北方棲姫を一度は打倒することに成功した。それから2回に渡って反復攻撃を行ったことで、北方棲姫の力がさらに強まっていることが確認された。
特に2回目の空母機動部隊による集中攻撃はすさまじく、周囲を回遊していた敵艦隊は翔鶴、瑞鶴を先頭に最高速力で振り切り、近づいて捉えたところで航空攻撃を開始した。
瑞鶴、Saratoga、Hornet、飛龍、Graf Zeppelin、そして加賀に搭載された『Aー1(初期型)』による猛攻により、たったの一撃で要塞の大半を潰すことに成功した。
だがやはり音無の予想通り、資源の消耗が……特にボーキサイトの消耗は尋常ではなく、最終的に空爆3回で倒すことができたとはいえ、総合で3000以上の資源を消耗したため、二度とやるまいと音無は固く心に決めた。
「……3回目の攻略に向かった時、それまでより航空機の能力が上がっていた、か」
「はい。瑞鶴さんの搭載量で、震電改でなければ負けていたかもしれません」
北方棲姫は2回目以降になると能力が強化され、航空機の能力はもちろんだが、砲撃能力や耐久力も上がっている。
実際、3回目では筑摩、摩耶が中破し、鈴谷に至っては大破させられてしまった。
見た目が幼い女の子にボコボコにされたのが堪えたのか、帰って来た鈴谷は『うぇ~ん!痛いしぃ~!』とピーピー泣いてしまっていた。
音無はなんとか鈴谷を宥めてあやして、『北方棲姫を攻略したらまたセックスしてやる』と言って泣き止んでもらったのだ。
「(攻略のご褒美がセックスっていうのは良いのだろうか……いや、今更だな)」
それを言ってしまえば、伊勢と日向の『初めて』の時もそうだったので本当に『今更』であろう。
「で、大淀。この2回の攻略では艦娘に出会えなかったんだな?」
「はい。掃討や遠征でも出会った艦娘はいませんでした。なにか理由があるんでしょうか?」
「さぁな……ただ、強いて言うなら北方棲姫の力が強いのか……それともなにか他にあるのかもしれないが、まぁ、俺がそんなこと考えても仕方ないだろう」
今日の秘書艦を任されているアルハンゲリスク改めマラートが首を傾げる。
「そうか?同志提督なら分かるかと思ったのだが……」
「そういうのはチャーの仕事。俺は皆の指揮をする、皆の状態を正常に保つことが一番の仕事だ。まぁ、なんていうか、その……適材適所ってやつだよ」
確かに、音無は今でこそ優秀な指揮官となっているが、それでも戦術、兵器の性能についての細かな知識、そしてこの『艦隊これくしょん』というゲームに関してはチャーの方がはるかに詳しく、それでいて柔軟な考え方ができる。
音無もそれを理解しているからこそ、自分が無理をするような真似はしない。
無理をすれば歪みが生じるであろうし、その歪みも最初は小さくとも、放っておけば後に大きな問題となることは間違いない。
「だから、難しいこと、できないことはできるやつに任せる。その代わり、俺ができることは全力で頑張る。それだけさ」
きっぱりと言い切った音無にマラートは『ほぉ……』と驚くが、音無からすると『できないことに手を出して失敗するよりはいい』と割り切っているのだ。
ある意味、非常に合理的な考え方と言える。この合理性こそが音無の指揮官としての強みなのだ。
「よし。摩耶たちには負担をかけるが……これが最後だ。頑張ってもらおう」
2回目以外は変わり映えしない編成だが、34ノット以上を出すことができて、地上型に高い攻撃力を、そして随伴の艦隊にも一定の攻撃力を有しているため、このメンバーが最適なのである。
本来であれば対地装備を搭載した駆逐艦や軽巡洋艦も使える(特に大淀は雷装値が低い代わりにWG42を装備可能なので高い対地能力を誇る)ため、使えないわけではないのだが、やはり強力な対空カットイン可能且つ三式弾改で対地攻撃力を強化できる摩耶改二がいることが大きいのだ。
