やっとゆりっぺさん本番です(遅すぎる、というツッコミはなしで……)
音無が補給を終えると、ゆりはそっと近付く。改めて音無の体を見ると、細身ながら引き締まっている。音無が立ったまま動かないので胸板に触れてみると、男性らしい筋肉の硬さが伝わってくる。
音無もまた、ゆりの腕とお腹に触れてきた。
一瞬ゆりは体を強張らせたが、音無の手の温もりが伝わった瞬間にその緊張が『ふっ』と解けるのを感じた。
「うわぁ……こうして触って見ると、男の子ってゴツゴツしているのねぇ……」
「そういうゆりはとっても柔らかいな。あんなに激しく動くのが得意だから、もっと弾力が強いのかと思っていたよ」
「あら、プニプニな女の子とふんわりな女の子、どっちが好みなのかしら?」
「なんとも言えないな。それぞれの良さ、魅力というものがあるんじゃないかと思ってるよ。なにせ、30人以上の女をとっかえひっかえ抱きまくってるんだ。そんなことを考える余裕ができちまった」
ゆりもスキンシップと言うだけならば戦線の男子メンバーに多少触れたことはあるが、裸の男に触れたのは音無が初めてである。
一方の音無はゆりとは比較にならないほど異性経験が豊富になってしまった。そんな比較ができてしまうのも当然だろう。
「……ねえ、音無君。キス、してくれる?」
「あぁ、いいぜ」
音無がゆりの体を抱きしめながら、ゆっくりとキスをしてくる。そのキスは、先ほどまで艦娘たちと激しく絡み合っていた時のそれとは大きく異なり、明らかに優しい。
舌をしっかりと絡めては来るが、艦娘たちとの時みたいに『ガツガツ』と貪られるような感じではない。
「(さっきは緊張してばかりで感じる余裕もなかったけど、キスってこんな感じなんだ……改めて思うけど、好きな人とのキスって、とってもいいわぁ……)」
そして同時に、音無の瞳がゆりの目に映る。その色は強く、どこか炎が宿っているようにすら見える。
もちろん、愛欲・肉欲もあるのだろうが、それだけではない『なにか』が見える。音無が自分に真剣に向き合ってくれているのだとゆりは思った。
或いは、そう信じたいだけかもしれないが。ゆりの心にゆとりが持てていると判断して、音無はゆっくりと舌を伸ばす。
ゆりも口を開いて音無の舌を受け入れる。さらに舌を絡め合い、互いの唾液を交換しつつ味わう。
「(ただの水より温くて、少しねっとりして、なんだか甘く感じる。絡め方が優しくて、こっちも舐め続けたくなる)」
10秒ほどディープキスを続けると、互いに『ぷはぁ……』と息を吐いて唇を放す。強烈なディープキスだったゆりは少し息が荒いが、音無は慣れたものだ。
そして見つめ合いを続けること10秒ほど。先に折れたのはゆりの方だった。
「ゴメンなさい。思ったより気持ちよくって、頭回らなくなるかも。私は本やネットの知識くらいしかないから、後はあなたにお任せしていいかしら?」
「構わないよ。俺も正直……色々限界が近い」
ゆりがチラリと股間を見ると、先程射精したはずのペニスは既に硬度を取り戻しており、しっかりとそそり立っていた。
まるで獲物を狙う蛇か亀のよう見えており、改めて目の前にすることでそのグロテスクさに思わずゆりは『ごくり』と唾を呑んだ。
「(うわ、もうあんなになってる……あんなすごいの、私の中に入るのかな……?でも、なんだろう。不思議とあまり怖くはないな……)」
思わずペニスをまじまじと観察するゆり。
すると、音無がヒョイとゆりを持ち上げ、お姫様抱っこ状態になる。
「(うおぉ!?音無君想像以上に筋肉質!やっぱ細身でも男の子なのねぇ~……うっ、皆がニヤニヤしてる……)」
横を『チラリ』と見れば、先程まで抱かれていた鈴谷や摩耶、天龍や妙高も寝転がりながらニヤニヤと笑っていた。
