており、空母に関しては完全に無力化されているため、脅威度はかなり低くなっている。

 というか、他のメンバーも含めて特別海域でElite級との戦いに精を出していたせいか、無印程度ではもはや動じていない。

「あと少し……撃ち方始めーっ‼」

 一気に接近すると、中距離に入った瞬間に主砲を斉射する。

「どう!?」

 着弾と共に、猛烈な水柱が上がる。

 4隻の砲撃により、旗艦である空母ヲ級と駆逐ハ級は沈んだ。それでも、重巡リ級はまだ生きていた。大破状態になってはいるものの、まだ動いている。

「あぁ~もう!しぶといなぁ‼」

 この艦隊は全体の練度がまだそれほど高くないため、そのせいだろう。

「砲雷撃戦って、これでいいのかしら……?」

 金剛以外の3人が魚雷を発射すると、リ級が一瞬回避しようとした……が、速度も上がらないままでは魚雷から逃れる術はなく、魚雷の直撃を受けて水の底へと沈んでいった。

「やらせませんっ!」

 カムラン半島の開放に成功した艦隊はホッと一息つく。すると、Gneisenauがまた声を上げた。

「対水上レーダーに感あり。これは……艦娘ね」

 近づいてきたのは、大きな帽子を被った艦娘だった。

「どこかの艦隊ですか?」

「一緒に来る~?」

 川内が緩く聞くと、真面目そうな艦娘も答えた。

「はいっ。ぜひご一緒させてください」

 こうして、艦隊は帰投した。

 帰投した艦隊は、天龍たちの掃討艦隊と共に、まず音無に新しい艦娘を紹介する。

「駆逐艦、大潮です!小さな体に大きな魚雷です!」

「霰です……んちゃ……とかは言いません……よろしく……」

「初めまして、弥生、着任……あ、気を遣わないでくれていい……です」

「初風です。よろしく。提督さんにとって私は何人目の私かしら?」

「夕雲型駆逐艦、巻雲と言います。夕雲姉さんを見習って、頑張ります!」

 そして、最後は色白の背の高い美人だった。

「ハラショー。私はガングート級戦艦の3番艦、ペトロパヴロフスクという」

「ペトロパウロヴスク?聞いたことのない言葉だけど……どこの国の船?」

「うむ。私は偉大なるロシア帝国によって建造され、その後も革命が起きたものの偉大なるソビエト連邦に属していた戦艦だ」

 『偉大なる』を2回も言っているが、それだけ祖国に誇りがあるのだろう。

「ソ連って奴か。海戦より陸上戦闘のイメージだけど……」

「うむ。確かに私は当時の列強各国の戦艦に比べると足は遅い上に主砲の口径もかなり小さいが……それでも、地上への攻撃は得意だ」

 ガングート級戦艦3番艦・ペトロパウロヴスク

 史実においてはソビエトに侵攻してきたドイツ軍に対して主砲を発射し、地上部隊の支援砲撃をした戦勲を持つ。

 そんな彼女は後に『マラート』と改名し、1941年にレニングラード要塞を巡る戦いにおいて、クロンシュタット港でドイツの急降下爆撃機『Juー87』シュトゥーカに搭載されていた1t爆弾の直撃を受けたことで、港に大破着底している。この戦果を挙げたのが、『空の魔王』と呼ばれた伝説のパイロット、『ハンス・ウルリッヒ・ルーデル』によると言われている。

 もっとも、ペトロパウロヴスクを始めとしたソビエトの軍艦は数が少ないこともあってか、大破着底しても後に浮揚修理されて戦線に復帰するというしぶとさを見せつける。

 能力的には金剛型より遥かに能力の低い弩級戦艦だが、姉のガングート同様に雷装値を持ち、低速戦艦ながら高速戦艦扱いで第二艦隊へ配属が可能という特徴を持つ。

 数値はなんと、運以外は姉のガングートと同じだ。

 しかも、大破着底しながら浮揚修理された経緯を持つからか、運に至っては初期値の時点で35と、姉よりかなり高い。

 装備は以下となる。

 