「摩耶には地道な戦いに徹してもらうことになるけど……きっと、摩耶ならちゃんとやってくれるさ」
すると、マラートも『確かに』と頷いた。
「艦隊決戦ばかりが軍艦の華ではない。実際、私も第三帝国との戦いでは陸上の味方を支援するために艦砲射撃を行ったものだ。姉上(ガングート)もそれで勲章を得たからな。今の同志提督の言いたいことも分かる。なるほど……ただ戦うばかりが能ではない、か。いいことを言うな」
船同士の戦いではなく、味方の支援に徹していた彼女だからこそ、今の音無に深い理解を示してくれたと言えよう。
「よし。それでは主力艦隊に出撃を命じる」
「はい。総員に通達します」
こうして、鈴谷を旗艦とした北方棲姫攻略艦隊が4度目の出撃をしていく。
――北方海域
この海域の攻略では摩耶以外に電探を装備していないため、瑞鶴に装備している彩雲か、目視による敵艦隊発見が重要となる。
「どう?瑞鶴」
「今まで通り、東から重巡リ級FlagShipを旗艦とした艦隊が迫って来るわ。全速力で離れましょう」
針路を北に向け、34ノットの全速力で航行する。
「どう?」
敵艦隊もこちらを確認したのか、増速して追跡してくる。だが、鈴谷の最高速力には及ばないようで、ぐんぐんと距離が離れていく。
しばらくすると追跡を諦めたらしく、反転した。その姿を最後尾の筑摩が確認していた。
「敵前衛、追跡を諦めたみたいです~」
「毎度毎度のこととはいえ、冷や冷やさせられるのぉ」
利根の言葉に熊野も同意したようで『本当ですわ』と冷や汗をぬぐっている。
音無が『無駄な消耗・損傷を避けるため、できる限り道中を遊弋する敵艦隊は無視すること』と言っているため、皆それに従っているのだ。
実際そのおかげもあって、北方棲姫に接触した時に随伴艦隊を含めてそれなりに打撃を与えることができるのだから、音無の推察は正しいのだ。
また、摩耶が対空カットインで敵機を枯らしている間に減速し、疲労を抜くことも十分にできるため、今の時点では全速力で駆け抜けていても問題がない。
と、いつも通る小島を抜けたところで鈴谷が顔を引き締めた。
「減速!空母ヲ級FlagShipの艦隊が見える‼」
島が影になっていて気付かなかったが、危うく接敵するところまで迫っていた。もっとも、敵艦隊の方はこちらに全く気付いていないようで、警戒の直掩機こそ飛ばしているようだったがそのままスルーされてしまった。
「……ふぅっ。よかったぁ」
『鈴谷、ナイス判断だ』
「えへへ~、そうでしょ~?もっと褒めて褒めて~♪」
鈴谷はこれで結構構われたがりの一面があり、よく猫みたいにじゃれついてくる。
だがそれは、音無からすれば愛情と信頼の裏付けであった。
再び全速力で駆け抜けると、それほど航行しないうちに岸辺が見え始めた。
「敵艦隊、追跡諦めました~」
「そろそろ『ちっこいの』の索敵範囲に入るはずじゃ。皆、気を緩めるでないぞ」
そう言っていた矢先、敵の偵察機が上空を旋回していった。
摩耶の『Fumo 25レーダー』に敵機の編隊が映る。鈴谷が『各個、輪形陣‼』と鋭く叫び、摩耶もそれに続いて声を上げる。
「瑞鶴、任せたっ‼」
「分かったわ‼」
瑞鶴が弓を弾いて直掩機として『震電改』を飛ばすと、震電改は編隊を組んで敵機へと向かっていく。
「制空権……確保‼」
やはり震電改の能力は圧倒的であった。強化された北方棲姫であろうとも、制空権を確保することに成功していたのだ。
「ほれ、おいでなすったぞ‼」
利根の言葉を待つまでもなく、摩耶の体が光り始める。
「摩耶様の攻撃、食らえーっ‼」
摩耶から放たれた猛烈な対空弾幕により、敵機が次々と擦り減っていく。
最後、筑摩に向かおうとした1機を高角砲で撃墜したことで、この対空戦闘は終わった。
「ふっふーん♪(ドヤァ)」
これだけの能力を見せつけるのだから、摩耶のドヤ顔も納得である。