「やー、やっぱ提督はすごいよねー」
「ったく、ああいうところが反則なんだよなぁ……」
音無の了承を得て鈴谷に口枷を外してもらった天龍も羨ましそうに言う。
「天龍さんも、縛られたまま遠慮なしにバコバコされるとすごい顔しますよね」
「うるせぇ!妙高だっていつも提督にズコバコされて人様に見せられねぇアヘ顔晒してんだろうがっ‼」
「仕方ないでしょう。惚れた方にしてほしい抱かれ方をされて、おかしくならないわけないじゃないですか」
好き好きに言い合っているが、音無もゆりも互いしか見えていない……一応、耳には入っているのだが。
ゆりをベッドに寝かせると、ゆりは少しだけ足を開いた。
「じゃあ悪いけど……お願いできる?」
「あぁ」
音無がゆりの股間に顔を近づけると、ゆっくりと舐め始めた。
――ぴちゃっ、ぴちゅっ、ちゅぴっ……――
「んっ……くすぐったい、けど……それだけじゃない、気がする……」
「そうか?じゃあ、さらにっ」
舌を膣口から奥へ入れ、膣道をゆっくりと舐り始める。
「くうぅっ……なんだかビリビリするぅっ……」
「むぐっ……ちょっぴりあまじょっぱいような……不思議な感じだな」
言われたゆりは恥ずかしいらしく、顔を真っ赤にしながら『もう……』と顔を振っている。だが、音無はさらに奥へ舌をねじ込ませる。
「うぅぅっ……な、なにこれぇ……♡」
音無の舌が奥に入っていくにつれて、徐々にだがゆりの声に艶が交じり始める。その嬌声もまた、音無の心を昂らせる。
「ふっ、うぅっ……こ、これぇ……いぃ、かもぉっ……♡」
ゆりの蜜壺の奥からは、とろとろと愛蜜が溢れ出てくる。それはまるで、ミツバチを誘う花の蜜のようであった。
その愛蜜を舐める音無もまた、密に誘われるハチのような状態である。
「(っていうか、音無君の舌使い、うますぎない!?そりゃ、何人もの艦娘とエッチしてきたんだから経験豊富なんだろうけど……それにしてもっ……)」
ゆりはそんなことで頭の中がグルグルしつつ、『ビクン、ビクン』と体を震わせており、明らかに感じている。
「あっ、ちょっ、これっ……ダメッ、私……イっちゃうっ……‼」
――プシャッ、ピシャシャッ‼――
ゆりの股間から多量の潮が噴き出してしまう。音無の顔に潮がかかるが、彼は気にせずそれを舐め取っていく。
「ご、ごめん……かかっちゃった……」
「気にすんな。母乳や小便もしこたま浴びてきたんだ。今更だよ」
実はかつて、摩耶と初めてセックスした時、本番前に摩耶をクンニでイかせた際に摩耶が小便を漏らして音無の顔にひっかけてしまったことがあった。
その時には千歳に加えて天龍や龍田がいたこともあって、摩耶は恥ずかしさの余り、彼女に似つかわしくないほどワンワン泣いてしまったのだ。
そんな時、音無がそれを宥めたことがあったのだ。
それを思えば、どうということはない。
「もうっ……そんなこと言われたら、もっとシテほしくなっちゃうじゃないのぉ……」
ゆりはそのまま足を開いてる。つまり、『このまま続けてほしい』ということだ。
音無はペニスをゆりの股間に宛がうと、ゆっくり膣口を割る。
「あっ……は、入る、かしら……」
「大丈夫だって。これ、如月や大淀だって挿入ったんだからさ」
「そ、そうよねぇ……」
確かに先ほど目の前でズブズブと入っているところを見ていたが、どうしても不安が先に出てしまうのだ。
「ゆり。痛いかもしれないから俺にガッチリとしがみつけ。もし耐えられないなら、噛みついても引っ掻いてもいい。だから……」
音無は『ぐっ』とゆりの前に顔を突き出した。
「お前のこと、抱かせてくれ」