 

○ 30.5cm三連装砲(火力+16・命中+1・装甲+1)(×1)

○ 無装備(×1)

○ 無装備(×1)

○ 無装備(×1)

 

 

 装備の内容も姉のガングートと同じであり、運用方法はほぼ同じと言っていいだろう。

「艦隊決戦というのはしたことがないが、もし艦隊に加えてくれるのならば、精一杯働いて見せよう」

「おっ。やる気があるのはいいことだ。じゃあ、皆早速だけど演習である程度練度を上げてもらって、それから掃討艦隊に加わって実戦を経験してもらおう。せっかくなら、今日解放したカムラン半島の方を周回してもらうのもありかもな」

 確かに速力は遅いが、チャーも作り出した『新型高温高圧缶』や『ロ号艦本式艦』などを使えば、回避力に加えて速力も大幅に上昇するため、十分実戦でも使えるだろう。

「では、本日はこれで終了とし、追撃戦は明日、掃討艦隊を向かわせる。以上、解散!」

 

 

 カムラン半島攻略の翌日を、新着した曙たちの演習に当てた。

その翌日、音無は午前中に次の出撃先であるバシー島の艦隊編成などを打ち合わせした後、執務室で演習の結果などをまとめていた。

 昼も近付いたところで、音無はペンを置いてフウと息をついた。

「どうされましたか、提督?」

 その音無を心配しているのは、この日の秘書艦を担当している妙高だ。

「いや……正直、恵まれすぎてるなぁって思ってさ」

「それは、千歳さんのことですか?それとも……他の艦娘のことも含めて、ですか?」

 『敵わねぇな』と音無は呟くと、頬をポリポリと掻き始めた。

「ああ、実はさ、一昨日カムラン半島の攻略が終わった後さ、摩耶も俺のベッドに来たんだ」

「あら、摩耶さんも乙女から女性になったのですね」

 摩耶は強気なところが多く、提督に対しても『ツン』な部分を見せることの多いタイプなのだが、音無に対してはもうデレていたらしい。

「それも、なんだけど……どうやら摩耶が来るのを見てたらしくて、天龍を引っ張って龍田もきたんだ」

「まさか、人生初の複数プレイが3Pを通り越して4Pに?」

「そこに補給してくれる千歳もいたから、実質5Pだった」

「……おツトめ、お疲れさまでした」

「『勤務』じゃなくて、『努力』の方だけどな。ただ、最初は複数の女性に手を出すのを忌避していたくせに、こんなこと続けていたら、もうそんなことすら考えなくなるのかなぁって思うようになってきたよ」

 執務室の中で独り言を呟き、音無はハアとため息をついた。

「皆がケンカするならともかく、お互い提督が好きなのを承知で支え合えることも分かっていますから、あまり気になさらなくて結構ですよ」

「いや、やっぱり一夫一妻が当たり前になった文化の中で育ってきたから、複数の子に手を出すのは男として嬉しくもあり、自分が理性を失っているんじゃないかって思っちまうし」

 音無の発言を、妙高は『いいえ』と否定する。

「提督はとても理性的なお方だと思います。本当に理性を失って獣の本能を剥き出しにしているのであれば、所構わず女性を抱き続けてばかりになると思います。ですが、提督はこうして執務に励み、私たちの体調や心境に心を配って下さる。素敵なお方です」