「油断するでない!続けてくるぞ‼」
利根の忠告を聞いて、瑞鶴が次の直掩隊を素早く上げる。幸い、瑞鶴が一度に放つ飛行隊(この場合は1スロット分)で十分に制空権を取れることから、スロットごとに放っているのだ。
「おらおらぁ‼どんだけ来ようが撃ち落としてやらぁ‼」
続けて飛行してくる編隊も、摩耶が次々と撃ち落としていく。対空戦闘に関しては鈴谷や熊野たちは見ているだけだ。
「うひゃぁ……何度見てもすごいねぇ……」
「装備だけならば見繕えますが、摩耶さんのように対空能力に特化しているわけではないですし……仕方ないですわ」
熊野の言葉に利根も筑摩も苦笑いするだけだ。
実際、弾薬の続く限り摩耶の猛烈な対空能力は発揮され続ける。それだけに、摩耶を中心とした艦隊の防空網は万全に近いと言えよう。
そして、4回目で遂に敵機が飛んでこなくなった。
「敵機は尽きたようですわ」
「無限に湧いてくるのは愛情だけで十分じゃな」
「あらあら、利根姉さんったらポエムですか~?」
「違うわっ‼」
こんな軽口を叩いてはいるが、皆緊張した顔をしている。
これまでの北方棲姫よりも、さらに強い『気』を感じるのだ。
「じゃあ、行くよっ‼」
会敵した直後、パターン通りにどこからともなく随伴艦隊が現れる。
だが、鈴谷たちは慌てない。
「どぉーだ!参ったかっ‼」
摩耶のどこか強がりともとれる言葉にもこれまで以上に力が籠っている。
これで北方海域を完全に開放できるのだと、皆必死の思いなのだ。
『ウゥッ……オイテケェ……レップウ……オイテケェ‼』
北方棲姫の小さな体から放たれるオーラに一瞬吞まれそうになる一同だったが、こちらも覇気を強めてオーラを押し返す。
「舐めんなよぉ‼」
そう言いつつも随伴艦隊の攻撃が厄介なため、まずはそちらを向いて副砲を発射し、牽制してみる。幸い既に中距離だったこともあって猛烈な副砲の発射炎が煌めく。
――ドドドドドドドドドドドドンッ‼ガガガガガガガガガッ‼――
幸い、まだ北方棲姫の射程には入っていなかったため、随伴へ攻撃を集中することにした。
「うわっ、キモッ!」
敵艦隊が狼狽したところで鈴谷を先頭に魚雷を発射する。陣形が乱れたことで速力の落ちた艦隊に魚雷がまっすぐ突っ込んでいく。
直後、横を向いて避けようとした随伴艦隊の横っ腹に吸い込まれるように魚雷が突っ込んで行って炸裂すると、先頭を行く戦艦ル級FlagShipが中破に追い込まれた。さらに駆逐艦も2隻沈む。
「うっしゃ‼随伴先に片付けるぞ‼」
幸いまだ中距離だったため、全員で主砲を一斉射する。しかも、ちょうど丁字有利状態であった。
その時、利根の体が光り出した。
「その艦もらったぁっ‼」
放たれた砲弾は猛烈な爆発と共に、軽巡ツ級と戦艦ル級FlagShipをあっという間に海の底に引きずり込んでいった。
「やったぁっ!随伴片付いたぁ‼」
「よっしゃ!あとはちっこいのだ‼」
速力を上げつつ、中距離に入ったところで再び副砲を発射すると、浮遊要塞及び北方棲姫に次々と砲弾が命中してわずかだが体力を削っていく。
『ウゥ……カエレッ‼カエレッ‼』
北方棲姫が攻撃しようとした直後、すぐ側で砲弾が炸裂し、至近弾となったことで発射態勢を崩されてしまった。
そうこうしているうちに至近距離まで艦隊が接近する。
「この日のためにカタパルトは整備したのじゃ‼」
三式弾と同時に、WG42のロケットが多数発射される。煙の尾を引きながら飛翔するロケットと三式弾が炸裂し、猛烈な爆炎が発生する。
「回頭180度‼攻撃回避を……」
直後、煙の中から砲弾が多数飛んでくる。
直後、摩耶に砲弾が命中する。
「摩耶‼」
「うぅっ……んだよぉ、クソがっ‼」
強烈な攻撃によって、メンバーのうち、攻撃が命中した鈴谷と利根はカスダメで済んだが、運悪く摩耶が一撃で中破に追い込まれてしまった。