強い言葉。しかし、その中には間違いなく優しい色が見える。その瞳を見たゆりもまた、胸を『キュン』と高鳴らせた。
そしてその心の中で、深く思っていた。
「(あぁ、そうだった。音無君は普段、ツッコミばっかりで苦労しているように見えるけど……すごく芯の強い人、なんだよね……一度『こうだ』って決めたら、真っ直ぐにそこへ突き進むことができる……すごく、眩しいのよね)」
そう思うと、自然と受け入れたいと思えるようになっていた。
「えぇ。私の方こそ言わせて。私を抱いて、音無君」
音無は改めてゆりを押し倒すと、ゆっくりのしかかっていく。
そして、遂にゆりの膣内にペニスが挿入った。亀頭が膣口を押し広げて、ゆっくりと侵入していく。
「んっ……」
そして、途中で膜らしいものを確認した音無は、一瞬止まったと思った瞬間に奥へ『グッ』と押し込んだ。
――ぷつっ……!――
「ぐっ……ったぁっ……」
ゆりの目端から涙が零れ、思わず音無の背中に爪を突き立てた。少しだが、音無の皮膚から血が流れ出す。痛みを感じると同時に、ゆりは指先に付いた血の湿り気を感じる。
「ごっ、ゴメンっ……痛い、よねっ……」
「気にすんな。お前が今味わっている痛みに比べりゃ、俺が血を流すくらいはどうってことないさ」
だが、よく見れば音無の額にも汗がじんわりとにじんでいる。いくら強がっても痛いものは痛いはずだ。
自分を気遣ってくれているということに、ゆりはまた嬉しくなってしまう。
「(もうっ、そんなこと言われたら『痛い』なんて言えないじゃないのよっ……でも、嬉しい、わね)」
すると、千歳がゆりの横に寝転んだ。そして、自分の乳房を差し出してくる。
「ゆりさん。私のミルクをもう少し飲んでください。痛みが和らぐかもしれません」
「あ、ありがとう。いただくわ」
『あむ』と乳首を咥えると、ゆっくりと母乳を吸い出し始める。少しずつ染み出す母乳を飲むと、本当に段々と痛みが薄れていく気がした。
そんなゆりを見ながら、音無もピストンを少しずつ開始する。
「悪いなっ。俺の方も我慢の限界なんだっ」
「んっ、むっ、んんっ……」
ゆりはやはり痛いらしく、目の端から涙を流したままだ。
「(なにこれ!?すっごく痛いんだけどぉ!?股間が裂けるかと思ったぁっ……‼)」
膜のあった辺りはじんじんしていてかなり痛い。一部の艦娘も破瓜の痛みがあったというが、果たしてどうだったのかと思ってしまう。
「ゆり、すまないっ」
音無も本当はゆりのことを心配しているのだが、ゆりの膣内の締め付けの強さからもたらされる快楽で性欲が強くなり、どうしても腰が動いてしまうのだ。
そして、ゆりもそんな音無の想いが分からない女ではなかった。
「きっ、気にしないでっ。わっ、私のことは、いいからっ……まずは、あなたが気持ち良くなって、いいからっ……」
元々ゆりはリーダーでありながら、『天使』ことかなでと戦うために最前線で銃器や刃物を振り回す根性を持つ女であった。
なので、気遣ってくれる音無の方が先に気持ち良くなってほしいと思ったのだ。
「(初めては痛いばっかりだったってユイも言ってたし……最初はぶち込まれる精液の感触を精々覚えてやるわっ。そして……次があったら、もっと気持ち良くしてもらうんだからっ……)」
『ズン、ズン』と突き込まれるペニスの感触は強いが、残念なことにまだ痛みと違和感の方が強い。
ゆりも成人向け漫画などを読み漁ったことがあるくらいで、本物の男のペニスを見たのは今日が初めてである。先日の一件で黒野提督の情けないものを見てはいるが、事件の経緯を見守ることが優先だったのであまり記憶に残っていない。
強いて言えば、最近はオータムクラウド先生のウス=異=ホンの影響で通常のエロ及びBLエロ同人も読むようになっていたが、それでも秋雲本人が『本物見たことないんだよねー』と言っているため、リアリティというものはよく分からない。