「お前が滅多なことでお世辞を言わないと分かってはいても、そんな褒められてばかりじゃ却って自分を疑うな」

「では、私たちが信じますので、提督は私たちが信じるご自分を信じてください」

「どっかで聞いたことがあるぞ、そのセリフ」

 天国のどこかで、穴掘りだった弟分にそんなことを言った男がクシャミしたとかしなかったとか。

 すると、昼食を告げるラッパの音が聞こえた。

「もう昼飯か」

 音無は食堂に行こうかと思い立ち上がると、腕を組んで伸びをした。

「提督、凝ってらっしゃるんですか?」

「ああ、肩も凝ってはいるんだけど、座ってる時間が増えたから最近は腰の方が辛くてな」

「でしたら、昼食の前にマッサージなどいたしましょうか?」

「あぁ……そうだな。せっかくだし、やってもらうか」

「かしこまりました。では、テーブルに横になってください」

 妙高に促されて、音無は談話用のテーブルにうつ伏せになり、力を抜いた。妙高が音無に跨り、親指の先を腰に当てて、グッと押し込んだ。

「うぉっ、っくううぅ……」

 指圧を受けると、自然と体が反応して力が入る。

「息を止めていては、却って辛いですよ。ゆっくり呼吸をしてください」

 妙高の言うことも尤もなので、音無はゆっくりと息を吸い、吐く。妙高が凝っている場所を的確に押しているらしく、痛みとも言える刺激がくる。妙高が指の力を緩めると、音無は軽く上半身を上げて見上げる。

「ありがとう、結構効くもん……」

「提督?」

 今妙高は、音無に跨って見下ろす状態になっている。音無の執務中は妙高も座っているか、横に立つとしても少し離れた場所に立つ。現状、音無が見上げる視線の先には、伸ばした腕に寄せ挙げられている妙高の形の整った胸がある。

 流石に胸の大きさでは及ばないものの、初めて抱いた千歳や鈴谷など、発育のいい女性を抱いた時のことを思い出し、カーっと顔が赤くなる。

「どうなさいました?」

 そう尋ねてくる妙高から視線を逸らし、音無はうつぶせの状態に戻る。

「い、いや……よく効いてるんだけど、もう少し強くしてもいいかなぁって……」

「よろしいんですか?」

「ああ、大丈夫だと思う」

 妙高は多少ためらったものの、本人がそう言っているのであれば構わないかと思った。

「では、失礼いたします」

 先ほどよりも指に込める力を強くして押した、その時……。

 

 

――ゴキッ!――

 

 

「……っぐあああああああああぁぁぁぁぁ~~~っ!」

 その瞬間、鎮守府一帯に悲鳴が響き渡った。

 

 

――ダダダダダダッ、バタン!――

 

 

「音無君!」

「音無さん!」

「なにがあった音無!」

「「「「「提督ぅっ!」」」」」

 チャーが作らせた拳銃(ワルサーP38)を握ったゆり、直井、日向(ひゅうが)以下数人の艦娘が、一斉に執務室に飛び込んできた。一緒に入ってきた大淀が見たのは、テーブルの上で小さく震えている音無と、その上に跨り『あわわわわ……』と言いながら顔を真っ青にしている妙高の姿だった。

「一体、どうしたの?」

 ゆりは汗を垂らしながら尋ねたが、プルプル震えて泣き出しそうになっている妙高に話を聞くのはとても無理だと悟り、取り敢えず音無を医務室に運ぶことにした。

 

 

「……どうやら、ギックリ腰のようですね」

 医務室に運ばれた音無を診察した氷川丸の診断は、やはりという結果だった。

「おそらく、妙高さんがかけた指圧が強くて、背骨をずらしてしまったのだと思います」

「う~ん。外から圧力かけたものなら、治るまでそんなに時間はかからない?」

 傍らのベッドでは、腰に湿布を張った音無がうつ伏せで寝転がっていた。

「早ければ10日ほどで収まりますが、ちゃんとした処置をしませんと……」

「い、一応ギックリ腰の処置法とかも勉強したから、かじった程度だけどなんとかなるかも」

 痛みに耐えながら音無が言うと、ゆりが大淀に後学のために記録しておいてと依頼する。

「それから、音無君がこんな状態じゃあ出撃どころじゃないから、音無君が完治するまでは各自の整備と演習に集中するように伝令しておいて」

「了解いたしました」

 大淀が医務室を出ると、それまで黙って立ち尽くしていた妙高が床に膝をつき、土下座をした。

「申し訳ありません!提督のお疲れを取るはずが、むしろお怪我を負わせるなんて、弁解のしようもございません!覚悟はできております、提督のお気の済むように処分を……」

「妙高」

 音無の声が聞こえて妙高が頭を上げると、苦笑いしながら音無が視線を合わせていた。

「お前が悪いわけじゃない。重巡洋艦の馬力を甘く見て、自分の体が丈夫だと過信した俺のミスだ。もし責めるのだとしたら、お前が躊躇った時点で気にするべきだった俺の方だ」