「大丈夫か!?」
「うっせぇっ‼こんなんでくたばる摩耶様じゃねぇぞっ‼」
「くたばるのは提督との夜戦だけですよね~」
「そうそう夜戦だけ……ってなに言わせてんだっ‼」
筑摩が程よくボケてくれるお陰か、皆過度な緊張状態にはならずにすんでいた。
だが、それでも北方棲姫の攻撃はすさまじく、その後2回の砲撃で筑摩が大破、熊野も中破に追い込まれてしまった。
それでもその後、何度も砲撃を繰り返してようやく要塞全てを陥落させ、さらに北方棲姫も滑走路が破壊され、すっかりボロボロになっていた。
「提督、これから夜戦だ。行ってくる」
『気を付けろ……としか言えねぇな。頼む』
「応よ‼」
夜戦に突入した艦隊は、大破した筑摩以外の4隻で砲撃態勢に入る。
すると、鈴谷の体が光り始めた。
「敵艦隊見っけたぁ‼さてさて……やっちゃうよっ‼」
砲撃カットインの発動で一気に大破状態まで追い込むと、鈴谷を含めた4隻が次々と砲撃を見舞っていく。
そして、体力が尽きた北方棲姫は崩れ落ち、断末魔らしい言葉を呟きながら炎の中に消えていった……。
「やーるじゃん」
そう呟いた鈴谷だったが、若干言葉に力がない。
やはりと言うべきか、幼い女の子を寄ってたかってボコボコにするような戦いが精神的に堪えたのだろう。
すると、水平線の彼方から何者かが現れた。
「どこかの艦隊ですか?」
「あぁ、そうだが?」
「良ければ連れて行っていただけないでしょうか?」
「おぅ、付いてきな」
艦隊は新しい仲間を得たという想いと、やりきれない感情を胸に帰投した。
帰投した艦隊は音無への報告を済ませると共に新しい仲間たちを紹介する。
「給油艦、神威と申します」
「神威?北海道生まれなのか?」
「いいえ。ですが北海道神威岬由来の名前をいただいてます。できる限り頑張りますね」
補給艦・神威
実際にはニューヨーク造船所で発注され、同地において竣工した艦である。
しかもその影響からか、さりげなくアメリ艦娘とも縁がある。
まず同じ造船所でSaratogaが建造されている。
さらに南太平洋で消息を絶った女性飛行士を捜索するのに、戦艦『Colorado』と共に行動したという話もある。
開戦時には旧式化していたが、地道に兵站を支えた『縁の下の力持ち』でもある。
「へぇ……しかも改装すると水上機母艦にもなるのか」
「はい。艦隊決戦は難しいですが、色々できることはあると思います。お任せください」
「(どうでもいいけど……胸デカいし下半身露出多いな‼……今更か)」
そして、他の艦娘にも目を向ける。
「Buongiorno!イタリア生まれの新鋭軽巡洋艦、ルイージ・ディ・サヴォイア・ドゥーカ・デッリ・アブルッツィです」
「……ほへっ?」
「長いですよね。私、アブルッツィで構いません。提督、妹共々よろしくお願いいたします」
「司令、神風型駆逐艦、旗風、参りました。お供させていただきます。よろしくお願いいたします」
「アタシ……白露型駆逐艦……その八番艦。山風。いいよ……別に」
「提督さん、お早うございます。朝潮型駆逐艦、峯雲、配置に付きます」
「夕雲型駆逐艦、五番艦の巻波。来たわ。なに?この艦隊。提督、あなたも元気ないわね!私が来たのよ?そう。楽しくいきましょ!」
そして最後は、スレンダーな中学生くらいに見える、しかしキリっとした表情の日本人女性だった。
「初めまして、提督。私は敷設艇、怒和島と申します」
「敷設艇?エミールみたいに機雷を敷設するのが仕事か?」
「はい。ですがそれだけではなく、大戦末期ということもあって船団護衛や対潜哨戒、対空警戒もこなしました。大戦末期の日本における重要な護衛艦だったんです」
敷設艇・怒和島
日本が建造した機雷の敷設艇だが、本人が言う通り様々な任務に駆り出された存在である。
総トン数は720t。平島型敷設艦の八番艦である。