おまけに、見たことのある作品とは比べ物にならない巨根が自分の膣内を引っ掻き回しているのだ。違和感をすぐに無くせというのが難しい。
そんなことを考えていると、音無の顔が辛そうに歪んできた。
「(もしかして……射精したいの我慢してる?……そういえば、オチンチンあたしの膣内(なか)で膨らんでるっ……)」
「ゆり、俺、そろそろっ……」
本音を言えば、まだゆりは全然気持ち良くなっていない。それどころか、痛みと違和感もあって結構キツイのだ。
しかし、音無に気持ち良くなってもらいたいと思うのも事実。
だから、こう告げるしかなかった。
「いい、わよっ。あたしの膣内(なか)っ、音無君でいっぱいにしてちょうだいっ‼」
「じゃあ、悪いけど……射精るぅっ!」
――びゅるるるるるるるるるるっ‼どびゅるるるるるるるぅぅぅぅぅぅっ!――
「ぐううううぅぅぅぅぅっっっっ……あっ、あっ、ドクドクきたぁぁっ……お腹の奥、あっついのでいっぱいになってええぇぇっっっっ……」
自分の体の中に注がれた未知の感触に快感どころか、ぞわぞわとした妙な感触でゆりの中が満たされる。
音無もゆりが初めてということもあってできるだけ小出しにしたいようだが、それでも生物離れした量の精液はゆりの下腹部を少しずつだが膨らませていく。
腹を内側から押し広げられると、当然ながら筋肉も無理矢理拡張されて痛みを生じることになる。
先だって千歳からたっぷりと艦娘燃料である母乳を飲ませてもらっていたことが幸いしたのか、子宮の許容量と柔軟性は明らかに増大しており、それなりに受け入れることができていた。
それでも、射精される度に膣とペニスの隙間からゴプゴプと精液が漏れていく。
「(か、艦娘の皆は初めてでも気持ちよくなれたっていうのに……ダメ、こんなんじゃ音無君に気を遣わせちゃうっ……)」
しかし、痛みと違和感もあってゆりはポロポロと涙を流すことしかできない。
「うっ、うっ、うっ……ごっ、ゴメン音無君……わ、私……」
「謝るなよ。本来は男女の初めてのセックスっていうのはこういうもんじゃないかな?むしろ、俺ばっかり気持ちよくなっちまったからな。謝るのは俺の方だよ」
やはり気を遣わせてしまった。ゆりとしては余計なことを考えてほしくなかったのだが、土台無理な話だったのだ。
もっともそうは言いつつも、音無がゆりの膣からペニスを引き抜くと、傍らにいた千歳を押し倒して挿入した。
やはり、中途半端な射精ということもあって満足しきれなかったらしい。
「ああぁぁぁぁっんっっっ♡提督の主砲チンポぉぉっっ♡やっと来てくれましたぁっ♡」
呆気なく膣でズブズブと音無の巨根を受け入れてあっという間に乱れる姿に、ゆりは羨ましくなってしまう。
「(慣れもあるんだろうけど……それにしてもあんなエロい顔できるなんて……うぅ、私も早くあんな顔してみたいわ……)」
やはり音無はゆりに気を遣ってかなり我慢していたようで、千歳の膣をズボズボと貫いている。
――ずちゅっ、ぬちゅっ、ぐじゅっ‼――
「あんっ、あんっ、あんっ、ずっとこれ、欲しかったんですうぅっっ♡」
「悪い千歳!正直、色々中途半端になっちまったんだ‼ゆりも悪い‼まるでお前のおマンコが気持ちよくなかったみたいなことになっちまって!」
目がまだ肉欲に満ちてはいるものの、やはりゆりを気持ちよくできなかったらしいことに対する申し訳なさもあったらしい。処女だったゆりにかなり気を遣っていたのは間違いなかった。
そんな言葉を聞かされて、怒るほどゆりも狭量ではない。