「そんな‼」

「妙高、そこまでにしなさい」

 ゆりが割り込むと、妙高はゆりに視線を合わせる。

「今あなたがここで喚き散らしてどうなるの?あなたの言葉を聞いて無理に音無君が動こうとして、症状が悪化したらどうするの?」

「そ、それは……」

 元々妙高は礼儀正しく、責任感の強い艦娘だ。理由はどうあれ、自分がしてしまったことでよりによって提督を傷付けた。その罪悪感が拭えないのはゆりにも分かる。ゆりは妙高に提案した。

「そこまで言うなら、音無君が完治するまであなたが身の回りのお世話をしなさい。処分がどうとかは、音無君が仕事に復帰してから考えればいいわ。それとも、あなた長女のくせに困った妹みたいに駄々をこねて皆まで混乱させるつもり?」

 ゆりがそこまで言うと、妙高は涙を拭い、ゆりに視線を合わせた。

「かしこまりました。妙高型重巡洋艦、一番艦妙高。提督が復調されるまで、誠心誠意奉仕させていただきます」

「ほ、奉仕って場合によると違う意味に聞こえてくるんだが……」

 震える音無にゆりが即答した。

「なに言ってるの。身の周りの世話するんだから、奉仕で間違いじゃないわよ。音無君も、怪我人なんだからおとなしく言うこと聞きなさい」

「返す言葉もない」

 かくして、妙高は音無が完治するまでの間戦列を離れ、音無の世話をすることになった。

 ただし、その日は医務室で様子を見るという氷川丸の指示に従い、音無は医務室のベッドで一夜を過ごした。

 翌日から、妙高は献身的に音無を介抱した。起きてから自室のベッドまで音無を移動させ、食事の世話などをする姿はとても献身的だった。嫁いできたお嫁さんが義父や義母の介護をすると、こんな絵面になるのかと音無は考えに耽った。

 しかし、そこまで色々やってもらうと、トイレの時も手を借りることになり、抱いてない妙高に自分の主砲だけを見せる羞恥プレイのような経験をする羽目になった。

 そして、大変なのはトイレだけではない。ギックリ腰の正式名称は『急性腰痛症』と言い、収まるまでは患部を冷やさなければいけないので、風呂に入ることはできない。

 しかし、提督たる者がそんな不衛生な状態のままではいけないと、妙高は濡れたタオルで体を拭くと言ってきた。下の世話までやってもらった音無は、今更断れないと妙高の提案を受け入れた。

 濡れたタオルとお湯を張った洗面器、替えの下着と寝間着を用意して、準備完了。妙高は上半身から始めようと、横になっていた音無をゆっくりと起こしてシャツを脱がせる。少し汗ばんでいる音無の体を見つめて心臓の鼓動が速くなったが、妙高は気持ちを切り替えて体を洗い始める。

 最初は順当に前半身から拭き、両腕、脇腹、背中と手を回していく。その間、音無はずっと動揺していた。

 既に何人かの艦娘と関係を持つようになったが、まだ妙高とセックスはしていない。

 普段の妙高は腕にロンググローブを装着しているのだが、今は濡れるからと着けていない。

 そのため、妙高の細長い綺麗な腕が剥き出しになり、体を拭くための目の前で動いているので、彼女の形の整った胸や、フェロモンを放つ腋がチラチラと視界に入ってきているため、興奮しないわけがない。