主砲に8cm高角砲を装備し、25mm三連装機銃や三式爆雷投射機、九三式水中探信儀、13号対空電探など、護衛艦艇として必要な装備は一通り装備している。
速力こそ20ノット足らずだが、日本の建造した護衛艦艇としては十分な存在だった。
「えぇと、装備は……」
○ 8cm単装高角砲(火力+1・命中+1・対空+5)
○ 25mm三連装機銃
○ 九三式水中探信儀
排水量こそ睦月型駆逐艦とほぼ同じだが、護衛艦艇・敷設艇という立場からか最初から3スロットを持っている。
練度20で改装すると4スロットになり、『三式爆雷投射機』や『13号対空電探改』を持参するのも特徴だ。
能力値は以下となる。
○ 耐久 9
○ 装甲 4
○ 回避 42
○ 搭載 0
○ 速力 低速
○ 射程 短
○ 火力 3
○ 雷装 0
○ 対空 12
○ 対潜 32
○ 運 40
終戦間際まで生き延び、終戦からしばらく経った昭和27年に解体されていることから、運の数値はかなり高めである。
「へぇ……じゃあ、いわゆる『護衛艦』だったんだな」
「はい。艦隊決戦には向きませんが、護衛であれば様々にこなして見せます。それと、海外では海外潜水艦の回航に付き合ったこともあります」
この怒和島、マレー半島のペナンを訪れた際にドイツのUボート『Uー511』を護衛して日本に回航したことが、さらにマニラでは元イタリアの『コマンダンテ・カッペリーニ(当時はドイツに接収されたためにUIT24号と呼ばれていた)』を回航したことがあるという経歴を持つ。
「へぇ……ん?『Uー511』って……ドイツ艦娘を秘書艦に据えて大型艦建造すると来る奴じゃないか‼」
そう。ヒトラー総統から寄贈されたUボートの1隻が『Uー511』であり、彼女は日本所属となったことで後に『呂500』と呼ばれることになった潜水艦と縁があるのだ。
「へえ……じゃあ、後で会えたら色々お話ししたいだろうな」
「はい。もし来てくれるのであれば……また、ぜひ」
にこやかに微笑む彼女の中で、小さな外国のお客さんと過ごす束の間の一時は楽しかったのだろう。
敷設艇は一応特務艦扱いになるので、神威共々特務艦寮へ案内することにした。
すると、それを見ていたゆりが机の上に腰掛けると、口を挟んできた。
「ねぇ、音無君。どう思う?」
「え、なにをだ?」
「決まってるじゃない。敷設艇……確かに船団護衛や対潜哨戒に使用されたという意味では海防艦として扱えるのかもしれないけど……」
ゆりはなにかが気になるらしい。少し考える様子を見せてから続けた。
「この前ウチに来たエミールや、以前に来たユニコーン、セーブル、それにプレトリア・キャッスルなんかもそうよ。明らかに海防艦たち以上に実戦には使い辛いような……なんだか微妙な艦娘たちが来るのって、なにか意味があるんじゃないかって思って……」
「……」
確かに、ゆりの言う通りである。
実際にはPretoria CastleやSableなど、訓練において大仕事をしてくれている艦娘はいるが、本来教官役は鳳翔がいれば十分なはず、と言われている。
「……それを考えるのも俺の仕事じゃないさ」
「えっ?」
「だってさ、艦娘が来てくれるっていうのは、それだけで嬉しいことだと思うんだ」
「音無君……」
「もしなにか……意図されて俺のところに色々な艦娘が来ているのだとしても、俺は構わない。なにかそういう役目があるんだろうからな」
「……もうっ、本当にあなたって人は……」
ゆりは苦笑いするが、音無は真剣だ。
そんな音無の顔を見たからか、ゆりも『いいわ』と言って再び立ち上がった。
「じゃ、艦娘たちを大事にしてあげないとね、提督さん♪」
「あぁ。分かってる」
その夜、音無は鈴谷とGraf Zeppelinと共に部屋にいた。
「グラーフ。今夜の補給、よろしくな」
「うむ。任せておけ、Admiral」