「い、いいわよ……その代わり、『次』があったら、ちゃんと気持ち良くしてもらうんだからっ……ちゃんと『次』、してよねっ」
ゆりからの強い意志が感じられる『予約』に、先ほどから寝転がっていた加賀や鈴谷たちも笑っている。
「その意気ですよ、ゆりさん」
「うんうん。提督ならちゃーんと次は気持ち良くしてくれるよっ♪」
そして、目の前に千歳に没頭しているとはいっても、ゆりの言葉を聞き逃す音無ではなかった。
「あぁ、わかった。今度があれば、ちゃんとイカせてやるよっ!」
――ぶちゅっ‼――
「んひいいぃぃぃっ、しゅごいのキタアァァっっ♡子宮口ごんごんされてるうぅぅっ♡もっともっとぶちこんでくだしゃいぃぃぃっっ♡」
時間にしてしまえばゆりや他の皆と比べても明らかに短いが、音無はあっという間に興奮の頂点に達してしまう。
「千歳っ……射精るぅっ!」
――どびゅるるるるるるるっ!びゅうううううぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ‼――
「んあぁぁぁぁぁっ‼……すごいの来てるぅぅぅぅっ♡提督のざーめんんんんんっ♡千歳のおマンコにドバドバきてりゅうううぅぅぅぅっ……♡」
千歳のほっそりしていた腹は水道に繋いだ風船のごとく膨れていき、あっという間にパンパンになっていった。
「あっ、あひいぃっ……♡提督ぅ……しゅごいぃぃぃぃ……♡」
だが、そのアヘ顔を含めて全力で乱れた姿は、まだ音無の中に残っていた欲情をさらにかきたてる結果となった。
そんなぐったりと倒れた千歳を前に、音無はさらに昂りながら彼女の肢体をがっつりと貪るのだった。
その後も、加賀や翔鶴から度々補給を受けながら待っていた摩耶が音無の腰に跨り、Scharnhorstとぶつかり合いをして、陸奥のおっぱいに主砲を格納して扱き、大淀のアナルを責めるなど、ゆりが眠る直前まで宴は続くのだった。
その頃、別の部屋では音無の親友、日向が愛する彼女のユイと共にベッドに入っていた。
2人は布団こそ被っているが全裸であり、粘液の痕やキスマークなど、激しく絡み合っていたらしい痕跡も多々見られる。
「え、じゃあ……ゆりっぺさんが遂に音無センパイと!?」
「あぁ。あのゆりっぺがって思うと、なぁ……色々感慨深いぜぇ」
日向はゆりが『死んだ世界戦線』を立ち上げた時からの最古参である。最初は本当に『2人きりの戦線』だった。
そこから大山や野田、チャーや椎名と言った様々なメンバーが増えていき、男女を問わないその姿勢で初期のメンバーを幹部としつつ戦線を構築した。
そしてチャーの指導の下にギルドを設立し、地下での武器量産という方向性に走っていき、『天使』こと立華かなでと本格的に戦うようになった。
「あいつはこれまでずっと1人だった。アイツの心に寄り添えるような奴は……1人もいなかった。多分、俺もだろうな」
卑下する日向をユイが『そんなこと……』とフォローしようとしたが、そう言いたい一方で確かに音無が現れるまで戦線は膠着状態だったことを思い出す。
結局、音無がかなでとの和解を訴えるまで、誰もが彼女のことを『天使』、『神の遣い』と信じて疑っていなかった。
彼女を見定めるために傍にいた直井文人ですら、だ。
そのため、立華かなではずっと孤独だった。満足して逝ってしまう者以外には理解されず、消えていけば当然残るのは彼女の想いを理解できない死んだ世界戦線のような者たちばかりとなる。
結局、満足した者から消えていってしまうことから、当然ながら彼女を心から支えてくれるような存在はいなかった。
そんな状況を変えたのが、音無だったのだ。
ゆりを含めて、その変わっていく状況を受け入れたことで戦線メンバーは満足し、新たな人生を歩むことを決めた……はずだった。