 そして、妙高が後ろに回って背中を拭いて一息つくと、少し恥ずかしそうに言った。

「では、下もお拭きしますので、横にいたします」

 下半身は上半身以上に蒸れる。このまま放置するわけにはいかない。音無も医者を目指した者としてそれくらいの衛生意識は持ち合わせているし、腰に負荷もかけられないので、反論のしようがない。

 妙高に支えてもらい横になると、妙高は恐る恐るズボンと下着を脱がしにかかる。しかし、音無の性的欲求が彼の予想以上に高まったのか、横になった彼の股間はスウェットの生地を張り上げていた。

 妙高がゴクリと生唾を呑んでズボンを下ろすと、音無の股間の単装砲が仰角を上げて天井に先端を向けていた。音無が最後にセックスをしたのは2日前の晩、摩耶たちを抱いた時。

 それから丸2日分の性欲が溜まり、しかも目の前にいる一級品の美女が自分の世話をしてくれているのだから、興奮しないわけがない。

「(こ、これが装填完了した提督の主砲。隆起した血管が生々しくて、なんてグロテスクなのかしら……でも……目が離せない)」

 妙高は数秒間固まってしまうが、同じく恥ずかしそうにしている音無の顔を見て我に返り、足を拭き始める。太腿からふくらはぎまで何度もタオルを往復させ、くすぐったくならないように足裏は強めに擦る。加減は正しかったらしく、音無が笑ったり震えたりするようなことはなかった。

 音無の体を横向きにすると、恥じらいながらではあるが臀部も力を入れて拭き上げる。音無を仰向けにしてもう一度息をつくが、最後にもう一か所残っている。先程から絶えず脈打っている音無の腰の主砲だ。

「あ、あのな、妙高。さすがにそこは無理にやらなくても……」

「い、いいえ。こちらだけ垢を残すようなことはいけません」

「で、でも、擦れた刺激で腰が震えて悪化するかもしれなくてだなぁ……」

「……分かりました」

 妙高が了承してくれたと思い、音無は息をつく。しかし、事態は音無の思いもよらぬ方向へと向かう。妙高は『失礼します』と断りを入れると、そのまま音無の胴体に跨り、両足で音無の胴体を挟み込んで屈んできた。音無の目の前にはスカートの中に隠れていた白い下着が映り込んでいる。

「ちょ、妙高」

「こうやって押さえておけば、お体が反応しても少しは上下動を減らせるはずです。提督のお体に汚いところを残したまま、就寝させることなど私にはできません」

 妙高は深呼吸をすると、音無の主砲の先端をそっと指先で摘む。触れられた刺激を受けて、先端がビクンと跳ねる。

「わっ!(すごい、ちょっと触るだけで、こんなにピクピク動くものなの?これ以上触ったら、これどうなってしまうの?)」

 これからなにが起きるか不安を感じながらも、妙高はタオルでそっと砲身を包む。砲身を何回か往復させてからぶら下がっている睾丸を包んで転がすように揉み、そのまま股間にも手を伸ばす。

「くっ……はあ、あぅ、妙高っ……」

 一々来る刺激に体が反応して、音無の主砲はさらに膨張し、先端から先走り汁が滲み出てくる。

「あれ、なにか出てきて……」

 妙高はなにかを察したらしく、黙って音無の主砲を見つめている。すると、傍らに置いた手桶にタオルをかけると、両手で直接主砲を握ってきた。

「うぉ!?ちょ、妙高っ!」

「ちゃんと、済ませたらちゃんと拭きますので、しばらくそのままで」

 妙高はそれだけ言うと、両手を動かし始めた。細くも長い指が砲身全体を包み込み、グッと力を入れて扱いていく。垂れてきた先走りを手の平につけて、根元から先端まで絶え間なく刺激する。先走りが潤滑剤になって手の動きがスムーズにし、ヌルヌポと水気を含んだ音を立てる。