Grafが『ふんっ』と胸を張ると、『パイオツェッペリン』と称される巨乳が『ぷるんっ』と大きく弾んだ。
鈴谷も大きい方だが、それでもGrafには若干負けている……というか、最近Grafは少し大きくなっていた。
「恐らく、『補給』ができるようになった影響だろう、と工廠長は言っていたな」
「ただでさえ大きいのに……大変じゃないか?」
「確かに肩は凝るし、走ると揺れて痛いと言えば痛いが……Admiralにこの乳を吸ってもらえるのであれば、と思えばどうということはないな」
「うぅーん……鈴谷もおっきいけど……グラーフさんすごいなぁ……ちょっと羨ましいなぁ……」
すると音無が後ろから抱き着いて『そんなことないぞ』と言いながら、鈴谷の乳房を揉み始めた。
――ムニュウッ、ムニュムニュッ……――
「ひゃんっ……そ、そうかなぁ……♡」
「あぁ。鈴谷のぷるぷるおっぱいも気持ちいいぞ」
「えへへ~♡」
鈴谷が微笑みながら音無に尻を向けると、音無も自分の主砲をそのまま鈴谷に挿入する。
――じゅぶぶっ、ぐちゅっーー
「あぁあんっ♡提督のチンポっ……一番奥まで来てるぅっ……♡」
「奥だけじゃない、ぞっ‼」
音無がバックから勢いよくピストンを開始すると、鈴谷のハリのある乳房が『たぷん、たぷん』と揺れ、出し入れされる度に鈴谷の顔が蕩けたモノへと変化していく。
「あふっ、ひんっ、これっ、奥っ、キモッ♡」
「えっ、気分悪くなったか!?」
「ちがっ、そうじゃっ、ないっ♡気持ちっ、いいのぉっ♡」
「あっ、そっか……よかったぁ……」
脇ではGrafが『Admiral、そういうところだろう……』と、若干呆れたような顔をしていた。
だが、音無もその言葉に気を向ける余裕がないようで、夢中になって腰を振っている。
――ぱんっ、ぱんっ、ぱんっ!――
音無の逸物が出し入れされている姿をGrafは羨ましそうに見ているが、音無が鈴谷に夢中になっていることもあってその姿には気付いていない。
すると、Grafが『むぅ……』と言うと、音無の前に顔を突き出した。
「わっ!?」
「Admiral……寂しい私を慰めろっ。ほらっ」
「んむっ!?」
Grafが音無の顔面に乳房を押し付けて来たのだ。本能的に乳首に吸い付いた音無は、口の中にミルクの甘い香りが広がるのを感じた。
「んっ……♡Admiralにちゅうちゅうされるの……いいなぁっ……♡」
Grafの分泌する母乳は量こそ鹵獲改装組には劣るが、味の濃さは負けていない。
「(そういえば、ドイツってホルシュタイン牛の源流なんだっけ……それを考えると、まさにホルシュタインと言うべきか……)」
実際、第二次世界大戦開戦時にドイツがノルウェー侵攻の際に使用した前弩級戦艦『シュレスヴィッヒ・ホルシュタイン』(能力的には『三笠』と同レベル)は乳牛の産地であるホルシュタイン地方がネーミング元である。
音無がそんなことを考えつつ母乳を吸っていると、下で四つん這いになって出し入れされている鈴谷の声がさらに甘いものになっていく。
「ひゃあぁんっ♡!?提督のチンポおっきいぃよぉっ♡急におっきくなったぁっ♡あんっ、あんっ、しょれぇっ、ひいいぃっ♡」
母乳を摂取することで音無の逸物はより大きく、硬くなっていく。
それにより膣道と子宮口をゴリゴリと抉られた鈴谷はたまらず、獣のような嬌声を上げることしかできなくなっていった。
「(鈴谷……射精るっ‼)」
――どびゅびゅびゅるるるるるるるるっ‼びゅびゅびゅびゅううぅぅぅぅぅぅ‼――
音無の大量射精を受け止めた鈴谷の子宮は勢いよく拡張し、一気にボテ腹になるまで膨れ上がる。
「んおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ♡‼……おぉぉふっ♡」
大量の精液で媚粘膜を灼かれた鈴谷はビクビクと体を震わせると、そのまま布団に倒れ込んでしまった。