そう思っていたら当のかなで以外がまとめて転生し、再び戦いに身を投じることになってしまうとは皮肉以外の何物でもなかったが。
そんな中でゆりは改めて音無結弦という男が艦娘たちと共に戦い、歩む姿を見て、彼に対して強い好意を抱くに至った。
「でも、いいんだ。ゆりっぺはずぅっと俺たちのために頑張ってきてくれたんだ。これからあいつが我がまま言ったって、罰は当たんねぇだろ」
「そうですよねぇ……ゆりっぺさん、かなでさんとは全く別の形でひとりぼっちだったんですから……そう考えると、音無さんと一緒になれるのは一番いいんじゃないかって思います」
日向はユイを抱き寄せると、耳元で優しく『あぁ、その通りだ』と呟いた。
「俺はゆりっぺに恋心こそい抱いたことはなかったけど……ある意味家族みたいな感じで大事な奴だって思っていた。そんなゆりっぺが音無のことを好きになって、結ばれるんならそれが一番さ。まぁ、音無が今や豊臣秀吉や徳川家斉みてーな歴史上の女好きたちもビックリのハーレム王になっちまっている辺りはゆりっぺもどう思っているのかどうかは分からねぇけど……ま、音無なら上手く立ち回るだろうな」
すると、ユイが不安げな表情で日向の顔を見る。ついでに、転生して数か月以上が経過してぺったんこだった時期に比べれば若干大きくなった胸を押し付ける。
「ひなっちセンパイは……艦娘の子たちとエッチなこと、しないですよね……」
「え?」
音無と艦娘たちを見ていて嫉妬はみっともないものだとはわかっているらしいユイだったが、それでもユイには日向しかいない。
それもあって、ユイとしては副提督であっても日向と艦娘に深い関係になってほしくなかったのだ。
そんなユイのヤキモチが分からない日向ではない。
『大丈夫だよ』と言うと、ユイの頭をゆっくりと撫でながらその小ぶりながら肉付きのいい尻を抱き寄せる。
「こう言っちゃお前に怒られるかもしれないけど、俺は音無と違ってお前1人で手いっぱいだ。他の女の子に浮気する余裕なんてね~よ」
実を言えば艦娘たちと深い仲になることに興味がないと言えばウソになる。
だが、それでユイを泣かせてしまうかもしれないということを天秤にかければ、日向にとってどちらが大事なのかは明白だった。
その日向の本心を聞いたユイは『えへへ……』と言って日向の胸に顔を埋めた。
「ごめんなさい、ひなっちセンパイ。アタシ……めんどくさくて重い女で」
「気にすんな。ある意味ゆりっぺもそうだけど……男にはちょっとくらい重い女の方がいいって聞くぜ」
「どこ情報ですか」
そんな軽口を叩き合うが、ユイの心は明らかに先ほどよりも晴れ晴れとしていた。
差し込む月明りに少し影が差したように思って空を見上げると、夜間哨戒中の『月光』の姿が見えた。
「……いつ見ても思うけど……あれ、ホントにヤベーよな」
「そーですよねー……でも、あれで戦闘力はメッチャ高いって言ってましたよねー」
「の割にはよく撃墜されてる気もするけどな」
以前夜間奇襲を受けた際にも多数の敵機と渡り合って撃墜されたことがあった。もっとも、撃墜されても妖精の方は不死身なようでなんの問題もなく着地していた。
やはり元となった月光刑事・美茄子刑事同様、生命力はゴキブリ並みのようだ。
彼らは洋上の哨戒をしている存在なので、こちらを見ているとは思えないが、なんとなく見られているような気がする。
「……あいつらに見られてるかもしれねーけど、まだするか?」
「いいじゃないですかっ。ユイたちのイチャイチャ、見せつけてやりましょーよ♡」
夜はまだまだ続く。それぞれの想いを乗せつつ……。
最後のはオマケです。
ユイにゃんファンの皆様、想像と妄想の用意を