「み、妙高、それ、やばい……」

 程よく包み込む感触が気持ちよくて、主砲がビクビクと震える。

「あぁ、提督の主砲が、さらに仰角を上げてらっしゃる……」

「そんな例えしなくても、うほぉ!」

 音無が反論しようとすると、妙高は右手で先端を擦り始めて言えなくなった。敏感になってきているところに刺激を受けて、先端が震える。

「私の指で、気持ちよくなっていただけているのですね。私、嬉しいです。もっと、もっと気持ちよくなってください」

 妙高は右手で先端を擦りながら、左手で砲身のしごきを再開する。いつの間にか趣旨が変わっている気がするが、砲身に塗った先走りのお陰で左手はスムーズに動き、根元から先端までしごくとクチュクチュと音がする。ペースが早い責めに、音無の主砲がそろそろ限界を迎える。

「妙高、もう、で……」

「えっ(出るって、射する精ってことですよね?その方がスッキリするのでしょうけど、どうしましょう。射精(だ)されるのは構いませんが、このままではシーツもせっかく洗った提督のお体も汚れてしまうし、今から私の初めてを捧げるのは間に合わなさそうだし。そもそもなんか手が止められないし、だったら……)」

 この妙高の思考終了まで、約2秒。妙高は音無の胴の上に位置付けていた腰を音無の顔の前までずらして屈み、そのまま大きく口を開けて音無の主砲を咥え込んだ。

「あむ!」

「くっ、ああ!お、おい」

 音無は妙高の頭を自分の腰から引き剝がしたいが、腰に負担がかかるので体を起こせない。

「へっほうへふ。ほんまま、らしてくらふぁい」

 主砲を咥えながら喋っているのでよく聞こえないが、そのまま口内に射精するように促しているらしい。妙高は手の動きを思い出し、頭を上下に振り始める。

「じゅる、んぐ、んぐ、じゅぽ、じゅずずずずっ!」

唇の柔らかい感触と、砲身をもぎ取りそうな勢いの吸い上げで、音無も我慢できなくなる。

「ダメだ、もう、射精(で)る!」

「ん、ん、んぐ、んぐぐぐ!」

 

 

――どにゅるるるる!びゅぐ、びゅぐぐぅぅ!――

 

 

 音無の射精が近いと感じた妙高は、主砲をさらに深く咥え込み、先端で自分の喉を押し広げ食道に発射させた。

「ん、ご、おごっ……」

 最初は水鉄砲で発射したように大量に精液が注ぎ込まれ、そこからピュッピュッと散発的に出てくる。それを……

「ん、ごく、ごきゅ、んぐっ……」

「(飲んでる、妙高が俺の精液、飲んでやがるっ……)」

 何度も喉を鳴らし、妙高は音無の精液を嚥下していく。何回か喉を鳴らした妙高が『ぷはっ……』っと息を漏らしながら音無の単装砲を解放すると、先端から漏れた精液が砲身まで垂れている。妙高は舌を伸ばし、こびり付いた精液を丁寧に舐め取っていく。

「ぺろ、ぴちゃ、んちゅ、ちゅるっ……」

 目に見える精液を全て舐め取ると、妙高はお湯で濡らしたタオルで音無の主砲を包み、きれいに拭き上げた。

「提督、きれいに、なりました」

 流石に喉に先端を押し込んで嚥下し続けていたからか、妙高の息は荒い。しかし、彼女以上に息が上がっている音無に、それを指摘する精神的余裕はなかった。

 この後10日間、妙高とはほぼ同じやり取りの繰り返しとなった。ベッドでも確認できる書類に目を通し、リハビリを行う。そして、洗体する時の世話も欠かさずにやってくれた。その間、妙高がどのような思いを抱えているか、ケガの回復に専念している音無に悟る余裕はなかった。

 果たして、妙高の想いやいかに……。




ここで1つ。
pixivではこの話の直後にとある方の訃報を聞いたため、追討を兼ねて特別編を投稿しました。
時期は大幅にずれてしまいましたが、pixivでの投稿順に従って次の話はその特別編を投稿します。
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