逸物を引き抜いた膣口からは『ごぽっ……ぼぷっ……』と精液が溶岩のようにゆっくりと吹き出していた。
「ふぅっ……またいっぱい出ちまったな……鈴谷、大丈夫か?」
「あへぇぇっ……?らいりょーぶ、らいりょーぶ……♡」
完全に呂律が回っていない。絶頂が強すぎたらしい。
「酔っぱらった千歳みたいだな……」
「いいじゃないか」
そう言うと、Grafが正面から音無に抱き着いてくる。
「Admiralに心を開いた艦娘にとって、あなたの精液は世界の美酒に等しい」
「そんな生臭い酒でいいのか?」
「味よりも、あなたを感じられることが嬉しいのだ」
そんなことを言われて嬉しくないわけはなく、音無の逸物は復活して再度仰角を上げた。自分の下着に砲口が当たると、Grafは横にずらして、ゆっくりと腰を下ろす。
――ずちゅっ、ずぶぶぶぶっ!――
「おほおぉぉっ♡……やはりぃ、Admiralのチンポぉ、たまらんん~♡」
勤務中は凛々しいGrafの顔が、音無の逸物を体内で感じるだけで蕩けている。音無も立ったまま挿入する機会が少ないので、珍しい姿勢での挿入で感じる快感がこみ上げる。
「空母は加賀とか翔鶴とか入れると包まれる感触の娘が多いけど、瑞鶴やグラーフは圧迫感の方が強いな。でもきつくない、程よいからもっとやりたくなる」
すると、それを聞いた笑みを浮かべたGrafが耳元で『横になってくれ』と囁く。音無は言われた通りに横になる。Grafはそのまま跨り、上半身を音無に密着させる。
「Admiralはいつも私たちを気持ち良くしてくれている。だから、たまにはこちらにさせてくれ」
音無が動かないようにしっかり両腕で抱き着くと、Grafは腰をゆっくりと持ち上げる。逸物が抜けるか抜けないかの所まで腰を上げて、Grafは一気に腰を落とした。
「んはぁぁっ♡ああ、Admiralの主砲、格納庫の一番奥に押し入ってくるぅっ♡」
「おぉっ……これはこれで気持ちいいなっ……」
『ぐちゅっ、ぐちゅっ』と卑猥な水音を立てながら腰を上下させるGrafの姿はかなり淫靡である。
音無はと言うと、再びGrafの乳首に吸い付いて母乳を吸い出している。
「んっ……ふふっ、一杯飲んでくれ、Admiral。そして私にもたっぷりとAdmiralの子種を呑ませてほしいっ」
「ぷはっ……あぁ。たっぷりと飲ませてやるよっ‼」
Grafの腰の動きがさらに加速していくと、音無も我慢できなくなってきたのか腰をグリグリと動かし始めた。
子宮口を刺激されたGrafは『んんっ♡』と甘い声を上げてはいるものの、その腰の動きは止まらない。
「あっ、あっ、あっ、これっ、ダメだっ、Admiralの主砲ぉっ、奥でグリグリってぇっ♡」
「まだまだっ‼ほらっ‼」
―ーズンッ‼――
「ほぉんっ♡あどみらぁぅ♡気持ちいぃっ♡気持ちイイのぉっ♡」
「あぁっ、もっと気持ちよくっ……してやりたいけどっ……射精るっ‼」
――びゅぶるるるるるるるるぅっ‼どびゅびゅびゅびゅうううっ‼――
Grafの腹部が『ぷくーっ』という擬音がしそうな勢いで膨れ上がっていくが、対面座位ということもあって奥深くまでしっかりと突き刺さっているからか、大量射精にもかかわらずほとんど零れてこない。
「おおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ♡……Admiralの子種がぁっ……私の胎の中にぃぃぃっ……ダメだぁっ♡……イッてしまうぅぅぅぅ……♡」
Grafは凛々しい顔をアヘ顔に蕩けさせ、そのまま脱力して倒れ込んでしまった。
音無も疲れたらしく、『ふぅっ……』と言いながらGrafの乳房に抱き着くように倒れ込むと、そのまま眠ってしまった。
だがこの時、鎮守府に脅威が迫っていたことを、まだ誰も気付いていなかった。
鎮守府に迫る脅威……いったい何が迫っているのか……